やはり俺がポケモントレーナーなのはまちがっている。   作:~神斗~

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何とか続きを作ったらしい。
文章書くの苦手だから誤字が沢山ありそうなんだよなぁ…。


2話 チャンピオンとの本気バトル(前半)

公園の中央。無造作に引かれた白線の先、ポケモンバトルフィールドのトレーナーゾーンへとお互いに入っていく。

 

「ポケモンは三対三。審判はいないから、戦闘不能だと判断したら交代。……これでいいかしら?」

 

「分かりました。……凪さん、本気で来てください」

 

凪さんは八幡の顔付きが一変したのに気づき、思わず背筋をゾクリと震わせた。

 

その瞳に宿る冷徹なまでの鋭さは去年の全国大会決勝戦での相手以上に感じた。

 

「ふふ……手加減なんてしたら、こっちが秒殺されそうね。それじゃあ、準備はいい?」

 

八幡は何の躊躇もなくカバンから三つのモンスターボールを取り出すと、静かに頷いた。

 

「それじゃあ、私から行くわよ! おいで、ゲンガー!」

 

『ゲンガッ!』

 

闇の中からヌッと現れたのは、不敵な笑みを浮かべるゲンガー。さすがは現チャンピオンのレギュラーポケモンだ。纏うプレッシャーは、学校の模擬戦などとは比べものにならない。

 

だが――俺のバシャーモなら、その圧に負けるはずがない。

 

あの世界で、数々のチャンピオンクラスのトレーナーを退けてきたのだから。何の心配もいらなかった。

 

「久々の本気バトルだ。最初から全力で行くぞ……いけっ、バシャーモ!」

 

『シャァァッ!』

 

鋭い咆哮とともに、紅蓮の脚を持つバシャーモがフィールドへ躍り出る。

 

「バシャーモ、先手必勝だ! ニトロチャージ!」

 

『シャーッ!』

 

指示が終わるか終わらないかの瞬間、バシャーモは全身に激しい炎を纏い、弾丸のような速度でゲンガーへと肉薄した。

 

予想外の踏み込みの速さに、ゲンガーはガードの姿勢すら取れず、ニトロチャージを正面から浴びて後方へ吹き飛ぶ。

 

「ッ!……なによ、その速さ!」

 

凪さんは八幡のバシャーモの強さを警戒してはいたものの、初動の異次元な素早さにまったく反応できなかった。

 

「俺のポケモンたちの中でも、トップクラスの機動力なんで」

 

「舐めてたつもりはなかったけど……想像以上だわ」

 

そう言いながらも、凪さんの表情から甘さが消え、一人のトレーナーとしての鋭い眼差しに変わる。

 

「続けてニトロチャージ!」

 

「避けられないなら迎え撃つまで! ゲンガー、シャドーパンチ!」

 

炎を纏って加速するバシャーモと、闇の拳を突き出すゲンガーが正面衝突する。激しい衝撃波が周囲の砂煙を巻き上げた。

 

煙が晴れると、お互いに僅かなダメージを負った二体が対峙している。

 

「……そろそろ準備完了だな。完封するぞ、インファイト!」

 

「ッ! さっきより速い……!? ゲンガー、あくのはどう――」

 

「遅い」

 

ゲンガーが技を始動させるより前に、極限まで上がった素早さでバシャーモが懐へ潜り込んでいた。

 

避ける隙すら与えない、怒涛の連続ラッシュ。

 

『ゲンゲー……』

 

目にも留まらぬ乱打を受け、ゲンガーはその場に崩れ落ち、目を回した。

 

「なんてスピード……ニトロチャージで素早さが上がっていたとしても、異常よ」

 

「ネタバレをすると、この子の特性は『かそく』なんです。時間経過とともに、どんどん素早さが増していく」

 

「『かそく』……なるほどね。時間をかければかけるほど手が付けられなくなるわけだわ。……完全に私のミスね」

 

凪さんは深くため息をつくと、ゲンガーをボールへと戻した。

 

「俺もポケモンを交代します。他の子たちもウズウズしてるみたいなんで」

 

「……チャンピオンになって、少し慢心していたかもしれないわね。ここからは、これまで以上に全力で行かせてもらうわよ」

 

八幡はバシャーモを戻し、次のボールを手に取った。

 

「さて、まだまだ楽しんでいきましょう。いけっ、サーナイト!」

 

ポン、と光の中から現れたのは、優雅なドレスを纏ったような美しいサーナイトだった。

 

『八幡に勝利を届けるわ』

 

「ッ! 今、頭の中に声が……!?」

 

「テレパシーによる会話です。俺たちにはこれで十分なんですよ」

 

「へえ、意思疎通もバッチリってわけね。……でも、会話ができるからって負けないわよ! おいで、ドラパルト!」

 

八幡のサーナイトに対し、凪さんが繰り出したのは音速のドラゴン・ドラパルト。

 

タイプ相性だけで言えばサーナイト側が優勢だが、相手は並のドラパルトではないはずだ。それでも――

 

「凪さんには悪いですが、何もさせませんよ」

 

「舐めてもらっちゃ困るわ! ドラパルト、ドラゴンアロー!」

 

「サーナイト、すべてを押さえつけろ。『サイコキネシス』」

 

ドラパルトが放とうとした瞬間、見えない超能力の巨大な重圧が上空から牙を剥いた。

 

『ギィッ!?』と短い悲鳴を上げ、ドラパルトがそのまま地面へと叩きつけられ、平伏させられる。

 

「なっ……!? ドラパルト、振り払いなさい!」

 

「無駄です。トドメのムーンフォース」

 

金縛りのように全身を強力な念動力で固定されたドラパルトに、逃げ場はない。

 

無慈悲に放たれた凝縮されたフェアリーの光が直撃し、爆発とともにドラパルトは戦闘不能となった。

 

「……ドラパルトが一歩も動けずに倒されるなんて。チャンピオンとしてちょっと凹むわ……」

 

「あー……なんか、すみません」

 

前年度チャンピオンのガチ凹みっぷりを前に、八幡は急に気まずくなって頭を掻いた。

 

凪さんはぶつぶつと小さく何かを呟いた後、両手で自分の頬を『バチン!』と強く叩いて顔を上げた。

 

「よし、切り替え完了! 八幡、最後は私の相棒(エース)で行くわ。これだけは譲れないから!」

 

「俺だって譲る気はありませんよ。……凪さんがエースを出すなら、俺もエースで行きます」

 

夕暮れに染まり始めた無人の公園。

 

現チャンピオンと、影の英雄である高校生。二人のトレーナーのすべてを懸けた、最後のバトルが始まろうとしていた。

 




色々な設定解説②
【比企谷八幡の手持ち】
○バシャーモ♂
タイプ︰ほのお、かくとう
特性︰かそく
技︰ニトロチャージ、ブレイズキック、インファイト、ほのおのパンチ

○サーナイト♀
タイプ︰エスパー、フェアリー
特性︰テレパシー
技︰サイコキネシス、ムーンフォース、みらいよち、おにび
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