無職が来る前の世界で頑張ってみよう   作:思いついたら書く人

19 / 33
お茶会

 現在俺は城塞都市ロアの郊外の丘へと来ている。誕生日にギレーヌと交わした約束で果たしに来たのだ。

 

 当然のようにエリスも付いてきていて、お出かけ用の服を着ておめかししている。

 

 『傲慢なる水竜王』を振るう。

 

 かっこいいよー。もうすっごい見せびらかしながらここまで来ちゃった。道中エリスとギレーヌの目がなんか優しかった。

 

 水聖級をやる前に、『傲慢なる水竜王』の試し撃ちをする。

 

 いつもと同じように魔力を注ぎ水弾を作ると、想像より遥かに大きい水弾が出来た。

 

「おお、でかい」

 

 より小さく圧縮しようとすると、小さくなりすぎて、視認できなかった。ちょっとずつ調整していく。

 

 十分程試した感じ原作通りの性能のようだ。水5倍。火が2倍。土と風が3倍。

 

 うーん。正直俺の戦闘スタイルには合わないかな?俺は色んな魔術を展開してその場で混合させたり変化させて使うものだから属性事に変換効率が違うのは………まあ訓練すればいいか。最低でも2倍の魔力量増幅だと考えたら破格だしね。

 

「ど、どう?」

 

「調整が難しいですけど、凄い代物ですね」

 

 エリスが不安そうな顔を向けてくるが、そんな顔する必要はないくらいの業物だから安心しな。

 

「よし、それじゃあ、皆様お待ちかね。……ギレーヌ!どっちが見たいですか?ルーデウス・グレイラットの最強最大の奥義か!水聖級魔術か!」

 

「それは…「ルーデウスのを見たいわ!」」

 

「分かりました!」

 では見せようか!俺の全力を!見せるのは豪雷積層雲(キュムロニンバス)前にやった龍への改変だ。

 

「雄大なる水の精霊にして、天に上がりし雷帝の王子よ!

 

 我が願いを叶え、凶暴なる恵みをもたらし、矮小なる存在に力を見せつけよ!

 

 神なる金槌を金床に打ち付けて畏怖を示し、大地を水で埋め尽くせ!

 

 ああ、雨よ! 全てを押し流し、あらゆるものを駆逐せよ!

 

 キュムロニンバス!」

 

 そうして現れたのは大きなとても大きな雨雲。このままだと皆まとめてびしょ濡れになってしまうので風を操って雨を逸らす。

 

 見せどころはここからだ。この雲を使って龍を生み出す。

 

 まずは暗雲を全て圧縮していく。あーなんていうか魔王城の空みたいだな。ほら雲がぐるぐるしていて恐ろしいあんな感じ。

 

 そうして纏めあげた雲の中央から龍を降ろす。暗雲と雷光でできた正に天を支配していると言わんばかりの龍を。

 

「な、何だと……あれが水聖級?」

 

「ルーデウス!凄いじゃない!かっこいいわ!」

 

 そうだろう。そうだろうとも!エリスには分かるか龍のかっこよさというものが。……それに比べてギレーヌ。もうちょっとなんか無いの?驚くのは無理ないけどギレーヌの要望で見せる事になったんだからもっとほしいんだけど。

 

「い、いや思ったより凄いものを見せてくれたのでな。言葉がでなくなってしまった。凄い魔術だな。ルーデウス」

 

 でしょ〜?凄いんだよ〜。

 

 

 

 その日はその魔術を見せた後は馬に乗ってロアの街に帰還した。……まだ油断は出来ない。

 

 

 一日経った。まだ油断出来ない。

 

 

 三日経った。まだ油断出来ない。

 

 

 一週間経った。……まだ油断出来ない。

 

 

 1ヶ月経った。……もういいかな?

 

 転移事件は結局の所起きなかった。

 

 

 

 という事で行動を開始する。

 

 いざ征かん!アスラ王宮へ!

