どうやら私は学園のマドンナを口説き落としたらしいけど記憶にないんですけど!? 作:ステラ
目を覚ましたら超絶美少女が恋人になっていた編
がスタートします。
記憶をなくしたありさと紗良
2人は果たして元の関係にもどれるのか?
それとも新しい関係になってしまうのか?
乞うご期待!
ネタバレ:ハッピーエンド
いつの間にか恋人が出来てたんですけど!?
気付いたら病室に居た。
え? なんで? 無駄に豪華で実家のリビングより広い室内の中で私は点滴の交換に来たであろう看護師の人と目線がバッチり合っちゃっていた。
「…………」
「…………」
そのまま無言で見つめ合う、でも私気まずいの苦手なタチなので直ぐに話し掛けちゃう。おっかしいな確か入学式の途中だった筈なんだけど……。
「あ、どうもこんにちは」
「はい、こんにち……わああああ! せんせい、先生ー!!」
「え、ちょ、待っ……はっや」
何か凄い勢いで病室を飛び出して行ったと思ったら凄い偉くて大物っぽいお医者さん(ダンディ、こういうのアリです)が飛んできて私の身体をあちこち確かめていった。
いやもうそれは凄い丁寧にめちゃくちゃ時間掛けて診察してくれてその間、私はずっと混乱し続けていた。
「前にお会いした時から何か変わったことはありませんか?」
「え、初対面だと思うんですけど」
「これは……やはり……」
「あの?」
「いえ……しかし……その可能性も」ブツブツ...
なんか思わせぶりな態度ばっか取ってくるし変な質問とかしてくるしで訳わかんない。昨日は何をしてましたかとか、今日は何日ですかーとか他にも色々と?
そんなの入学式の日に決まってるじゃん、あっ病院に運ばれているのならもしかしたらその次の日かも?
不味いなぁ健康だけが取り柄だったのに初日も二日目もブッチとかこれから先の学園生活を挽回できるか心配なんだけど。
「ありさ!」
「ありさちゃん!」
2時間ぐらい(体感)色々な診察を受け続けてやっと一心地ついた頃、お父さんとお母さんが血相を変えて入室してきて力いっぱい抱きしめてきたではないか。
あの、私いい歳なんだからこういうの恥ずかしいんですけど? しかしなんだ、泣きながら抱き締められてるとそんな風に茶化せるような空気でもなかったので黙って抱き締め返しておいた。
「頭はもう痛くないのかい? いや、イタいのは知ってるけどそうじゃなくて」
「自分がどうしてこうなったのか分かる? 覚えてない? どれだけ私たちが気を揉んだと……!」
揉みくちゃにされながら質問攻めされたけど、逆に質問したいのはこっちなんだが?
ていうかお父さんのぽっちゃりお腹が急にムッキムキになっててウケる、何これ危ない薬でも注射しちゃったとか? 確か最後に会ったの寮に入る前だから、せいぜい一週間しか経ってない筈なのに劇的ビフォーアフター過ぎるでしょ。
よく見たら着てる服とかこれハイブランド物じゃない? えっ、お母さんの髪飾りとか私が母の日にプレゼントしようとして余りにもお値段が高すぎて断念した高級品なんだけど!?
そう言えばこの広すぎる病室とか、病院とは思えないクオリティの昼食が出て来た時とかすっごく驚いたんだよね。
え? まさか私が知らない間に表には出せないような事業で儲けてたりします? 汚れた金でお金持ち生活とか流石に嫌だよ!?
身内から犯罪者が出たかもしれない……そんなバカみたいな事を考えていたら、戻って来たお医者さんからそれ所ではない衝撃の真実を告げられてしまった。
「結論から申しますと、お嬢様は短期間の記憶喪失になっておられます」
「そんな!」
「どうにかならないんですか!?」
「はいぃ〜?」
へぇ〜記憶喪失ね。
ははは、うんイイねദി˶ー̀֊ー́ )✧
うんうん私もオタクの端くれだからそういう事が起きたらどうしようかなって妄想した事は何回もあるよ? 記憶をなくしたヒロインとヒーローがすれ違いや紆余曲折を重ねて遂には記憶を取り戻しハッピーエンド!
王道だよね小さい頃は憧れたなぁ〜。
でも今どき記憶喪失とかさぁ〜流行んないよそういうシチュ(冷笑)
だって私は昨日?の入学式の記憶が鮮明に残ってるもんね。
忘れる訳ないじゃん私が推しの顔と記憶をさ!
(ハァ……それにしても生で見る紗良様のお顔は別格だった、生きてて良かった)
恐らくだけど紗良様に詰められてか弱い私(笑)は急激な推しフェロモンの過剰摂取で心臓に負担が掛かって倒れてその際に頭を打った……とか、大方そんなオチでしょ。
いやいや(ヾノ ̄▽ ̄)記憶喪失はナイってw
有り得ませんから!
