賢者の石と緑の目の少女編での、注意事項を
10話の前書きに、のせております。
そちらの注意事項を、よくお読み頂いてから
先へとお進みください。
厳しめ、原作改変、独自設定、独自解釈、独自展開など
多数です。
その為、何でもあり、大丈夫、な方のみ
お進みください。
それではどうぞ!
今回、前半オリ主、後半キャラ視点です。
▷視点、リリローゼ、
いよいよ、ハロウィーンの朝となった。
私はいつもより早めに起きて、これまでに書き込んでおいた紙束を広げ、今日起きる出来事を確認していた。
(大広間でハロウィーンパーティーの最中、クィレル先生が飛び込んできて『トロールが入ってきた』と叫んで騒ぎになる。ハーマイオニーの不在に気づいたハリーとロンが探しに向かい、トロールを倒す。そして……教授がフラッフィーに噛まれて足をケガする……)
――分かってはいたのだ。この『賢者の石』の物語において、教授が悪役みたいな立場なのも、ここでケガをしてしまうことも。けれど、娘である私としては、お父さんが痛い思いをするなんて絶対に嫌だった。そんな風にあれこれと考えこんでいるうちに、朝食の時間がやってくる。
それから午後の授業もすべて終え、大広間へと向かって歩いていると、名前は忘れてしまったけれど、グリフィンドールの女の子たちが噂話をしているのが聞こえた。ハーマイオニーが、トイレで1人で泣いていたらしい。ハリーとロンもその近くにいたようだったが、そのまま大広間へと向かっていった。
私はその女の子たちに声をかけ、ハーマイオニーがいるというトイレの場所を聞き出すと、すぐさまそこへと向かった。私は数時間後、自分のこの猪突猛進ぶりに頭を抱えることになるのを、この時はまだ考えもしていなかった。ただ、ハリーとロンへの文句を頭の中で考えながら、一目散に2階の女子トイレへと向かっていった。
かすかにする泣き声を辿り、個室のドアをノックする。
「ハーマイオニー? ここにいるの?」
「……ローゼ? 申し訳ないけれど、1人にして」
「ハーマイオニー、何があったか知らないけれど、1人はダメよ。1人は余計に気持ちが暗くなるんだから」
私はゆっくり、ハーマイオニーを個室のドア越しに慰めていた。最初は泣き声と鼻をすする音が返ってくるだけだったが、私は根気強く慰めた。どんなに優秀でも、この子はまだ11歳の子どもなのだ。それも、今までの常識とはまったく違う魔法世界に来たばかり。
私は原作のイベントや、ハリーとロンのことばかりに気を取られて、彼女のことを気にするのを忘れてしまっていたと深く反省していた。
それなりに時間が経った頃、個室のドアが静かに開き、真っ赤になった目をこすりながらハーマイオニーが出てきてくれた。私は彼女の背中を優しくさすりながら、自分のハンカチを渡そうとした――。
――その、瞬間だった。
ゴトン。ゴトン。
外の廊下から、思わず鼻が曲がりそうになるほどの酷い悪臭と、地響きのような重い足音がこちらへと近づいてきていた。私は青い顔をしながらその不穏な音の方へ顔を向ける。ギィィ……という、トイレのドアが重く開く音が響いた。そこには、巨大な灰色の怪物が、丸太のような太いこん棒を床に引きずりながら姿を現した。
――トロールだ。
「きゃあああああーーーっ!!」
すぐ隣で、ハーマイオニーが恐怖のあまり悲鳴を上げて壁際にへたり込んでしまう。トロールのあまりの大きさに絶句しつつも、私は右手に杖を構えトロールへと向けた。
「エクスペリアームズ(武器よ去れ)」
武装解除呪文を唱え、トロールの太い手からこん棒を勢いよく弾き飛んだ。武器を失ったトロールは、激昂したようにそのまま素手で私たちに襲いかかってくる。
「プロテゴ(護れ)!」
必死に展開した盾で身を守りながら、私は心の中でハリーたちの到着を待った。盾の呪文でハーマイオニーを守りながら猛攻に耐えていると、トイレのドアが凄まじい衝撃音と共に粉々に吹き飛んだ。私がそこを見ると私の父、スネイプ教授が怒りと恐怖で顔を真っ白にしてそこに立っていた。
私が驚いていると、
「セクタム・センプラ(神鋒無影)」
という教授の声とともに、トロールは目には見えない刃で切り裂かれ、鮮血を噴き上げながらその場に崩れ落ちた。私が呆然としていると、教授に肩を激しく揺らされ、そちらへと意識を向ける。
