魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 2nd   作:八神煌斗

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09.特別魔法

ユリアと出会って五日経った。

 

今回の事件の事は不透明は事が多過ぎる為、上には特に報告していない。

俺とスターズが報告書を提出した程度。勿ユリアの事は殆ど書いていない。

ま、書いた所で信じてもらえないだろうし。

信じられたとしても俺とユリアが保護観察下になる恐れも会ったからだ。

正直、今の六課の戦力はある意味本局相手に拮抗出来そうなくらいだし。

 

それでユリアだが、立ち居地は俺を訪ねてきた途中に事件に巻き込まれた健気な妹らしい。

 

あの気さくな正確が良かったのか既に六課に馴染んでいる。

何だか人気も有るみたいで、この前ヴァイスさんが紹介しろとか言ってきた。

もし管理局に入るなら競争率が上がりそうだから今のうちにお近づきになっておきたいとの事。

正直なのは良いことだけど、仮にも身内の俺にそこまでぶっちゃけるのもどうかと思う。

一応紹介しておいたけど後日、生気の無い顔で歩いてた所を見たのはまた別のお話。

 

で、今俺は恒例の様だが、食堂に居る。

メンバーはいつものFW陣と、ユリアを含めた6人。

朝練が終わって皆で飯を食いに行く途中、ユリアが加わったという形だ。

 

 「そういえばユリアさんってどんな魔法使うんですか?」

 「私?」

 「あ、私も知りたい!」

 「こらスバル!」

 

エリオが少し興奮しながらユリアに聞き、便乗するようにスバルも声を上げる。。

ティアナもそんなスバルを注意しているが、チラチラとユリアを見てる。

 

そういえば俺も知らねぇな。

なんて考えながらそばを啜る。

 

 「あれ、エリオ。もしかしてお姉さんに興味あるの?」

 「あ、いえ……。そういう訳じゃなく……」

 

声が尻すぼみになり、顔を赤くして俯くエリオ。

隣でキャロが睨んでるのに気づいてるか?

 

 「あんまからかってやんなよ」

 

もうこの数日間でユリアの性格は大体わかった。

まず、隙あらば人をからかう。あの目を細めた挑発的な表情で。

その表情は妙に色っぽく、ヴァイスさん何かはそれにやられた口だ。

 

後は良くも悪くもマイペース。

こいつ母さんのクローンって言ってたけど、性格は絶対に反映されてない。

記憶無いけど言い切れる。

 

 「はいはい。そうね、何なら見せてあげよっか?」

 「本当に!?」

 

スバルが身を乗り出す。

目がスッゴイキラキラしてる。

 

 「おい、ここ室内だぞ?」

 

どんな魔法を使う気かは知らんが、こいつの事だ。

実演するって言ってる時点で嫌な予感がする。

 

 「分かってるわよ。ほら行くわよ」

 

そういってユリアは右手の平を握り出した。

もう何を言っても無駄だろうし、俺は大人しくその光景を見ることにする。

 

 「――create(クリエイト)――」

 

短くそう唱え、右手を開く。

その掌の上にはユリアの髪色と同じ灰色の鳥が居た。

簡素な飴細工の様な見た目だが、それは間違いなく鳥だった。

 

 「おぉ、すげぇな」

 

素直にそう思った。

魔力で球体や刃など、形を作る簡単だ。

だけど、こんな複雑な形を作り出すのは勝手が違う。

 

 「ふふん。それだけじゃないわよ?」

 

ユリアがそう言うと、手の上に居た鳥が羽ばたき、飛んだ。

そして人差し指一本を立て、さながら指揮者のように指を動かす。

鳥は操られるように、宙を踊る。

 

これには言葉を失った。

その魔法のレベルに対してもだが、鳥を操っているユリアが絵になりすぎていた。

 

 「わぁ!鳥さんだ!」

 

