先日、恋人兼婚約者が出来たルーデウス・グレイラットです。今世のファーストキスを掻っ攫われたルーデウス・グレイラットです。
いやーシルフィの好意があそこまでとは思って無かったよね。あんなに情熱的なキスをされるとは思ってもみなかった。一時間くらいはされたよ。
昨夜はお楽しみでしたねって?やかましいわ!
恋人なだけでなく婚約者となったのでシルフィにはネックレスだけをプレゼントはダメだろ。ということで指輪もプレゼントしました。
ネックレスはチェーンネックレスでトップにエメラルド色の宝飾。トップはかなり頑張って作った。風の魔力を閉じ込めていてゆっくりと色が変わるようになっている。風のフィギュア製作って役立つんだね。
婚約指輪は急造だったとはいえ妥協はして無い。ええ作ってやりましたよダイヤモンド。ソリティアっていう前世の奥さんにも渡した指輪の定番をシルフィに合うようにアレンジして作りました。
魔力ごっそり持っていかれたけど喜んでるからいいか。……シルフィさんやその指輪は人前ではつけないでね?
「やーだ」
そうですか……あー、この杖何ですがシルフィも上級魔術師なわけだしどうかなってこれも……昨日渡すつもりだったのに……
「わぁ〜ありがとうルディ。綺麗な緑色。ペンダントのとは違うんだね」
「まあ、ペンダントは宝飾で杖のは魔石だから。シルフィが風魔術をよく使うから風を強化する組み合わせで作ったよ」
「うん。ありがとう大事にするね」
さて、シルフィが十歳になったということは俺も十歳になるということ。俺も1年で色んな変化がありました。
まず、ロキシーとの文通について。実は半年ほど文通している。最初はシーローン王宮にいる水王級魔術師に魔力を込めた文を届けてとジオラマを卸している行者に頼んだら送ってくれた。
それからは文の魔力に向けて魔術鳩を飛ばして文通をしている。
ロキシーはパックスからのセクハラに嫌気がさして王宮を出る事にしたらしい。
一度俺の顔を見た後に世界の迷宮探索を再開することに決めたとのこと。水神級魔術師を目指す為に実績を積む為に。
手紙の中ではアスラ王国の王宮に水神級魔術あったりしませんかね?と書かれていたけれど流石に分からない。
転移事件が起きなかったら王女様に会いに行くつもりだから聞いてみようかな?
言語の取得は正直順調じゃない。ブエナ村にいる間はそんな事しているとシルフィが怒るのです。その分遅れが生じている。習得出来たのは前々からやっていた魔神語と簡単な獣神語のみ。闘神語はまだまだ。
剣術は中級になった。けれどエリスは上級。遂に授業外でも攻撃が当たるようになってしまった。
そう初級では上級に対処出来なくなったのだ………なので魔術で対処している。残念だったなエリス。精々上級では実質王級魔術師である俺には勝てないのだ。フハハハ!
シルフィお祝いの会が終わってから半月後。俺の誕生日まで残り1ヶ月程となってから屋敷が騒がしくなったが、正直興味無いのだがエリスの授業態度が悪化しているので調査開始。
風のネズミと水のレンズで情報収集した結果。サプライズで俺の誕生日会の用意をしてくれているらしい。嬉しい。素直に嬉しい。それなら最近のエリスの授業態度も黙認しよう。
いやー何してくれるんだろう。楽しみだね!
だが、話は楽しいものだけでは無い。そうフィットア領転移事件が起こるであろう日が近づいている。起きてくれたほうが俺は動きやすいので起きてほしいとは不謹慎ではあるが思っている。
けれど、おそらくそうはならないだろう。この時期にはもう見えるはずの時空の裂け目が何処にも見当たらない。
フィットア領転移事件が起きなかった場合。俺が今後家庭教師である間にやるべきなことは
1、レオの存在の確認。
2、アリエル派へと寝返る。
3、記憶の神子及び神聖解毒魔術の回収。
の三つだろう。
1つ目のレオの存在確認をするのはこの世界の救世主が誰か調べる為。俺に懐いてくれるならおそらくララが救世主になる。そうでなければ当たり前だが他の人物。
コレは出来るだけ早くやりたい。ララが救世主となれば俺の行動指針が確定出来る。
2つ目のアリエル派に寝返るのはヒトガミ勢力に取り込まれたくないから。理由はそれだけていうかそれだけで十分だろ。
やるのは簡単。フィリップとディックの説得だけでいい。
因みに三つ目は完全な趣味。だけどこれが出来るのはこの期間しか無い。ミリス教の争いは激化し、記憶の神子暗殺が図られるのがこの辺り。やらないとチャンスを失ってしまう。
記憶の神子は出来れば仲間に欲しい。彼女の協力があれば神聖解毒魔術を手に入れられる。
神聖解毒魔術。ほしいなあ。唯一何処にあるか分かってる神級魔術だもん欲しくなるよ。
