アビドス自治区の外れにある喫茶店は、路地裏に面しているためか、店の前を行き交う人は少ない。店の外観は決して綺麗とは言えないが、それがまたレトロな雰囲気を醸し出しており、知る人ぞ知る隠れ家的な店構えである。
「ここで合ってるよな……」
《座標と一致しています、目的の場所に間違いありません》
不安から漏れた独り言を、背後に控えるアイギスが拾ってくれる。集合場所が合っていると分かっただけで、少し安心してしまう。どうやら今の俺は、思っていた以上に緊張しているらしい。
日中だというのに通りは薄暗く、淀んだ空気が肌にまとわりつく。早くここから立ち去りたい気持ちを抑え、俺は喫茶店の入口へと歩みを進めた。
「なあアイギス。小鳥遊さんが尾行してたりしないよな?」
《索敵範囲内に小鳥遊ホシノさんの反応はありません》
「そっか。ならいいけど」
今日はオフの日だから小鳥遊さんたちも、それぞれ休日を過ごしているはずだ。休みの日まで監視されてるとは思わないが、こんな場所にいるところを見られれば、何をしているのかと問い詰められるに決まってる。別に後ろめたいことをしているわけではないけど、説明するのも面倒だし、できれば会いたくない。そのために
店内に入り、店員に事情を話すと、指定の個室前に案内された。俺は一度扉の前で立ち止まり、ゆっくり深呼吸をし――扉を開ける。
通された部屋には窓がなく、壁も扉も厚い。外の物音はほとんど聞こえず、店内にいるはずなのに、別の場所へ切り離されたような静けさがあった。
中央にはテーブルがひとつ。その両側に置かれた椅子の片方には、すでに黒い異形が腰掛けていた。
目の前のソレは人型ではあるが、人間だと認識するにはあまりにも異様だった。黒いスーツをまとい、手には黒い手袋。肌も顔も影のように黒く沈み、右目のあたりに小さな光が浮かんでいる。顔には亀裂めいた筋が走り、その裂け目から薄い靄が立ち上っていた。
思わず息をのみ、固まっている俺に、異形は静かに語りかけてくる。
「お待ちしておりました、神城ミナトさん」
「……どうも」
そもそも、どうして俺はここまでわざわざ出向いたのか。話は数時間前にさかのぼる。
《マスター。ブラックマーケットの依頼仲介サイトから、依頼が届いています》
「仲介サイトって……確かアイギスと初めて会った時に説明されたやつ?」
《肯定。オーパーツに繋がる依頼を更新していたところ、マスターの名前で指名依頼がありました》
「え、ちょっと待って……俺の名前バレてるってこと?まさかアイギス、俺の本名さらしたのか⁉」
《否定。そのようなことは決してしていません》
確かにアイギスに限って、そんなヘマはしないか……ということは、俺の名前を知ってる人からの依頼ってことか?いったい誰が……
「顔も知らない人に名前知られてんの怖過ぎる……因みに依頼内容はなんて?」
《読み上げます。差出人の情報は非公開、依頼内容は『直接会ってお話したい』とのことです》
「……それだけ?」
《報酬の記載はありません。依頼者の素性も確認できません》
怪しすぎる……名前知られてる以上、無視するのもなぁ……
「うーん……アイギス、その依頼相手を刺激しない感じでお断りメールを送ってくれない?」
《了解です。作成中……送信いたしました》
「ありがとうアイギス。はい、この話は終わり終わり」
せっかくの休日なのだ。こんな訳の分からない依頼で潰されてやれんのよ。さぁて何しようかな~、考えてみればアビドスに来て初めての休みのわけだし、いっちょ街ブラにでもしゃれ込むか!
《マスター。先程のメールに対して返信が届きました》
「返信?断ったんだから、もう用はないだろ……」
《読み上げます。『ご返信ありがとうございます。承知いたしました。それでは、同じ依頼を小鳥遊ホシノさんへお送りいたします』とのことです》
「……はぁ?」
思わず間抜けな声が漏れてしまう。何故そこで小鳥遊さんの名前が出てくるんだ?
