次の日、俺はトレーニングのためセイウンスカイを待っていた。恐らくは来るのだろうが、今までのことを考えるとあいつはちゃんと来るだろうか?
「――トレーナーさん、はろーっ!!」
やけに威勢の良い挨拶でセイウンスカイがこちらへ向かってくる。
「いやぁ、いい天気だねー。絶好のトレーニング日和だよ。」
…こいつ、今なんて言った?トレーニング日和??
「どうした、変なもんでも食ったのか?」
「失礼ですねー、せっかくセイちゃんがトレーニングに来てあげたのに。悲しいなー。」
「悪い、まさかお前の口からそんな言葉が出てくるとは思いもしなくてな。俺はてっきり、来たとしてももう少し抵抗すると思ったんだが。」
「いやいや、次のレースも近づいてるこの時期にサボったりしないって。」
「ならいいんだが。」
(調子は絶好調、体力も有り余ってる。いいコンディションだ。)
(初めてみたときは切羽詰まっててあんまり気にしてなかったが、改めて見ると凄い才能だな。俺がサブトレーナー時代見てきたウマ娘で最初の時点で適性がAある奴はそういなかった)
「お前は逃げが向いてるな。適性距離は中長距離ってとこか?」
「え、見ただけでわかるんですか?」
「まあな。俺はウマ娘の適性を測るのが得意なんだよ。」
「それに、以前見た模擬レースでなんとなくわかった。」
「へぇ〜凄い…よく見てますね。」
「それがトレーナーの仕事だからな」
「ってことは、私たちが進むのはクラシック路線ってことですよね?」
「あぁ。そうなりゃお前が対決をお望みの相手とだってやり合うことになる。」
「じゃあやっぱり頑張んないとなぁ、皆強いし。」
「お前にだって才能はある。正しい努力をすればそれに準じた結果が得られるはずだ。」
「え〜そうですか?そんなにおだてても、セイちゃんからは何も出ませんよ?」
「別に求めてねぇよ。んじゃさっそくトレーニングだ。お前の走りを見たい。併走してきてくれ。」
「はいはーい。」
トレーニングを始めてから時間が経ち、気づけば夕日が出てくる時間帯になった。
「今日はこれで終わりにする。気をつけて帰れよ。」
「はーい。さよなら〜トレーナーさん。」
トレーナー室に戻った俺はセイウンスカイの走りについて分析した。
(あいつに合った走りは逃げだ。それも、ただの逃げじゃない。抜群のペース判断と極端な緩急をつけた走り。そこに自分の考えた策や罠を使ってレース展開を操作するトリックスターだ)
選抜レースも近い。きっと、俺が特に何もしなくてもあいつなら勝てる。だが、それじゃこの先通用しねぇ。まだ仮担当だ。別に正式になると決まったわけじゃねぇ。だが、仮でも担当なんだ。
ただ名前を貸すだけで何もしねぇトレーナーなんざ御免だ。そんなものはトレーナーじゃねぇ。
レースが始まりゃ俺にできることはない。ただ見てることだけしかできない。
だが、普段のあいつを支えてやることはできる。隣を歩ける。観客はレースのあいつしか見えない。
そこにたどり着くまでのあいつの悩みや苦労。
それを分かってやれるのは、担当トレーナーだけだ。
俺には俺のできることをする。
…それができなきゃ、俺に価値はない。
レース描写はあったほうがいいですか??
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あったほうがいい
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ないほうがいい