そんな声が聞こえた。

声のほうを見ればヴィヴィオがなの姉に連れられて食堂に来ていたのだ。

ユリアもヴィヴィオを確認すると、鳥を操作、ヴィヴィオの肩に着地させた。

それにヴィヴィオは大喜びしている。

 

これがユリアの魔法と気づいたらしいなの姉がヴィヴィオの手を引いてこっちに来る。

 

 「この鳥、ユリアちゃんの魔法?」

 「そ。クリエイトで作ったアヴェ(トリ)。お母さんと作った私だけの魔法よ」

 

ずっと鳥を操作しながら答えるユリア。

ヴィヴィオはそれをキャッキャッと喜んで追いかけている。

スバルがワナワナしてるのは無視だ。

 

 「これ以外にも動物の形だったら作れるわよ」

 「でもあの魔法本当に凄い。少し見ただけでも凄い複雑だよ……」

 「お母さんは魔法創造(マジック・メイク)が得意だったらしいし、私も一応本人だし」

 「魔法創造(マジック・メイク)?」

 

なんだそりゃ?そんな単語初めて聞くぞ。

まぁ名前の意味通りだと思うけど……。

 

 《相棒、以前教えましたよ?教導官試験の勉強中に》

 「そうだっけ?まぁ、受かっちまえばこっちのモンだし……」

 《だから忘れたと?情けないな、現マスターは……。嘆かわしい》

 「ぐ……」

 

二人してそこまで言うこと無いと思うんだ。

アテナだけでもしんどいのに。最近はここにレイラも加わったからな。

心労が絶えない……。

 

 「魔法創造(マジック・メイク)は名前の通り魔法を作る事。大層な名前だけど、誰でもしてることよ」

 

って事は俺のソードダンスもそれになるって事か?

名前負けだな。

 

 「母さんはその能力が特出しててね。だから私が生まれたんだけど……。クリエイトみたいな複雑で特別な、他の人が真似できない魔法を作れたのよ」

 

俺の母さんってそんなに凄い人だったのか……。

確かにこの魔法は滅多なことが無い限り、ユリアしか使えないだろう。

どういう効果があるのかは分からないけど、これを覚えるくらいなら他の魔法を覚えたほうが何倍も効率がいい。

 

 「なんか魔法創造者(マジック・メイカー)とか呼ばれてた見たいよ。詳しくは知らないけどね。……なんなら私のこともそう呼ぶ?」

 「呼ばない。というかその……クリエイトってどんな魔法なんだよ?自由に動くってだけじゃないだろ?」

 「ウィズ君、それだけでも凄いことなんだよ?」

 

そうなんだろうけど……。

ユリアの事だ。動くだけって言う魔法を覚える訳がない。

意味の無いこととか絶対にしないタイプだからな。

 

 「そういうなら見せてあげるけど……責任はあなた持ちよ?」

 「は?」

 

責任って何だよ?

そう聞く暇も無く、ヴィヴィオの周りを飛んでいた鳥がユリアの元に戻ってくる。

 

そして――。

 

 「――plunge(突っ込め)!――」

 

短く命令、指を食堂の壁に向けた。

瞬間、鳥は指し示された壁に光の線となり、突っ込んで行き、壁を貫いた。

 

俺たちは言葉すら失い、小さく開いた壁を見つめる。

唯一ヴィヴィオがすごーいって行って拍手をしてる。

 

ユリアはその言葉を聴き軽く微笑み、指を自分に向ける。

 

 「――turn(戻れ)!――」

 

そして別の箇所に穴を開けて戻って来た一羽の鳥は、今度はスバルの頭の上にとまった。

スバルは大喜び。ヴィヴィオは残念そう。

俺はどうして言いか分からない。

 

 「じゃ、修理費はウィズ持ちね」

 

この日、俺ははや姉に一ヶ月分の給料が飛ぶことを知らされた。

 

予断だか、この日からユリアはヴィヴィオにお姉ちゃんと慕われるようになった。

 

 「俺と同じ髪色じゃなかったっけ?」

 《…………》

 《…………》

 「何か行って!?」

 

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