奇術師セイウンスカイと勝負師トレーナー   作:mashiyu

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6話 鑑識眼

 

賭けを行う当日、俺はレース場の観客席にてシンボリルドルフを待っていた。

といっても、普通の観客席じゃなくて関係席だが。シンボリルドルフともなると普通の観客席では色々問題があるらしい。まあよく考えれば当然だな。

「やぁ、待たせてしまったかな」

「いや、今来たとこだ」

そんな事を考えているとちょうどシンボリルドルフが来た。

「では、改めて今回の勝負のルールを確認しようか」

「確認する必要なんてあんのか? 今日行われる12レースの内5回予想してどっちがより多く一着を当てられるかっつー話だろ?」

「君が負けた後の話をまだ話していなかったからね。君が勝てば私の力の及ぶ範囲で君の望むものを与える。君が負ければセイウンスカイのトレーニングはこちらが指導する。それでいいかな?」

「俺としちゃいいが、驚いたぜ。俺ぁてっきり担当トレーナーを降ろされると思ってたんだが」

「君と彼女の絆は私が思っていたより深かったのでね。そんな状態で無理やり引き離しても彼女のためにはならないだろう?」

(あくまで俺の実力を確かめたいってわけか)

「一応聞くが、俺をメインにお前らが助言のような形で指導するんじゃ駄目なのか?」

「君は元々悪評が立っていてね。他のトレーナーからは彼女が勝ったのは君の指導ではなく彼女の才能で君はそれをいいように利用しているだけだ、という疑いがかかっている。私としてはもう確認が取れているからこの勝負に意味はないが、それでは彼らは納得しないのでね」

「はっ、外野ってのは面倒くせぇな。」

(こいつにとっては勝敗なんてどうでもよくて、俺に実力を示す場を作ってくれたわけか。損な役回りだな、生徒会長ってのは)

予想の発表方法は回答を真似られないよう端末に枠番を入力して同時に発表する。

ルールの確認をした後、パドックの公開が始まった。

「皇帝サマは決まったか? 俺はもう決まったぜ」

「私も決まったよ。では発表しようか」

俺の方に表示されたのは4。

シンボリルドルフの方に表示されたのは7。

「ほう、3番人気のウマ娘か。理由を聞いてもいいかな?」

「あぁ。今回のレースは中山芝1800m前方脚質が有利だ。4番の脚質は先行、耳の向きが前方に自然に向いてる。リラックスしてる証拠だ」

「なるほど…」

(変に勘繰られるのもめんどくせぇし適当に理由をつけたが、流石にこれからずっと理由をつけるのもめんどくせぇな。それに、パドックなんて見ても当たるわけないってあの名騎手も言ってたしな)

「今回は教えてやったがこれはサービスだ。わざわざ俺が負ける理由を作ってやる必要もねぇし、次からは言わねぇぞ」

「構わないよ。」

アプリやアニメを見るに賭け事はされてなかったみたいだが、この世界では違う。ここはどうやら俺の知ってるウマ娘世界とは色々相違点があるみてぇだし、夢の続きを見れるなら悪くない。

俺は携帯を操作してURAのネット投票で4 7 1の3連複に5万掛けた。倍率はそれぞれ2.7 3.4 5.6。

当たれば51.4倍で利益は252万くらいか。いくら能力値が見れるとは言え絶対当たるわけでもねぇし半分賭けるのはちとリスキーだが、まあなんとかなるだろ。

「ふむ、お金を賭けるのかい? ギャンブルは感心しないな」

「わかってねぇなぁ。金を賭けるからこそひりつくんだよ。別に担当バでもねぇんだから禁止されてるわけでもない。なら個人の趣味の範囲だ」

担当バに賭けるのは八百長などのルールの公平性が崩れかねないため禁止されている。

「それはそうだが…」

「んなことより始まるぞ」

『波乱の香り漂う曇り空の下行われる…』

結果は一着4番、2着7番、3着1番だった。

(完全に的中するのは珍しいな)

「三連単にしとくべきだったか…」

「随分贅沢を言うものだね。結果的に的中したのだから君は約250万という大金をこの一瞬で稼いでみせたというのに」

「そりゃ人は手に入れた現実より手にはいるかもしれなかった可能性を見て嘆く生き物だからな」

結局その日の勝敗は俺が的中回数4、シンボリルドルフが3で俺が勝利した。

(にしても俺にはこの眼というアドバンテージがあるのに的中回数の差が1というのは恐ろしいな。あの皇帝が走りだけでなく鑑識眼も優れているとは思わなかった)

俺にのこった金額は300万程度だった。

「最後のは自信があったんだけどな。」

「いくら自信があるとは言え2700万円を三連単につぎ込むのは無謀というものだろう。もし当たっていれば恐ろしい金額だったぞ…」

レースってのはやっぱりそこまで上手くはいかないらしい。

「ま、賭けは俺の勝ちだ」

「仕方がない、君の望みを聞こう」

「あんまり心配すんな。この勝負自体元々お前には大したメリットなんてなかったんだしあんまし無理を言うのもアンフェアだ。それに、今は思いつかねぇしひとまず保留ってことにしといてくれ」

「了承した。では、私はこれで失礼するよ。君たちの活躍を期待している」

「じゃあな。」

さてさて、この300万一体どうしようか? 時計でも買うか?

いや待てよ、2700万を溶かした俺は今運気が上がってるってことじゃねぇか? ならこの300万を元手にもう一勝負するか。

「そうと思い立てば吉日、待ってろよ俺の一億円!」

後日俺の口座残高は4630万円に増えていた。

「これで高いルアーでも23150個は買えるなスカイ」

「そんなにいるわけないでしょ…」

 




ちょっと遅れました
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ウマ娘の中で短編を作るとしたら誰がいいですか?セイウンスカイは作るのが決まってるので除外します。その他あれば感想ください。

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