だけど、時間が無い。前々から準備はしているけど幾分何ヶ月も時間を空けられないから大森林やミリス神聖国に行けないどうしよう……
どうにか大森林やミリス神聖国に行けないかを悩んでいると俺の誕生日当日を迎えた。
昼の授業を終えた後に、ギレーヌがやって来た。緊張してガッチガチで、シッポがピンと立っている。
「ま、魔術で教えてほしいことがあってな」
目が泳いでいる。嘘下手だな。
「何処?」
「聖級の魔術というものを見せてはもらえないだろうか」
「いいけど、町に被害が出るよ?」
「なに?どんな魔術なんだ?」
「水聖級は
「それはすごいな……今度是非とも見せてもらいたいものだ」
「別に今からでも良いよ。馬を借りて行けば今日中には戻れると思うし」
「や、いや、まて。今からだと帰りが遅くなる。夜は魔物が出やすい。平原でも危険だ」
「そう?ギレーヌがいるから大丈夫じゃない?剣王でしょ?」
「か、過信は禁物だ」
「いや、ギレーヌが勝てない魔獣はこの辺にはいないよ」
「だ、だが……だとしても…!何が起こるか分からないだろう?」
テンパり過ぎ。やっぱりからかいがいがあるなギレーヌは。このネタではこれ以上のはないだろう。次に行こう。
「うーんじゃあ明日にしよう。朝からなら魔獣も出ないでしょ?」
「あ、ああ。そうだ、そうしよう」ふう
ふう。じゃないよギレーヌ。誤魔化せて無いから。
「質問はそれだけ?」
「あ、ああ。聖級魔術ってのを見たことが無かったのでな。見せて貰おうと思って来たんだ」
「俺もギレーヌの光の太刀を1回じっくり見てみたいんだ。今から庭で見せてくれない?」
「い、今か!?ちょ、ちょっと待ってくれ。エリスに聞いて来る」
「え?どうしてエリスに聞く必要があるの?」
「そ、それはだな……」
「ねえねえどうして?」
「そ、それは―……」
そうやってギレーヌをからっているとメイドが呼びに来た。準備が出来たみたいだ。
食堂に入った瞬間、拍手が巻き起こった。館で一度は見かけた事のある人達が勢ぞろい。
サウロスやフィリップ。滅多に俺の前に姿を見せないヒルダもいる。
後ろを振り返るとギレーヌとここまで案内してくれたメイドさんも拍手している。
なので俺もとりあえず拍手しておく。
パチパチ。
「何してるの!ルーデウス!」
「いや、皆さんが拍手しているので」
「今日は貴方のお祝いなの!お誕生日おめでとう!!!」
真っ赤なドレスをきたエリスが大きな花束を持ってきて渡してくれる。
「ありがとうございます。エリス。貴方が企画してくれたんですよね」
「そ、そうよ!どうかしら!」
「こんなに色んな人に祝ってもらったのは始めてです。本当に感謝してます」
そう言いながら少し目尻を涙で濡らす。そして、
「今日のことは忘れられませんね」
と、言ってつーっと涙を流す。
するとエリスが狼狽えて、「どうしよう、どうしよう」と執事に聞いている。
俺が泣くのがそんなに大事件か。……大事件だわ。俺血だらけ手足ボキボキでも涙一つ出してなかったわ。
もらった花束を潰さない様に隣に浮かせながらエリスにハグをして感謝を伝える。
「本当にありがとうエリス」
「い、いいのよ! ルーデウスは、か、家族なんだから!当然よ!ぐ、グレイラット家としてこれぐらいは、ね!お父様!お祖父様!」
「せ、戦争じゃぁ!ノトスん所と戦争じゃあ!ピレモンをぶっ殺してルーデウスを当主に添えるぞ!フィリィップ!アルフォォンス!ギレェェィヌ!わしに続けぇぃ!まずは兵を集めるぞ!」
アンタが言うと洒落にならんから辞めろ。後、ピレモン殺したら次の当主はその息子かパウロじゃないか?
「ち、父上、抑えて! 抑えてください!」
「フィリィィップ! 邪魔立てするか! 貴様とて! あんなクソタワケよりルーデウスが当主になった方がいいと思うであろうが!」
「思いますけど落ち着いて!今日はおめでたい日なんですから!それに戦争はまずいです、ゼピロスとエウロスも敵に回します!」
思うのか。どんだけ何だピレモン。――無能は要らないんだけどなあ。どうしようかな?
「愚か者ぉ! わし一人でも勝ってみせるわ! 離せ、離せぇぇえい!」
サウロスは、そのままフィリップに引きずられて退出した。
唖然。フィリップってサウロスに勝てるんだ……
「こ、こほん」
エリスは咳払いを一つ。おーそんな事が出来るようになったんですね。前まで自分勝手だったあのお嬢様が……およよ。
「お、お祖父様の事は置いといて……。今日はルーデウスがビックリするものを用意したわ!」
「びっくりするものですか?」
「なんだと思う!?」
えー何だろうなあー?もしかしてー杖だったりしなーい?
