ただ魔力を供給する装置みたいに。
このことはエリスは気づいていません。ルイジェルドは気づいています。
エリスはルーデウスの事を信頼してすやすやでした。
四日経って四十八人全員避難させる事ができた!凄い!偉い!!かっこいい!!!
眠い!!!!!
だからドラゴンスレイヤーになる!!!
「待たせたなエリス!連日のコヨーテ狩りはもう終わりだ!今日からは大物を狩りまくるぞ!!!」
「やったー!流石ルーデウス!」
「もっと言って!」
「ルーデウスかっこいい!」
「ありがとう!ルイジェルドも!」
「……どうした?ルーデウス昨晩までのお前とは随分と……」
「俺を!褒めろ!!!」
「……頑張ったなルーデウス」
「そう!合格!」
「エリス!ドラゴンスレイヤーになりたいかー!!!」
「なりたーい!」
「よし!わかった!ならば俺に続け!行くぞー!」
「おー!」
「討伐対象はS級。北に住み着いたはぐれ竜だ!」
「待て、ルーデウス。竜は強い」
「うるさい!俺達の方が強いんだから関係ない!行くったら行く!」
北までには白虎を出してそれに皆で乗って駆けて行った。道中魔物が出てきたけど白虎には関係ねえ!ぶち抜いてやったぜー!
竜に相対するは
剣神流上級剣士ボレアスの一人娘エリス
水聖級魔術師である俺ルーデウス
帝級相当の戦士元スペルド族戦士団戦士長ルイジェルド
の三人。負ける気がしねえぜ。
接敵すると、竜直ぐ様に咆哮。此処は俺の縄張りだと。容赦はしない。とそう言っている。が、そんなこと俺達には関係ない突撃ー!
俺は魔術でめっちゃジャンプして逆鱗に向けて飛び膝蹴り!クリーンヒット!ひるんだ隙にエリスとルイジェルドが一撃を食らわせる。俺の一撃は大したダメージじゃないけどルイジェルドは左翼の根元を貫いていたし、エリスも鱗越しに中々のダメージを与えているようだ。
「何よそれ!ルーデウス!」
「ヘッヘッヘ。魔術師が近接戦出来ないなんて誰が決めたよ!」
「凄いじゃない!」
「だろー?」
「おい、油断するな。竜にはブレスがある」
「チッチッ、ルイジェルド。俺をなめんといてよ」
そんな会話をしていると、竜がブレスを溜め始める。ルイジェルドは警戒しているが、エリスは俺を信じて仁王立ち。エリスのそんな所俺好きだぜ!
「二人共、見とけよー!俺の魔術を!」
放たれたブレスに対抗する為に俺もブレスを出す。イメージは炎と雷を混ぜた超高出力のエネルギー砲。
ほぼ同時に両者のブレスが放たれる。切っ先がぶつかると俺のブレスが確かに竜のを押していく。周囲が熱せられブレスがぶつかっている真下の地面はガラス化している。
しばらく、互いにブレスを吐き続けていたら竜の方が先に力尽きた。それを確認すると俺はブレスを辞めて、
「エリス!やっちまえ!」
「任せなさい!」
そう言うとエリスは高く飛び竜の首を両断した。
勝利。勝ち鬨をあげろ!
こうして俺達は晴れてドラゴンスレイヤーとなったのだ!
次の日。
「なんで止めてくれなかったの?」
「俺は止めた。お前が止まらなかったんだ」
「いいじゃない。倒せたんだから」
「まあ、それはそうなんだけどさぁー」
はぐれ竜の依頼が出ていたが、誰も受けていなかったため。依頼の妨害には当たらず、竜の素材はきちんとギルドが買い取ってくれた。
だが、この功績で冒険者ランクが上がるということはなく。冒険者ランクを上げるには地道に頑張っていく他ないらしい。ケチ。
竜を売却して手に入れたお金は3割は俺たちの手元に残りの7割はリカリスに避難している人達に渡した。二人も納得してくれている。ありがたい。
それからは3週間程かけて冒険者ランクを上げるための活動をしていた。避難している人達に文字が書ける人がいたのでその人達を一時的にパーティーに加入させ人海戦術で依頼を達成しまくった。
俺と戦いに覚えのない人達で町中の依頼を、エリスとルイジェルドが戦える人達を率いて討伐依頼をやりまくった。
そして、遂に俺たちの冒険者ランクはCとなった。
それだけでなく、ギルドとの連携が出来て避難していた人達だけで此処で暮らせるようになった。
そろそろ、俺たちもこの町を離れようかと思っていると、こんな依頼を見つけた。
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B
・仕事:謎の魔物の捜索・討伐
・報酬:屑鉄銭5枚(討伐で鉄銭2枚)
・仕事内容:魔物の捜索・討伐
・場所:南の森(石化の森)
・期間:次の月末
・期限:早急に
・依頼主の名前:行商のベルベーロ
・備考:森の奥でうごめく影を見つけた。正体を突き止め、危険であるなら排除してほしい。
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出来るだけ、旅の時間を短くしたい俺たちとしては南の森を通過して隣町に行く予定だった。それなのに正体不明の魔物がいると……。この魔物がずっと森にいるわけでもないし、町に来るかもしれない………殺そうか。討伐したら追加でお金も貰えるし。
というわけで丸一日かけて、石化の森に来た。アーモンドアナコンダやエクスキューショナーといった、Bランクに類するかなり危険な魔物も生息しているが、竜を倒した俺達には関係ないね。
なんと、森には先客がいた。Bランクパーティ『スーパーブレイズ』とDランクパーティ『トクラブ村愚連隊』の2パーティ。
何やら揉めているようなので俺も話を聞きに行く。ルイジェルドはまだ口下手なのだ。
「おい、で、なんだてめえらは」
開口一番。怒ってる顔で言ったのは、『スーパーブレイズ』のリーダーのブレイズ。豚っぽい種族の人。
「オレたちは依頼できたんだよ!」
それに返したのは『トクラブ村愚連隊』リーダーのクルト。彼はムッとした顔で言った。二本の角が生えている。…家の鬼の方が怖いな。
「俺もー」
続けてふざけた態度で返事したのは俺。
格下ランクの二人の言葉を聞いた、ブレイズは舌打ち。
「ブッキングしちまったか。なんか嫌な予感してたんだがなあ……」
ブレイズがイライラと首筋を掻いた。カルシムいる?コヨーテの骨粉なら直ぐに持ってこれるけど。
「ぶ、ブッキングってなんですか?」
「あ!?」
クルトがおずおずと聞くと、ブタがいきなりキレた。
やっぱりカルシム足りて無いんじゃない?
