そしてマジのマジで配信を一回も見ておらず、喋り方や性格が一切わからない人参戦。
ほぼ別人になると思いますがそこんとこよろしく。
実在する企業・団体・人物とは一切関係ありません。
──懐かしい夢を見た気がする。
私が人間の器を与えられていなかった頃の夢だった。
私は最後の主人に人間の体を与えられた。
それまではずっと、古代武器として扱われていたし、意識はあったけど体の自由なんてなかった。
その時は色んな争いごとに使われた。
戦争で使われたり、時にはくだらない口喧嘩から発展して使われた時もあった。
私はあまりそういうのは好きじゃなかった。どちらかと言うと平和が好きだ。
古代武器「クリス」なんて名前がついた。
別に名前自体は嫌いじゃなかった。
でもみんな、名前じゃなくて「古代武器」っていう肩書きだけに目を奪われていた。
私が最後の主人に会ったのは、本当に偶然だったと思う。
戦争の時に私を使っていた一兵士が偶然、私を戦場に忘れた。
正直バカじゃないのと思った。
そして案の定、敵国の軍に拾われた。
その隊士が所属していた隊の隊長が、私の最後の主人だった。
彼は私にとって初めての、話し相手だった。
彼はどうやら、私の意識を感じることができたらしい。
声に出して喋ることは出来なかったけど、それでも楽しかった。
人と話すことがこんなにも楽しかったなんて、初めて知った。
……そんな楽しい時間が、長く続くはずがなかった。
彼は最前線の隊の隊長、それも私という古代武器を持っている人物。
元々私を管理していた国が、彼から私を奪おうと兵を挙げた。
こちらの兵力は援軍が来る前なので1万ちょっと。
対して、向こうは国の総力をぶつけてきたので100万そこら。
そんな絶望的な状況、私を使う以外に勝ち筋なんてなかった。
なのに彼は、私を使わずに迎え撃った。
最前線に立ち、兵を守りながら敵を返り討ちにし続けた。
おかげで、こちらの犠牲はゼロのまま、向こうは何十万の死傷者という大損害を負わせた。
でも、このままではジリ貧だという声も多く、私をあの国に返そうという意見が多くなり始めた。
私もその意見は正しいと思った。でも、彼の手元から離れたくなかった。
そして彼は皆の意見を否定した。そして言った。
「私という大きいハンデを背負いながらも戦える者だけ、この地に残ることを許す。」
結果、彼以外にこの戦場に残る兵士はいなくなった。
つまり、ここには彼と私だけ。彼が私を使わない限り、敗北はほぼ確実だった。
そしたら何故か、彼は魔法陣を地面に描き始めた。
私が今まで見たこともないような複雑な模様で、それでいて美しいと思わせるような魔法陣だった。
私は問うた、「この魔法陣は何のために描いているの?」と。
彼は言った、「あなたを安全な地に送るためにですよ。」と。
曰く、この魔法陣は受肉転生と呼ばれるもので、人の形を持たない対象に人間の体を与え、数百年後の未来に飛ばすものらしい。
今では使用者がいなくなり、彼以外には使えないそう。
だから、もう私は戦争に関わることはないだろうと、彼はそう言った。
「そ、それは、お前にも適用されるのか?だったら一緒に、数百年後の世界へ……。」
私が言い切る前に、彼は首を横に振った。
「これは人の形を持たないもののみに有効なんだ。だから私には適用されない。君しか飛べないんだ。」
彼がそう言った頃には、もう魔法陣は完成していた。
私は抵抗しようとしたが、所詮はただの武器。何も出来ず、魔法陣の中に入れられた。
「じゃあまた、数百年後の未来で会えたら。」
その言葉を最後に、私は光に包まれ、世界から姿を消した。
何が古代兵器だ、こんなに近くにいる大切な人の一人も守れないなんて。
何が古代兵器だ、大切な人を害す存在の一人も倒せないなんて。
私は後悔の念に押しつぶされそうになりながら、未来へ飛んでいった。
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私は今、ホロライブの本社にいる。
今日はここのスタジオで配信のため、わざわざ家からやって来たのだ。
……今朝の夢が、頭からなかなか離れてくれない。
久しぶりだったのだ、あの頃の夢は。
彼は今、どうしているのだろうか。
彼は無事、あの戦乱を生き延びれたのか。
彼はいま、この時代に生きているのか。
今日の朝からそんなことばかり考える。
マネージャーに心配されてしまった。
私は「大丈夫」とだけ返事して、スタジオに急ぐ。
配信に集中すれば、夢のことなんて忘れると思ったからだ。
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どうやら今日の企画はネタ企画の一種のようで、「アーニャの主人を探してみた」というものだった。
ちなみにアーニャというのは、この世界に飛ばされるときに彼がつけてくれた名前だ。本名は アーニャ・メルフィッサ である。
このスタジオには私以外に、数人のホロメンがいた。
今日だけは、この企画はお断りしたかったなぁと思った。
あんな夢を見た直後だから余計に希望を見出したくなるし、余計にその分絶望もしてしまう。
やり方は簡単で、街ですれ違った人々に、「アーニャ・メルフィッサを知っているか」「彼女が古代武器だということを知っているか」「彼女の主人だったことはあるか」とどんどん絞っていく質問をして探すらしい。
見つかるといいね、なんて多少のいじりを混ぜた言葉が他のホロメンから飛んでくる。
