俺は今二人とは別れて一人で行動している。何故か?それはロキシーに渡した文の魔力を近くに感じるから。多分この街にロキシーがいる。
ロインとの約束を果たそうかなと町中を魔力を辿りながら進んでいると……
行き倒れを見つけた。魔界大帝キシリカである。
「ら、ラプラス。何じゃ妾を笑いに来たのか……」
「俺はラプラスじゃないんだけど……何?お腹空いえるの?」
「ぐ……ううぅ……復活してより300年。よもやこんな所で倒れ………。ラプラスには知られるとは……」
「話聞けよ。俺はルーデウスって言う名前があるの」
「め、飯を……」ガク
「最初からそう言いなよ」
「先生ー!」
「こ、この声は!ルディ!?どうしたんですか!?」
[ロキシーの目線の先には老人のような白髪となったルーデウスに首根っこを掴まれながらも串を一心不乱に口に放り込む幼女がいた]
「もぎゅもぎゅもぎゅ」
「いやー久しぶりの再会なのにムードが台無しですみません」
「ゴクン。おい!ルーデウス!次は妾あれを食べたいぞ!」
「ほら」ピン(緑鉱銭)
「おほー!ふとっぱらー」
「ルディ、あの子は何なんですか?」
「魔界大帝キシリカ・キシリス」
「?」
「ですから魔界大帝キシリカ・キシリスその人です」
「ホ、ホントですか?」
「ええほら俺の目変わってるでしょ?」
「髪も記憶にある色と異なるのですが……」
「あー髪はストレスでこうなったんですよ大したことじゃありません。目は両目とも魔眼にしてもらいました。便利ですね魔眼って予見眼と透視眼にしてもらったんですか―――ってそんなことはどうでもいいんですよ」
「どうでもいい?ていうかストレス?透視?」
「先生。ちゃんと故郷には帰らないと行けませんよ。俺は不可抗力で離れた土地に来ましたが先生はそうではないでしょう?」
「ロインさんとロカリーさんが心配していましたよ」
「両親が……?」
「って違う違う。ルディのペースにのまれちゃダメ、ロキシー。コホン。ルディ、ミリス神聖国のミリシオンでパウロさんが1年前の転移事件の捜索隊を結成しています。会いに行ってあげてください」
「ミリシオンですね……。わかりました。ありがとうございます」
「満腹!これで十年は保つ!ルーデウスよ!大義であった!ふむ?隣におるのは何じゃ?伴侶か?」
「残念ながら俺の魔術の先生です」
「ルディ冗談やめてください」
「ふむ、そうか?では……名は?」
「申し遅れました。ビエゴヤ地方のミグルド族、ロキシーと申します」
「では、ロキシーお前さんの願いも聞いてやろう!妾は今機嫌が良いのでな特別じゃぞ?」
「その、陛下の魔眼で、行方不明の者を探すことはできますか?」
「うん、できるぞ、この間は偶然にもバーディと出会えたからの、この世で妾の見つけられぬ者はおらぬ」
「そうですか……では、ルーデウスの家族のゼニスとリーリャ、アイシャ居場所を。彼らは現在行方不明なのです」
「ほう、願いを他人のために使うとは、あっぱれな奴じゃな!世が世なら魔王の地位を与えてやってもよいぐらいじゃ」
「いえ、それはいりません」
「そうかそうか、謙虚な奴じゃ。どうれ……」
すると、キシリカの目の色がぐるりと変わった。それから彼女は、あちらこちらへと首を体ごとめぐらし、
「まず、リーリャとアイシャじゃがな。二人は一緒にいるな。シーローン王国の王宮で暮らしておる」
「シーローン王国?」
「母親は……ちょいまて」
キシリカは顔をしかめつつ、目に力を込める。そして、見た。ゼニスの居場所を。
「ベガリット大陸、迷宮都市ラパンじゃな」
ロキシーは顔を輝かせてる。自分の家族じゃないのにこんなに喜んでくれるなんてロキシーはかなりの善人だな。
もうラパンにいるのか、え~と透視眼は……
「じゃが……ちとおかしいのう」
「何か問題が?」
「いや、ふーむ、ちとよく見えん」
「よく見えない? 陛下の目を持ってしても、ですか?」
「妾もまだ本調子ではないからのう……ま、行ってみればわかるじゃろ」
「それでは困ります。何か問題があるなら詳細を……」
「なんじゃ……そんな事言われても、見えんものは見えんのじゃ。おお、そうじゃ。案外、迷宮の中におるのかもしれんぞ。迷宮都市じゃし、妾は行ったことないけど」
「迷宮の中は見えないのですか?」
「うむ。ベガリットの迷宮は高濃度の魔力で満ちておるからのう」
「おっ見えた」
「何が見えたのじゃ?未来か?妾らの裸か?」
「いや、母さんです。確かに陛下の言う通りダンジョンにいるようです」
「ん?どうやってじゃ?お主に渡したのは千里眼ではなく予見眼と透視眼じゃったはず……」
「それは秘密です。陛下ありがとうございます。おかげで家族の行方が分かりました」
「そうか?礼は師にも言うのじゃぞロキシーが願わなければ妾は見なかったのじゃからな!」
「そうですね、先生ありがとうございます」
「いえ、私はルディのついでに聞いてもらっただけですから、陛下ありがとうございました」
「よいよい。助けてもらった礼じゃ。では、サラバじゃルーデウス、ロキシーよ! また困った事があれば妾を頼るがよい!ファーハハハハハ!ファーハハハ!ファーハハアアフアガホゲホ……」
凄いジャンプ力。素の力であんな事ができるっては羨ましい。俺だと魔術での補助が無いとできないからな。
「あのルディ?頭のことなんですが……」
「これですか?さっきほども言った通りストレスでこうなりましてね?ちょっと詳細は話せないですけどまあこの通り今はピンピンしてるので!」
「大丈夫ならいいんですけど……で、後透視について」
「ロキシー先生。本日はありがとうごさいましたー!!!」
逃げろ逃げろ逃げろ!!!見てないけど!やましい事は何もないけど!透視眼についてツッコまれるわけにはいかない!
「待ちなさい!ルディーー!!!」
ふう……危なかった……。
魔眼の制御は魔眼を埋め込まれた時から出来た。あの地獄の七日間の成果だろう。あの半径100の事象をすべて把握して100近くの精霊を制御するのと比べると簡単簡単。だからホントに裸は見てない。
ロキシーに会った次の日。早速密航を行った。やり方は空を高速で飛ぶだけ、魔大陸からミリス大陸までならそこまでの距離がないから1日で行ける。……まあ人のことなんて考えない行き方だから慣れてないとこうなるんだけど。
「ゲーー」
「ゲーー」
「うぷっ二人とも情けないですね……おえ。やべえ頭クラクラする」
慣れてもこうだけど。