魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH LAST   作:八神煌斗

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14.番外編01

 「で、なにデバイスと睨めっこしてんの?」

 《はやてさんも相棒の菌に感染しましたか?》

 「俺の菌ってなに!?」

 

申告書類の記入の為に機動六課に帰ってきてた俺。

あんな別れかたをしといて、次の日に戻ってくるのは恥ずかしかったけど、書類に関しては放っておく訳にもいかなかったからシブシブ戻ってきた。

案の定俺を見た隊員達は一瞬目を逸らし、半笑いで接してくれた。

悲しかった。

 

でだ。

部隊長室の扉を潜るとはや姉が座りもせずに。夜天の魔道書を広げ鬼気迫る形相で睨めっこしていた。

はや姉の横にいるリィンもオロオロした様子で見守っている。

 

 「リィン、はや姉どうしたんだ?」 

 「あ、ウィズです~。早いお帰りですね?」

 「ぐっ!」

 《リィンさんは純粋なのでしょうか?私は偶に分からなくなります》

 

その一言を聞くだけで、俺はお前がどれだけ黒いのかよく分かるよ。

黒は白の事を理解できないんだよな、わかるよ。

 

 「それが、はやてちゃん。昨日あ、と言ってからずっとこうなんですぅ」

 「昨日から?」

 

詳しく聞くと、はや姉は俺が昨日出て行って少ししてからこうなったらしい。

俺が出た後、そのままフォワード陣がフェイ姉と模擬戦をし始め、それを見ていたはや姉が突然おかしくなった。

うん、はや姉がおかしくなる理由がわからん。

 

 「……んぉ?ウィズやんか。おかえり」

 

リィンと話しているとようやくはや姉が俺に気づいてくれた。

とりあえず今の状況を聞いてみようか。

 

 「はや姉、デバイス睨みつけてどうしたの?」

 「ん? ちょっとティアナの戦いを見てて閃いてな」

 「ティアナの?」

 

はて?

ティアナとはや姉の戦闘方法に共通点が見つからないんだけど。

指揮官って所ではあるっちゃあるけど、こう言ったらアレだけど、ティアナからはや姉が学ぶことなんてそうそう無いだろ。

いく光るモンがあるったて、今更感が拭えない。

 

 「私は固定砲台やろ?」

 「あぁ、まぁそうだね」

 

はや姉の戦闘方法はどうしてもその表現が的確だと思ってしまう。

アングとの戦闘の時だって、動きは必要最低限。俺のシルエットチェンジの隙を作る為に撃ってただけど、アレだってあまり動いてなかった。

むしろアレでも動いてたほうだ。

 

まぁ、それに見合う威力の魔法が撃てるし、本気で戦闘に向かうならヴォルケンリッターの姉さん達もいるから全くのハンデともいえないんだけどな。

 

 「で、それがどうかした?」

 「うん。私もな。ティアナ見たいに幻術魔法が使えへんかな、と思ってな」

 「幻術を?……あぁ、そういうこと?」

 

確かにティアナのフェイクシルエットははや姉に効果抜群かもしれない。

本体の姿を隠して、別の幻を作り出す。

はや姉がもしつかえたら本人がいない所から魔法が飛んできて、かつ見えている本体には攻撃が届かないときた。

なるほど、確かにはや姉にぴったりな魔法と言っても良いだろう。

 

 「それで夜天の魔道書にソレっぽい魔法があったからチョコチョコ~と弄ってな」

 「新しい魔法作ってたってことでいいの?」

 「まぁ、纏めたらそう言うことやな。でも上手くいかんくてなぁ。これで上手くいかんかったら最後にしよかと思ってたとこや」

 

なるほど、ようやく理解した。

俺が来るって言ってた時間には少し早いし、俺が来る前には終わらせておこうとでも思ってたんだろう。

はや姉自身あんまり回りに自分の努力を見せるタイプじゃないし、本人が慌ててないのも単に俺が身内だからだろう。

 

