色々捏造など多数。
タグが足りなかったり、注意が足りない可能性あり。
その為、何でも有りな方のみ、お進みください、
スネイプ教授へのフィルターがかかり、さらにはキャラが著しく違うと感じるかもしれません。
タグにある通り、キャラ改変です。
不適切な表現があるかもしれません
読んだあとに、何かあっても責任はとれません。
その為、重ねて申しますが、
何でも大丈夫な方のみお進みください。
それではどうぞ
▷視点、ホムンクルス改めリリローゼ
私に名前を教えてからのスネイプ教授の動きは、文字通り怒涛の超特急だった。次の瞬間には、私は彼の大きくて温かい腕にしっかりと抱きかかえられていた。
薄暗い地下室から一気に連れ出され、やってきたのは日の光が優しく差し込む、この家の居間らしき場所だった。暖炉が灯る温かい部屋。私はそこの、ふかふかとした立派なソファへと、まるで壊れやすいガラス細工でも扱うような手つきで座らされた。
それから、教授は先ほどの屋敷しもべ妖精・ミリスに向けて、何やら凄まじい気迫で捲し立てた。やはりまだ、この幼児の身体の耳が慣れていないのだろう。
教授が話す、低く滑らかで早口の英語は、時々知っている単語がいくつか聞き取れるくらいで、全体として何を言っているのかはさっぱり分からない。けれど、ミリスに優しく手を取られ、そのまま浴室へと連れてこられたということは、要するにお風呂に入りなさい、ということだろう。
(正直、さっきまで地下室の石造りの床に座り込んでいて身体が埃っぽかったから、お風呂に入れるのはめちゃくちゃ助かるわ……)
ミリスがお湯の温度を確認しているのを眺めながら、私はぷにぷにとした自分の小さな手をかざしてみる。言葉は通じなくても、あのスネイプ教授の温かさはひしひしと伝わってきていた。
ミリスが細枝のような手で優しく、驚くほど丁寧に私の黒髪や身体を洗ってくれる。温かいお湯が肌を滑るたびに、頭の芯までじんわりと解きほぐされていくようだった。
(前世(?)の最期のほうで、お風呂にお湯を溜めて浸かったのっていつだっけ……先週くらいかな。最近は仕事が忙しくてずっとシャワーで済ませていたから、湯船がすごく気持ちいい。それにしても、人にこうやって洗ってもらうのって、こんなに心地いいものなんだ……)
そんなことを考えているうちに、すっかり温まった私はお風呂から上がった。そして目の前にあった全身鏡を見ると、そこに映っていたのは見慣れない幼児の姿だった。肩にかかるくらいのストレートの黒髪に、血の気のない青白い肌。すっと通った特徴的な鼻。けれど、その瞳だけは柔らかいアーモンド型をした、鮮やかな緑色をしていた。
(何、これ……)
顔の造形は全体的にスネイプ教授に酷似している。だが、目の形と色だけが、決定的に違っていた。
(?確か、原作小説でのハリーのお母さんの目の表現が、こんな感じだったな……)
その時、目の前に差し出された衣服を見て、私は思わず硬直する。用意されていたのは、フリルとレースがふんだんにあしらわれた、絵本に出てくるお姫様のような真っ白なパジャマだった。
(……待って、これを私が着るの!? 前世の部屋着なんていつもヨレヨレのTシャツと短パンだったから、こんな可愛いパジャマは中身42歳としてなんか猛烈に恥ずかしいんだけど!)
しかし、幼児の身体の私はミリスのなすがまま、ふんわりとした白い布のなかに包まれるしかなかった。鏡に映った自分の姿には、その可愛らしいパジャマがよく似合っている。まるで高級な陶器の人形のようで、気恥ずかしさから顔がカッと熱くなる。
ミリスに手を引かれ、パジャマの裾を揺らしながら再び居間へと戻ると、そこには暖炉の火に照らされながら、肘掛け椅子に深く腰掛けた――スネイプ教授が待っていた。椅子に座る教授はこちらに目を向けると、一瞬、その鋭い黒い瞳が丸くなった。それから、本当に、とても分かりづらい変化ではあったが、その顔全体の険しさがふっと柔らかくなった。
(あ、今ちょっと表情緩んだよね!? この可愛いパジャマ、教授的には大正解だったんだわ……!)