だって私まだ入学式すら満足に過ごせてないんだもん、なのにもう2年も経っててあと一ヶ月後には3年生になるとか、はは、ははははは……。
マジですかぁ?
「お、終わった……」
「ありさ! ダメだ、気をしっかりするんだ」
「ありさちゃんしっかりして! 元気だけが貴女の取り柄じゃないの!」
褒めてるんだか貶してるんだか分かんない両親からの有難い激励を受けても私は起き上がる事が出来ずベッドに項垂れるしかなかった。
これがめちゃくちゃ悪質なドッキリじゃないとすれば本当に私は2年間もの記憶を無くしてこんな所に居るらしい。
ウチの両親は宝くじでも当たったんでしょ。
あーそれなら納得だわ、毎年お小遣いを貯めてサマーなジャンボる宝くじを買いまくってたお父さんの執念が遂に実を結んだのだろう。
あれ? と、いう事はだよ。
私はもう15歳じゃなくって…………じゅ、17歳、って事になる計算なんだけど。
16歳をぶっ飛ばしてもう17歳、何ならもう少ししたら18歳……?
い や そ れ は 流 石 に 嘘 で す よ ね ! ? ( 絶 叫 )
「いやぁああああああ! おばあちゃんになっちゃってるぅーーー!!」
「何を言ってるんだ、お前は何時までも子どものままだよ!」
「そうよありさちゃん、よしよしお母さんが慰めてあげますからね」
全力でオギャった、そして今日神は死んだ。
ほげ〜〜〜〜〜〜(放心)
私の大事な2年間の青春は跡形もなく無くなってて、残されたのは無意味に歳をとって老けた自分(17歳)と2年間の勉強時間が無駄になってしまったという悲しい現実だけであった。
将来設計詰んでるんですけど?
進学校の4年間の勉強をあと2年(聖華学園は四年制)で取り返せと?
そんなの無理に決まってんじゃん!
「お父さま、お母さま、先立つ不幸をお許し下さい……探さないで」
「ありさ! しっかりしろ、傷は浅いぞ!」
「ダメよありさちゃん、お母さんより長生きしてくれなきゃ!!」
なんかズレてる2人のフォローも耳を滑るばかり、ああ神よ私が何かしましたか?
あっもしかして、遅刻したから……(察し)
え? ちょっと遅刻しただけでこんな罰を受けるの? それともこの2年の間とんでもないことしちゃったかな私?
その方が有り得る、きっと私は色々と取り返しつかない事をやらかしてしまったに違いない。
それならまぁ納得は……出来ませぇん!
ハァ……美人薄命とはこの事かなぁ(鏡を見てから言え)
何だかんだで夕方になった。
窓から覗く知らない街並みが夕焼けに沈んでいくこの光景、なんていうかこう……いいよね(語彙力不足)
はぁー、溜め息も増えちゃうってば。
「ていうか面会謝絶でもないのに家族以外誰一人お見舞いに来ないとか……やだ私、もしかして学園で友達居ない? 泣くんだけど」
荷物棚に掛けてあった通学鞄(少し汚れてる、本当に2年経ってるっぽい)の中から教科書やノートを取り出し、パラパラと流し読みする。
ハイ無理でーす応用を解く前の基礎を理解する段階から私の知識は止まっております、本当にありがとうございました。
「うわ、これ間違いなく私の字だ……凄いぞこんな難しい問題を解いてる、偉いぞ私!」
まあその凄かった私はもうこの世に居ないんですけどね(ブラックジョーク)
成績表も入っていたから見てみた、学年順位3位だって。ふーーーん?(思考停止)
えっ、誰これやっぱ私のノートじゃないでしょ? 名前確かめなきゃ、えーっと橘ありさ……っと。
同姓同名で筆跡まで同じとはたまげたなぁ……。
(きっとこの橘ありささんは私と違って予習復習を欠かさない勉強家なんだろう、それを知った私は同じ名前の交で一緒に勉強しませんか? とか上手いこと言って取り入ったのだ、そしてうっかり名前が似てたからノートが混ざってしまった)
こんなにも一生懸命にノートを書いて自主勉強も重ねている橘ありささんには敬意を評するしかない、時折別人の筆跡の赤ペンで修正や指摘が入っているのを見るに専属の家庭教師か誰かと非常に長い間過ごしているのが見て取れた。
推定ボッチの私とは格が違いますわ。
よし以上証明終了、答えはもう不要です。
私の人生という大問題は現在進行形で解決不可能に陥ってるんだからもう、なんだ……取り敢えず勉強とか退院してから考えればいいでしょ。
カッカッカッ
「ん……? うるさいなぁ、大人しく出来ないなら病院に来るんじゃないっての」
めちゃくちゃ甲高い足音立てながら遠くから誰かが走ってる、こういうのは大抵親がろくに注意せず甘やかされて育った小生意気なガキの足音だ(偏見)
段々とこの病室にも近付いて来るから正直めっちゃ困る、病院は遊び場じゃなくてお姉さんみたいな色々と手遅れな人達が過ごす可哀想な空間なんだから未来の可能性に満ちたその軽い足取りはやめてくれない?
