魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd 作:八神煌斗
アテナside――――――――――――――――――
そういう訳でテンションに任せて休日を貰ったは良いですが……。
「どうしましょう」
今までも休みというものは貰ってきていましたが、こう一人でって事は無かったですし。
そもそもこう……今までとは違う意味で自由ですからねぇ。
何をして良いのか分かりません。
現に今も廊下を適当に飛び回ってるだけですし……。
「ん?」
なにやら視線を感じます。
これは……後ろ?
「ヴィヴィオさんではありませんか。どうしました?」
後ろにはヴィヴィオさんが居ました。
凄く不思議なモノを見る目で首を傾げてますが……。
まぁ、初対面ですしね。
「アテナ?」
「おや、私がわかるので?」
「だってその話し方、アテナだもん」
あぁ、成る程。
確かに私の様な話し方をする人は居ませんし、大方予想は付きますよね。
というより、相棒は何故気づかなかったんでしょう……。
やはり私の愛が足りないんでしょうか。
コレでも結構尽くしてると思うんですけどねぇ。
相棒ルート突入はまだまだ通そうです。
攻略本でも売ってないのでしょうか?
大きな所なら売っていそうな気も……。
「どうしたの?」
「え?あ、スミマセン。少し考え事を。ヴィヴィオさんこそ一人でどうしましたか?」
「皆忙しそうだから遊んでたの」
「ザフィーラさんは?」
「知らない」
何があったんですかザフィーラさん。
喧嘩の類では無いことはヴィヴィオさんの表情と口調を見れば分かりますが……。
バッサリ切られましたよ?
「それなら私と遊びますか?偶然今日は相棒からお休みを頂いてますし」
「ほんとう!?」
「えぇ。何なら私が大人の恋愛事情でもお教えしますよ?」
「れんあいじじょう?」
「はい。それはもうお昼から夜の付き合い方まで――」
「何を教えるつもりだーー!!」
「はい?」
コレは相棒の声ではありませんね。もちろんヴィヴィオさんの声ではありません。
と考えていたら私の前にその人物は現れました。
「お前は、こんな小さい子に何教えようとしてるんだよ!?」
えーと……あぁ、そうですそうです。たしかアギトさんでしたか。
顔を真っ赤にしています。純情ですねぇ。
「何って文字通り大人の恋愛事情ですが……何か?」
「何か?じゃねぇよ!そんなのまだ早ぇよ!まだガキだぞ!!」
「女は子供扱いさせる事が一番の屈辱ですよ!!」
「しるかぁーー!!」
なんだかノリが相棒に似てますねぇ。
こういう方は意外と口車に乗りやすかったり、弄ったりすると面白いんですよ。
「アギトさん、何を想像してるのか知りませんが私は食事やその他諸々を教えようとしただけですよ」
「なぁ?!」
嘘ですけど。
顔ってこんなに赤くなるものなんですねぇ。
先日のフェイトさんも中々でしたが、コッチも負けていません。
「べべべ、別にそれくらい分かってたさ!アア、アタシはただ、アレだ。ノリだ!」
「…………」
「何だよその目は!?」
「別に何でもありませんよ」
もしかして相棒よりも耐性無いんじゃないでしょうか。
まぁ、面白そうなので良いですけど。
「なんならアギトさんにも教えてあげましょうか?大人の付き合い方」
「はぁ!?アタシは別にそんなモン教えていらねぇよ」
空中で胡坐を組み私に背を向けるアギトさん。
「ですが、アナタにも意中の相手は居るのでしょう?」
「……居ねぇ!」
「居なくても将来役に立つかも知れませんよ?その辺私は相棒をもう直ぐ攻略ですからね。色々テクニックもあります」
「…………本当?」
「本当」
とりあえず今出来る最高の笑顔で返事をしておきました。
で、私たちは今談話室に来ています。
ヴィヴィオさんが椅子に座り、アギトさんがテーブルの上。
私はお二人を向かい合うようにテーブルの上に立っています。
「第一条、相手に主導権を握らすべからず!!」
「…………」
「どうしました?復唱してください。リピートアフターミーですよ」
「復唱すんのかよ!?」
「だいいちじょう――」
「ヴィヴィオもしなくていいって!!」
声に出したほうが覚えやすいですのに……。
まぁ、良いでしょう。時間を無駄にするのは好きではないですしね。
「コレは基本中の基本です。絶対に覚えて置いてください」
「何でだよ。女は男の三歩下がって歩くんじゃねぇのかよ?」
「……アナタはどこの大和撫子を目指してるんですか?」
そもそもミッドにそういう知識があることが驚きですけれど。
もしかしてアギトさんは尽くすタイプでしょうか?
早急に手を打たなければ!!