教授は椅子の背から身体を起こすと、先ほどと同じように、私を居間のふかふかのソファへと優しく座らせた。そして、私の目の高さに合わせるように少し腰を落とし、地を這うような美しいバリトンボイスで語りかけてくる。
「リリローゼ、吾輩はまだ仕事が残っている。ミリスがディナーを作ってくれるまで、ここに座っていなさい」
驚いたことに、彼は先ほどまでの弾丸のような早口ではなく、一語一語を区切るように、ひどくゆっくりと話してくれていた。幼児の耳と前世の拙い英語力ではあったけれど、その気遣いのおかげで、どうにか「ご飯が出来るまで、ここに座って大人しくしていろ」と言っているらしいことは理解できた。
(推しにこんなに気を遣って、優しく言われるなんて……。快諾の一択です!)
私は元大人の理性を総動員して、彼を安心させるために、幼児特有の満面の笑顔を浮かべて力強くコクリと頷いてみせた。そうすると、教授の口元がごくわずかに緩み、小さく笑った。彼は私を見つめ返してから隣の部屋――おそらくは彼の魔法薬の調合室だろう場所へと向かっていった。
(もしかして魔法薬の調合でもしてるのかな? 生スネイプ教授の調合シーンなんてオタクとして見たかったな〜。でも、ここで座ってるってお約束しちゃったし、いい子にしてなきゃね)
パチパチと暖炉の薪が爆ぜる音を聞きながら、私はふかふかのソファに深く身体を沈めた。そういえば、目覚めてから衝撃的なことばかりが立て続けに起きて、すっかり思考を放棄していたけれど。
――私はなぜ、こんな幼い子供の姿になっているのだろう。
自分自身の記憶は、意外と残っている。何故か名前は思い出せないが、前世の私は42歳で独身の日本人女性。中学校で歴史の教師をしていた。最期の記憶は、数日前から学校内でインフルエンザが猛威を振るっていて、案の定、私もまともに感染してしまったのだ。
学校を休んで病院へ行き、診察を受けて薬をもらい、アパートに帰宅してからは丸一日泥のように寝込んでいた。夜中、あまりの喉の渇きに耐えかねて、枕元に置いておいたペットボトルの水を口に含んだ――そこが、私の最期の記憶だ。
(……もしかして私、あのままインフルエンザの合併症か何かで死んじゃったの?)
高熱で孤独死。42歳の人生の幕引きとしてはあまりにも切ないけれど、それしか考えられない。そして私は、前世で大好きだった『ハリー・ポッター』の世界によく似た、この場所へ転生してしまったのだろう。
わざわざ「よく似た」と付け足したのは、先ほど私に向けてくれた教授の態度が、私の知る原作の冷酷なスネイプ教授とはまるで違っていたからだ。あんなに綺麗な涙を流して、子供を抱きしめるスネイプ教授なんて原作のどこにもいない。
(私は、ここの……おそらくはスネイプ教授の娘に生まれ変わったか、あるいは憑依したんだわ)
そんなことを考えていると、ミリスがご飯が出来たらしいことを知らせにやってきて、私を居間の隣にある食堂へと連れて行ってくれた。
幼児の私の背丈では、当然大人用のダイニングチェアでは届かないが、食堂に入ると、そこには幼児でもテーブルに手が届くようにするためだろう、普通の椅子の上に分厚い本が何冊も積み重ねられ、その上から柔らかな布が綺麗に敷かれた即席の座席が用意されていた。
(なるほど、この家には子供用の椅子なんて家具はないんだな?)
中身42歳の冷静さでそんな突っ込みを入れつつ、ミリスに手伝ってもらってその椅子へと座る。座り心地を確かめていると、食堂の重い扉が静かに開き、スネイプ教授がやってきた。彼が自らの席へと腰を下ろした。
その瞬間。パチン、と小気味の良い音が響いたかと思うと、先ほどまで何もなかった木目のテーブルの上に、湯気を立てたたくさんの料理が一斉に姿を現したのだ。
(うわ、すごい! 原作通りの大広間のあの魔法だ……!)
