魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd   作:八神煌斗

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04.始まりは突然に

 

 

クロノside――――――――――――――――――

 

 

JS事件(ウィズがそう呼んでいた)から約一ヶ月。

戦闘機人の攻撃によって大きな被害を受けていた管理局も何とか落ち着きを取り戻してきた。

僕もようやく本来の仕事に戻り、今はクラウディアで次元航行中だ。

 

さて、仕事と言っても管理局は落ち着きを取り戻しただけで正常稼動には程遠い。

全体の統率が未だに不十分。

まぁそのお陰で少し余裕が出来ているんだが。

 

今のうちにエイミィの奴にでも会いに帰ろうか。

この機会を逃したら、次はいつ休暇を取れるか分からないし。

 

それに家に帰った時、カレルとリエラに『いらっしゃい』と言われるのも辛い。

いい加減『おかえりなさい』と言われたい。

 

そう自嘲気味に笑いながらも、今後の予定を確認している時、耳を劈(つんざ)くアラームが鳴り響いた。

 

 「艦長!」

 「何事だ一体!?」

 

僕がブリッジに駆け込むと、ほぼ全ての隊員が慌しく手元のコントロールパネルを操作していた。

 

 「艦がウイルスに進入されました!」

 「ウ、ウイルス?」

 

思わず呆けてしまう。

 

確かに艦にウイルスが進入することは危険だ。

だが、それでもアラームを鳴らすほどではない。

報告書か口頭が精々だろう。

 

 「それが、強力なウイルスでして艦の30%が感染しています」

 「何だって!?」

 「しかもウイルスを利用してハッキングも同時に行われています。何者かは特定出来ていませんが30%は既にコントロールを奪われています!」

 

一瞬、何を言われたのかわからなかった。

が、直ぐに頭を振り状況を整理する。

 

詰まる所、ハッカーがウイルスを使い現在僕らが乗っているクラウディアを乗っ取ろうとしているということ。

 

何のために!?

いや、今はそんなことどうでもいい!

 

 「ハッカーの特定は後回しでいい!今はウイルスの駆除を最優先、艦の制御をこれ以上奪わせるな!」

 「了か……艦長!何者かが転送してきます!」

 「何だと!?」

 

このタイミングで?

ハッカーの仲間の可能性が高いな。

 

 「武装隊、今すぐ転送ポートへ向かえ!僕も直ぐに行く!」

 

幸い通信機能はまだこちらの手の内に在ったようで無事伝えることが出来た。

 

くそ、まだ暫く会いに行くのは無理そうだ……。

 

 

side out――――――――――――――――――

 

 

 「休暇?」

 「そや、休暇」

 

10月末。

朝から書類整理していた俺の所にはや姉の通信があった。

そして部隊長室に来て言われた一言目がそれ。

 

 「ウィズあんた、六課に来てから一回も休み取ってへんやろ?」

 「あぁ、そういえばそうだな」

 

あのアイスマンに肩ぶち抜かれた時に入院した以外は休みなんて無かったな。

 

でもそれを言うと姉さん達もそうなんじゃ?

FWは一回午後からだけど休みは在ったらしいけど。

 

 「でも急に言われてもなぁ……まだ書類整理残ってるんだよなぁ」

 《いえ相棒、ここははやてさんのご好意に預かるべきです!》

 「アテナ?」

 

俺が休みを取ることに抵抗を感じているとアテナがあわてた様子で説得にかかってきた。

何そんなにあわててんだ?

 

 《姉さんどうしたのだ?休暇より仕事を選ぶというマスターの姿勢は評価すべきだ》

 

俺の気持ちを代弁するかのように、次はレイラが。

いや、選ぶって言うか出来れば俺も休みは欲しいんだけどな。

 

期限が迫ってるのが多いから已む無しってやつなんだが……。

 

 《何を言っているのですレイラ!このままだと私たちは再びあの大量の仕事を手伝いは目になるのですよ!》

 《む!?それはいけない。マスター、甘んじて休日を享受したまえ!》

 「おまえらなぁ……」

 

いや、確かに書類整理手伝ってもらうつもりだったけどよ。

ここで休んだら後でさらにキツくなるのが分からんかね?

