リカリスの街に着いた。道中で見つけた人は全部で四十八人。うち十三は子供。全員とりあえず救助できた。
凍結が1日も保たないとは思わなかったな。流れ星について知ってる人いればいいなぁ。
もう72時間経った。ここからは助けられる人は一気に減るだろう。俺のせいで苦しんで死ぬ人も出てくる。
はぁ。
ルイジェルドの髪を見られるとスペルド族と直ぐにバレるので、頭に布を巻いてもらう事にした。
「ルイジェルド」
「何だルーデウス」
「その額の赤いの隠してもいい?だめ?」
「特にダメではない」
「じゃあこれで頭覆って緑髪と額の赤いのを隠して」
「こうか?」
「そう」
「似合ってるわよ。ルイジェルド」
ルイジェルドの見た目は厳ついアラジンみたいになった。
で、門番には俺達は小物を売りに来た子供とその護衛であると伝えた。商品はもちろん俺の魔術で作ったもの。案外頭を覆っただけでバレないもので門番はルイジェルドのことは気にも止めなかった。
そうして、町に入るとエリスが、
「ルーデウス!私!冒険者になりたいわ!」
と、言い出したので冒険者登録も目的に追加。小物を売るだけでは路銀を稼ぎきれるかどうかは分からないので複数の手段を持っておくのは悪くない。
……スペルド族の悪名祓いどうしよう。泣いた赤鬼作戦でいこうかな?俺が魔術でデカい龍を作ってそれをルイジェルドが一人で討伐するとかどうだろう?
……いい気がする。
……かなりいい気がする!これでいこう!
とはいえ、小物売りで路銀を稼ぐ方針を曲げるつもりは無い。という事で、まずは露天商を見に行く。泣いた赤鬼作戦はこの町を立つときにやろう。
色々見て回って、エリスとおれの着替えの服とエリスにはフードを買った。宿代としてもらったけど……ごめんロイン。三日ほど同じ服着ていたから流石に別の服が欲しかったんだ。
エリスはニコニコで服を受け取ってくれた。そんなに喜んでくれるなら渡した甲斐があるというもの。……猫耳フードが一番喜んでた。獣人大好きだもんね。フードはエリスが魔神語を喋れないから無口キャラでいくために買った。これで顔を隠しておけばなんかいい感じになるだろ。
早速フードを着ていざ征かん!冒険者ギルドへ!
バァン!
と、エリスが戸を開けたのに俺とルイジェルドが続く。……なんだ?そんなにジロジロと見てデッドエンドであるルイジェルドのことがバレたのか?
……あ!俺の
隣でエリスも自慢気である。
ずっと、入り口に立つわけにはいかないので歩を進めるが皆目線を杖に合わせている。ルイジェルドのことなんてほとんどの冒険者が気にしてない。スペルド族だと気づいている者は一人もいない。
……作戦成功!