嫉妬でどうにかなりそう(被害妄想)
カッカッカッカッ!
ガラララ、シュバ!!
「ありさっ!」
「わひゃっ!?」
めっちゃ普通に私の部屋を開けてくるじゃん!? ちょいちょーいマジいい加減にして、よ……???
ほえ? あの、どうして貴女様がこんな病室に来られたのですか? お部屋間違えてません??
「ああ、私の愛しいありさ……貴女が目覚めてくれて本当に嬉しい!」
そう言って勢いよく走ってきた紗良様に強く抱き締められて、キスされました。
ん……キス? 鱚? ホワイ?
????(言語化不可能)
え、待って?
私今何されたの?
何をされてん、んんっ! な、なんか口に入ってきてるんですけど、し、舌に生暖かいナニかが絡み付いて。
これは所謂、でぃ、ディー、Deep Kiss?(native)
「あっ……スゥー…………(昇天)」
薄れゆく意識の中、ふと入学案内の一環で学園内の生徒名簿を見せて頂いた日を唐突に思い出した。私の将来のパトロンを見つける為、もとい見聞を広げるために。
その中でも成績や実家の規模や影響力、そして何より珠玉の美を宿した方々を脳内保存しては家に帰ってずっとニヤニヤしていた事を。
『わあぁ……こんな美人がこの世に居るんだぁ! 嘘みたい、私と同じ種族とは思えないんだけど』
その中でも私の一押し、もとい一推しが枢木紗良様だった。
ごんぶとな実家パワー!
文武両道の才媛パワー!
顔面国宝超絶美少女パワー!←◎
良いよね彼女、序盤中盤終盤どれをとっても隙がないよ。でもねオイラ負けないよ!(コールド負け)
だから正直入学式で声を掛けられた瞬間に金縛りにあった気分になって動けなかったのだ。
全てが完璧な私の推しに会って直接お話出来ただけで正直言って遅刻した甲斐があったなって叱られながらもウキウキしていたのに。
何故か私の病室に押しかけて来て、く、唇と唇が接触して偶然舌が絡み合うラッキーアクシデントまで発生するだなんて!
あ、気付きました。
これ夢です。夢。きっと目が覚めたら実はまだ入学式当日で私は夜更かしし過ぎて遅刻してしまうかも知れないという恐怖と推しに会いたいという邪な思いのせいで妙な夢を見ているのだ。
なるほどね◝(⁰▿⁰)◜
じゃあ寝ます、おやすみなさい(キャパオーバーにより気絶)
「ん……もう朝、あーすっごくいい夢見れたーザ・オタクの妄想って感じだったなぁ」
こんなにも愉快な夢を見たのは流石に初めてですよ、さあ急いで起きて寮母さんと一緒に朝ごはん食べて入学式に出席して友達作っちゃうぞ〜!
「あらおはよう、私のお姫様。ゆっくりと眠れたかしら?」
「……ヒョエッ?」
あれれ〜おっかしいな〜?
寝たのに夢から覚めてないんですけお〜??
当たり前のように横に寝て微笑んでくれてるんですけお〜???
そのネグリジェってばえっち過ぎませんか〜????
うーん、これはまだ夢(二度寝)(供給過多)(朝から推しの微笑みとか尊すぎるだろ!)
・お父さん
某企業系列の下請けの下請けぐらいの中堅会社員。
年相応のだらしない身体をしていたが、大事な娘からのたっての願いを受け苦心の末にシェイプアップに成功した。ついでに昇進した。
娘の交際相手には畏れ多くて口が挟めない、初めてその話を聞いた時は遂に娘の頭が狂ったと思った。
後でぶん殴られた。
・お母さん
知恵熱出すほど頑張って勉強をしていた娘の努力が叶ってホッとしており、在学中にたとえ短い間でも良い思い出が作れたらと呑気に考えていたがとんでもない相手を恋人として紹介されて仰天した。
孫の顔を見るのは諦めているが、私が何とかします(迫真)と宣言した将来の義娘に期待している。
・病院と医者
一般的な病院ではなく枢木家の息のかかった病院であり、ありさの入院費その他全ては実質的な責任者である紗良が全額負担している。
頭に怪我をして運ばれて来たありさを何がなんでも助けろ(意訳)とお願いされた紗良専属の主治医が寝る間も惜しんで対応していた、丸3日も目覚めなくて胃に穴があく所だった。
面会謝絶こそされてはいないが、そもそも病棟には許可された者しか入る事は出来ないし最上階のありさの部屋への入出が自由に出来るのは実質紗良だけである。