魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd   作:八神煌斗

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15.戦闘開始

あのトーギの爆弾発言から数分。

面会が終わって今は三人で長い廊下を歩いている。

 

面会時間はそう多くない。今回は俺たちと話したから余計だろう。

数分間だけだが、トーギとレイラは何処か満足気だった。

 

 「それにしても、まさかアイツと会わせられるとは……」

 「ビックリしたやろ?」

 「それはもう盛大に」

 

正直に言うとトーギが出てくるまでナンバーズの子達が出てくるものだと思ってたし。

……ん?

良く考えたらナンバーズが収容されてるのってここじゃねぇじゃん……。

 

 「これからどうすんの?」

 「あ、ハイハイ!お昼を食べに行きたいです、部隊長殿!」

 「お昼も近いし……そやな。そうしよか」

 「いやったぁ!」

 

嬉しさを体全部使って表現しすように、跳んで喜ぶ。

このこの辺はやっぱり子供なんだな、って思う。

 

俺たちはそのまま、出口に向かって歩き出した。

その時、アラートが大きく鳴り響き、視界が一瞬にして赤に点滅した。

 

 「っ!なんだ!?」

 「アラート?これは……敵襲!?」

 「えー。なんでこのタイミングなのよぉ……」

 

緊迫感が充満し始め、俺たちを含めた周りの局員全てが緊張し始めてる中、コイツだけはマイペースだった。

肩を下ろし、頭を垂れ、本当に落ち込んでる。

 

 「ほらユリア。また連れてったるか。な?」

 「う~~……」

 

いや、二人だった。

 

 「あーもう!さっさと捕まえるわよ!」

 

ユリアがそう気合を入れると同時。

俺たちの目の前の天井が砕け落ちた。

 

咄嗟に後ろに跳んで下敷きになるのは逃れた。

 

 「あぁ?どこにも居ねぇじゃねぇか……」

 「ふざけろ。ここはまだ手前だ。地図も読めないのか?」

 「うるせぇ」

 

何時か聞いた声。

それが砂埃充満する中から聞こえてきた。

 

ユリアの表情もさっきとは全く違う。

前かがみになり、両手にはアヴェを出現させ、ひたすらに目の前を睨んでいる。

 

 「んあ?おい、この魔力……こっちか?」

 

そこから出てきたのは、あの時の赤髪の男だった。

 

 「おうおう。こりゃなんの偶然だ?もしかして俺、運が向いてきた?」

 「逆でしょう?何でココに気なのか知らないけれど、私が居るんだからね」

 「それこ逆だろ。俺に会った時点でお前は潰す」

 

睨みあったままお互いに動かない。一触即発の雰囲気。

互いが互いに隙を探している。

 

 「(ウィズ、先に言っておくけど動いたらあかんよ)」

 「(なんでだよ?今アイツが見てるのはユリアだ。俺が動いて隙でも作れば……)」

 「(あの赤男が出てくる前、話し声は二人分聞こえた。あの男がこっちを見てないんはそういう事や)」

 

あの数秒でそこまで……。

流石に部隊長やってるだけあるな。

 

あの煙の中にもう一人、あの白いヤツか?

 

次第に煙が晴れていく。

そこに立っていたのは、予想通り白髪の男だった。

 

腕を上げてさえいないが、その目はしっかり俺たちを見ている。

どうしたら……。

 

 「さぁ、いくぜぇ……ユリア!」

 「っ!――create(クリエイト)――plunge(突っ込め)!――」

 「って、おい!」

 

こっちがどうしようか考えてる間に、あちらさんは戦闘を始めやがった。

 

 「(ウィズ!私じゃこの狭い空間、それもリインが居ない状況じゃ魔法が使えへん)」

 「(分かってる。俺は援護に回る!)」

 

アテナをレイラ、二つを同時にセットアップ。

この狭い空間なら、刀身が短いダブルソードが適任。

 

 「ウィズ、右!」

 「!?」

 

後ろからはや姉の指示が飛び、俺は言われるがまま跳ぶ。

数瞬の後、俺の居た場所が爆発を起こした。

 

 「(ウィズ、私が魔力を探って指示を出す。聞き逃さんといてや!)」

 「(はや姉……助かる!)」

 

そして俺は走り出し、赤髪の男に切りかかる!