前世で憧れた魔法界のご飯が、いま私の目の前に広がっている。香ばしく焼けたパンに、ジューシーなお肉のロースト、温かなスープ、他にもいくつか。どれもスパイスが強すぎる大人の料理ではなく、幼い子供が喜びそうな、優しくて食べやすそうなものばかりが並んでいた。
教授は憮然とした表情を崩さないままだったが、その黒い瞳は、私が料理を見て目を輝かせているのを、どこかじっと優しく見守っていた。私は、テーブルを挟んだ向かい側に座る教授の顔をそっと見上げた。教授は無言のまま手元の食器を掴むと、静かにスープを口に運び始めた。どうやら「食べていいぞ」という無言の合図らしい。
(よし、私もいただきます!)
無意識に手を合わせてしまいそうになるのを何とか抑え込み、胸をワクワクさせながら、お皿の横に置かれていた銀のスプーンへと手を伸ばす。しかし、ここで最初の障壁が立ちはだかった。
幼児のふにゃふにゃとした身体にとって、本物の銀で出来たスプーンは想像以上に重く、片手ではまともに持ち上げることすら出来なかったのだ。
(うそ、スプーンってこんなに重かったっけ……!?)
仕方なく、私は両手でしっかりとスプーンの柄を掴み、スープの海へと浸してどうにか持ち上げた。だが、そこにはさらなる大きな誤算が待っていた。脳内にある大人の感覚と、この、実年齢3歳か4歳の幼児の身体能力には、凄まじい差異があったのだ。
これくらい傾ければ口に入るだろう――そう思った瞬間、私の小さな手は不器用に震え、持ち上げたスープのほとんどすべてを、お皿の周りやパジャマへと派手に零してしまった。結局、私の口の中に行き着いたのは、スープの一雫くらいだった。
(……あ、これ、中身が大人だからって甘く見てたら、まともにご飯すら食べられないやつだわ)
零れてしまったスープの温かさを服越しに感じながら、私はスプーンを握ったまま、情けなさと難易度の高さに内心でがっくりと肩を落とした。その時、向かいの席から、カチャリと食器の置かれる微かな音が聞こえた。
見上げると、教授が黒いローブを翻して椅子から立ち上がり、長い歩幅で私の座る席へと近づいてくるのが見えた。お世辞にも幼児に見せるような表情ではないが、私の目の前で教授が杖を一振りすると、先ほどスープで汚してしまった白いパジャマや床が綺麗になった。
「貸してみなさい」
教授の言葉に、私は反射的に両手で持っていたスプーンを差し出した。すると驚いたことに、教授はそのスプーンでスープをすくい、息を吹きかけ、丁寧に冷ましてから私の口元へと寄せてくれたのだ。
「……口を開けなさい。おとなしく吾輩に食べさせられるのが、今の不器用なお前ができる最善の選択だ」
地を這うような美しいバリトンボイスが、至近距離で私の鼓膜を震わせる。目の前には、ホグワーツの恐るべき魔法薬学教授、セブルス・スネイプの、信じられないほど真剣な顔がある。
(――待って。あのスネイプ教授が、幼児のご飯をフーフーして食べさせてくれるの……!?)
前世のオタクとしての私の魂が、木っ端微塵になりそうなほどの激甘っぷりである。私は元大人の理性を総動員して、どうにかその場で卒倒するのを耐え、差し出されたスプーンへと小さな口を開いた。パクリ、と受け止めたミルクベースのスープは驚くほど優しく、じんわりとお腹の中から私の冷えた身体を温めてくれた。
「……おいちぃ、おとーしゃん」
咀嚼して、たどたどしく満面の笑みを見せると、教授は憮然とした表情のままだったけれど、その黒い目の奥に安堵の光を走らせた。満足そうに小さく頷くと、根気強く次のスプーンを運んでくれたのだ。
私は教授からスープを貰いながら、心の中で静かに、何度目かの誓いを立てる。ハリポタオタクとしての知識と、この溢れるクソデカ感情をすべて使って、私は必ず、この優しい父親をあの無惨な未来から救ってみせる――。
――そうして、不器用な父親と、中身大人のオタク娘による、歪で温かい新生活が本格的に始まったのだ。
ハリポタオタクとしての知識と、この溢れるクソデカ感情をすべて使って、私は必ずこの優しい、父親をあの無惨な未来から救ってみせる――。
もし、スネイプ教授は、こんなことしない
と思われましても、
閲覧のあとは、責任とれません。
あらすじやタグに、ありました通り、
捏造設定・独自設定・独自解釈・キャラ改変しまくってます。
何度も、申しますが、ご了承お願いします。
失礼します。
修正しました。(2)