魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd 作:八神煌斗
起動六課は古代遺物管理部の機動課だ。
レリックの件が終わっても、大前提は変わらない。
俺は今、単独でのロストロギア探索任務にあたっていた。
単独といっても今回ははや姉に自分から申し出た。
レジアス中将はJS事件で死んでるからな。
もうあんな無茶な任務はもう無い……筈だ、うん。
シグナム姉さんから聞いたんだが俺が単独で危険な任務にあたっていたのは俺に消えて欲しかったからだそうだ。
任務で俺が死ねば管理局の汚点も消えるからな。
しかも俺が単独で出動してた理由を問い詰められても、直接俺に伝えてきたので何とでも言い訳できる。
まぁ話はこの辺にして、俺は今そのロストロギアを回収、二日ぶりの六課に持ち帰ったところだ。
最初は病み上がりだと言われて止められたんだけど、色々整理したいこともあったから無理に押し通した。
「あ、ウィズ君おかえり」
「今帰ったの?」
六課の入り口前でなの姉とフェイ姉に会った。
二人は朝練の帰りか?
後ろでFW達がぐったりしてる所を見るとそうなんだろうなぁ……。
「その今持ってるのがロストロギア?」
「うん。思ったよりチマかった」
俺の手にはレリックが入ってたようなケースがある。
この中にロストロギアが入っている。
大きさはテニスボールより少し大きいくらい。
俺はそれを見せようとケースの蓋をあけ――
《あ、相棒危険ですよ!?》
「ん? ダイジョウブ、ダイジョウ――ってぇ!!?」
蓋を空けた途端に光を放ちだすロストロギア。
「皆は離れて!」
「ウィズも早く!」
なの姉とフェイ姉は素早くFW陣と周りに居た局員を避難させている。
俺も避難したいが、流石に自分のヘマを姉さん達に尻拭いさせるわけには行かねぇ。
「レイラ、ランスモードだ!」
《駄目だマスター! 疲労した今のマスターの魔力では防ぎきれん!》
「ちぃ!」
「ウィズ君!」
「ウィズ!」
光に飲み込まれる前に、二人の姿が見えた。
――で。
「コレは何の冗談や?」
「冗談だったらどれだけよかったか……」
「に、にゃはははは……」
「うぅ……」
俺達の体が縮んだ。
その後シャマル先生の身体検査を受けたが今のところ特に悪影響は無いらしい。
今ははや姉と二人、部隊長室でユーノさんに通信でロストロギアの事を調べてもらっている最中だ。
その際、顔がにやけている様に見えたのは気のせいだと思いたい。
「はやてー。この書類……」
部屋に入ってきたヴィータ姉さんが入ってきた。
けど直ぐに無表情でまま後退してドアが閉まった。
何とも言えない空気が部屋に漂う。
「本当だって!ウィズがチッコクなってんだって!」
「だからそれは見間違いだろう。疲れてるんじゃないのか?」
「そんなんじゃねぇって!!」
あぁ……更なる騒ぎの予感。
結局、あの後ヴィータ姉さんに連れてこられたシグナム姉さんも一度無言でドアを閉めた。
人は処理しきれない事が起きると目を逸らしたくなるらしい。
今はこっちに戻ってきたというかなんと言うか。
シグナム姉さんとヴィータ姉さん、そしてシャマル姉さんの方で検査が終わったなの姉たち二人を加えた六人で部隊長室で雑談している。
「……本当に縮んだのだな」
「にゃはは……。恥ずかしいです」
「ヴィヴィオの服、少し多目に買っておいてよかったです」
なの姉とフェイ姉はシグナム姉さんと三人で花を咲かしている。
「ほれほれ。アタシの方が背が高いぞ」
「ほんまやなぁ」
「ぐぬぬぬ……」
俺は俺ではや姉とヴィータ姉さんと話してるんだけど……。
で、俺は声を大にして言いたい。
「何故俺だけこんなに縮んでるの!?」
《それが相棒クオリティ》
《マスターの持つスキルの中で一番強力なモノだな》
「なんでそんな無駄なものばっか持ってんの俺!?」
なの姉たちに比べて明らかに俺は縮みすぎている。
俺が見るになの姉たちは初めて会った時、9~10歳くらいだと思う。
だけど俺は?多分4~5歳。
なんでかって?
