魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd 作:八神煌斗
「なぁにやってんのかしらね」
「アタシはゼッテー認めねぇからな」
「にゃはは……」
ウィズ達から少し遅れること数分。
転送ポートではのはとヴィータと地球に下りて直ぐ、その光景に出くわした。
それを隠れて覗いてるって訳。
「ね。やっぱり覗くのは駄目かなぁって思うんだけど……」
「それ、目を離して言わないと説得力無いわよ」
「……うぅ」
まぁ、色恋沙汰には縁が無いみたいだし、興味があるのは分かるけどね。
「え、縁が無いって……そういう訳じゃないよ!?」
「あれ?なのはそういう相手居たの?」
意外。
そういうの全く関心がないものだと思ってたけど……。
「そ、そういう訳じゃないけど……」
「……本当に居ないの?」
「アイツからしたら居ないんじゃないか?」
「なにそれ?」
目を逸らしたなのはが気になってヴィータにこっそり聞いてみた。
けど返ってきたのはこんな感じの言葉。
含んだ言い方なのが気になるけど……全く分からないわ。
と、こんな感じで覗いてたら二人はバイクに跨って走り出した。
「さて、私たちも行こうか。サーチャーも仕掛けておかないといけないしね」
「それなんだけどさ。これ見てくれねぇか?」
なのはにモニターを開いて見せるヴィータ。
それをなのはが横から覗いて、表情に疑問が浮かんだ。
「あれ?こんなに範囲狭かったっけ?」
「だよな?アタシたちの担当はもう少しあった筈だけど……」
「あ、それ私」
手を上げる。
そういえば二人には言ってなかったっけ。
「私がこっそり弄ってね。殆ど押し付けちゃった」
「押し付けたって……まさかウィズ君たちに?」
「だからさっきマップみて固まってたのか、アイツ」
頭を抱える二人。
「だって、あんなにあったら町回れないじゃないのよ」
「回れないって……私たちの仕事……」
「ま、いいんじゃねぇか?」
腕を組みながら、ニヤニヤしてるヴィータ。
「ヴィータちゃんまでぇ」
「ま、良いじゃないの。私たちは残りの分チャッチャと済ませちゃいましょ」
「でもこれ、二箇所だけだよ?」
いいのよ。
毎日ウィズの治療で疲れてるんだし、コレくらい報酬報酬。
さて、それじゃぁ――って。
「ねぇ。私たち何で行くの?」
「なにって歩いてに決まってんだろ?」
「えーー!?」
歩いてって、いくら二箇所でも時間掛かるじゃないのよ……。
なんでもっと近い所を残しておかなかったのかしら……。
「いつまでも落ち込んでないで行くぞ」
「……はぁ。わかったわよ」
「あれ?ちょっと待って」
「ん?」
イヤになる気持ちを抑えて、歩き出そうと思った時になのはがストップをかけた。
私は足を止める。
そ、私たちの目の前に一台の車が止まった。
「やっぱり!来てたんだ」
「アリサちゃん!」
車から降りてきた短髪金髪の女性。
その女性になのはが駆け寄る。
「どうしてココに居るの?」
「さっきはやてとウィズっぽいのを見かけた気がしたからもしかしたらって思ってね。一声掛けてくれたら良かったのに」
名前は、アリサって言うみたいだけど……。
随分仲が良いみたいね。
「あ、ユリアちゃん。紹介するね」
「アリサ・バニングスよ。よろしく」
そう言って私に握手を求めてくる。
……そう言えばさっきウィズを見かけたって言ってたわね。
良い事考えた。
「始めまして。神崎ユリアです」
「……神崎?」
私の苗字を聞いて首を傾げたユリア。
なのは達の時もそうだったけど、やっぱりこういう表情っていいわよねぇ。
じゃ、最後に……。
「妹です」
「へぇー。アイツの妹……妹!!?はあぁぁぁ!!?」
「あ、アリサちゃん!落ち着いて!!」
「良いわねぇ、こういうの」
「お前、分かっててやっただろ?」
「まぁね」
「ふーん。生き別れ、ねぇ」
結局10分程モメた後、つい最近ミッドで再開した妹、そんな感じで落ち着いた。
ま、本当の事をいう訳にはいかないし、嘘でも無いから良いんだけどね。
それでなのはが今の状況を説明する。
すると――。
「そう言う事なら。乗ってく?」
「あ、良いの!?やったね!」
「でも良いの?アリサちゃん大学は?」
「時期を考えなさいよ。冬休みってやつよ」
冬休み?
あぁ、冬季長期休暇のことか。
それなら遠慮することは無いわね。
途中なのはが「友達って言っても民間人に手伝わせちゃったけど……良いのかな?」とか言ってたけど、私には関係ないない。
「っと、設置完了」
「終わったーー!」
と、そんな感じで一時間程で設置は終わった。
よしっ。
思いの他早く終わったし、良好良好。それじゃぁ――……。
「なのは、この辺にお菓子屋さんってある?」
「お菓子屋さんって、家がお菓子屋さんだけど……ユリアちゃんどうするつもり?」
「どうするって、買い食いに決まってるじゃない」
何言ってるのかしら?