「リリローゼ、無事か? ケガは?」
「だ、大丈夫……お父さん、なんで私がここにいるって、分かったの?」
私が青い顔で震えながらそう言うと、ちょうど吹き飛んだドアの向こうから、ハリーとロンが驚いた顔で私たちを覗きこんでいた。
▷視点:セブルス・スネイプ
今日はハロウィンであり、朝起きてからカボチャや菓子の甘ったるい匂いが、あちこちを漂っていた。甘いものは嫌いではないが、こうも匂いが充満すると落ち着かん。夜になり、大広間はハロウィンの飾り付けの中、1000匹ものこうもりが壁や天井を飛び回り、急降下したりして、カボチャのランタンの中の炎をちらつかせていた。
夕食が始まり、みなが食事を進めている中、吾輩はスリザリンのテーブルを見るもリリローゼが見当たらない。そう考えていると、クィレルが大広間に駆け込み、ダンブルドアの前のテーブルにもたれかかりながら声を上げた。
「トロールが……地下室に……お知らせしなくては……」
そう言った直後、その場にクィレルは気絶したように倒れこみ、大広間は一瞬にして大混乱に陥った。しかし、ダンブルドアが杖から大砲のような大きな音を出して全員を落ち着かせ、各寮の監督生たちに生徒たちを寮へ連れて帰るよう指示を出す。
吾輩は、意識の半分では『賢者の石』の様子を見てこなければという思考と、もう半分ではリリローゼが危ないのではないかという不吉な予感に混乱しつつ、大広間の出入り口へと向かっていた。そんな時、近くを通りがかったリリーの息子と1年のウィーズリーが、何やら焦った様子で話しているのが耳に入った。
「大変だ、ローゼとハーマイオニーはトロールのことを知らないよ!」
「ローゼ?」
「気づかなかった? パチルたちが、ハーマイオニーが2階のトイレで泣いていたって話していたことを、ローゼが聞いていたみたいだし、夕食中も2人は席にいなかったよ」
それを聞いた吾輩は、すぐさま2階の女子トイレへと向かって全力で走り出していた。吾輩のあとを追うようにリリーの息子達もやってくるが、そんなことを気にしている余裕すらなくした吾輩は、出せる限りのスピードで廊下を駆け抜け、2階の女子トイレへと到着する。心臓が、これまで経験したことのないほど激しく、不快な音を立てて拍動していた。
(頼む、無事でいてくれ、リリローゼ……!)
女子トイレの前にたどり着いた瞬間、吾輩の鼻腔をトロール特有のあの悍ましい悪臭が突いた。それと同時に、内側から激しい破壊音と、少女の悲鳴が聞こえてくる。その声が耳に届いた瞬間、吾輩の頭の中から、賢者の石のことも、ダンブルドアの計画も、すべてがどうでもよくなった。
「――ボンバーダ(爆破せよ)!!」
吾輩は怒号と共に杖を突き出し、行く手を阻む木製のドアを粉々に吹き飛ばしながら、焦りと怒りを纏ってトイレの室内へと踏み込んだ。中に入って見た光景に、吾輩は己の目を疑った。
行く手を阻む瓦礫の向こう、リリローゼがホグワーツに入学して3ヶ月も経っていないと言うのに、完璧な『プロテゴ(護れ)』の障壁を展開し、あの巨体の猛攻から必死に身を守っている姿が視界に飛び込んできたのだ。我が娘にその醜悪な手を伸ばそうとする怪物を前に、吾輩の冷徹な仮面は完全に消し飛んだ。
「――セクタム・センプラ(神鋒無影)!!」
地を這うような、低い呟きと共に杖を振る。吾輩の放った不可視の刃がトロールの巨体を激しく切り裂き、鮮血を噴き上げながら、その場に崩れ落ちる。吾輩は呆然としているリリローゼの元へ大股で駆け寄り、その小さな肩を強く揺さぶって、意識をこちらに向けさせた。
「リリローゼ、無事か? ケガは?」
「だ、大丈夫……お父さん、なんで私がここにいるって、分かったの?」
青い顔で震えながら見上げてくる我が娘。その確かな無事を目で確認し、吾輩はようやく、落ち着いた。ふと視線を破片の散らばる出入り口へと向けると、ちょうど吹き飛んだドアの向こうから、リリーの息子と1年のウィーズリーが、信じられないものを見たような顔で吾輩たちを覗きこんでいた。
決定的な原作改変です。
オリ主は時間を見つけては、必要の部屋で呪文の練習をしている上、転生特典の本人無自覚な成長速度の影響で1年生では使えない呪文も使えます。
それでは読了ありがとうございました。
次話もお読み頂けますと嬉しいです。
失礼します。