魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd   作:八神煌斗

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02.鉄槌編

 

 「えぇと……あぁ、居た居た。ヴィータ姉さん!」

 「あん? ウィズじゃねぇか。どうしたんだ?」

 「少し頼みたいことがあってさ」

 「頼みたいこと?」

 

 

 

 

 

 

 「で、何だよ?」

 

朝練が始まる前に俺はヴィータ姉さんと二人で一足先に訓練場に来ていた。

理由もなく連れてきたので少し半目になってる。

 

元々目つき悪いのにそんな半目じゃ……。

 

 「あいたっ! 何!?」

 「お前今、私の目つき悪いのに、余計に悪くなってる、とか思っただろ?」

 「……エスパー?」

 「やっぱりかあぁ!!」

 「あ。ゴメっ、いや、アイゼンは駄目! アーーッ」

 

 

 

 

 「で、なんだよ」

 「少し手伝って欲しい事があるんです……」

 

正座。

 

 「手伝って欲しいこと?」

 「はい、少し模擬戦をお願いしたいんです」

 「……お前正気か?」

 

その気持ちはよく分かります。

だって数日前にあんな事があったのに、頼み込むことじゃないですよね?

でも今回はちゃんとした理由があるんです。

 

……だから「M?」とかちっちゃい声で言わないでください。

後ずさりしないでください。

 

 「いや、少し調整したいんですよ」

 「調整? あぁ、そいつらか」

 

一瞬首を傾げていたヴィータ姉さんだっかが、俺の首に掛かっている二つの指輪を見て納得した様子。

デバイスが二つとなると色々戦い方が変わるからなぁ。

 

確かに戦術の幅は広がるけど……ひとつ間違えたら腕落とすからなぁ。

はやいうちに対策撃っておいて損はないだろ。

 

 「でもなんで私なんだ? 他に居るだろ?」

 「俺に死ねと?」

 

今回は調整目的だからある程度接近戦が出来る人じゃないと意味が無い。

そこで上がるのがヴィータ姉さん、フェイ姉、そしてシグナム姉さん。

昨日の今日で模擬戦なんて頼んだら俺確実に死にます。

 

スグにその考えに到ったのか、ヴィータ姉さんも視線を横にずらして頬をかいている。

 

 「ま、まぁ、それなら仕方ねぇか……。でも調整って何をどうするんだよ?」

 「そんなに難しいことじゃないよ。単に戦い方も模索したいだけだから」

 「というかお前って槍使えんのか?」

 「……それを含めての模擬戦という事で」

 

はっきり言って槍は全然使えなかった。

前回のお仕置き中にレイラを使ったけど……付け焼刃とはよく言ったのモノ。

始めの数手こそ防げたがスグに落とされました。

 

まぁ、剣術はガキの頃から体に教え込まれたからある程度使えたけど……。

多分レイラつかった戦闘じゃエリオとかにでもスグ負けそうだしなぁ。

 

 「仕方ねぇな」

 

なんて言いながらアイゼンをセットアップ(表現あってんのかな?)する姉さん。

甲冑は着ていない。

……まぁ、分かってたよ。うん。

 

 「じゃ、俺達も準備するか」

 《分かりました!》

 《了解した、マスター》

 《《―― set up ! ――》》

 

アテナとレイラが白黒に輝き、甲冑を生成する。

 

 「へぇ、二つ同時にセットアップか。おもしれぇ事考えたな」

 「こうしないと色々危険だったんです」

 「あん?」

 

この二人、どっちが戦闘とかでどっちがセットアップするかで毎回喧嘩するんだもんな……。

で、色々思案した上でこの同時セットアップに行き着いたって訳だ。

まぁ、道のりは楽じゃなかったけど……。

 

二人の甲冑構成情報をシャーリーさんと協力して作り直しては着てみての繰り返し。

しかも色の好みも白と黒で分かれてるから配色にまで気を使う始末……。

今日まで戦闘面の調整が出来なかったのはその為だ。

 

そのお陰でアイスマンの戦い方を思い出すことは出来たけどな。

 

因みに今の俺の甲冑だが、インナーは形はそのまま白色に変更してあり、ズボンは以前と同じ。

ジャケットは黒く、左胸部分に白のラインで十字が描かれている。

そして白い腰布を装備。

後は以前と一緒だ。

 

 「おい、たそがれるのは別にいいけどよ、さっさと始めねぇか?」

 「あ、ゴメン。分かった。姉さんには準備運動にもならないかもだけど……」

 「別に構わねぇよ。おら、来いよ」

 

アイゼンを構える姉さん。

んじゃ、俺もやってみますかね。

 

 「アテナ、ノーマルソード」

 《――Normal(ノーマル) Silhouette(シルエット)――》

 

アテナをノーマルにすると同時に姉さんに向って切りかかる。

まぁ、案の定簡単に防がれるわけで。

 

 「おい、レイラは使わねぇのか?」

 「戦い方を考えるだけですしね」

 

それに短期間で槍を使いこなせるようになる訳無いのは重々承知。

なら、今までのスタイルの中にどうやって織り交ぜていくか。

それが俺の今の課題だ。

 

 「考えがあるなら別にいいけどよ」

 「なら、もう少し激しく行かせてもらいます!」

 「よし、来い!」

 

その声を聞くと同時に体を低くし、ヤクザキックを繰り出す。

姉さんはそれをアイゼンの柄で防ぎ、上空に飛び上がる。

 

 「ウィズ、コレはどうする?」

 《――Schwalbe(シュワルベ) fliegen(フリーゲン)――》

 

姉さんの前に4つの鉄球のような物が現れる。

アレは射撃魔法!