それ以外にやる事なんてないでしょ。
「クロノにも元々は艦を降りる許可を貰っただけで、サーチャーの設置はそのついでだしね」
「ついでって……」
「だって本当だもーん」
「あのいい加減な所みると、ウィズの妹って本当なのね」
「まぁいい加減は別として、似てるところは多いな」
「ふーん――……」
向こうでも何か言ってるけど……。
外見はともかく、中身はそんなに似てるところなんて無いでしょ。
私あんなにヘタレなんかじゃないし。
「とにかく!用事も済んだんだし、戻って来いって言われた時間までまだあるんだし良いでしょ?」
「ん~~……」
手を顎に沿えて悩むなのは。
ま、この後結局折れたんだけどね。
で、なのはの実家……翠屋にきたんだけど……。
「……洋菓子?」
「あれ?ユリアちゃんどうしたの?」
「ん~。個人的には和菓子を予想してたんだけどねぇ」
「和菓子?」
私の頭の中にあるお母さんの記録。
その中に何故か強く残ってる記録がその和菓子。
どの和菓子って訳じゃない。和菓子全般。
どうにもお母さんは和菓子が大好きだった見たいなのよねぇ。
ただお母さんと一緒に居る頃は研究施設から出たこと無かったし、、アング達と居てもそれは殆ど一緒。
というかそのそもミッドに和菓子自体がそんなに売ってないし。
六課に来てから少し探してみたんだけどね。
今回降りたかった理由もそれだし。
地球の日本発らしいから、本場のが食べれるとおもったんだけど……。
「ま、コッチの話。それより、美味しいんでしょうね?」
「それは大丈夫よ。翠屋って凄く評判良いんだから」
なるべく気落ちしてるのを悟られないように返事を返して、車に乗り込み、翠屋へと向かった。
なんだあんだで少し気になってたしね。
なんだけど
「……なにこれ?」
「そう言えば時期的にそうだったわねぇ」
「すっかり忘れてた……」
翠屋の前で四人で立ち尽くす。
理由は簡単。
扉の前に張られた紙が原因。
【12/17~12/22までの間、お休みをいただきます】
なのはが言うには地球にはクリスマスっていうモノがあって、その間は特に忙しくなる。
だから少しだげ時期をずらして店を休みにしてるらしい。
「多分、温泉にでも行ってるんじゃないかな」
「ならここも却下?」
「ううん。鍵はあるし、私が作ろうか?」
「……へ?」
そして場所は変わって翠屋の中のキッチン。
エプロンをしたなのはは冷蔵庫の中身を確認してる。
因みにヴィータとアリサは出来るまでって、公園の方に行った。
なんだっけ。ゲート何とか仲間を見つけたとか何とか。
「何か作れそう?」
「一応ケーキ位なら……。果物とかはやっぱり無かったけど、スポンジとクリームがあったから簡単なのは」
「へぇ~」
そう言って取り出したスポンジをクリームを見て感心する。
だってこういうむき出しのスポンジって見たことないし。
というか本当にこんなのがケーキになるの?
私が興味で見てるとなのはが何かを混ぜだした。
「何やってんの?ジュース?」
「フフ。違うよ。これ生クリーム作ってるの」
「これが?はぇ~」
私がそう聞くとなのはは苦笑いをして答えてくれた。
こんな液体があれになるの?
全然知らなかった。
「どうせならユリアちゃんやってみる?」
「はい?私?」
そして渡されたボール。
なのははなのはでもう一つボールを取り出して生クリームを作り始めてる。
なんでも一回分を私となのはで分けたみたいだけど……。
ま、いっか。
私はなのはの真似をして、生クリームを作り始める。
「ユリアちゃん、出来……た?」
「な、なによ?」
ひたすら混ぜ続けた生クリームは、もはや生と言えないほど、硬くなってた。
そりゃ、確かに段々固まってくのが面白くて途中から混ぜまくってたけど……。
「だ、大丈夫!これはこれで美味しい……筈!」
「筈ってなによ!?」
「ご、ゴメン!」
サイドポニーが凄い勢いで揺れる程の勢いで頭を下げるなのは。
「や、そこまで謝ること無いけどさ……」
なんか恥ずかしいから言わないけど、多分コレ私が悪いし。
自分の作ったクリームに目を移す。
……うん。
こんなクリーム私だったら食べたくない。
「それで、この次はどうするの?」
「あ、うん。この後は……」
で、この後はさすがに私も学習したから失敗することなく、順調に作業は進んだ。
ウィズとは違うのよ、ウィズとは。
……ん?
何か変なこと言った気がする……。
「ユリアちゃん凄いね。初めての人はこんなに綺麗に出来ないよ」
ちなみに今はスポンジの周りにクリームを塗ってるところ。
私が思いの他綺麗にできて驚いてるみたい。
「まぁ、クリエイトも言ったら細かい作業だしね。それでかも」
「違うと思うよ?」
「そう?」
ま、こんな感じで完成。
あとは特に面白いことも無く、戻ってきたヴィータたちと食べて終わり。
さすがにスポンジとクリームだけだから味気ないと思ってたけど、意外と美味しかった。
人気店の娘って言うのも伊達じゃないってことね。
そして、一時間後。私たちは再びコテージの前に来ていた。
まだ言われた時間までは十分あるんだけど、することないしね。
「艦に戻らないでも私の家に来ればいいのに」
「そうにもいかないよ。色々あるし」
「分かってるわよ。言ってみただけ」
なのははアリサと分かれの話をしてる。
「ユリアも。また来なさいよ?」
「当然。まだ和菓子食べてないし」
そういうと皆が笑う。
なによ?変なこと言った?
「それじゃ私たち戻るね」
なのはが最後にそう言って、私たちは艦に戻った。
この一時間後、事件が起きることも知らないで。