魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd   作:八神煌斗

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11.不屈の心 VS 創造者

 

 「なんでこんな事になってんの?」

 「な、なんでだろう……」

 

隣に居るフェイ姉に聞いてみるも、返ってくるのは俺と同じ困惑の声。

俺の前では数羽の灰色の鳥と桃色の魔力球は飛び交っている。

そしてそれを操っている二人は共に空に居る。

 

 「レイジンクハート!」

 《――Axel(アクセル) Shooter(シューター)――》

 「――deployment(散れ)――plunge(突っ込め)!――」

 

互いの攻撃がぶつかり合い、辺りに爆煙が立ち込める。

しかし、ユリアのアヴェは尚も勢いを失わず、なの姉に向かって飛行する。

 

 《――Protection(プロテクション)!――》

 

だが、そのアヴェ達もシールドに防がれ消えてしまう。

 

 「やっぱり連チャンじゃ貫けないか」

 「凄いね。アクセルシューターを貫いてくるとは思わなかったよ」

 「アヴェの貫通能力には自信があるのよ。ま、なのはの魔法が強力だから一回が限界だってけどね」

 

不適に笑いあう二人の周りには再び、鳥と弾が現れる。

えっと……マジで何でこうなったんだっけ?

たしか昼食ん時に――。

 

 

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

 

 

 

 「ねぇ、ユリアちゃんってやっぱり遠距離タイプの魔道師なの?」

 「んー……そうなるんじゃないかしら。クリエイトなら接近戦も出来るけど、私自身は出すだけだし」

 

そうだ。この時は二人とも仲良く話してたんだ。

お互い遠距離後方支援型って事もあって、すっかり意気投合。

俺も特に気ににはせず、フェイ姉と飯を食ってたんだけど……。

 

 「えー。でもそんな状況だったら集束系の方がいいと思うなぁ」

 「何言ってるのよ。ここは誘導型で一旦追い詰めた方が確実よ」

 

なんて声が聞こえてきたんだ。

でもこの時はまだ二人の細かい戦闘スタイルの違いだろうって思ってて……。

 

 「なのはって本当に教導官なの?どこかしらに突撃思考が見え隠れしてるわよ?」

 「ユリアちゃんは慎重すぎるよ。好機だと思ったらそこが攻め時だよ」

 

この辺りで何だか気まずい雰囲気が流れ始めたんだよな。

で、ここからは本当に一瞬。

 

近くに居た俺とフェイ姉は審判として二人の喧嘩に巻き込まれた、と。

よし、思い出した。

 

 

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

 

 

 

 「二人とも模擬戦って事忘れてるんじゃね?」

 「あはは……。それにしてもユリアは凄いね。なのはと互角だよ」

 

その事には触れないようにしてたのに……。

 

今のユリアの姿は言うまでも無い、騎士甲冑だ。

 

形で言ったらシャマル姉さんのに似ていることも無いな。

違うところを簡単に挙げると色は薄い紫でミニスカ。鎧分もそれなりにある。

本人はドレスアーマーとか言ってたけど。成る程、的を射てる。

 

でだ。

その甲冑を着るのにはデバイスが必要なんだが、ユリアはその為にしかデバイスを使ってないらしい。

 

これを聞いたとき宝の持ち腐れだと言ったんだが、当の本人は――。

 

 「デバイスなんか使ったら逆に効率が落ちるわよ」

 

との事。

それを聞いたときは周りに居た姉さん達の驚いた顔。

 

母さんが元になっているユリアはその辺りはかなり優れているみたいで、マルチタスクや演算能力が非常に高い。

あの時は何バカな事って思ったけど……嘘じゃなかったのね。

 

 「なの姉ってリミッター付きでAAだっけ?それと互角って事はそれくらいはあるって事か……」

 「でもユリアは魔法一つしか使ってないし。もっとあると思うよ」

 「マジか……」

 

フェイ姉がそういうって事はそうなんだろうな……。

そもそもリミッターって魔力を抑えるだけだから技術面に関してはS+のまんまだし。

 

あれ?って事はユリア俺よりも強いんじゃね?

うわぁショック……。

 

 「ウィズ。動くよ」

 

さっきとは違い、真剣な口調になったフェイ姉の言葉に、俺は訓練場に再び視線を戻した。

 

 

 

ユリアside――――――――――――――――――

 

 

 「中々やるじゃない、なのは」

 「ユリアちゃんも。模擬戦、それも遠距離同士でここまで苦戦したのは久しぶり」

 「本気出してない人に言われてもね」

 「それはユリアちゃんもでしょ」

 「まぁね」

 

とは言ったものの、このままじゃ負けなくても勝てないわよねぇ。

折角やるなら勝ちたいしね。

 

大物いってみる?