だってヴィータ姉さんよりも背が低いもん。
初めて会った時だって身長はトントンだったのに……。
そして当然4~5歳の子が着るような服もある筈も無く、俺の格好はジャケット。
今まで来てたのをそのまま小っさくした感じ。
「ユーノさん、お願いです。一刻も早く元に戻れる方法を……」
《今の格好じゃ会いにいけませんもんねぇ》
「は!?そういえば……」
アングとの約束の日まで一週間切ってるのに、この格好じゃ会いに行けねぇ!
どうするよ!?
「会いに行くって、誰にや?」
「はい?……おおぉ!?」
声をかけられると同時に突然の浮遊感。
いや、落ちたんじゃないのよ。
持ち上げられたの。
――って!?
「ははは、はや姉!?なにをやってるのかな!?」
「何って……抱っこ」
「だからなんで!?」
そんな「なに言ってんの?」見たいな感じで答えられても困ります!
最近はヴィヴィオだって抱っこの回数減ってんの知ってるよ!?
「えぇやんか。居心地悪いか?」
「周りの視線が痛いです」
まぁ、抱っこなんだけどね。
もう少し詳しく言うと前腕の上に座る感じ。
だから周りの人の顔も見渡せるんだけど……ニヤニヤしてるのよ。
っていうかね。
「はや姉もわってるんでしょ?」
「なんのことや?」
「うん。その台詞は緩んだ口で言っても説得力ないと思うんだ」
「……なんのことやら」
目を逸らすな、目を。
《そんなこと言って、本当は嬉しいのではないか?》
《もう、相棒ってばツンデレなんだから》
「お前らは黙ってろ!ってかアテナ、お前一回フルメンテが必要か!?」
《是非!》
「肯定するなぁー!」
《マスターはメンテナンスを中々してくれないからな。仕方ないだろう。ついでに私も頼む》
「今度は自薦!?」
俺イヤミで言ったんだからな!?
何でそれを捻くって受け取るかな。
それに何て言うか、レイラも良い感じに染まってきたなぁ、と。
で、帰ってきてこれだけ大騒ぎしてたせいか。
俺の腹が盛大になった。
何度経験しても慣れないね、この時間が止まる感じは。
「この子のお腹空いた見たいやし、お昼にしよか」
「時間も調度良いですね。では食堂に行きましょうか」
何事も無かったかのように会話するはや姉とシグナム姉さん。
こんな事なら笑ってくれた方がマシだ。
「ちょっ!?何で抱いたまま歩いてるのかな!?」
「ん?もしかしてシグナムの方がええか?」
「…………いや、そうじゃなくてね!」
《今変な間があったな》
《葛藤でもしたんでしょうここに来て変態のキャラでも狙ってるんですか?》
狙ってません。
でもゴメン、一瞬何とも言えないものが頭を過ぎったんだ。
「……ほな行こか」
「え、はや姉?だから降ろしてって……」
「イヤや」
「あ、駄目はや姉。その目は駄目」
ハイライトが消えてる。これはマジだ。
え?なんで?俺今回に限っては何もしてないって言い切れるけど。
「(今回はお前が悪い)」
既に何も言えなくなった俺に後ろからシグナム姉さんが念話で話しかけてきた。
「(あの、何ででしょうか?ちょっと本当に解らないんだけど……)」
「(……今度私が鍛えなおしてやる。元に戻ったら覚悟しておけ)」
「(なんで!?)」
あ、一方的に念話切られた。
なんか知らない内に死亡フラグだ立ったけど……。
《(私も分かりませんね)》
「(だよなぁ)」
《(やはりマスター達は紛れも無いコンビだな)》
ん~?
とまぁ、こんな会話をしてるうちに食堂に着いたわけで。
どうなったかって?
思い出させないでください。