魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd 作:八神煌斗
そして次の日。
俺は久しぶりに教導に参加するため訓練場に向かってるのだが……。
「なぁ、そんなに引っ張らなくて大丈夫だから、手離そうか?」
「だめ!こけたら危ないんだよ」
「いや、だからな。中身は元のままなんだから……」
何故か昨日からヴィヴィオが俺に対してお姉ちゃんしてる。
昨日の飯時も「残したらだめですよ」とか言ってきたり、今みたいに手を引いたり。
その度に回りから暖かい視線が向けられるんだが……それが痛い。
こうしている間も何人かに向けられたし……。
と、訓練場に付くと既にスバルたちが居た。
この二人、と言うかFWの面々は昨日の朝に存分に大騒ぎしたので既に今はいつも通りに接している。
まぁ、こいつらの適応力高すぎるってのもあるんだろうが……。
「あ、おはよーございます!ウィズさん!」
「あれ? ウィズさん制服着てますね?
「ん?あぁこれか。コレはエリオのを借りてるんだよ」
すこし大きくて悲しくなったのは内緒だ。
だから手足の裾は2~3回折ってある。
「なのはさんはどうしたんですか? もしかして調子が悪いとか?」
「違う違う。はや姉に呼ばれて部隊長室に行ってるだけだ。そろそろ戻ってくるんじゃないか?」
「ウィーズー!」
ん?
はや姉の声?
俺は声がする方を見てみる。
そこにはやっぱりはや姉が居たのだが、両手で一つずつ引きずっている白い物体はもしかするのだろうか?
「はや姉……その両手に持ってるのて……」
「うん? なのはちゃんにフェイトちゃんやで」
あ、ビクッってなった、ビクッて。
それにしても……やっぱりか。
二人とも何故か聖祥小学校の制服を着ている。
ご丁寧に髪型まで当時と同じにしてある。
言うまでもなく顔は真っ赤だ。
フェイ姉なんか本当に赤いから金髪が映える映える。
「うわー、なのはさん可愛いー!」
「ほうと。一度ビデオで見たことあったけど、実際見ると印象違うわねぇ」
「う~……二人ともそんなに見ないでよー」
「は、恥ずかしい……」
「そ、そんな事無いですよ!凄く似合ってますよ! ね、キャロ?」
「はい! すっごく可愛いです!でもエリオ君照れ過ぎだよ……」
「何か言った、キャロ?」
「別にっ」
なの姉とフェイ姉は既にFWたちに囲まれてしまっている。
なんだか向こうはもり上がってるなぁ。
一瞬キャロが黒く見えた?
ハハハ、エリオ。将来はお互いに良い酒が飲めそうだよ。
「昨日何か企んでるとは思ってたけど、これ?」
「ちゃうちゃう、コレだけな筈ないやん」
「「え゛!?」」
聞こえたんだろう。
顔を今度は青くして凄い勢いでコッチを見る二人の姉。
「ちょ、はやてちゃん! まだ何かあるの!?」
「私もう無理だよ!? 限界だよ!?」
「まぁまぁ。落ち着いて二人とも」
必死になって訴えかける二人を、のらりくらりと交わすはや姉。
そんな時、はや姉に通信が着た。
『はやて隊長。お客様がお見えです』
「あ、もう来たんや? ここまで着てもらえるか?」
『分かりました。そう伝えておきます』
そして通信は終わる。
それにしてもこんな時間に客?
まだ朝の8時だぞ?
「フェイトちゃん、嫌な予感がするのは私だけかな?」
「私も同じ気持ちだよ……」
俺もだ。
そして、さっき言ってたお客様だが……。
「例の件が調べ終わってないのに途中経過を報告しに来いって言われたのか、やっと分かったよ」
「……なんの冗談だい、これ?」
「ユ、ユーノ君!?」
「アルフまで!?」
二人は目をコレでもか、と言うほど開いて驚いた。
そして今度はアルフさんとユーノさんを含めた四人ではや姉を睨む。
さすがにこの迫力にははや姉も押され後ずさりする。
「いや……ほら! 折角縮んだんやし、楽しまないと損やん!?」
必死だな……。
「それで折角やったら当時を再現しようかなぁって……。ダメ?」
「……(コクリ)」
全員が静かに頭を下げる。
「じゃ、じゃぁ私はここら辺で……ほな!」
「あ、逃げた!」
「アルフ」
「ハイよ!」
「ユーノ君も!」
「うん!」
その後、ユーノさんのバインドで捕まったはや姉は狼状態となったアルフさんに咥えられて戻ってきた。
「うぅ……悪ふざけが過ぎました、ゴメンなさい。」
成る程。
土下座ってのは見る分には中々良い物だな。
《相棒が鬼畜に!?》
《失望した、マスター》
「そんなにか!?」
「あ、そうだ。その体の事だけど、2~3日したら元に戻るみたいだよ」
「そうなんですか? よかったぁ」
元に戻れないならどうしようかと思った。
「それにしてもこの面子が揃うのひさしぶりだねぇ」
「……だからって何で僕がこの格好に……」
数分後、呑気……懐かしむように言うのはアルフさん。
そして落ち込んでいるのはユーノさん。
因みに二人の格好は大人VerにフェレットVerである。
これははや姉でなくてアルフさんが言い出したこと。
なの姉達がせっかくあの頃にの姿に戻ったんだから自分達も戻ろう、とのこと。
それでじゃはや姉に土下座させたのはなんだったのか、と気になるが、ツッコんだら負けなんだろう。
