賢者の石と緑の目の少女編での、注意事項を10話の前書きに、のせております。
そちらの注意事項を、よくお読み頂いてから先へとお進みください。
厳しめ、原作改変、独自設定、独自解釈、独自展開など多数です。
その為、何でもあり、大丈夫、な方のみお進みください。
それではどうぞ!
今回はハリー視点ですが、思ったより長くなりましたので、前後編に分けます。
半端な切り方に、なっているかもしれませんので、見づらかったら申し訳ありません。
▷視点、ハリー・ポッター、
ローゼの前で思わず自分の気持ちを口にしてしまってから、数日が経っていた。僕はローゼから貰った綺麗な紙の鳥を、今でも大事にポケットにしまっている。
それから、ハーマイオニーの厳しい勉強会に参加していたのだけれど――ある日、ロンが図書室で怪しい動きをしているハグリッドを見つけたんだ。僕たちが賢者の石やフラッフィーのことを問い詰めようとすると、ハグリッドは「ここで騒ぐな、話があるならうちへ来い」と僕たちを促した。
僕はローゼのことも誘ってみたけれど、彼女はなぜだか、行くのをすごく迷っているようだった。だから僕はハーマイオニーと協力して、迷う彼女の手を引っ張って一緒に連れて行くことにした。
ハグリッドの小屋に着いてからフラッフィーの話を出すと、ハグリッドは「オレとダンブルドアしか知らないはずだ」と驚いていた。けれど、結局はローゼの言う通り、マグル神話に出てくる話の通りだったんだ。僕は、ローゼは本当に物知りなんだなと改めて感心してしまった。
その後、僕たちはドラゴンの卵を見つけた。ローゼもハーマイオニーも、ハグリッドがこんな城のすぐそばでドラゴンを飼おうとしていることに本気で怒っていた。
けれど、どれだけ二人が正論で怒っても、ハグリッドの心にはあまり響いていないようだった。僕たちはどうすればいいのか分からないまま、ひとまずその日は寮へと帰ることにした。
それから数日後。
ハグリッドから「もうすぐ卵が孵る」という手紙をもらい、僕たちは休み時間を使って、急いでハグリッドの小屋へと向かった。
そうして僕たちは、ドラゴンが産まれる瞬間を見ることができた。産まれたばかりのトカゲのような生き物を見て、僕は正直、あまり可愛いとは思えないな……と考えていた。
「ハグリッド、このドラゴンって、これからどのくらい大きくなるの?」
ハーマイオニーがそう質問した、次の瞬間だった。ハグリッドが急に顔を青くして窓へと近づき、「……子供が外から見ていた」と声を震わせた。嫌な予感がして、僕も急いでハグリッドの隣から窓の外を覗き込む。見え隠れするあの髪型は――間違いなく、マルフォイだった。
その後、大広間で夕食を済ませた僕たちは、ローゼをいつもの空き部屋へと引っ張り込んだ。ドラゴンのノーバートが無事に産まれたこと。そして、それをマルフォイに見られてしまったことを伝えると、ローゼは深くため息をついた。
その翌週、大広間で食事をしている時も、僕たちの様子を見ながらニヤニヤしているマルフォイに、僕はイライラさせられた。けれど、なんとか食事を済ませてローゼを引っ張り、ハグリッドの小屋へと向かって、ノーバートの今後について相談をすることにした。
小屋の中での話し合いの最中、ローゼは呆れた顔をして、会話に入ろうとしなかった。でも、以前にあれほどローゼから怒られたのに、まったく反省していないハグリッドの様子を見たら、彼女がそんな態度になってしまうのも仕方がないと僕は思った。
どうすればこの状況を切り抜けられるだろう。みんなで頭を抱えていたその時、僕の頭の中にパッと名案が浮かんだ。
「そうだ、ロンのお兄さんのチャーリーだよ! ルーマニアでドラゴンの研究をしてるじゃないか!」
僕は思わず大声で言った。すると、ロンもハーマイオニーも「それだ!」と目を見開いて賛成してくれた。すぐにチャーリーへノーバートを引き取ってもらえるよう、お願いの手紙を出すことで、僕たちの意見はすぐにまとまったんだ。
翌週の水曜日の夜。
ノーバートの餌やりを手伝いに行っていたロンが、透明マントを被って談話室へと戻ってきた。僕はロンが不思議そうな顔をしているのに気づいた。何かあったのかと僕が尋ねると、ロンは「ノーバートに手を噛まれたんだ」と言った。
僕とハーマイオニーは慌てて彼の手を確認した。けれど、そこには傷跡も、赤くなっている部分も見当たらない。ドラゴンの牙で噛まれたら大怪我をするはずなのにと、ロン自身も首を傾げて不思議がっていた。
すると、何かに気づいたハーマイオニーが声を上げた。
「ロン、あなた、以前にローゼから貰ったあの紙の鳥をどうしてる?」
尋ねられたロンは、「いつも通りポケットに入れてあるよ」と答えながら、何気なく自分のポケットに手を入れた。けれど、いくら探してもポケットの中には何も入っていなかった。