 

 「アテナ!」

 《――Hyperion(ハイペリオン)――》

 「でりゃあぁぁ!!」

 

ギリギリの所でハイペリオンの展開が間に合い、防ぎきる。

 

あの戦いの後、ずっと三番を開きっぱなしだったせいなのか、二番までの状態でもある程度強力なものを作れるようになった。

それでも三番開放に比べると低いんだけどな。

 

 「アイゼン!」

 《――Komet(コメート) fliegen(フリーゲン)――》

 

自身の頭より巨大な鉄球に真紅の魔力光をまとわせているヴィータ姉さん。

確かシュワルベの強化版だっけか?

 

――って、なんつー技出してんだあのツンデレロリっ子は!!

 

 「殺す!」

 

あれ、俺口に出してないよね?

コメートってあんなに大きくなったっけ?

 

 《顔に出てたんじゃないですか? 相棒分かりやすいですからねぇ》

 《殺気も確実に倍以上に膨れ上がっているな。―― マスター》

 

冷静に状況を分析する相棒二人。

そしてレイラは自分を使え、と言ってきているのと同じだ。

まぁ、それが一番だよな。

 

 「アテナ! レイラとチェンジだ!」

 《仕方が無いですね。レイラ、精々役に立ちなさい》

 《フッ。マスターがピンチな時に変えられているクセに》

 《なぁ!? どの口がそんなことを言うのですか!!》

 「喧嘩してる場合かぁ!! レイラ、来い!」

 《承知した、マスター!!》

 《チクショーー!!》

 

断末魔のように叫んでいるアテナはこの際無視、半強制的に待機状態に戻す。

そしてレイラをセットアップ。

勿論形式は突撃槍、ランス。

 

少し大きい為両手で持ち、姉さんに向き直り、構える。

 

 「この流れは予想外だったけど、いいチャンスって考えるか」

 《それがいいでしょうね。さて、ちゃんと扱いきってくださいよ》

 「アイスマンよりも扱いきってやるよ!」

 《それは無理でしょう》

 「言ってろ!」

 

そしてレイラに魔力を流し始める。

先日使ったときに聞いたんだが、あの魔法を無力化(マジックキャンセラー)を使うのにも相応の魔力を必要とするらしい。

世の中そう上手くないって事だな。

 

アテナが使用者の補助を目的としてるなら、レイラは正に使用者の強化が目的だ。

 

アテナは戦況や魔力付与によって使用者の補助が主だ。

それに反してレイラは本当に反対。

使用者の魔力を使って、自身の特殊能力を発動させる。

使用者がある程度の腕と魔力を持っていることが大前提のデバイスだ。

……アテナで本当によかった。

 

 「行くぞ、レイラ!」

 《承知! ――magic(マジック) canceler(キャンセラー) !!――》

 「コメートフリーゲンーー!!」

 

 

 

 

 

 「スイマセンデシタ」

 

 

土下座。

結果だけいうとコメートがでか過ぎてキャンセル仕切れませんでした。

大きさで言うと元に戻ったんだど、魔力使いきって、そこをアイゼンで直接打撃。

あっさり負けました。

 

そして土下座。

 

 《(最近新しく【相棒=土下座】の式が出来てきた気がします)》

 《(そうなのか? ……コッチにきたのは間違いだったか?)》

 

そして相棒ズからの罵倒。

もうくじけそうだよ、僕。

 

 「ったく、ついマジになっちまったじゃねーか。これに懲りたら控えろよ?」

 「はい! 誠心誠意そうさせていただきます!!」

 「……なんか違う気もするけど……まぁ、分かったなら許す。ほら朝練の時間だ。行くぞ」

 「いや、ウィズはコッチだ」

 

だから俺が何をしたって言うんだ?

もう振り向くのもイヤだが、逃げ切れるはずも無いことは分かっているので振り返る。

 

案の定そこには甲冑を着たシグナム姉さん。

 

 「なんでしょう?」

 「新しい力を手に入れたんだろう?その力をモノにするには経験あるのみだと思うが?」

 「だからさっきヴィータ姉さんと……」

 「一度でいいはずが無いだろう!」

 

いや、そんなに握りこぶし作って力説されても……。

 

 「だから今度は私とだ!」

 「え、だから何で!? どんな話の流れでそうなるの!?」

 「問答無用!!」

 「イヤーーーー!!」

 

 

 

 

色々と……完

 

 

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