「アギトさん、いけません!!」
私は近づいてアギトさんの両肩を掴みます。
「うゎ!?な、なにがだよ!!?」
「アギトさん程ツンデレの素質を持っている人を、私はティアナさん以外知りません!!」
「他に居るのかよ!?」
まぁ、ティアナさんは六課で唯一のツンデレ素質持ちですし。
アリサさん?あの人は正真正銘本物ですから、素質以前の話です。
「ツリ目、ツインテール、素直になれないその口調!完璧です!」
「ちょ!落ち着け!!」
「アナタはアナタのままで居てくれたらいいんです!!」
「良い言葉なのにスゲームカつくんだけど!!」
「ねーヴィヴィオは?」
「ヴィヴィオさんもそのままで居て下さい。だけどその純粋な目が少し痛いのは何故でしょう」
なんと言いましょうか、私の良心に訴えかけるというか突き刺さるというか……。
なんだかムズムズするのです。
ま、これは置いておきましょう。
きっとシステムの不具合でしょうし、後で見て貰う事にします。
「とにかく、今の時代は男は大人の女に惹かれるのですよ」
とまぁ、こんな具合で私の恋愛講義は問題なく進んでいきました。
「こんな感じでしょうか。今私が言ったことを全てマスターすれば完璧です」
「本当かよ」
「はい。現に相棒は私にメロメロで――アイタッ」
最後まで言い切る前に頭を小突かれました。
アギトさんとヴィヴィオさんでは有りません。だって目の前に居ますし。
「誰がお前にメロメロだって?」
「相棒!?」
「せめて顔を確認してから呼べよ」
何を言いますか。
私くらいになれば臭いで相棒を認識できます。
「それ凄く変態くさい」
「実は私も言ってから少し思いました」
まぁ、臭いは流石に言いすぎでしたか。
気配とか、その辺が無難でしたね。相棒はともかく私は変態キャラなんて狙ってませんし。
っと。
「そういえば相棒。どうしました?」
「ん?訓練が終わったから迎えに来たんだよ」
言われてみれば肩にタオルをかけてますし、髪も少し濡れていますね。
お風呂上りですか。
「なぜ私を呼ばなかったんですか?もう背中を流してあげることも出来るんですよ?」
「無理」
「否定された!?」
「で、お前はココで何やってなんだよ。ヴィヴィオとアギトまで連れて」
私ではなく、お二人を見ながら質問してくる相棒。
「私の今までの経験をふんだんに持ち込んだ恋愛術をご教授していました」
「今までの経験?」
「今までの」
何ですか、その目は。
既に相棒は私にメロメロでしょう。
あ、恥ずかしいんですね。分かります。
「違うからね!?何勝手に自分に都合良い様に解釈しちゃってるの!?」
「それが私のいいところです。アイム・ポジティブ!」
「何か違うから!」
「まぁ、そういうことにしておきましょう」
「なんで偉そう!?」
私が偉いからに決まってるじゃないですか。
何を言ってるんでしょう。
先日から少しは成長したと思ってましたが、未だに上下関係は理解できていないようで。
「お前今変なこと考えてなかったか?」
「まさか。それで迎えに来てくれたんですよね。いきましょう」
私は再び浮かび上がり、相棒の肩に座ります。
いつもの胸元も中々良いですが、コッチのほうが良いですね。
最後にアギトさんのヴィヴィオさんに挨拶をして私たちはその場を去りました。
side out――――――――――――――――――
「それでは相棒、行って来ますね」
「ん?また行くのか?」
「えぇ、細かい調整も残っていますので」
夜、アテナがそんな事を言って部屋から出て行った。
てっきり完成したモンだと思ってたけど、微調整でもあんのかな?
まぁ、デバイスに身体を持たせるんだからそれなりにあるんだろうなぁ。
ま、俺にはそんなに関係ねぇか。
寝よ。
《あいぼーーーーーー!!!》
「っ!!?なに!?いったい何!?」
《やっと起きましたか、相棒》
「アテナ?」
目が覚めると、目の前にリィンに担がれたアテナが居た。
因みにリィンはちゃっかり耳栓を付けてる。
ってあれ?
「お前フレームはどうしたんだよ?」
《調整すると言ったでしょう?そう毎日毎日つけていられませんよ》
「それだけが原因じゃないですよ」
《リィンさん!?》
聞けばアナザーフレームの回路が焼けていたらしい。
しかもその回路が結構手間のかかるモノで、修理まで時間が掛かるとの事。
そしてその回路はシャーリーさんたちの自信作だったらしく、意気消沈。
暫くは回路を見たくも無いらしい。
……焼ききれたって、もしかしなくても食事ん時が原因なんだろうなぁ。
ってか回路が切れるって……。
《ゴホン。と言うわけで、また暫くは相棒にぶら下がっって居ることになります》
「はいはい。りょーかい」
まぁ、俺たちにはコッチのスタイルの方がにあってんだろ。
な?