「誰かの手のひらの上で踊らされている気分だな」
そう若干息を切らしながらも青い残響に殺されかけ図書館に逃げ込んだ俺達の状況見て、不快さから事務所の2人に吐き捨てたのはいつだったろうか?
青髪のどこか気味が悪く感じる司書のうんざりしたような声で発せられた「どうかあなたの本が見つかりますように」という言葉を聞き、その先にある階段を登ったところまでははっきりと覚えている。
しかし、そこから始まったどこかゲームのようなものにも感じられる戦闘が始まった。
いや、始まってしまった。
「都市にこんな場所が...」
「中はこんな感じになっているのか...」
階段を上がった先に入口の大きさからは予想できないほど有り得ない広さの部屋があった。そこにはまるで壁と一緒になっているのかと疑いたくなるほど高さを誇る無数の本棚とその周りを溢れたかの如く雑に積み重ねられた本たちがそびえ立っていた。
そんな現実離れした光景にタマキとステファンが圧倒された様子で声を上げた。
「いい加減なれてきたとは言え、一日に3回もゲストの相手をするのは疲れるな」
周りを見回していると唐突に先程は誰もいなかった場所からコツコツと足音が数個聞こえた。その方向を見ると、そこには黒のスーツに見を包み剣を握る男と、それぞれチェーンソーのような武器を手元に持った青髪の男とクリーム色の髪をした女が前から歩いて来ていた。
「さてと、準備はいいか?」
「ゲストの方々だとしても容赦はしませんよ!よろしくおねがいします!」
「...ほんとにやらなきゃだめですか?」
黒のスーツを着た男が自分の剣をこちらに向け宣言すると、女はうるさいほどの声で、男は気だるげな声で答えるように言い放つと構えをとった。
「っ!各自戦闘態勢に入れ!タマキとステファンは後ろから援護射撃を、俺は敵を引きつけるために近距離で戦う!」
「了解!後退する!」
「あぁもう!結局こうなるのかよ!」
そう指示を飛ばすと俺は自分の短剣を抜き、後ろに後退した2人とコミニュケーションが取れるように耳元にあるインカムに手を当て応戦対戦をとった。
どうせ人はいつか死ぬ。しかし私は図書館に来たとは言え足掻かずに死ぬ気は毛頭ない。
「タマキ!」
「ふぅ...了解!」
タマキに発砲の指示を飛ばし、俺は真ん中にいるスーツを着た男に接近する。
「っ!?...やりやがったな!この野郎!!」
「銃なら間合いを詰めてしまえばいいだけのはず!パムさん行きますよ!」
「んなことは分かってる!くそ、エマ!仕返の手伝いしろ!」
タマキがパムと呼ばれた一番左にいる奴に向かって弾丸を命中させると、それを開始の合図と言わんばかりに敵が接近してきた。
「くっ...!」
「少しずつ隙が大きくなってきたな」
俺の短刀が相手の剣と何度ものぶつかり合い徐々に自分の方が力負けしているのを感じるのと同時に余計なことを考えたせいか、短剣が負け右に流されるのと同時に、鋭いつきが左横腹に入り鋭い痛みが体全体に伝わった。
「接近戦は...嫌いなんだよ!」
「それなら...逃げ回るのを...やめてください!」
「いい加減こっちに来るなぁ!」
よろけた瞬間、ふと後ろを見ると距離というアドバンテージを失い若干のパニックも相まってか、ステファンが弾丸を乱射しては自分の銃で攻撃を数発受け流しながら逃げ回るという立ち回りをしていた。
先程エマと呼ばれた女はそれを弾丸を数発体に受け血を流しながらも攻撃の手を緩めずひたすらに武器を振り回していた。
一見ステファンは置かれた状況下の中、うまく立ち回れているようにも見えているが、あの戦い方を続ければ確実に殺される。
始めから消耗戦では勝ち負けがはっきりと見えているこの戦いの中で闇雲に弾丸を消費し続けてもそれはその場しのぎにしかならない。更にもともと接近戦があまり得意ではないステファンが近接武器無しで防げる時間は決まってしまっている。
「ステファン!」
「代表!助け...!」
俺はステファンは自分だけでは長くは持たないと考え目の前にいる男の一太刀を背中に受けながらも援護に向かうため声を上げながら走り出すと、ステファンはこちらを向き悲鳴を上げるように俺のことを呼んだ。
が、これが間違いだった。
「がっ...!?」
「エマ!こっちももらってくぞ!」
