ヤンデレに監禁されるわけwww 作:ヤンデレエアプ
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停滞杖スタグが、唐突に俺に話しかけてきた。コイツが自主的に話し掛けるのは、俺に女が近付いて来た時と、俺が女に鼻の下を伸ばす時くらいだ。あと、碌でも無いことが起きるときにも話しかけて来る。
荷馬車には商人のおっさんと俺しかいない。スタグが、おっさんズラブに対して警戒心を抱くようになったのでなければ、何か碌でも無いことを探知したのだろう。古の魔術師ってやつは厄介である。
(厄介ごとか? 北伐に関してか?)
(んー……秘密。我が
(なんだそりゃ)
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それきり、スタグは黙った。こちらから念話を応じてもうんともすんとも返事をしない。先行きが嫌になる。
北伐の拠点であるノルディアンナに行く理由は、傭兵たちの中に紛れ、イバヤ王国の追手を撒くためだ。追手がいるかは不明だが、万が一居た場合に備えることが必要であった。
以下はどうでも良い、北伐に関しての事情だ。別に知らなくても問題はない。
第16次北方討伐は、聖教を信じる国家群が主催して行う戦争である。聖教国家連盟は、北方魔力同盟に対して戦争を吹っかけているのだが、年々その烈度は低下している。
この戦争が起きた原因は、水利権を巡って国境付近の村が争ったことだった。
まず、聖教徒の国家であるノルド聖公国の村と、魔族国家であるアールブ王国の村が派手に揉めた。死人が出たことにより、この二つの村の親である州都が出た。ここでも事態は解決しなかった。そしてまた揉めた。
それで、ノルド聖公国がブチギレた。アールブ王国もキレた。これにより、国家間戦争がはじまり、普通人種である聖教徒は連盟を組み、魔族は対抗し同盟を組んだ。
人類側で言う第三次北方討伐までは、大規模なドンパチをやっていたらしい。これにより、人類側にも、魔族側にも多大な犠牲が生じた。
連盟側も同盟側も3回も大規模な戦争をやっているうちに、この戦争が割に合わないな……と気が付いたらしい。
そもそも水利権が原因でエスカレーションした、くだらない戦争なのだ。メンツを守るために、国庫から金銭を払い訓練した貴重な兵士を失うのはバカバカしい。
国家のメンツの料金として、大勢の兵士の死は高すぎる。しかし、このまま引き下がると大勢の兵士を殺して得た結果が敗北となる。これも容認できない。なので、少しの正規兵とたくさんの傭兵を雇って戦争ごっこをしている。
連盟側も同盟側も大演習と評されるようなファニーウォーを続けることとなったのだ。
「いやー、くだらない戦争ですねぇ」
「商人としちゃあ、武具を運んで売れば固い儲けが出るからね。やってて良いんじゃないかな」
「もしや、ノルド聖公国のメシは高いんですか? まいったなぁ……」
「そりゃあ高いよ。アンタ、魔術師なんだから金は有るだろう。ケチケチせず使えば良い」
軍隊とは足の生えた胃袋であり、そこに居るだけで物資を食い潰す厄介者だ。アイテムボックスだとか、魔法の袋などは有ると言えば有るが、基本的には大商人が持っているか、国家により管理されている。
アイテムボックスがあったとしても、重さあたりの単価が高い品物を運ぶくらいで、パンを焼くための小麦粉やら、食肉やらは運ばない。
この世界は船、もしくは馬車がメインの輸送手段だ。トラックなどは無いため、国家が遠方に物資を集積させて運ぶなどは困難である。
なので、基本的には現地で食料調達を行うのだ。軍隊が来ると食料は買い占められるため、食料価格は値上がりする。
連盟もバカではないので、たくさん兵隊を集めることはよろしく無いと気が付いた。連盟諸国は当事者のノルド聖公国を除いては、戦争のための金を払っている。それで、傭兵を雇って戦場に立たせるのである。