「なあこれってつまり……脅されてる感じ?」
《肯定。これは依頼に応じさせるための誘導であると推測します》
「………」
さてと、どうするか……ユメさんと小鳥遊さん達に相談するか?でもせっかくの休日にこんな怪しさ100%の面倒事持ち込むのはなぁ……かと言って放っておけば小鳥遊さんに依頼が行くわけで……後々俺に飛び火する可能性も……
「……なあアイギス、相手の素性を調べられたりしないか?」
《不可能ではありません。ただし、依頼仲介サイトのセキュリティは高く、調査には時間を要する可能性があります》
「時間がかかるってことは……その間に小鳥遊さんに依頼が行っちゃうよなぁ」
《また、依頼者は匿名で依頼しています。サイト上に本人の素性へ繋がる情報が残されている可能性は、極めて低いと考えられます。調査を行っても、有効な手がかりを得られない可能性があります》
「そっかぁ、仕方ない……アイギス、直接会って話すから、場所はこっちが指定する場所にできないか話してみてくれないか?」
《マスター。直接会うのは推奨できません》
「でもこのままって訳にはいかないだろ。どんな話をあっちがお望みか知らないけど、波風立てずに終わらせればいいだろ。」
《マスターの交渉能力を考慮すると、成功率は低いと考えます》
「余計なお世話なんだが?」
アイギスのナチュラルな煽りに食ってかかりながら、この面倒事の元凶に対して内心呪詛を吐く。人様の貴重な休日をこんな形で脅かしやがって……俺が純ギヴォトス人だったら、気が済むまで鉛玉をぶち込んで、最後はグレネードで汚い花火にしてやるところだ。寛大な俺に感謝してほしい。
まあ相手の思惑に乗るようで癪ではあるが、とっとと終わらせて休日を満喫しよう。そう自分に言い聞かせて、得体の知れない相手との顔合わせに臨む羽目になってしまったのであった。
「本日は依頼に応じていただき、感謝いたします。こうして直接お話しする機会を得られたこと、嬉しく思います」
目の前の異形は何食わぬ顔で社交辞令を並べ立てる。顔なのかも怪しいその容姿に似つかない丁寧な口調に思わず怖気づいてしまう。黒で統一された異形はそんな俺の緊張を知ってか知らずか、言葉を続ける。
「まずは、どうぞお掛けください」
黒い手袋に包まれた手が、俺の向かいにある椅子を示す。促されるまま腰を下ろすと、黒服はテーブルの端に置かれたメニューへ視線を向けた。
「先ほどメニューを拝見しました。この店では、深煎りのブレンドが人気だそうですね。店員の方もおすすめだとおっしゃっていました。あなたも同じものを――」
《その前に確認します。あなたは何者ですか》
黒服の言葉をアイギスが遮り、俺の気持ちを代弁してくれる。ナイスだアイギス、当たり前のように相手が話し始めたから、自己紹介タイムぶっ飛んだのかと思った。てかこの異形、どこから喋ってるんだ?その口みたいな模様全然動いてないし……その口でコーヒー飲めるのか気になり過ぎる。
「おや……これは失礼いたしました。依頼を持ちかけた私が名乗らぬままでは、落ち着いてお話しすることもできませんね」
目の前の異形は佇まいを正すも、困ったような素振りを見せる。
「ただ名乗ろうにも、私にはキヴォトスでの呼び名がまだ定まっておりません。よろしければ、あなたの呼びやすいようにお呼びください」
……人がガチガチに緊張してるのに何言ってんだコイツ
名づけってこれから旅に出る
とは言っても考えなきゃ先に進みそうにないので、真面目に考えるか……さすがに『黒豆』とかじゃ怒るよな……『まっくろくろすけ』だと長いし、多分呼ぶたびに笑っちゃうかもだし……
「あぁ……『黒服』さんとか、ですかね?」
「ほお……」
俺の発言に両肘を机につき、両手を口元で組む推定黒服さん。様になっているゲ〇ドウポーズのせいで心なしか圧が強くなった気が……気に入らなかっただろうか
「気に入りました。これからは、その名を名乗ることにいたしましょう」
「そ、そうですか……」
どうやら気に入ってもらえたようだ。紛らわしい雰囲気を出さないでほしい。
ひと悶着?を切り抜けてタブレットでお互いコーヒーを頼む。勢いで頼んじゃったけどコーヒーあんまり飲まないんだよな……苦くても口に出さないようにしなければ、表情筋を引き締めなくちゃ……
「先ほどの問いにお答えしましょう」
黒服は両手を組んだまま、ゆっくりと言葉を継いだ。
「私――いえ、私たちは『ゲマトリア』。借り物の名ではありますが、そう名乗っています。」
「ゲマトリア……」
私たちと言ってる辺り、組織の名前ってことだよな。全員呼名がないのだろうか……めっちゃ不便じゃないそれ?