そう興奮したような声が、チェーンソーの音が共に部屋に響くのと同時にステファンが背後から宙をほんの少しだけ舞っていた。
「...まずいな」
あいつはタマキが相手をしていたはず。ということは...タマキはもう死んだか。
血を流しながら地面に力なく倒れ込んでいく困惑の表情を浮かべたステファンの顔を見ながら私は現状を整理していた。
「最後になにか言い残すことはありますか?ゲストの方」
「ゴホッ...!不公平だ...!俺の...意志で入って...来たわけでもないのに...!」
「そうですか。では、さようなら!」
ステファンがそう血を吐きながら言うと、エマは止まっていたチェーンソーのエンジンをかけ直し正確にステファンの首を切り裂いたかと思えばその遺体は瞬きもできない間に光に変わった。
失敗したな。これは。
ステファンだったその光を見ながら俺は夢から覚めるように、負けを悟った。
「っ!」
「避けるか。ま、殺気を隠しきれずに振ったら避けられるのも当然か」
わずかに放心状態に陥っていた俺はわずかの差で背後から首元を狙った一撃を避けた。
「こっちだよ!」
しかし一人避けただけでは攻撃全体を避けれたとは言えず、飛び退いた着地先で死角から近づいてきたパムに寸前まで気づけず避けきれずに足を切られてしまった。
「ぐっ...!」
「はぁ、最後になにか言い残すことはあるか?」
足と相変わらず痛む横腹を抑え地面に転がる俺を見ながらスーツの男は剣を握り直しながら言った。
その言葉を聞いて、俺はいくら足掻いても勝てないと悟った先程から思っていた事を吐き出した。
「まだ...まだへたり込みたくないんだ...!」
「...そうか。それは残念だったな」
そう男は言うと剣を上に振りかぶり、そこから俺の記憶は途切れている。
……….
俺は死んだのだろうか?ステファンのように光になったのか?
いや、それにしては何か暖かすぎるような...
「…ちゃん」
「………ぎですよ!」
声?どこか幼い感じがする声だな。図書館で死ぬとこんな声が聞こえるようになるのか?...というか少しずつ自分の体を感じる気がするな...
「どうし…………そうだよ!?」
「……輩は早く盾を構えてください!」
「え!?」
何だか起き上がろうとするたび怒鳴り超えがするな。...どうするべきだ?...とりあえずは起きないと判断を下すにも現状が分からない限り無理か。
「...ここは?」
俺が目覚め、あたりを見回すとそこは図書館のあの部屋の面影は全く感じない、窓から橙色の光が差し込み狭い部屋にベッドとカーテンや大きめの引き出しが1つだけがある質素にも感じる部屋にいた。
「ホシノちゃん、銃は必要ないと思うよ...?」
「先輩は静かにしててください!」
「!?」
ベッドから上半身を起こし声がする方を見ると、そこには俺を睨みながらこちらに銃口が向けるピンク髪の少女とそれを隣でおどおどしながら止めようとする薄緑色の髪をした少女の二人が立っていた。
「銃...?こんなに幼い子どもが...?」
俺はひどく困惑した。俺達が手に入れるのに散々苦労した銃をこんなにも幼い子どもが手にしているという事実が、殺しても大した金にもならない俺相手に脅しの道具として使っていることが現実離れしすぎていて脳がすぐに受け入れられなかった。
「答えになってない!」
そんな俺の言葉、様子にホシノと呼ばれた少女はしびれを切らしたかのように怒鳴った。
「こいつもまた意地汚い大人ですよ...」
「.........」
”大人”そう彼女が言うと2人の間に重い沈黙が流れた。
その沈黙の中に何故か俺は慣れ親しんだ何かが潜んでいる。そんな気がした。
「先程は失礼しました。慣れていない状況が続いていまして」
「は?」
俺はベッドから静かに降り、足側に置いてあったコートを手に取り砂を払ってから2人の方を向いた。
「私は、終止符事務所の代表を努めているリーウェイと申します」
「終止符...事務所...?」
俺が自己紹介をすると二人とも私が何を言っているのかが分からないと言わんばかりの顔をした。
ほんとにどうなってるんだ?
終止符事務所良いですよね〜!個人的にかなり好きなので書きました!
こっちの世界だと銃弾安いらしいよ、これで金銭面は解決だね!
え?使う種類の弾ない?
なお書き貯めはしてないので2話は数日かかるかもしれません...とりあえず、読んでくれてかんしゃです〜