「お、教えてくれませんか?」
「同時期に違うヤツが依頼を出しちまって、それをギルドが管理出来ずに一緒に出しちまったってことだよ」
あら、案外優しい。
因みに他二つの依頼は ブレイズの依頼が、『石化の森に出現した、白牙大蛇ホワイトファングコブラの討伐』。クルトの依頼が、『石化の森で目撃された謎の卵の採取』。とのこと。
クルトの依頼の謎の卵って何?え?こんな依頼受けたの?いくらでも難癖つけられそうなこの依頼を?……大丈夫かなこの子。
ブッキングした場合は早い勝ちということらしいのでその場で解散。それぞれのパーティのもとに戻る。
俺がルイジェルドとエリスの所に戻ってくると、ルイジェルドは森の方を見ていて、エリスはその脇で暇そうにしていた。
「なんだったの?」
待ちかねたと言わんばかりに、エリスが聞いてくる。
「依頼がダブルブッキングしていたんだど」
「ダブルブッキング?」
「内容が被っていたってこと」
「それはどうなるの? 譲っちゃったりするの?」
「早い者勝ちだって」
「そう、腕がなるわね」
最近のエリスは竜討伐の時みたいな冒険に飢えていた。そんな折にこの事態。負けてはなるものかとやる気満々。
「それで、私たちはどうするの?」
「ルイジェルドに任せるよ。どうしたい?」
「あの三人の子供が心配だ」
愚連隊のことだ。
「彼らの実力では、この森では生きていけん」
「つまり?」
「手伝ってやろう」
「ふーん、あまり一緒に行動すると、スペルド族だってバレるけど?」
「構わん」
いや、アンタは構わんかもしれんけど俺たちの事も考えてくれ。まあいいけど。
「でも、一緒に行動はしないよ」
「見殺しにするのか?」
「いや、そんな人でなしじゃないよ、俺。後から着いて行って彼らが倒せないそうだな……B級の魔物が出てきたら加勢しよう」
尾行していると、クルトたちは、意気揚々と森の奥へと入っていく。目印くらいは残して行った方がいいんじゃないかな?俺みたいに空から見下ろせるわけでもないんだから迷っちゃうよ。
すると、ルイジェルドから、
「奴ら、森に入るのは初めてなのか?」
と質問。
「そうなんじゃない?どうして?」
「迂闊すぎる」
「森に?魔物に?」
「両方だ」
と、その心配の通り、クルトたちは索敵に失敗し、エクスキューショナーと遭遇した。エクスキューショナーのランクはB。
「よし、助けに行こうか。俺とエリスでアイツはどうにかする。ルイジェルドは他のが出てきたらお願い」
「わかった」
「わかったわ!」
クルト達は接敵すると同時に逃走。あーあ、どんどん森の奥に行ってる。
「あー、作戦変更。ルイジェルドは3人の前方に行って露払いを」
「ああ」
3人のことはとりあえずルイジェルドに任せよう。彼なら子供の命を危険に晒すことは無い。
エクスキューショナーは鎧姿に合わない俊敏性だがエリスには敵わない。とはいえ援護はする。エクスキューショナーよりも大きい玄武を出して取っ組み合いをさせる。これでエリスはもっと動きやすくなっただろう。
うん。苦戦せずに倒せた。……ロインからもらった剣凄いな。あんな頑丈な鎧を斬ったのに刃こぼれしてない。
……豚さんの方もちょっと不味いかな?仕方ない天災のせいにして落雷で蛇には死んでもらう。はい、ドーン。即死。
「な、なに?雷?」
「あー、俺の魔術だから心配しないでいいよ」
「そ、そう?」
クルト達の逃げた方に行くと、ルイジェルドが一人で複数のアーモンドアナコンダを相手にしていた。
クルト達は半泣き半笑いで腰が抜けている。逃げればいいのにと思って彼らの視線を追うとルイジェルドのターバンがズレて緑髪が見えていた。
あちゃー。バレちゃった。
ルーデウス バットステータス
過度なストレスによる白髪化(もう戻らない)