「私たちは観察者であり、探求者であり、研究者です。その中で私は貴方のような存在に非常に興味があります。もちろんあなたの背後に控える存在にも」
そう言いながら黒服の目が俺とアイギスを交互に捉える。
「始まりは、連邦生徒会長が“特異指定区域”に定めた『要塞廃墟』でした。ある時あの区域から微弱な信号が検出されました。」
「私たちとしても前々から要塞廃墟には目を付けていたのです。ただ私たちの技術では内部の侵入どころか、観測することすら不可能でした。私の協力者曰く、あの場所は観測そのものを拒んでいるのではないかと」
「観測を試みるたびに、得られるはずの情報が乱れ、内部の像も座標も定まらない。廃墟に残された防衛機構が、外部からの観測を妨害している可能性もあるそうですが、それを確かめる術すらありませんでした。ですが内部を捉えることはできなくとも、そこから外へ漏れ出した微弱な信号だけは観測できました。まるで閉ざされた扉の向こうから、かすかな波紋だけが伝わってくるように――」
「……すみません。それって、俺と何の関係があるんですか?」
どうにか平静を装っていたが、思わず話を遮ってしまった。さっきから意味の分からない単語を並べられて、話の繋がりがまるで見えない。俺たちに興味があると言っていたのに、どうして要塞廃墟の話を延々と聞かされているんだ。
そんな俺の質問に黒服は、意外そうに首を傾げた。
「何の関係があるか、とおっしゃいますと……あなたは、あの要塞廃墟から出てきたのではありませんか?」
「えっ、出てきたって……」
「私たちは、あなたがあの場所で何らかの役割を与えられた存在なのではないかと考えていました。要塞廃墟から、古代のオーパーツと思しき存在を伴って現れたのですから。特定のテクスチャを帯びた者――あるいは、あの場所に関わる何らかの機能を担う者だと」
「……俺は、気がついたらあそこにいたんです。要塞廃墟って名前も、今初めて聞きました」
黒服の姿勢が、ほんのわずかに止まった。
「そうでしたか。ではあなた自身も、あの場所については何もご存じないのですね」
「その通りです、アイギスのことだって、こいつが何なのか分からないまま一緒にいますし……」
「ふむ……因みにお聞きしますが、オーパーツ――アイギスさんは何かご存じですか?」
《私が把握している情報は限られています。また私に関する情報については回答を差し控えます》
「……なるほど」
黒服は組んだ手に視線を落とし、何かを考えているようだった。その沈黙を埋めるように、配膳ロボットが軽い駆動音を立てて近づいてくる。注文したコーヒーをテーブルに置くと、ロボットは短い電子音を鳴らして去っていった。
カップの中には、黒に近い濃い褐色の液体が揺れている。立ちのぼる湯気に鼻を近づけると、炒った豆の香ばしさが鼻をくすぐった。嫌いな匂いではない。むしろ落ち着いた大人の飲み物という感じがする。だからといって、苦手意識が消えるわけでもなかった。
せっかく頼んだのに飲まないのも気まずい。俺は覚悟を決めてカップを持ち上げ、口をつけた。
舌に触れた瞬間、苦みがじわりと広がる。香りから想像したよりもずっと濃く、喉を通ったあとにも苦さが残った。顔に出さないよう、どうにか表情を保ったままカップを置く。
……やっぱり、コーヒーは苦手だ。おいアイギス、砂糖とミルクを勝手に追加注文するな。大丈夫だから、最後まで素材の味を楽しむから……!