例年、この時期になるとノルドの北方都市であるノルディアンナは、傭兵や傭兵に武具や食料を売りつけにきた商人で賑わうのだ。
「おっさんは、ノルディアンナでなんか仕入れるのか?」
「いや、ノルディアンナは物価が上がっているだろうから、特に仕入れはしないさ。帰路は他の道に私の使っている通商路があるからね。そこで、村々から綿花を買っていく予定だよ」
商品作物というやつだろう。この商人のおっさんは、行きは武具を売りつけに行き、帰りは村々から綿花を買い付けて行くという。なかなか抜け目のない商人だ。
「もうそろそろノルディアンナだ。俺は市壁までで良いのか? 傭兵が居るんじゃ街中でも物騒なんじゃないか? 乗せてきてくれたついでに商会まで護衛していくぜ」
「それは助かる。アンタ陰険な魔術師にしては、本当に良心的だな」
「そりゃあね。優秀な旅商人との縁は大事にしたいからな」
市壁には、入市税を払うための長い行列が出来ていた。行列には、武具を担いでいる傭兵らしき者の姿もある。しかし、傭兵以上に旅商人が多く、ノルディアンナ市が賑わっていることが伝わってきた。
商人のおっさんを商館まで見送り、俺はノルディアンナ市をぶらつくことにした。あてどなくぶらつくのは、時間の無駄である。情報収集も兼ねて傭兵ギルドを目指すべきだろう。
「あっ、わりぃ。おっさん!」
「誰がおっさんだ! お兄さんだろぉ!!」
スッと財布をすられた。クソガキがよ…! しかも足が速い!! くっ、落ち着け! クールになれ。
クソガキの方が街に慣れており地の利がある。俺は賢いので、ガキにマーキングを施した。悠々とガキを追い詰めるのだ。
ガキを追ってのんびり歩いた結果、ぼろぼろの教会に着きました。おお、神よ。
「お邪魔しますよ」
「こ、こんにちわ。ようこそ、エメンス教会へ」
ほつれが露骨に見える服を着たシスターが、俺を迎えてくれた。見るからに貧乏そうだ。聖教の理念の一つである清貧と言うには見すぼらしすぎる。
「……この教会に、どのようなご用ですか?」
「俺は魔術師なんですけど、大通りで財布をスられましてね。それで下手人に刻印を刻んだのですが、犯人がどうもこの教会に居るようで」
「本当ですか??」
「ええ。あー、身分証は傭兵ギルドのものです。これですね。魔術は、まぁ、簡単なものでこんな」
「金等級……魔術師……」
シスターは、サッと顔色を変えた。それから、少し待っていてくださいと、俺に言い残し、脱兎の如く扉の先へと消えていった。
「アンタたち! 盗みはやめなさいって何度も言ってるでしょ!! 傭兵にやったら殺されるのよ!!! この大馬鹿!! 誰! 誰がやったの!!」
シスターが、凄まじい声で怒っているのが聞こえた。子どもの泣き声がして、シスターが怒鳴り散らしている。
傭兵の財布をスッたのがバレたら、殴られて当たり前だし、下手したら殺される。シスターの怒りようも当然だろう。
「すみません、この子が……魔術師様の財布を盗んだようでして……」
さっきのクソガキは、女の子だったようだ。肩の当たりで切り揃えた赤髪を揺らしながら、必死にシスターから逃げようとしている。
「ほら、お尻を見せなさい」
「嫌!!」
「アンタねぇ!!」
少女の抵抗も虚しく、シスターの手によって彼女の生尻が晒される。白い少女の臀部には、俺がマーキングした刻印がピカピカしていた。尻を狙ったわけじゃない。偶然そこに付いたのだろう。
「お金は、色を付けて返します。どうか、この子のことを許してください」
異性である俺の前で生尻を晒された少女は、耳まで真っ赤になりながら、目には涙を浮かべている。
シスターは、ベールを取り俺に頭を下げている。亜麻色の髪とその間から獣の耳が伸びてる。ん、ケモミミだ。
ケモミミ美少女シスター。これは許すしか無いな…! オデ、ケモミミ、スキ!