登録は俺がすることにした。ルイジェルドに任せてじっくりと見られたらバレるかもしれないから仕方ない。
カウンター高いな。近くの椅子を持って来て、ヨイショと。
「冒険者登録しに来ました!」
「はい、冒険者登録ですね」
「でしたら、こちらの用紙にご記入ください」
三枚の紙と細くとがった炭が渡される。炭て……手が汚れる鉛筆だと思えばいいか。
名前と職業を書く欄があり、注意事項と規約が書いてある。職業?……クラスのことか?そんな事を考えていると
「文字が読めないのでしたら、代わりに読み上げますよ?」
文字が読めない子だと思われたらしい。
「大丈夫。読めるから」
エリスも注意事項や規約は知っておいた方がいいだろう。椅子からぴょんと降りてエリスと一緒に紙を見るようにしてコショコショ内容を伝える。ルイジェルドには紙を渡す。読めるでしょ。知らんけど。
「
1.冒険者ギルドの利用。
冒険者ギルドに登録することで、冒険者ギルドのサービスを受けることができる。
2.サービス内容
全世界における冒険者ギルドでは、仕事の仲介、報酬の受け渡し、素材の買取、貨幣の両替等のサービスを行なっている。
世界情勢の変化で、通知することなくサービス内容が変更されるものとする。
3.登録情報
登録された情報は冒険者カードにて冒険者自身が管理することとなる。
紛失すれば再発行は可能だが、ランクはFからとなる。
また、各地域毎の罰金が発生する。
4.冒険者ギルドの脱退。
ギルドに申し出れば、脱退が可能。
再登録も可能だが、ランクはFからとなる。
5.禁止行為
以下に定める行為を禁止する。
(1)各国の法令に違反する行為
(2)ギルドの品位を著しく貶める行為
(3)他冒険者の依頼を妨害する行為
(4)依頼の売買行為
禁止行為が認められた場合、罰金と冒険者資格を剥奪とする。
6.違約金の発生
請け負った依頼を失敗すると、違約金として報酬の2割を支払う。
期限は半年間。支払えなければ、冒険者資格は剥奪となる。
7.ランク
冒険者はその実力に応じて、SからFまでの7段階でランク分けされる。
原則として、自分のランクの上下1つ以内の依頼までしか請けることはできない。
8.昇級と降級
ランクに応じた規定の回数の依頼を成功させることで、昇級することが可能。
ただし、実力が伴わないと感じたら、そのままのランクでいることも可能。
また、一定回数連続で依頼を失敗することで、1つ下のランクへと降級する。
9.義務
魔物の襲撃などで国より要請を受けた場合、冒険者はそれに従う義務がある。
また、緊急事態において、冒険者はギルド職員の命令に従う義務がある。
」
「とのこと。エリス何か質問ある?」
「ないわ」
「りょーかい。ルイジェルドは?」
「ないな」
とのことなので全員分を魔神語で俺が書く。
「書かれましたら、こちらに手を乗せて頂きます」
その言葉共に出てきたのは板。真ん中のあたりに魔法陣が刻まれていて、下には、金属のカードが敷かれている。
ふむ。なんだろこれ。
「こう?」
とりあえず、まず俺から。ぺたりと手を載せる。職員がそれを確認すると、板の端をポンと指で叩いた。
「名前・ルーデウス・グレイラット。職業・魔術師。ランク・F」
職員が用紙の内容を淡々と読みあげて、もう一度ぽんと指先で叩く。すると、魔法陣がほんわりと赤く光り、すぐに消えた。
「どうぞ、こちらがあなたの冒険者カードになります」
何の変哲もない鉄の板。そこには、ボンヤリと光る文字で、
------------------------------
名前:ルーデウス・グレイラット
性別:男
種族:人族
年齢:10
職業:魔術師
ランク:F
------------------------------
と人間語で書かれていた。
………俺が手を置いた意味は何?
それからはルイジェルド、エリスの順番で手を置いた。
------------------------------
名前:ルイジェルド・スペルディア
性別:男
種族:魔族
年齢:566
職業:戦士
ランク:F
------------------------------
------------------------------
名前:エリス・ボレアス・グレイラット
性別:女
種族:人族
年齢:12
職業:剣士
ランク:F
------------------------------
へー年齢わかるんだ。それは便利。本人が覚えてない事も出してくれるなんて長命種は皆冒険者登録した方がいいんじゃない?
ハーフの場合は種族もハーフってなるのかな?シルフィと複雑クォーターだけどなるんだろうか?
