「うっ...ゴホッ...!あ、あなた誰...!?なんで急に私達を...!」
彼女は俺に怯えるような顔を向け咳き込みながらもかすれた声で言った。
「あっ!?」
おそらく無意識に片手が近くに転がっていた銃に伸び始めたため、その腕を撃つとその腕は一つの小さな悲鳴と共に力なく砂の地面に崩れ落ちた。
「今から聞く事について答えろ」
「...え?」
俺がそう言い放つと少女は途端に怯えた様子は少し残りつつも今言われたことが信じられないという顔つきに変わった。
...俺は今何かおかしいことを言ったか?
「...お前は...お前はそんなくだらないことだけのためだけに私達を襲ったのか…!!」
「!?」
「お前のせいで私は...!」
そう彼女は叫ぶのと同時に俺が押さえつけている足から抜け出そうともがき始めた。
「...全部後で聞こう」
「!まっ...!?」
彼女が抜け出しそうになるところを俺も黙って見過ごすわけにもいかず俺は尋問することを諦め今拳銃に装填されている最後の一発で彼女の眉間を撃ち抜いた。
戦場で捕らえた奴から情報を聞き出そうとするのは当たり前だ。なんでこいつはその事にこんなに怒ってるんだ?
「...」
俺は短刀をしまい、未だ引っかかる言葉の意味を考えながら彼女から足を退けそのぐったりとした体を方に担いだ。
それにしても、俺のせいで...か。こいつらは一体をしようとしてたんだ?見た目に油断したせいで何も聞けずじまいだったけどな。
「もう弾の残りが尽きたか」
人ひとりを肩に乗せているせいで動かしにくい片腕をゆっくりと動かしながらも上着のポケットからほんの少しだけあった予備の弾丸4発を銃に装填した。
図書館でほぼ全部使うつもりでいた分には残ってるが、流石にもうこれ以上こいつらみたいなやつに出くわしたらまずいことになりそうだな。
「たしか来た道は...分かるはずもないか」
俺は靴の中にどうやって入ってきているのかも分からない、未だ視界の半分ほど覆う砂を鬱陶しく思いながらもおそらく来たであろう方向へと引き返し始めた。
……..
「まさか砂嵐が来てる時に攻撃してくるなんてね」
「流石にヘルメット団の奴らも砂嵐までは予測してはなかったと思いますよ」
私はユメ先輩と共に急に起こった砂嵐のせいで、戦闘中に鬱陶しくも私の靴の中に入ってきた砂が出し切れていないいつになっても慣れない気持ち悪さ感じながらアビドスの校内をヘルメット団の残党がいないか見て回っていた。
「……」
「……」
「ねえ、ホシノちゃん」
「なんですかユメ先輩?」
「リーウェイさん...本当に大丈夫かな...?」
数秒の沈黙の後、その重い空気感に耐えられなくなったのかユメ先輩の声には確かに心配そうな声であの大人の事を話し始めた。
それもそうだ、あの大人は急にいなくなったと思ったら砂嵐が止んでもそれきり辺りを見回してもそれらしい人影も見せず消えてしまったのだから。普段からお人好しすぎる先輩が心配するのも無理はない。
あいつもまた先輩の恩を受け取るだけ受け取って消えただけ。やっぱり大人はどいつもこいつも変わりはしない。前に来たやつも...!
「先輩があんな大人の心配する必要なんてないですよ」
「でも...」
私はそんな先輩の心配をバッサリと切り捨てるように言った。
正直自分でも少しだけ冷たすぎるかもしれないと思ったけど私はこれ以上先輩が利用されるところだけを見たくなかった。
………….
「はぁはぁ...!クソッ、まずいな...」
俺は数十分前から少しずつ増してゆく肩の痛みを感じながらも確かに進んできた方向に戻っていた。
いくら歩いても未だに見えてこない校舎に段々と込み上げてくる焦りと苛立ちを抑え込みながらただひたすらに歩いていた。
こっちの方向で確かに合ってたはず...なのにどうしてあの建物が見えてこないんだ?
「…… う!どこな………よ!…は!」
「…は?」
俺はどこかからか聞こえた声に聞き覚えがあった。かすれていたが確かに聞き覚えのある声だった。
あいつもこっちに一緒に来てるのか?いや、でもそんなことは...!
「ステファン!そこにいるのか!」
俺はできる限りの大声で叫んだ。
「おい…か…ウェイ!?」
最初こそ小さかったが俺らしき名前を呼ぶ声と前方から人影らしきものが近づいてきた。
「こっちだ!」
「リーウェイ!良かった…一人じゃなかったか、って!?お前なんで死体なんて運んでるんだ!?」
「死体じゃない気絶してるだけらしい」
「それだとしてもなんで運んでるんだ!?死んだと思って起きたら砂だらけだし俺一人だしもう何が何だか...!」
ステファンは俺に会えたことに興奮しているのか声が大きくなりながら俺に一方的に喋り始めた。
ステファンはこれで無事なことが分かったな、ということは後はタマキだけだが俺達と同じようにアビドスにいる保証は…
「なあ聞いてるのか!リーウェイ!」
「一回落ち着け」
足を久しぶりに止め考え事をしているとまだ興奮しきっているステファンに邪魔をされた。
「ん?」
「どうした?」
「ステファン、後銃の弾はどれぐらい残ってる?」
「あと数発あるかないかぐらいだな...図書館でかなり使ったからな...」
ステファンはそう言うと肩を落とすようにして銃から片手を離した。
「そうか。とりあえず無事で良かった」
「そっちもな。で、これから俺達はどうする?」
「とりあえずこの砂嵐が過ぎるの待てる場所を探そう。詳しい話はそれからだ」
「了解。”代表”」
「...行くぞ」
俺は少し自分でにやけているのが分かった。
投稿がかなり遅くなってしまい申し訳ありません...!色々私が忙しかったのと最近スランプ気味で中々いいアイディアが思い浮かばなくて...