「……ミナトさん、それにアイギスさん。貴方達に一つ提案があります」
必死に表情筋をコントロールしながら、アイギスと静かに小競り合いをしていると黒服さんから声がかかる。
「要塞廃墟を出た後、私たちはあなた方を観察していました。廃墟の内部では捉えられなかったあなた方も、外に出てからは観測できました。あなたが各地でオーパーツを探していることも、その過程で知りました」
さらりと告げられた言葉に、背筋がわずかに強張る。観察とは言っているが、要するにやってることは監視されていたということだ。全く小鳥遊さんといい黒服さんといい、俺のこと大好きかよ。モテる男はツラいぜぇ……あれ?そうなると……
「アイギスの索敵を掻い潜ったってことか?」
《黒服さんの言う観測が索敵範囲外からのものなら、私には検知できなかった可能性があります》
アイギスの返答に、俺は小さく息を吐いた。アイギスだって万能じゃない。分かっていたはずなのに、周囲の警戒をずいぶん任せきりにしていた気がする。これからは、自分でもちゃんと気を配ろう。まあアイギスにできないことを、俺ができるはずもないけどな……というわけでこれからも俺の身辺警護に励めよアイギス!
「私はこれまで、キヴォトスに存在する数多の神秘を観測してきました。その中でも、要塞廃墟から現れたあなたと、あなたの背後に控える存在は、私たちに新たな問いをもたらしたのです。私はその問いを確かめずにはいられません」
黒服の声には熱がこもっているようでいて、どこか他人事のような静けさもあった。
「そこで、あなたの神秘とアイギスさんについて、私たちに調べる機会をいただきたい。その代わり、あなたのオーパーツ探索に協力させていただく。互いの探求に利があるならば、契約を交わす価値はある――私はそう考えています」
「………」
「条件は双方が納得できる形で定めましょう。あなたが望まない実験を無理に行うつもりはありません。提案をお断りになるのであれば、この話はここで終わりです」
組んでいた手を解いて、腕を広げる姿はどう見ても悪役のソレである。というか冷静に考えるまでもなく、脅迫と監視を平然としちゃう目の前のやべぇ大人に関わるべきじゃないよな。
正直断りたい、断りたいけど……
「……なんであの時、小鳥遊さんの名前出したんですか?」
黒服さんは俺とアイギスに興味があったから接触したと言っていた。つまり裏を返せば同じく接触を図ろうとした小鳥遊さんにも興味があるということではないだろうか。黒服さんが一体小鳥遊さんの何処に惹かれたのか分からないが、話を聞いている限り、ロクなものではないのは確かだ。
「小鳥遊さんにも、確かに関心を寄せています。それは否定しません。ですがあなたとアイギスが現れたことで、私の関心は大きく変わりました。今私が観測したいと望んでいる相手は、あなたです」
「それなら、どうして小鳥遊さんに依頼を送るなんて言ったんですか?」
「あなたが依頼を断られた場合、次にお話を伺う相手として考えていたからです。あなたにとって彼女の名前が、無視できないものであることも承知しておりました。あなたの気持ちを利用する形になったこと、申し訳なく思います」
取ってつけたような謝罪には一切感情が籠っておらず、反省とかは全くしてないんだろうなこの人……
「……アイギスはどう思う?」
《マスターと私に関する情報を相手へ提供することになります。情報の利用範囲が不明な現状では、リスクに見合う条件とは判断できません。契約を結ぶかどうかは、マスターの判断に委ねます》
アイギスの意見に内心激しく首を縦に振りながら同意する。本人を目の前にして言うことではないけど、ここに来る前から答えは決めてたしな。