まっそんな事今気にしてもしょうがないか。
「んふふ」
エリスは自分のカードを見て、にまにまと笑っていた。
アレだね。誕生日にロッドを渡した時を思い出すね。
「パーティの登録はなさいますか?」
「パーティ登録? あ、します」
いるんだパーティー登録。なんか冒険者同士で勝手にするもんだと思ってた。
パーティーについては
・パーティは最大7人まで入る事ができる。
・パーティにはリーダーの上下1ランクまでしか入ることが出来ない。
・受けられる依頼はパーティランクで決まる。
・パーティランクはメンバーの平均値。
・依頼成功時の昇格値はパーティ員全員に入る。
・パーティに加入していても、個人での依頼受注は可能。
・加入にはリーダーとギルドの承認が必要。
・脱退にはギルドの承認だけでいい。
・リーダーにはメンバーを強制脱退させる権限がある。
・リーダー死亡時には、自動的にパーティ解散となる。
・2つ以上のパーティでクランを結成することが出来る
・優秀なクランにはギルドより様々な特典がある
こんな感じらしい。……リーダー?後で決めよう。
「では、パーティ名は何に致しますか?」
「『ライデンシャフト』でお願いします」
ドイツ語で情熱とか熱心って意味の言葉。俺達にぴったりだよな!
「わかりました。冒険者カードをお預けください」
俺たちはしまったばかりのカードを取り出し、渡す。もうちょっと早くパーティーについて言って欲しかった。
職員はそれを持って奥へと行き、直ぐに戻ってきた。
「はい、どうぞご確認ください」
------------------------------
名前:ルーデウス・グレイラット
性別:男
種族:人族
年齢:10
職業:魔術師
ランク:F
パーティ:ライデンシャフト(F)
------------------------------
――かっこいい。エリスと二人でにまにま。
「以上で登録終了となります。お疲れ様でした。依頼を受ける際には、そちらの掲示板よりお剥がしになり、受付まで持ってきて下さい。買取は建物の裏となっておりますので、お間違えのないようにお願いします」
「質問いい?」
「なんですか?」
「4日ぐらい前に流れ星見なかった?」
「流れ星ですか……?すみません見てないですね」
「そう。ありがとう、じゃ!」
よし、早速建物の裏でコヨーテの皮売ろうか。二十枚の毛皮なんてずっと持ってるルイジェルドが大変だ。文句は何も言ってこないけど。
屑鉄七枚程になった。ルイジェルドの剥ぎ方が上手という事で少し割高に買い取ってくれた。次は依頼の貼ってある掲示板に行こう。
受けられる依頼はEとFだけど、確認はどのランクのも出来る。なんか高そうな素材落とす…いや、剥ぎ取れる魔物はいないかな?
「ドラゴンと戦うのとかないの?」
「Sランクにあるぞ。これだ」
「ほんと!? ………読めない」
「北の方にはぐれ竜が一匹住み着いたと書いてある」
「勝てるかな?」
「やめておいた方がいい。竜は強いからな」
ルイジェルドなら倒せるだろ。
「そう。でも、討伐系がいいわね……」
「討伐系はCランクからだな」
「Cランクからしかないの?」
「そのようだ」
「最初はゴブリンとかと戦うって聞いたことあるけど?」
「この大陸にそんな弱い魔物はいない」
残念だなエリス。討伐依頼は受けられない。そう討伐依頼は。だけど、魔物討伐は出来るんだぜ?
という事で、討伐依頼に書かれている魔物と生息域について写真で残しておく。この魔術ホント便利。作って良かった。
うん。やりたいは終えた。ギルドから出ようかな。Eランクの猫の捜索依頼だけ取ってカウンターに持って行った。何の依頼も受けずに何日も来ないのはおかしいからね。
早速明日から頑張ろう。しばらくは此処でお金を稼いで救助できた人を集めよう。
ギルドの外はもう夜か、宿を探さないと。エリスを安心出来る所で寝かせてやりたい。
ルーデウス バットステータス
過度な魔力消費による白髪化
広範囲の探知(大体半径100キロ)により脳の負荷大
救助の為の精霊召喚(偽)による魔力消費も追加され使える魔術に制限がかかる。最大出力が中級までに
寝不足(三日寝てない)