「やっぱり……! ローゼが言ってたじゃない、その鳥には盾の呪文がかかってるって!」
ハーマイオニーの言葉を聞いて、僕は思い出した。以前ローゼがくれた、あのグリフィンドールのタペストリーのチャームのことだ。あれにも盾の呪文がかかっていて、誰かが僕に攻撃呪文を放った時、その衝撃を肩代わりしてチャームが消えたんだ。
「ローゼのお守りが、ノーバートの牙からロンを守って代わりに消えてくれたんだ……!」
ローゼの優しさと魔法のすごさに、僕たちは心から感謝した。ヘドウィグが窓を叩いてチャーリーからの返事を届けてくれたのは、ちょうどその時だった。手紙には、ノーバートを引き取るという嬉しい返事が書かれていた。良い知らせが重なって、僕たちは嬉しくてたまらなくなった。
翌朝、朝食の前の時間を使って、僕とロンはハグリッドの小屋へと向かった。けれど小屋に着くと、ハグリッドは中には入れられないと言うので、僕たちは仕方なく窓越しにチャーリーの返事を報告することにした。
土曜日の夜中に、一番高い天文学の塔のてっぺんで引き渡すという作戦だ。話し終えたその時、ハグリッドが顔色を変えて僕たちの後ろを指差した。驚いて振り返ると、そこにはお城の玄関ホールへと向かって、急いで走っていくマルフォイの後ろ姿があった。
あいつに、今の会話をすべて聞かれてしまったんだ。
大広間で朝食を終えたあと、僕たちはすぐにローゼを見つけ、いつもの空き部屋へと彼女を引っ張り込んだ。
まずは、昨日ロンがノーバートに噛まれたのに無事だったこと、そして、ローゼのくれたあの紙の鳥が身代わりになってロンを守ってくれたことへの感謝を伝えた。ローゼのおかげで、ロンの手は何ともなく、今も元気そのものだ。
けれど、感謝を伝えたあとに、さっきマルフォイにチャーリーの返事を盗み聞きされてしまったことを告げると、それを聞いたローゼは、頭が痛そうにコメカミをぎゅっと押さえた。
そのあと、ハーマイオニーも合流して、土曜日の夜の作戦会議をした。最初は僕の透明マントを使って、僕とロンで天文学の塔まで運ぼうとしたんだけど、ローゼが待ったをかけた。
「ここまで話を聞いておいて、最後まで見届けないのは女がすたるわ」
ローゼは僕たちにはよく分からない大人びたことを言って、ロンの代わりに運搬を手伝うと言う。すると彼女は、透明マントを貸して欲しいと言い出した。
まさか一人でやる気なのかと聞くとローゼが頷いたので、ロンもハーマイオニーも大反対した。僕も、一人で行くならマントは絶対に貸さないと言ったら、彼女はしぶしぶ僕が一緒に行くことを受け入れてくれた。
そして土曜日の夜、僕たちはノーバートの入った箱をハグリッドから預かった。箱には、道中の餌のネズミや、退屈しのぎのぬいぐるみも一緒に入っているそうだ。ローゼがその大きな箱に浮遊呪文をかけると、箱はふわりと浮き上がった。
「私が浮かすから、申し訳ないけど、ハリーが箱を押してくれる?」
ローゼがそう言うので、僕たちは一つの透明マントの中にぎゅっと身を寄せ合い、箱を隠すようにマントを被った。そして、浮いた箱を前に押し進めながら、天文学の塔へと向かった。
みぞの鏡の時はまったく余裕がなかったけれど、今はすぐ近くにローゼの体温を感じて、なんだか心臓がドキドキする。ちらりとローゼの横顔を見ると、彼女の額にはうっすらと汗がにじんでいた。歩きながら浮遊呪文をずっと使い続けるのは、やっぱり大変なのだろう。
(早く終わらせて、ローゼを休ませてあげなきゃ)
そう考えて、僕は箱を押す手に力を込めながら階段を登っていった。すると、下の方からマルフォイとマクゴナガル先生の声が響いてきた。
聞き耳を立ててみると、どうやらマルフォイが夜歩きで捕まって、スリザリンが減点されたらしい。いつも嫌がらせをしてくるマルフォイが捕まって、僕は内心すごく嬉しかった。けれど、すぐにローゼも同じスリザリン寮だということを思い出した。
(あ……まずい)
慌てて彼女の様子を見ると、ローゼはため息をついていた。同じ寮が減点されたのだから、いい気はしないはずだ。僕は少し申し訳ない気持ちになりながらも、先を急いだ。
その後、塔のてっぺんで待っていたチャーリーの友人たちに、ノーバートの入った箱を無事に引き渡すことができた。彼らは、箱が浮いているのを見てずいぶん驚いていた。
ようやくノーバートを送り出せたという解放感。そして、あのマルフォイが罰則を受けることになった嬉しさ。その安心感からすっかり舞い上がってしまい――僕は、大切な透明マントを塔の上に忘れてしまったことに気づかないまま、階段を降りていってしまった。
案の定、薄暗い廊下の影からフィルチが現れた。
「あっ、ハリー、マントを忘れてるわよ!」
後ろからローゼが、僕の忘れた透明マントを両腕に抱えて、必死に階段を駆け降りて追いかけてきてくれた。けれど、もう遅かった。
(……僕のせいで、ローゼまで……!)