「ねぇ、折角だし少し戦らないかい?」
手のひらに拳を叩きつけながら、楽しそうに言うのはやっぱりアルフさん。
だからはや姉の土下座……え、もういい? さいですか。
それに対して姉さん達は乗り気じゃない。
まぁ、当然といったら当然だが……。
「いいじゃないかぁ。最近体動かして無いんだよ。ユーノだってそうだろ?」
「そ、それはそうだけど……。流石にこの姿でやるのは……」
「私もなのはとは……」
特に渋っているのがこの二人だ。
しかもフェイ姉の場合は例の事件が引っかかってるんだから無理そうに見えるけど……。
「ねぇ、フェイトちゃん。折角だしやろうよ?」
「なのは!?」
なの姉の一言に驚いて大声をだすフェイ姉。
声は出さなくても俺やはや姉も結構驚いている。
「で、でも……」
「私はもう元気なんだし。ね?」
「なのは……」
なの姉がフェイ姉の手を取って優しく言う。
そしてしばらくフェイ姉は何かを考えて……。
「うん」
「じゃぁ、試合時間は10分。相手に降参させるかコッチが戦闘不能ってみなしたら退場。
二人とも居なくなったら負け……って事でいいかな?」
『大丈夫だよ』
『わかった』
因みに二人は既に空間シュミレーションを廃郊外に設定してお互いポジションについている。
言うまでも無いと思うがなの姉とユーノさん、フェイ姉とアルフがチームだ。
さらに言うとアルフさんは大人Verでユーノさんはフェレットだ。
これは最後まで抗議していたが、結局女性人に押されユーノさんが折れる形になった。
「それじゃ……はじめ!!」
俺が開始を告げると、なの姉がレイジングハートをフェイ姉に向けた。
それど同時にフェイ姉はバルディッシュを構えた。
しかし、その構えの一瞬。
共に相手に向かい、飛び出す。
デバイスどうしがぶつかり合い、二人の魔力がはじけとぶ。
そしてスグに二人とも後ろに飛び、距離をとった。
《Accel(アクセル) Shooter(シューター)》
《Plasma(プラズマ) Lancer(ランサー)》
二人の頭上に桜色と金色の魔力球が複数現れ――。
「ファイア!」
「シュート!」
打ち出した。
二色の魔力球は共に操作され、共に操作されぶつかり合う事もなく敵に向かい飛んで行く。
なの姉はそれを体を左右に揺らして交わした。
対してフェイ姉は一度引き、シールドを張って全てを防ぎきり、なの姉に再び視線を向ける。
そこには次発弾を既に準備しているなの姉の姿があった。
「シュー ――」
「そう何発も撃たせるわけ無いだろ!」
「っ!」
なの姉が撃ちだそうとした瞬間、横からアルフさんが飛び出し、拳を繰り出す。
勿論、なの姉が不意打ちだったとしてもただの拳に当たる筈もなく、横に体をずらして交わす。
しかし、打ち出す瞬間だった為、アクセルシューターは明後日の方向に飛んで行った。
「今だよ、フェイト!」
「っ!?」
だが、アルフの目的は攻撃を当てる事ではなく、なの姉を誘導すること。
なの姉が交わした先には、ハーケンフォームと成ったバルディッシュを振りかざしたフェイ姉が居た。
「私の勝ちだ、なのは!」
そして振り落とされる金色の刃。
だがそれは、翡翠色のシールドは攻撃を防いだ。
「僕を忘れてもらったら困ります!」
ゴメン、忘れてたよ。
それはなの姉の肩に乗ったユーノさんだった。
なの姉はその隙にフェイ姉、アルフさんから距離をとる。
「今のは通ったと思ったんだけどねぇ」
「そう簡単になのはは落とさせません」
「なのはの攻撃、あの二回目のが来てたら落とされてたかもしれないよ」
「私だって、ユーノ君が居なかったら危なかったよ」
お互い言葉を軽く交わしている。
4人とも笑顔だ。……ユーノさんも笑顔のはずだ、うん。
「所で僕変身魔法解いていいかな? 流石にこの状態で10分はちょっと……」
「「「だめ!」」」
「え!? なのはまで!?」
なんだろう。
今ユーノさんをこの上なく身近に感じたよ。
ユーノさんとは今までにも増して仲良くなれそうな気がする。
「勝つのは私たちだよ、フェイトちゃん」
「いや、私たちだ」
そして再びぶつかり合った。
「すご……」
そう誰かが呟いた。
FWたちを見てみると皆身が点になってたり、口をあけて固まっている。
まぁ、そうなるよなぁ。
それになの姉とフェイ姉の模擬戦見ること自体が初めてだもんな。
その上体が小さいのも拍車かけてるだろうな……。
それにしても……この勝負終わるのか?
もうスグ5分経つけど、使い魔組みは別として、二人とも疲れるどころか動きがよくなってるように見えるが……。
「……朝練、どうする?」
「どうするも何も……出来ません」
ティアナがげんなりしながら答えた。
他の三人は既に俺の言葉は聞こえていないみたいだ……。
でも朝練をしないわけにもいかねぇしなぁ。
かと言って訓練場をフルに使ってるから、隅っこでって訳にもいかないし。
「あ。あの中に乱入ってのは……どうだ?」
「鬼ですか貴方は!?」
結局その日は朝練中止。
なの姉とフェイ姉は日が変わる頃に戻ってきたというのはヴィヴィオ談。
こんな終わり方でいいのか?