「そんなんで見つかる訳ないだろ!」なんて大声を出してこの企画を冗談混じりのように否定する。
どうやら質問は今やっているらしく、スタッフさんがGoProを持って街を歩いている姿がリアルタイムで送られてくる。
まず最初の人に声をかけるが、その人はまずホロライブを見ていないとのことだった。
スタッフさんはすぐに断念して、次の人へ向かう。
次の人はホロライブは知っているが、私のことは知らないという人だった。
他のライバーから「ドンマイ」という言葉が送られる。
私はいつものようにギャーギャー言って反抗する。
まぁまぁの人数に声をかけたが見つからず、質問をしているスタッフが「次で最後にします」と言った。
そりゃあ見つかるわけがないだろう、何せ今の地球人口は80億、そこから一人を見つけるなんて一生かかっても無理だ。
そもそもとして、彼が今生きているかどうかも怪しい。
流石にあの時代から数百年経っているから何かしらの理由で死んでいるとは思うが、だからって彼が転生しているなんて保証はどこにも無い。
「もう帰っていいんじゃない?」という私の声に対し、「まあまああと1人だから」と宥める他のホロメン。
そうこうしてるうちにスタッフが最後の一人に声をかけた。
スタッフ「すみません、ちょっと質問いいですか?」
「えぇ、大丈夫です。」
スタッフ「ありがとうございます。ではまず、ホロライブを知っていますか?」
「もちろんです。有名ですからね、配信も見てますよ。」
スタッフ「そうなんですか。では、「アーニャ・メルフィッサ」というVtuberはご存知ですか?」
「はい。配信を見させていただいてます。」
スタッフ「はぁ。では最後の質問です。貴方は彼女が古代武器の時、使い手になったことはありますか?」
その言葉に、回答者は一瞬固まった。
その瞬間を、スタッフや私たちは見逃さなかった。
スタッフ「あったんですか?その経験が。」
「……い、いや、そんなことありませんよ。」
さっきまでの質問と違って、あからさまに動揺していた。
私はすぐさまスタッフに聞いた。
アーニャ「スタッフさん、今どこにいますか⁉︎」
スタッフ「スタジオから徒歩で20分程度の場所です!」
「え、クr…何故アーニャさんが?」
この人、その時代にしか生きていない人にしか分からない名前まで言いかけた、間違いない!
「スタッフさん!全力でその人を留めていてください!すぐに行きます!」
私は全力でスタジオを飛び出した。
他の人が「これ放送事故?」と呟いていたが気にしない。
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スタジオを飛び出して全力で走って大体5分後、ようやくその人がいるところに着いた。
そこには、スタッフの全力の引き留めに抵抗をしている現代の彼がいた。
私は全力で彼に飛びついた。
「待って!待って!炎上するって!私まだ社会的に死にたくないんだけど!」
スタッフ「大丈夫です、予め配信は切っていますので見ている人はもういません。ここ路地裏ですしね。ということで私たちはこれにて。」
アーニャ「スタッフさん、ありがとうございました。」
律儀に礼をして去っていくスタッフたち。
私と彼も律儀に礼を返す。
「じゃあ私もこれで……」ガシッ
アーニャ「逃がさないけど?」
彼が流れで逃げようとしたので胴体にへばりつく。
「というか、何この企画。スタッフに言われたときは正気を疑ったんだけど。」
アーニャ「私も思った。でも今は感謝してるよ?こうやって本当に見つけてくれたわけだし。」
「見つかるとは思わなかった……」
ん?彼の言い方だとまるで私から逃げてるみたいだな?
アーニャ「なに?私から逃げたかったの?」
「いや、そういうわけではないんだ。ただ……流石に今会ってもなぁって思って……」
アーニャ「はいキレた。こちとらこの時代に転生したばっかのときは一日も休まず探し続けてましたけど?今朝だって貴方といた時の夢を見ましたけど?」
「……すまん。」
アーニャ「ん、じゃあとりあえず行こうか。」
「どこに?」
アーニャ「まずホロライブの本社でしょ?その次はー、今の私の家。」
「待て!本気で炎上する!社会的に死ぬぞ!」
アーニャ「だーめ♪前と違って私は抵抗できるし、なんなら今になっては主人の方が抵抗出来ないじゃん♪」
彼は否定できないと言っているみたいに目を逸らした。
アーニャ「よーし!しばらくは配信休んで私の家でゲーム三昧ねー!」
「……まぁそれくらいならいいか。」
彼もどうやら諦めて、私に着いていくことを選んだらしい。
ま、本当はそれだけで済ませるつもりは無いけど………今は言わなくていいや。
今日から私にとって最高の日々が始まる。
主人と同じ人間の姿で、色んなことが出来る。
その色んなことを想像するだけで、気持ちがどんどん昂っていく。
アーニャ「あ、まずは連絡先の交換だねー。」
「はいはい、どうぞ。」
アーニャ「ありがとー。」
よし、これでいつでも彼と遊ぶことが出来る。
本当はずっと家にいて欲しいけど、流石に彼もそれは厳しいだろう。
だから、たまにでいい。そのたまにで、今までの距離感を縮めていけばいい。
私は高揚する気持ちを抑えながら、スキップでホロライブに戻った。
書いた。絶対キャラ違う。
ホロライブはにじさんじに比べて人数が少ない気がするので一話につき一人にします。
その分一人を長く書かなきゃだから大変ですね。
次回はにじさんじです、ばーい。