 

 

 俺がアスラ王宮に来て案内されたのは白百合の庭園と呼ばれる様々な白い花が咲く庭。

 

 この会合は俺がフィリップに頼んで送ってもらった。文書によって行われている。

 

 話し合いたいことをそれこそ第一王子派に見られるわけにはいかないのでただ俺が話し合いたいとしか書かれて無い。だからこそアリエル達は俺をノトスとして見る。それを利用してこの会合は行われている。

 

 席に着いているのは俺とアリエル。だが、アリエルの隣には守護術師ディックと守護騎士であるルークが仕えている。

 

「本日はどういう用件での訪問でしょうか?ボレアス……いや、ノトスの魔術師殿」

 

「名前で呼んでほしいですね。文書に書いてありましたでしょう?ルーデウス、と。後、私は正真正銘。ボレアス家の人間です。父はノトスのものでしたが勘当されたと聞いています」

 

「では、第一王子派であるボレアス家のものがわざわざ私に何のようですか」

 

 うーんどうしてそんなに警戒してるの?3歳年下の男の子だよ僕。そんなに興奮しないでまだ座ったばかりじゃないか。

 

 後、ルーク君剣を抜くのは早い。そんなに抜こうとしても無理だよ。抜けないようにしておいたから。

 

「王様になってほしいなと」

 

「……は?」

 

「ご存知の通り我々ボレアス家には剣神流剣王であるギレーヌが剣客として、そしてこの私水聖級魔術師であるルーデウスがお嬢様であるエリスの家庭教師として所属しています」

「正直に申し上げると貴方に勝ち目はないでしょう。有力貴族の多くは第一王子派であり、武力でも勝る猛者がいない。幾ら貴方が国民からの支持を得ていてもねこれではどうしようも無い」

 

「―――」

 

 ふむ。いきなり何だと言わんばかりの表情。

 

 ディックはうん流石もう俺の言いたいことが分かっているらしい。

 

「けれどその武力が貴方に寝返るとしたらどうでしょう?すると逆に第一王子は貴方に武力で勝てなくなるし、幾らかの貴族も鞍替えしてくれるやもしれません」

「どうでしょう悪くないでしょう?貴方が王になりたいと言ってくれたなら何時でもそれは現実になります」

 

「……どうして私に王になってほしいのでしょう」

 

「貴方に王になってほしいのでと言っても説得力はないでしょう。ボレアス家は第一王子派なので。ボレアス家の伝統についてはご存知ですよね?」

 

「ええ。確か跡目争いに負けた者は男児を次期当主の家に送るものだとか……それが理由ですか?」

 

「そうであるとも言えるし、そうでないとも言えます。先程の私の言葉を覚えているでしょうか?」

 

「確か貴方はギレーヌと貴方が私に寝返る準備が出来ていると言っていましたね」

 

「そのとおりです。重要なのはボレアス家が寝返るというわけでは無いと言うことです。寝返るのは跡目争いに負けたフィリップ様になります。あの方は未だにボレアス家当主の座を諦めていないのですよ」

 

「つまり、それは……」

 

「ええ、貴方の立場とボレアス家の立場その二つを利用したいっていうのが本音ですね。まあ政治っていうのは古今東西そんなものでしょう?」

 

「確かにそうですが……随分とハッキリと言うのですね」

 

「隠していてもしょうがないので。で、どうですか?私達の提案受けてくれますか?」

 

「……私は今の生活で満足しています。ですので、王になろうとは考えていないのです。申し訳ありません」

 

「いえいえ、とんでもない。個人的にアリエル様の事は好意を持っているので何か私が必要な事があればご連絡下さい。私に出来ることであれば期待に応えようと思います」

 

「ええ、その時はよろしくお願いします」

 

 よし。目的達成。それじゃあ魔術を仕掛けてからロアに帰ろうか。

 

 え~とシルフィと妹達のお土産は買ったから後はエリスとギレーヌのか……何処にあるのかな?

原作成りかわりIFを一部だけ

  • やって
  • やらなくてもいい
  • 全部やれ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。