 「今調度終わったところやから少しだけ待ってくれるか?」

 「良いよ。俺も少し早くついてるしね」

 「ありがとうな」

 

そしてはや姉は魔導書を開いてボソボソと、何かを呟きだした。

初めての魔法だからちゃんと詠唱から始めてるんだろう。

俺の魔法は基本詠唱ないけどな。

 

 《そこまで複雑な魔法を持ってないだけでしょう?》

 「……うるさいな」

 《はやてさんたちなら一回目で無詠唱で使えますしね》

 「だからうるさいよ!?」

 

と、俺が相棒と話している間に詠唱が終わったのか、魔道書が光だし部屋を一瞬包み込んだ。

そして光が収まり、最初に俺の視界に映ったものは先程まで無かった人影だった。

 

 「む……ここはどこだ?」

 「……うそん?」

 《これまたとんでもないフェイクシルエットですね》

 

灰色の髪に翡翠の瞳を持ったはや姉だった。

 

 

 

 「それで、はやての魔法で出てきちゃったんだ?」

 「まぁ、一人でよかったって言ったらそうなんだろうけど……」

 

と、食堂でフェイ姉と話しながら視線を動かす。

そこには双子よろしく、全く同じ顔を持った二人が言い争っている。

 

 「こら、行儀よくしいって言ってるやろ!」

 「痛いぞ塵芥」

 「ならさっさとその足机から下ろさんかい!」

 「塵芥が我に物申すでない」

 

はや姉が作り出したシルエットから出てきたのははや姉を模ったマテリアルだった。

容姿は今のはや姉と同じくらい、もともとフェイクの魔法が元なんだから姿かたちが似てるのは分かるけど、なぜに人格を持って、しかもソレがマテリアルなのだろうか。

敵意が無いから一応放っておいてるけど。

 

 「にしても、ああやって改めてみると本当に見た目そっくりなんだな」

 「正確は逆だけどね。マテリアル方が唯我独尊な所とか」

 《ある意味、はやてさんにもその片鱗はありますけれどね》

 「そ、それは……アハハハハ」

 「フェイ姉、目逸らさないで」

 

 「こら、そこの塵芥共」

 

フェイ姉と話しているといつの間に近寄ってきたのかマテリアルが俺の後ろに居た。

 

 「我にはちゃんとロード・ディアーチェと言う名前がある。マテリアルと言うふざけた名前で呼ぶでない」

 「お前ちゃんと名前あったのか」

 「うむ。まぁおぬし達は知らぬ仲でもない。今回ばかりは許してやろう」

 

知らない仲だったら俺襲われてなんだろうか?

今の戦力だったら負ける気はしねぇけど、それでも六課(ここ)を戦場にはしたくないし、何も言わないで置こう。

 

 「了解。んじゃこれからはアーチェとでも呼べば良いのか?」

 「む。アーチェとはまた軽々しいが……まぁ、許そう。今後はそう呼ぶことだな塵芥」

 「俺は塵芥扱いかよ……」

 

不満を良いつつ腕を組み満更でもないアーチェを見て苦笑いをする。その後ろではや姉が不満そうに俺達を睨みつけているのは見なければよかった。

 

 「で、アーチェはいつまでコッチにいるんだ?」

 

この意味は当然いつまで出てきているか、と言う意味だ。今のアーチェは闇の欠片事件の時や、アングが作り出した核で出来ている存在でもない。はや姉が自分の魔力を注ぎ込んで生まれた存在だ。

実体を持った虚像で間違いは無いが、魔力が尽きたら消えることには変わりないだろう。

 

 「そうだな。少なくとも今日中は持つであろう。当然戦闘をしたらその限りでは無いがな」

 「そうやな。私自身調整の予定だったか、そんなに多くの魔力注ぎ込んだ訳でもないし」

 

多くの記憶を注ぎこんだわけでもないのに今日一日持つのか。やっぱはや姉の魔力保有量は桁違いってことか……。

 

 「うわ、本当に居る……」

 「あ、なの姉」

 