 

 「――create(クリエイト)――」

 

もう一回、アヴェを創り出す。数は10。

あと少し創る事も出来るけど、今の私、それもなのは相手じゃそこまで思考を分割できない。

 

 「――plunge(突っ込め)!――」

 「っ――!!」

 

なのはが今度はプロテクションも張らずに、回避行動を取った。

 

それもそうよね。

今の数瞬反応が遅れたなのはには、それしか選択肢が無い。

何せ貫かれる危険性があるんだもの。

 

実際のところ、なのはのプロテクションを貫くほどの貫通力、アヴェには無い。

それでも私が張った罠。あの二言。それに見事に引っかかってくれたみたいね。

 

 【やっぱり連チャンじゃ貫けないか】

 【アヴェの貫通能力には自信があるのよ】

 

これを聞いた時点で向こうはただ防ぐって言う選択肢は消えたはず。

私の言ったことが嘘だって判断する材料、与えてないからね。

 

なのはもバカじゃない。なら、迎撃に間に合わなかったら一旦逃げるしかない。

ま、直ぐに打ち落とされるでしょうけど……。

 

少しでも時間が稼げれば十分!

 

 「――create(クリエイト)!――」

 

右手を水平に突き出し、左手で手首を掴む。

 

 「っ!」

 《――Axel(アクセル) Shooter(シューター)――》

 

私が何かしようとしている事になのはが気づいた。

こっちに向かってシューターを打ってくる。

 

でも――。

 

 「turn(回れ)――pierce(貫け)!――」

 

さっきなのはに向かって打ち出していたアヴェすべて動員してシューターを貫かせる。

そして残りの思考をすべてクリエイトに割く!

 

 「かかったね、ユリアちゃん!」

 「っ!?」

 

呼ばれて、なのはの方を見る。

そこには足元に桃色の魔方陣を敷き、デバイスをこっちに向けている。

 

……あれってどう見ても砲撃よね。

 

 「くっ」

 

もう一回シューターを撃抜いてるからなのはは絶対にシールドで防いでくる。

仕方ない!

 

 「――disappear(消えろ)!――」

 

出していた全てのアヴェを消去。思考全てをクリエイトに割く!

 

 「ディバイーン――……」

 「――Leon(レオン)!――」

 

目の前に出現するのは3m程の灰色の獅子。

なんか足元で『ちょ、ライオン!?でか!?』とか間抜けな声が聞こえるけど……。

バカはフェイトに任せておきましょ。

 

 「バスター!!」

 

襲い掛かってくる桃色の砲撃。

それを私は正面から迎え撃つ!!

 

 「――pierce(貫け)――break(砕け)!――」

 

支持を聞くと同時に砲撃に突っ込んで行く私の獅子。

破壊することに関してはこの子が一番!

 

そして、レオンとディバインがぶつかり合いこの戦いで最大級の爆発を起こした。

 

 

side out――――――――――――――――――

 

 

 「二人共、お疲れ様」

 「ありがとう、フェイトちゃん」

 「おつかれー」

 

フェイ姉から飲み物を受け取る二人。

ユリアはそのまま座り込み、ジュースのコップを額に当てている。

 

 「頭冷やして何してんだ?大丈夫か?」

 「ん?少しマルチタスク使いすぎただけ。問題ないわ」

 

コップを額からどけ、説明をしてくれるユリア。

 

結局、勝負はなの姉の勝ちだった。

あの爆発の後、二人共まだ健在だったんだけど、ユリアが頭が痛いとか言って降参した。

 

 「久しく戦闘でクリエイト使ってなかったから。少しオーバーヒートしてんのよ」

 

あー気持ちー。とか言いながらまた額にコップを当てるユリア。

お前はどこのオッサンか?

 

 「それにしても鈍ってるわね……」

 「あれでか?」

 「ええ。レオン出すのにあれだけ時間と思考を割くとは思って無かったわ」 

 

なんて事をシレッといいやがった。

これでユリアが全盛期の力を取り戻りたら今のなの姉くらい軽くあしらうんじゃ……。

 

その本人は「やっぱ訓練って大切なのねぇ」ってシミジミしてる。

 

 「なのは。悪いけどこれからも付き合ってくれない?」

 「うん、いいよ。毎日は無理だろうけど……」

 「構わないわ。暇なときに相手してくれたらね」

 

何だか試合前より仲良くなっる気がする。

 

あ、あれか?

殴りあった後の。

 「ふ……。やるじぇねぇか」

 「お前もな。俺をここまでマジにさせたのはお前が始めてだぜ」

 

見たいなやつ。

 

 《相棒、相棒》

 「んあ?」

 《どうせ馬鹿な事を考えてたんでしょうけど……皆さん行きましたよ?》

 「え?マジか!?」

 

 

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