魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd 作:八神煌斗
「フフフ、今回も俺の勝ちだな」
「うーー!! もう一回!」
「よっしゃ、何度でも来い!!」
「えっと……何をやってるの?」
JS事件が終わって、もう二週間。
ある意味事件の中心に居たヴィヴィオも、事件前に比べて少し大人びた感じがする。
って言っても、何も知らなかった子供から年相応の子供にくらいだが。
ま、ここに来たときが幼すぎたんだろう。
そうなると出てくるのが遊び相手が欲しい! という事らしい。
始めに上がったのがザフィーラ兄さんだったのだが……犬だし。
それを言われて人間体になったら今度は思いっきり引かれて撃沈。
今は何処に居るかすら分からない。
突然人になったら誰でも驚くわな。
で、次に上がったのが俺。理由は簡単に暇そうだから。
……泣いていいかな?
いや、まぁ皆に比べたら暇なんだけどよ。
それで色々遊んでいるのだが……。
何故かヴィヴィオは俺に勝負を挑んでくる。
勿論負けてやる訳などなく、いつもマジでやってます。
「なの姉、いつもの如く俺に勝負を挑んできてるんだよ」
「ああ成る程。それであんなにムキになってるんだ。今回は何?」
「今回は徒競走。勿論俺が勝った」
右手でガッツポーズもどきみたいなことをする。
《相棒、私は情けないです……》
「俺もこんな自分がイヤだ」
負けてやるつもりは無いがな!!
「にゃはは。まぁ、ほどほどにね」
「ん、了解」
そしてなの姉は六課に戻って行った。
「おじーちゃーーん、もう一回しょーぶー!!」
「…………」
ここからはダイジェストでお送りする。
・勝負1【腕相撲】
「う~!!」
「…………」
「う~~!!」
顔真っ赤にしちゃって。
まぁ、このままだとエンドレスになりそうなので
「ほいっ」
「あうぅ~~……」
・勝負2【腕立て】
「(この勝負はする必要があるのか?)」
「ん~~っ!!」
「ハイ次、ごー」
「ご、ご……もう駄目~……」
「はやっ!?」
・勝負3【あっちむいてほい】
「「じゃんけんぽい!」」
「あっちむいてほい!」
俺、右向く。ヴィヴィオ下指す。
「フッフッフ。残念だな」
「う~……」
「ほら次」
「「じゃんけんぽい!」」
「あっちむいてほい!」
ヴィヴィオ上向く。俺上指す。
実はこれ、ヴィヴィオが上向いてからさした。
ヴィヴィオのヤツ、目線も一緒に動くからな。
因みに逆の場合も目がさす方を向いているので分かりやすすぎる。
「俺の勝ちだ」
「う~~!」
・勝負4【ボードゲーム・オセロ】
「ほいきた!」
「あー、また角取られたー!」
「ほれ」
「あーー!」
ふふふ……。
俺もはや姉に何度同じ事をされた事か。
あれ、勝ってるのに涙が出てくるよ?
はやて side――――――――――――――――――
「なんや今回もウィズが勝ったみたいやなぁ~」
食堂で大騒ぎしている二人を別のテーブルかた眺めつつ言う。
「それにしてもウィズも負けてやれば良い物を」
「だよなぁ~。全く大人気無いヤツだ」
「……貴方達がそれを言えるのかしら?」
シグナム、ヴィータの台詞にシャマルが突っ込みを入れた。
それを聞いて二人は気まずそうな顔になる。
「いや、アレはだな……そう! 優しさだ」
「そ、そうだそうだ! 私達は別にムキになってたり、負けたくなかったとかそんなんじゃねぇぞ!」
「うむ!」
二人共、自爆してるっての気づいてないんやろか?
その台詞に汗まで流してたら、本心丸分かりやねんけどなぁ。
昔まだ、私達が鳴尾に住んでた時、ウィズにも似たような時期があって、相手はもっぱらこの二人と私やった。
ウィズはいろんな勝負を挑んで、その度にコレでもかって言うほど叩きのめされてた。
……もしかしてウィズの負け癖ってコレのせいやろか?
「んじゃぁ、俺は資料整理があるからここまでな」
「えー。もう少しだけ!」
「駄目だ。仕事たまってんだよ。じゃなぁ」
「うーー」
そしてウィズはテーブルを離れどこかに行ってしまった。
ヴィヴィオは文句を言いながらもウィズを見送り、姿が見えなくなると頭を下げてしまった。
う~ん……流石に少し可哀相やね。
「ヴィヴィオ、ちょっとおいで~」
「はやてさん!」
私が呼ぶとトテトテと音が聞こえてきそうな足取りでコッチに駆け寄ってくる。
あーん、もう!抱きしめたいわぁっ。
「はやてさん?」
「はっ!? あ、ゴメンゴメン」
どうやら少しとんでた見たいや。
自重自重。
「さて、気を取り直して……。最近よくウィズと良く勝負しとるな? どうや?」
「まだ一回も勝った事ないの。はやてさん、特訓相手になってくれない?」
「え、わたし?」
ん~……手伝ってあげたいのは山々やねんけど、コッチも仕事が溜まってるからなぁ。
主にJS事件(ウィズがそう呼んでた)のが。
全く、捕まってからでも私らを苦しめるねんから……。
「もしかして駄目なの?」
「駄目じゃないねんけど……」
一度一緒にやると日が暮れるまでやっちゃいそうやし……。
かといって断るんもなぁ。
うちの子らは皆目そらしてアテになりそうも無いし。
少しは主を助けようとは思わんのかい!
さて……どうしたもんか。
そもそも経験とかもウィズの方が上やし、体なんか比べるまでも無いし……。
「お?」
「どうしたの、はやてさん?」
何かが舞い降りてきた。
「ヴィヴィオ、明日まで待っててくれるか? そしたら絶対にヴィヴィオが勝つ勝負を教えたる!」
「本当!?」
「ほんまや! それも反則もなし、正々堂々の勝負で勝たしたる!」
期待に満ちた目をするヴィヴィオに胸を張って自信満々にそう告げ、その日は終わった。
フフフ……久々に疼いてきたで!
side out――――――――――――――――――
「おじいちゃん!」
「……なんだ?」
もう最近は諦めた。
訂正するたびに疲れる上になんか悲しくなる。
「なんだ? 悪いけど今日は仕事が押してるから勝負は無理だぞ?」
「じゃ、じゃぁ負けたら何でもいう事聞くってルールも付けるから」
何時もにも増して自信満々だな。
なんかいい勝負でも見つけたのか?
そこまで自信満々だと気になるな……。
「反則とかなしだぞ?」
「うん!」
「約束守れよ?」
「おじいちゃんもね!」
そしてヴィヴィオに連れられるがまま六課を出た。
そこに待っていたのは……。
「なぁ、ヴィヴィオ。やっぱり特別ルール無しにしないか?」
「だめ!」
今俺の目の前には一本の棒の両端を互いに持ったエリオとキャロが居る。
それだけで分かった。
今回の勝負は【リンボーダンス】だと。
「おじいちゃん! 勝負だよ!」
翌日、四つんばいになりヴィヴィオを背中に乗せて一日中走り回っているウィズが目撃された。