「ふふふん! アルフォンス! 例のものを!」
と、エリスが指をパチンと鳴らそうとして、スカッとかすれた音が。エリスが恥ずかしさからか赤い顔をしてる。しかしアルフォンスは気にしていないのか、見えていないのか、俺に見えない彫像の影から一本の杖を取り出した。
かっこいい!!!それ早くちょうだい!エリス!早く!!!
「アルフォンス、説明よ!」
「はい、お嬢様。杖素材はミリス大陸・大森林東部に生息するエルダートゥレントの腕を用いました。博学なルーデウス様はご存知かと思いますが、エルダートゥレントはレッサートゥレントが妖精の泉より養分を吸い上げたことで生まれる上位亜種で、水魔術を操るAランクモンスターでございます」
「魔石はベガリット大陸北部、はぐれ海竜より出たAランクの逸品。製作者はアスラ王国・宮廷魔術団でも随一の
「銘は『
かぁっこいいーー!!!
うひょ~!!!
「ルーデウスってあんな表情するのね」
「ええ、ルーデウス様の年相応の姿始めて見ました」
「ルーデウス!早くパーティーを再開しましょ!せっかくのお料理が冷めちゃうもん!」
エリスは上機嫌で俺を引っ張り、巨大なケーキが目の前に鎮座するお誕生日席へと案内してくれた。あー俺の
「私も手伝ったのよ!」
なに!?料理出来たの!?エリスなのに!?
パーティーが再開し、エリスはしばらくマシンガントーク。俺はうんうんと聞いていたが、エリスは途中からうとうとし始め、最後にはうたた寝を初めてしまった。
はしゃぎすぎたのか、それとも緊張の糸が切れたのか……。おそらく後者だろう。1ヶ月以上前から準備してくれていたからな。
ギレーヌがお姫様だっこで寝室に運んでいった。お疲れ様〜。
サウロスも途中から戻ってきた。
サウロスは俺に酒を飲ませようとしてフィリップに邪魔され、ちょっとイジけていた。当たり前。けれど、ヒルダに酌してもらい、最終的には泥酔。
真っ赤な顔に笑みを浮かべ、上機嫌で自室に戻っていった。それと同時に、ヒルダも最後に俺におやすみのキスをして、自室へと戻っていった。………いつそんなに好感度稼いだんだ?
料理もほぼ食べつくし、メイドたちもやや眠そうな顔で空の皿を下げていく。
すると食堂に残るのはフィリップと俺だけ。
二人になってしばらく、フィリップは静かに酒を飲んでいた。色的にワインだろうか。エリスの誕生日の時に知ったが、アスラ王国では地域によって飲まれる酒が違う。国土が広いのが理由だろう。
このへんでは麦から作ったものが多いが、お祝いの時にはブドウから作ったものが用意される。理由は知らない。
「私は、跡目争いに負けてね」
「君は、どうしてエリスに兄弟姉妹がいないのか、気にならなかったかい?」
続きを促す。
「実はいないわけじゃないんだ。エリスには兄と弟が一人ずついる。弟は君と同い年だ」
「………どちらに?」
「生まれてすぐに、王都に住む兄に取られたのさ」
「取られた? どういう意味ですか?」
「表向きには王都で勉学を学ばせるための養子。でも本当はただの……伝統かな」
それから、フィリップはボレアス家の伝統を語ってくれた。
長いので簡単に纏めるとボレアス家は跡目争いを代々行っており、負けた者は男子を次期当主のもとに送り、負けたものを権力闘争から外させるものがあるとのこと。
その跡目争いにフィリップは負け、ヒルダはエリスの兄と弟をフィリップの兄に取られた形となる。それで俺とは折り合いが悪かったのだ。自分の子はいないのに何故ノトスの子は家にいるのかと。そう思っていたんだろう。
で、何故フィリップがその話を俺にしたのかと言うとフィリップはまだ次期当主の座を諦めておらず。俺を使って返り咲きたいとのこと。
フィリップは交渉として
「どうだい。エリスと結婚して、一緒にボレアス家を乗っ取らないかい?なんだったら、今から君のベッドに両手を縛った娘を置いておこう」
と、言ってきたがシルフィが怖いので断っておいた。けれど、ボレアス家を乗っ取るのは賛成しておいた。一緒にアリエル派になろうな。
これで後は、ディックとの交渉だな。
エリス主催のサプライズパーティーはそうして幕を閉じた。
その日は何故か部屋にいたエリスと一緒に寝た。
これシルフィにバレたら不味い………助けてお父さん。
原作成りかわりIFを一部だけ
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やって
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やらなくてもいい
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全部やれ