僕一人ならまだしも、一緒に来てくれた彼女まで完全に巻き込んでしまったことに、僕は激しく後悔した。
そのまま、僕とローゼはフィルチに連れられて職員室へと向かった。部屋にはすでに捕まっていたマルフォイの姿もあり、僕たちは三人で並んで椅子に座らされた。重苦しい空気の中、しばらくそうして待っていると、やがてドアが開いた。
マクゴナガル先生とスネイプ先生が、ネビルを連れて姿を現した。ネビルは僕たちに警告しようとして捕まってしまったらしい。
結局、マクゴナガル先生から言い渡されたのは、グリフィンドールとスリザリンの両寮から百点ずつという大減点と、僕たち四人への罰則だった。
それだけではなかった。
ローゼは教師の娘でありながら校則違反をしたということで、通常の罰則とは別に、さらにダンブルドア先生のお手伝いをするという追加のペナルティまで受けることになってしまった。冷たい目でローゼを見ているスネイプ先生の顔を見て、僕は申し訳なさで消えてしまいたいくらいだった。
その後、僕とネビルはマクゴナガル先生に連れられて寮へと戻った。チラリとローゼの方を見ると、彼女とマルフォイは、いつもの怖い顔をしたスネイプ先生に連れられて地下へ向かうところだった。
僕のせいでローゼがスネイプ先生に連れていかれてしまうことが、本当に申し訳なかった。マクゴナガル先生は、グリフィンドール塔に着くまで終始無言だった。その沈黙が、たまらなく怖かった。寮の入り口まで来ると、先生は罰則の日が決まったら連絡するとだけ冷たく言い残し、立ち去っていった。
肖像画の穴をくぐると、薄暗い談話室にはロンとハーマイオニーが心配そうな顔で起きて待っていてくれた。ネビルは部屋に入るなり、もうこらえきれずに泣き出し、そのまま上の男子部屋へと駆け上がって行ってしまった。
残された僕はがっくりと肩を落とし、二人に起きたことをすべて
話した。マルフォイが捕まったことは嬉しかったけれど、それ以上に失ったものが大きすぎた。
グリフィンドールとスリザリンの両方の寮から、それぞれ百点という大減点。そして、僕たち四人への罰則。
何よりも申し訳なかったのは、ローゼのことだった。彼女はお父さんがスネイプ教授だから、教師の娘なのに校則を破ったとして、ダンブルドア先生のお手伝いをするという追加のペナルティまで受けることになってしまったのだ。
僕の報告を聞いたロンとハーマイオニーは、ショックのあまりしばらく言葉を失って、部屋の天井を見つめていた。
翌日、グリフィンドールとスリザリンの両方で、点数が一気に減ったという噂が広がっていた。
僕はもともと有名だったせいで、他のみんなよりも余計に噂の的になってしまった。居心地が悪くて仕方がなく、僕は責任を取るためにクィディッチのチームを辞めようとしたけれど、キャプテンのウッドに怒られて、結局辞めさせてもらえなかった。
そんな針のむしろのような辛い日々を過ごしていたある日、僕の元にダンブルドア先生から一通の手紙が届いた。
手紙を読んで、僕は息を呑んだ。そこには、ローゼがお父さんであるスネイプ先生から、今回の罰則とは別に、今年度は授業の時以外、グリフィンドール生とは会話をしないようにと厳しく命じられたのだということが書かれていた。
「これ、見て……!」
僕は慌てて、ロンとハーマイオニーにその手紙を見せた。手紙を読んだ二人は、ローゼがそんな罰を受けているのだと知り、申し訳なさそうな顔をしてうつむいてしまった。僕たち三人は、たまらない気持ちで大広間のスリザリンのテーブルへと視線を向けた。
そこには、いつもと変わらない様子で過ごしているローゼの姿が見えた。授業の時以外は会話禁止なんていう厳しい命令を出されているとは、少しも思えない姿だった。ローゼは僕たちに心配をかけないように、わざと普段通りに振る舞っているのかもしれない。
そう思うと、僕は胸が痛くなった。
前書きにも書きましたが、ハリー視点前編です、
後編を昼の12時に更新します。
よろしくお願いします。