俺がはや姉の魔力保有量に驚き呆れてる所になの姉が来た。

事前に説明はしていたからそんなに驚かなかったものの、やっぱ目の前にすると驚くらしい。

 

因みに今六課に隊員は少ない。

これははや姉が本局に六課がどれだけ、文字通り死ぬ気で動いてきたかを伝えに言って完璧な休暇をもぎ取った。

 

だからこそ今の六課には最低限の人員しか居ずに、混乱も最低限に抑えられた。

 

 「これも我の力と言うわけだ」

 「いや、これ私の力やからな?」

 

ドヤッと胸を張るアーチェに対してツッコミを入れるはや姉。

それに対して不満顔のアーチェ。

 

 「む?塵芥よ。貴様は我の弟だろう。我を養護しろ」

 「ここでまさかの俺に振ってきた!?」

 

完全に傍観に徹していたから、不意打ちも良いところだ。

 

 「いや、まぁ……とっちかってとはや姉だろ」

 「何だと!?」

 「ほれ見てみぃ!」

 

俺の一言にアーチェは驚きの声を上げて、はや姉は自慢げに頷く。

まぁ、間違ってないだろ。

それにアーチェは今までの会った中でも温厚な方に入るだろうし、ここで気に入らないからって攻撃してくるなんてこと……。

 

 「ならば我の力を見せてやろう!!」

 「してきたよーー!?」

 《相棒が変なフラグ立てるからですよ!!》

 「だって大丈夫だと思ったんだもん!!」

 《だもんとか可愛くないですからね!!》

 「そんな事思って言ったんじゃねぇよ!!」

 「そこ!漫才してへんで止めるの手伝わんかい!!」

 

アテナと喋ってると、はや姉がアーチェをはおいじめしながら叫んできた。

見ればなの姉とフェイ姉もアーチェの手を塞ごうと必死になっている。

因みにアーチェの手には確りと夜天の魔道書らしきものが握り締められている。

 

 「うぬあぁぁ!話せ、話さぬか!」

 「話したら魔法を使うつもりやろうが!」

 「当然だ!」

 「なら話すかい!」

 

なんだろうなぁ。

面白い。

なの姉とフェイ姉は別としても、同じ顔の二人が取っ組み合ってるのは中々に変な光景だ。

 

 「えぇい。塵芥!特別にウィズと名前を呼んでやる!だから我を助けよ!!」

 「いや、今更名前で呼ばれても違和感しかないわ」

 「なんと!?」

 

別に塵芥って呼ばれたい訳じゃねぇけど、アーチェにウィズって呼ばれるほうが違和感がある。

それに俺は基本はや姉の味方なのですよ。今日からはや姉の特別固有戦力になる訳だし、初日から裏切るわけにはいきません、はい。

 

 「ぬあぁ!あまり我を舐めるなよ!」

 

アーチェが叫んだと思うと、手に持った魔道書が光りだす。

それはどう見ても魔法の発動前の光であって、既に足元には魔法陣が出来上がってるわけで……。

 

 「ウィズ君、レイラのシールシルエットを!」

 「ウィズ早く!」

 

なの姉とフェイ姉がせっぱ詰まって言ってくるんだけど……。

 

 「今俺レイラ持ってねぇぇぇぇ!!」

 《シャァ!!》

 「喜ぶなよ!?」

 

確実にアナザーなら拳を作ってただろうアテナにツッコミを入れている間にも魔法陣の輝きは増して――。

 

 「おや……ここはどこでしょうか?」

 「誰だ、僕の眠りを妨げたのは!?」

 《相棒です》

 「おまっ、マスター裏切りやがったな!!」

 

 

俺達の目の前に居たのはなの姉とフェイ姉に似たマテリアルたちだった。

因みに見た目は9歳前後。

 

 「む……、さすがに魔力を込め切れなかったか」

 「込め切れなかったか、ちゃうわーー!!」

 

はや姉の激しいツッコミがアーチェの脳天に炸裂した。

 

 「あ、なんだか懐かしい」

 

フェイ姉はなんかずれてたけど。

 

 

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