 

 「はああぁぁ!!」

 「ちぃっ」

 

それに気づいたユリアが一歩後退、入れ替わるように俺が前に出る。

振りかぶる二刀を、赤髪の男は右手に装備した巨大な盾で防ぐ。

 

おそらく、これがコイツのデバイス。

巨大な盾は肩をも覆いつくすように長い。

色は正に、幾人も葬ったように、鮮血を浴びたような赤。

 

 「おまえな、空気読めよ。俺は別のヤツと戦ってんだぞ?」

 「だから……何だってんだ!!」

 

 「ヴィオル、ココはお前に任せる」

 

白髪の男が短く言い、この場を後にしようとしたその時。

男の周りに数匹のアヴェが、囲むように飛び回った。

 

 「どこに行く気か知らないけどね、行かせる訳無いでしょ」

 「ま、分かっていたがな」

 

腕を振るう。

すると、弾かれた様な動きを見せ、アヴェ達が消える。

 

 「解ってはいたけど、魔力光の色が無いってのは厄介なものね」

 「色が……無い?」

 「何時までくっ付いてんだ、テメーはよ!」

 

赤髪、ヴィオルと呼ばれた男が盾を横になぎ払う。

俺は弾かれるように後ろに跳び、ユリアの隣にまで下がる。

 

 「ユリア。色が無いってどういうことなん?」

 「言葉通りの意味よ。エストラ……白髪の男は魔力に色が無いのよ」

 「は?色が無いなら色は白じゃないのか?」

 「それは白色よ。どうしても色と言いたいなら、アイツの色は無色」

 

だから視認が出来ないって、透明だって事か。

厄介極まりないな。

いくら魔力を感知できても、見えないなら避ける事なんて……。

 

 「ほんなら、対策は十分練れるな」

 

マジかよ?

 

 「(良く聞きや、ウィズ)」

 

そして、念話で俺に対策を教えてくれた。

 

 「(成る程。確かにそれなら交わし切ることが出来る)」

 「(一応私も魔力サーチはして置くけど……頼りにせんといてや)」

 「(私が全部叩き落してあげるから、そこまで気を張る必要は無いわよ)」

 「(頼りにしてるぜ?)」

 「(この戦闘が終わった後で私を称えるが良いわ)」

 

それは頼りになるお言葉だ。

 

さて、ココからはおふざけも一切無し。

俺に任された相手、赤髪の男、ヴィオルを睨む。

 

 「ん?お前が相手か?」

 「まぁ……な!」

 

再び、ダブルで切りかかるも簡単に防がれた。

だがここで攻撃は止めない。

 

双剣の持ち味。

攻撃力を犠牲にして得る、怒涛の連激!

 

 「はぁ!中々早ぇじゃねぇか!」

 「簡単に受けきってやがるくせにっ」

 「それは俺が強ぇからだぁ!」

 「ぐっ……!」

 

弾かれる双剣。

俺の体ががら空きになる。

 

 「ハラ、力入れろ!」

 「っ!……ゴフッ!?」

 

腹に入るヴィオルの左腕。

立っていられなくなり。その場に膝をつく。

 

 「ウィズ!っ!」

 「ウィ……はやて!前!」

 「君たちの相手は俺だろう!」

 

 

ユリアとはや姉が助けに入ってくれようとしたみたいだが、それもエストラに邪魔されたらしい。

目の前には、ヴィオルが俺を見下ろしている。

 

 「こういうの、お前の育った星でこういうんだっけか?棚から草餅」

 「牡丹餅だ、バカ」

 「それは勉強になった、ありがとうな」

 

右手に装備している盾が、天高く、掲げられる。

 

 「んじゃ、暴れられても面倒だからな。寝てくれや」

 

振り下ろされる盾。

数秒も経たないうちに、これは俺に振り下ろされ、意識を失う。

 

逃げたくても既に手遅れ。

仕方ない、か。

 

覚悟を決めた。

 

 「何!?」

 

その時、ヴィオルが盾を後ろに振りぬいた。

 

 「ご挨拶だな、テメェ」

 「何分、まともな教育を受けていないからな」

 

ヴィオルが睨む先そこに立っているのは黒い影。

そいつは、さっきまで俺たちと会っていたヤツ。

 

 「さて、これは何の騒ぎなのか、教えてもらおうか」

 

トウギだった。

 

 

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