「……すいません黒服さん、その提案には乗れません」
「ふむ……理由を聞いても?」
「言いにくいんですけど、信用できないといいますか……できればあんまり関わりたくないかなぁ、と思いまして……」
「……そうですか、分かりました。今回は引き下がりましょう」
どうやら思ったよりあっさり手を引いてくれるらしい。“今回は”って言うのがちょっと引っかかるけど聞かなかったことにしよう。
まあ小鳥遊さんについては大丈夫でしょ。多分即答で断ると思うし、心配すべきは黒服さんの方だろう。出会った瞬間ぶっ放してきてもおかしくないしな……そこは自己責任だから忠告はしないけどね。今のうちに拝んどくか、南無三……
「用事も済みましたので、私はこれでお暇させていただきます。本日はありがとうございました」
伝票を持って席を立ち、「ここは私が持ちます」と言いながら、扉へ向かう黒服さん。どうやら奢ってくれるらしい。お礼を言おうと背中に声を掛けようとした瞬間、黒服さんは立ち止まり、首だけをこちらに振り向く。
「……忘れないでくださいミナトさん。
「……は?それってどういう……」
そう言って俺の問いを最後まで聞くこともなく部屋を出る黒服さん。監視もといストーカーやめるように言い忘れたことを酷く後悔しながら、一口しか口をつけていないコーヒーに向き直る。
なんだかどっと疲れたなと遠い目をしていると、アイギスから声がかかる。
《マスター。梔子ユメさんから着信が届いています。》
「タイミング良いのか悪いんだか……繋いでくれー」
《了解です》
やっぱり携帯買おうかな……アイギスが携帯代わりになるとはいえ、アイギスで電話かけるのめっちゃシュールだもんな……携帯購入を検討していると、通話が繋がる。
『もしもしミナト君、今大丈夫かな?』
「はい大丈夫ですよ、どうかしましたか?」
『今、ホシノちゃんと一緒にいるんだけど、もし予定がないなら一緒に出掛けたいなって思って!今ならアビドス案内しちゃうよー!』
どうやら遊びのお誘いのようだ。わざわざ誘ってくれるなんて、ユメさんは本当に優しいな。断る理由も無いし、ありがたく乗らせてもらおうかな。
俺が返答するよりも早く、電話の後ろで小鳥遊さんの声が割り込んでくる。
『なんでミナトまで呼ぶんですかユメ先輩!』
『まあまあ。せっかくのお休みなんだから、みんなで出掛けよう?』
『もう!なんで勝手に決めちゃうんですか!』
小鳥遊さんの抗議の声がアイギスを通じて大きく響く。電話の向こうでは、ユメさんがホシノさんをなだめているらしい。二人の声が重なり、じゃれ合うようなやり取りが続いていた。それを聞いていると、さっきまでの緊張が、嘘みたいにほどけていく。気づけば、頬が少し緩んでいた。
「予定はないので、良ければご一緒させてください」
『よかったぁ!それじゃあ、また後でね!ホシノちゃんは私が責任もって説得するから!』
『ちょッ!私はまだ良いなんて一言も――』
《梔子ユメさんとの通話が終了しました》
俺は急いでコーヒーを飲み干した。やっぱり苦いのは変わらないけれど、さっきほど気にはならなかった。
ふと、向かいの席に目をやる。そこには空になったコーヒーカップが置かれていた。
「……飲むところ見逃した」
少しの後悔をぽつりと零して席を立ち、喫茶店を後にする。こころなしか行きよりも軽い足取りで二人が待つ場所に急ぐのであった。
ここまで読んでいただいたありがとうございます!
タイトルはそのまま黒服さんとの初邂逅でした。
黒服さんも出せたし、そろそろシリアスに入れそうな感じです。
ご意見・ご感想あれば、是非お待ちしています!