 

 《無償で手伝わされるより幾倍もマシです》

 《右に同じ》

 「…………」

 

こんなやり取りもあって次の日、俺は私服に着替え町に繰り出してきた。

インビエルノに乗ったのもかなり久しぶりだったな。

最後に乗ったのは……単独ロストロギア探索任務の時だっけ。

 

 「平日だって言うのに人が多いな……」

 《いや、今日は少ないほうだぞ?》

 「そうなの?」

 

まぁ、確かに二年近く町になんて顔出さなかったから感覚がおかしいのかも知れないけどさ。

 

 《レイラは最近町に出たのですか?》

 《あぁ、よくマスターと共にな》

 

ここで言うマスターってのはアイスマンのことだろう。

というか何やってんだアイツ。仮にもテロリストの仲間だろうに。

 

 「で、何しに町なんか来てたんだ?まさか遊びに来たとかじゃないだろうな?」

 《マスターはよく食事をしに来ていた。何なら行ってみるか?》

 「そうだな。アイツがどんなもん食ってたのか興味あるな。案内頼む」

 《承知した》

 

そしてインビエルノのエンジンを吹かした、その瞬間。

地面を揺らすほどの爆発、そして爆音が鳴り響いた。

 

 「…………」

 《相棒の休暇、二時間弱》

 《これでまた提出書類が増えること間違いないな……》

 「はぁ……。とりあえず行くぞ」

 

どうせどっかの店がガス爆発でも起こしたんだろう。

いや、それだけでも大事なんだけどロストロギア担当の六課に所属している俺は実際関係ない。

現場に行って他の隊員の手伝いでもしておけばいいか、何て軽く考えていた。

 

そう、この時までは……。

 

 

 《相棒、魔力反応です!》

 「はぁ!?」

 

立ち昇る黒い煙を目印に、現場に向かっていた時、アテナがそんな事を言ってきた。

 

一瞬地上部隊の連中かと思ったが、それはそれで厄介なことに気づく。

魔力を使わないといけない状況になっているということだ。

 

しかも最悪の場合、戦闘一歩手前、又は真っ只中という事。

 

 「くそ……」

 

アクセルを全開まで吹かす。

次の角を曲がれば、現場が見えるはず!

 

 「おいおいおい……どうなってんだよ、こいつは……」

 

一番に俺が見た光景。さっきまで軽く見ていた自分を殴り飛ばしてやりたくなった。

 

爆煙が充満する現場。

俺が一番近くにいたのか管理局員の姿は見られない。

あたりには巻き込まれただろう一般市民が何人も倒れている。

 

そして感じる魔力は間違いなく戦闘に使われたもの。

それは辺りの惨状を見れば俺だってわかる。

 

 「姉さん!」

 『んお?ウィズやんか、休暇満喫しとるかぁ?』

 「そんな場合じゃない!街中で魔力戦闘行為だ!市民にも被害が出てる!」

 

さすがに故意かどうか解らねぇけど、現場から近い部隊でもまだ連絡は来てなかったらしい。

俺の一言を聞いて、はや姉の顔も見る見る強張っていく。

 

 『それホンマか!?場所は!』

 「今送った。俺は犯人懲らしめてくる!」

 『無茶したらアカンで!』

 

そこで通信は終わり。

 

インビエルノを待機状態に戻して、俺は戦闘者を探す。

怪我人を無視するのはいい気分じゃねぇけど、ほっといたら被害が広がるだけだからな。

 

 「魔力反応、どこにある!?」

 《少しま……マスター、目の前だ!》

 「っ!?そんないきなり!」

 

横に跳ぶ。

と、同時に魔力弾だろうか。

俺のいた所が少しだが弾けとんだ。

今の感じは流れ弾か?

 

そんなことよりも――。

 

 「こんな街中で強力すぎるだろ」

 

魔力弾が跳んできた方を見る。

そこには三つの影があった。

 

 

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