物静かな吸血鬼   作:小羽空

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3年後

 

学園での事件から数年が経過した。私は学園を卒業後に部隊に配属された。

 

「……凍り付け」

 

獣人族とのラぺリコ王国とのエンタメ戦争。戦場では敵、味方の魔法が行き交い、血飛沫が飛びあいあう。

 

「くそっ……!? 動けない!」

 

「周囲の気配や氷付けだと!?」

 

私は氷魔法で周囲の範囲を氷漬けにし、敵の獣人を氷のブロンズ像に生成させる。

 

「噂の氷の少佐……!」

 

「数々の戦場で敵を氷に変えてきたコハク少佐だ!」

 

敵は味方のブロンズ像を見ると恐怖で私から距離を取るように逃げはじめ、味方は攻撃の勢いを更に加速させる。

 

「……後は私がいなくてもいいよね」

 

「「「はい!!!」」」

 

味方は一番功績を上げるのは俺だと答えると、私はテントに用意されている椅子に腰かける。

 

「ふー……」

 

私が在籍している部隊の大半は男性で女性は少ない。

 

「少佐からの冷たい目線からのご褒美は俺の物だ!」

 

「俺、この戦争が終わったら少佐に罵倒してもらうんだ……」

 

「椅子になるのは俺だ!」

 

うちって変な性癖の人多いなぁ……。全部お断りなんだけどね。

 

「少佐は第七部隊に行くんですよね?」

 

「……そうだけど。ここに私がいなくても大丈夫でしょ」

 

「あそこはアウトロー部隊で有名ですよ」

 

「知ってる」

 

ムルナイト帝国の中でアウトロー部隊として有名なのだが第七部隊。他の部署で問題を起こした連中の集まりとも言われている。

 

「陛下からの勅命だから」

 

「確か……第七部隊の将軍はこの前の戦争で」

 

「下剋上で死んだ」

 

ムルナイト帝国は部下からの下剋上での殺害が認められており、七紅天の場合は部下からの下剋上で殺害された場合は解任される。

 

「少佐は新しい七紅天を知ってるんですか?」

 

「……知ってる」

 

新しい七紅天に関しては将軍から聞いた。

 

「その人は私よりも強いから」

 

「少佐よりもですか?」

 

「……ガチで戦ったら負ける」

 

あの人が本気で戦ったら、私は反応をする前に殺される。

 

(会うのは3年ぶりだけど覚えてるといいんだけど)

 

あの事件以降、あの人とは会っていない。面会の希望を出そうと思ったけど、本人を前にした時にどんな風に声を掛けたらいいのかわからなかった。

 

(また本の話がしたい)

 

あの人と話す時間が好きだった。学園で退屈な日々もあの時間だけは私が幸せに感じられる時間だったのだから。

 

(……どんな風に話せるのかな)

 

あの人が学園を去ってから、私は学園に残り卒業後に部隊に配属。戦場での功績を上げ、順調に階級を上げ少佐まで昇進した。この戦争の後に私は第七部隊に配属される。

 

(今度は支えられるようにしたい)

 

あの時は出来なかったことを……後悔してしまったことを。二度としないためにも。

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