賢者の石と緑の目の少女編での、注意事項を
10話の前書きに、のせております。
そちらの注意事項を、よくお読み頂いてから
先へとお進みください。
厳しめ、原作改変、独自設定、独自解釈、独自展開など
多数です。
その為、何でもあり、大丈夫、な方のみ
お進みください。
今回はスネイプ教授視点です。
それではどうぞ!
▷視点、セブルス・スネイプ
7月の終わりにリリローゼを連れて、
新学期のための買い物にダイアゴン横丁へと行った時、
ルシウスの息子の、ドラコだけでなく
リリーの息子にまで、会ってしまった。
リリーの息子は、
正直、痩せて顔色も悪く、
メガネも壊れている上に、服もダボダボ、
(吾輩の雰囲気に、怯えていたという可能性も否定はせんが、
それにしても、あの惨めさは何だ)
リリーの姉、
あの下劣で狭量なマグルの女(ペチュニア)が、
リリーの血を引く子供をどのように扱ってきたか、
想像するだけで虫酸が走る。
・・・いや、吾輩があの子供の境遇に憤る必要などない。
あやつはジェームズ・ポッターの息子なのだからな。
親の行いが子に報いたのだ。
だが、リリーの遺した血が、
マグルごときに虐げられているという事実は、
吾輩を酷く不快にする。
今日から新学期であり、
リリーの息子も、リリローゼもホグワーツへの入学だ、
(ホグワーツ特急などでリリローゼが、
リリーの息子と関わらないと良いが)
リリーの息子は、
闇の帝王の残党や潜伏する、
デスイーター達に狙われることは、確実だろう、
ただでさえ、
吾輩の娘という立場で、
目をつけられる可能性のある、
リリローゼがリリーの息子と仲良くなろうものなら、
・・・フン、考えたくもない、
ホグワーツに戻り、
クィレルが復帰
(闇の魔術に対する防衛術の講師に着任するための
遊学から帰還)したのを確認したのはいい、
しかしあの、
妙なターバンや態度の悪化
(どもりや怯えの増加)を見ると、
クィレルはおそらく闇の魔術に魅了されたか、
闇の陣営に取り込まれたのだろう、
なるほど、だからダンブルドアは
先程吾輩にクィレルを見張るように言ってきたのか。
何故わざわざリリーの息子が入学する今に、
賢者の石をホグワーツで守る必要があるのか、
謎であったが、
クィレルのような小者を罠にかける為であったのか、
あの老人も、底意地が悪いものだ。
そろそろ新入生の入場と組み分けだな。
リリーの息子はおそらくグリフィンドールだろう、
リリローゼはどうなるか、できたらスリザリンだと、
吾輩が直接見てやれるからな、
スリザリンであることを願おう。
重厚な大広間の扉が開き、
マクゴナガルに先導された新入生達が、
居並ぶ4つの長テーブルの間を歩いて
上座へと近づいてくる。
吾輩は肘掛け椅子に深く腰掛けたまま、
その一団の中に、
新しいホグワーツの制服を纏った我が娘
――リリローゼの姿を見つけ出した。
艶やかな黒髪、そして吾輩に瓜二つの神経質そうな造形。
そしてリリーと同じ美しい緑の目、
周囲の喧騒に気圧されることなく、
歩くその姿に、ホグワーツ特急での移動も、
あの子なら大丈夫だとは思っていたが、安心する。
あの子がこちらに視線を向けた。
吾輩は努めて冷酷な寮監の顔を崩さなかったが、
あの子の美しい緑の目が真っ直ぐに
吾輩を捉えた瞬間、
愛おしさが胸を満たしていくのを抑えきれなかった。
スツールの上に「組み分け帽子」が置かれ、
マクゴナガルが長い羊皮紙を
広げて名前を呼び始める。
次々と新入生が呼ばれる
ルシウスの息子であるドラコは、
帽子をかぶったかどうかという状態で
『スリザリン!』と叫ばれ、満足げに席へと向かった。
「ポッター、ハリー」
名前が呼ばれた瞬間、
大広間がひそひそ声に包まれる。
スツールに腰かけたリリーの息子を、
吾輩は教職員席からじっと凝視した。
あのジェームズ・ポッターに生き写しの
傲慢な顔立ち。
だが、その前髪の奥にある稲妻の傷、
そして何よりあの子供が持つ目。
――リリーの目だ。
その顔の造形への激しい憎悪と、
それ以上に凄絶な罪悪感が吾輩を責め立てる。
帽子はしばらく思案したあと、
大広間に響き渡る声で叫んだ。
『グリフィンドール!』
割れんばかりの拍手の中、
ポッターが赤と金のテーブルへと向かう。
予想通りだ。あやつはリリーの息子であると同時に、
あの忌々しいポッターの血を引く男なのだからな。
吾輩は密かに、
あの日、
リリーへと誓ったあの守護の贖罪を胸の奥で反芻した。
だが、感傷に浸る時間はなかった。
「スネイプ、リリローゼ」
マクゴナガルの厳格な声が
大広間に響いた瞬間、
上級生を中心に、広間全体が水を打ったように静まり返り、
次いで波のような囁き声が広がった。
無理もない。吾輩の娘が存在するなど、
見かけたことのあるルシウスと、
くわしくは話していないものの
報告したことのあるダンブルドア以外、
誰一人として想像すらして
いなかっただろうからな。
吾輩は思わず椅子の背から身体を起こし、
スツールへと向かって一歩を踏み出す我が娘を、
祈るような、そんな思いで見つめた。
あの子がスツールに腰掛け、
大きな尖った帽子がその頭へと下ろされる。
吾輩の放った開心術(レジリメンス)
すら力技で引き千切った、
あの驚異的な精神の盾(リリーの守護の可能性が高いが)、
あの老いぼれた帽子が、我が娘の内面を覗き見たら、
一体何と審判を下すのか。
頼む、スリザリンへ来い。
吾輩の手の届く場所へ。
ほんの数十秒の間が、今までの人生の中でも、
長く、息苦しい時間に感じられた。
そして――組み分け帽子が、
大きく口を開けて大広間にその名を轟かせた。
『スリザリン!』
――あぁ。吾輩の口から、
誰にも聞こえぬほどの微かな、
深い深い安堵の吐息が漏れ出た。
スリザリンの長テーブルから
盛大な拍手と歓声が湧き起こる中、
リリローゼが満面の、
笑顔を浮かべてこちらを振り返った。
吾輩は憮然とした厳しい表情を崩さぬまま、
けれどあの子にだけは伝わるよう、
そっと目の奥を和らげた。
リリーの遺伝子で創ってしまった、
吾輩の罪の証でありながら大切な光。
吾輩は我が娘の、
緑のネクタイを締めることになる
その小さな背中を見つめながら、
改めて心の中で誓いを新たにする。
リリローゼ。吾輩が必ず、
お前も、リリーの息子も、
闇から守り抜いてみせる、と。
いつもお読みいただきありがとうございます。
実は書き貯めがかなりできまして、
なので更新日を一日増やそうと思います。
現在は月曜日と木曜日に、
更新させていただいてますが、
今週からは木曜日をやめまして、
月曜日と水曜日と金曜日に
更新いたします。
これからも、私の拙い作品をお読み頂ければ
嬉しいです。
失礼します。