あらすじにも書きましたが、
色々捏造など多数です。
タグが足りなかったり、注意が足りない可能性もあります。
その為、何でも有りな方のみ、お進みください、
スネイプ教授への夢フィルターがかかっています。
読んだあとに、何かあっても責任はとれません。
それではどうぞ
▷視点、ホムンクルス
ズキン、ズキンと、どこかに強くぶつけたらしい頭が酷く痛む。
鉛のように重いまぶたをどうにか持ち上げると、
おぼつかない視界の向こうに、
見たこともない生物が心配そうな顔をして立っているのが見えた。
大きな、コウモリのような耳。
テニスボールほどもある大きな目。
その奇妙な生き物は、ボロ布のようなものを身に纏い、
身体を震わせている。
「お嬢様、頭をおぶつけになられたのです、
ミリスはご心配なのです」
その生物が発した言葉は、
私がよく知る日本語ではなかった。
それでも、なんとか単語を拾ってみる。
(……何があったの?)
混乱する頭で、どうにか記憶の糸を手繰り寄せる。
目を覚ます前、
私は確かに自室のベッドで風邪をひいて寝ていたはずだ。
意識が朦朧とするほど熱が高くて、
起き上がることもできなくて、
どうにか枕元のペットボトルから水分を取った……そこまでは、はっきりと覚えている。
けれど、いま私の視界に映っているのは、
見慣れた自宅アパートの安っぽい白い天井ではなかった。
ひんやりとした、重厚な石作りの天井。
ゆっくりと首を巡らせてみても、
周りの壁もすべて薄暗い石作りで、まるでヨーロッパの古い民家の地下室か何かのようだった。
激しい頭痛に耐えながら、
私はどうにか思考を落ち着かせ、目の前の生物をじっと観察した。
(……待って。この生き物、どこかで見たことがある)
記憶の引き出しをひっくり返す。
そうだ、前世で見た大ヒット映画
『ハリー・ポッター』。
そこに登場した、
あの健気で少しお節介な「ドビー」という屋敷しもべ妖精に、驚くほど酷似しているのだ。
(まさか、ね……。
それにしても、あの生き物はひどく動揺して今にも泣き出しそうだわ)
自傷行為(映画でドビーもしていた)でも始めかねない勢いのミリス?
(おそらくは彼女の名前だろう)
を前に、
私はとりあえず
「大丈夫よ」
と言って安心させてあげようと、口を開いた。
「ぁ……う……っ、あい……あむ……ふぁいん……?」
しかし、その口から飛び出してきたのは、
自分がよく知る、42歳独身女ののんびりした声、では到底なかった。
自分の意思とは裏腹に、舌が上手く回らない。
部屋に響いたのは、たどたどしく、
鈴を転がすような愛らしい幼児の――それでいて、妙に気品のある英語だった。
(えっ!? いまの声、誰!?)
驚いて自分の口元に手をやろうとした私は、
視界に入ってきた
自分の手を見て、今度こそ完全にフリーズした。
そこにあったのは、白く、小さく、ぷにぷにとした、明らかに幼い子供の手だったのだ。
42年間付き合ってきた大人の女性の骨張った手の面影はない。
小さくて、まるで紅葉(もみじ)のような幼児の、
あまりにも愛らしい手だったのだ。
私がその小さな手を見つめて言葉を失っていると、
目の前の屋敷しもべ妖精――ミリスが、
テニスボールのような目をさらに見開いて慌てふためき始めた。
「大変なのです、お嬢様が変です、
ミリスは旦那様にお伝えするのです!」
まるで機関銃のような早口の英語。
前世(?)の拙い英語力では半分も聞き取れなかったが、彼女がパニック状態で部屋を飛び出していったことだけは理解できた。
パタパタという足音が遠ざかり、再び静まり返った地下室。
私は冷たい石床に座り込んだまま、
ただ呆然と自分の小さな手を見つめるしかなかった。
(風邪で寝込んでいたはずなのに……。
幼児化? 異世界転生? うそでしょう……)
どれほどの時間が経っただろう。
先ほどミリスが飛び出していった木製の重いドアが、
不意に、乱暴な音を立てて開いた。
そこに立っていたのは、憮然とした表情で、見るからにイライラした空気を全身から纏っている長身の男だった。
黒い夜の帳(とばり)をそのまま切り取ったような、
長い漆黒のローブ。
すっと通った高い鼻筋に、全てを見通すような底のない黒い目。
(あ……)
私は、その男の姿を嫌というほど知っていた。
前世で何度も繰り返し見た映画
私の最推し。
孤高で、傲慢で、けれど、
愛に生き、愛に狂い、
愛にすべてを捧げ、
愛する人の子供であるハリーを最期まで命がけで守り抜いた、
『愛の殉教者』。
――セブルス・スネイプ教授が、そこに立っていた。
スネイプ教授の低く皮肉げな、
けれど滑らかなビロードのように美しいバリトンボイスが、私の鼓膜を震わせた。
「まったく、吾輩は仕事の準備で忙しいというのに、あの器に何があったというのだ。ミリス、説明しろ」
抑揚を抑えた、冷酷な早口の英語。
今の私の拙い英語力では何を言っているのか正確には分からなかった。
けれど、スネイプ教授が、
【ひどく不満である】
と顔全体で示していることだけは、嫌というほど理解できた。
(う、うそ……。本物……?
本物のセブルス・スネイプ……!?)
前世で、映画館や自宅の画面越しに狂ったように眺めていた私の人生の最推しが、
いま、1ミリの狂いもなく目の前に立っている。
髪の毛だって、原作の描写ほど油ぎってなんかいない。
すっと通ったシャープな高い鼻筋、
すべてを拒絶するような圧倒的な陰のオーラ。
思考が完全にホワイトアウトした。
幼児化だの転生だのという現状の恐怖など、
推しを目の前にしたオタクの衝動によって一瞬で消し飛んでしまう。
感動のあまり胸が締め付けられ、
熱いものがこみ上げてきた私は、前世でオタク仲間たちといつも呼んでいた、
あの親愛を込めた愛称を、
幼児のたどたどしい声でポロリとこぼしてしまっていた。
「(きょうじゅ……)――プロフェッシャー……!」
そのまま推しを見つめる。
その瞬間、
イライラと憮然とした表情を浮かべていたスネイプ教授の黒い瞳が、これまでにないほど激しく見開かれた。
濁点とか列の切り替えが
雑かもしれません。
見づらかったりしましたら
優しく教えてください
しつこいですが優しくお願いします。