この前の借りを返しに来たぜ?
ミリス大陸に行く手段………どうしようか。外部の俺が聖獣の様子を見れるのは誘拐されるこの時期だけだろう。なのにどうすれば良いのか全然分からない。
まずは俺の分身作って、それをこちらに残してミリス大陸に行くことを考えてみた。試しに日を分けて屋敷とブエナ村に一体ずつやってみたら、エリスとシルフィどちらにもすぐにバレました。
なんで?他の人にはバレてなかったのに……いや、ギレーヌにもバレてたかな?なんか匂い嗅いで???していたし。
エリスは
目の前にいる分身を無視して大声で
「ルーデウス!!!何処にいるの!!!」
と、叫ばれたので行くと
「ルーデウス!あんなので私を騙そうだなんて十年早いわ!」
と、ビシッっと分身を指差しながら言われた。
シルフィは
分身をチラりと見ると、瞬時に凍らせて粉砕。
「ルディ、見てるんでしょ?ねぇ?こっちに来て?」
と、言われたので行ったら、
「ダメだよルディ。私を誤魔化そうとしたら、ね?ほらこっち来て首出して?」
許してあげないってオーラを出しながら、強く抱きしめられ、首の根元を深く噛まれた。
「わかった?」
「はい」
これで跡は10個目。噛み跡は始めてだけどこれから増えるのかな。やらかしたな。
ていうか全然遠慮なくなったな。いいけど。俺以外にやったら嫌われるからね?気をつけるように。
分身は身近な人にバレるということがわかった。ので逆に分身をミリス大陸に行かせそうとしたんだけど……無理。頭が割れる。
俺の精霊は何らかの魔術を改変したなんちゃって召喚魔術だから俺がずっと操作しておかなくちゃいけない。これまでの魔術最大距離はロキシーに手紙を届ける時に使っていた鳩。あれは運ばれて行く文の魔力を辿って作った専用の魔術によるもので結構ギリギリだった。
なのでロキシーへの手紙は今は冒険者ギルドに依頼して送っている。
つまり、俺がアスラにいながらミリス大陸の情報を得る為の手段を今の俺は持っていないということ。せめてなんちゃって召喚魔術じゃなくて正式の召喚魔術なら可能性があったのに………?
召喚魔術?……にやり。
今、現在空を飛んで城を探している。その城の名は空中城塞ケイオスブレイカー。その城主に用がある。召喚魔術の権威である甲龍王ペルギウスに。アイツは前攻撃仕掛けやがったからなその仕返しついでに召喚魔術を教えてもらおう。
見つけた。
庭にドォーンと、着地。すると、瞬時に光がくる。
「何をしに来たルーデウス」
「ペルギウスに借りを返そうかなと。ほら、前にお前が襲って来たことあっただろ?その仕返しだよ」
「―――」
「おいおい。いきなり攻撃を仕掛けるのはダメだぜ?しかも複数人でやるのは卑怯じゃないのか?こんなのが英雄様のやり方か?」
今、俺の周りにはアルマンフィの含めた三人の精霊が氷像となっている。恐らく全員が戦闘を担当しているやつだろう。だが、そんなことは関係ない。空間ごとを凍結させさいすればこの通り光であっても何もできない。光であっても動くのは空間だからな。
「お邪魔しまーす」
「ちょっとしつこい」
ケイオスブレイカーの中心にある城に向けて歩く事2時間。あまりにも敵襲が多い。少し歩いたら奇襲、奇襲奇襲のオンパレード。いい加減飽きる。
ていうか精霊じゃない女の人が突撃してきたけどやめてよね。貴方は殺したら復活しないんだからさ。まあ、今はその辺に転がしているけど。
人が考えている間にも11の精霊が相次いでくる。それらをまず四獣の弾幕で牽制。怯んだところを青龍や朱雀で掻っ攫らったり、白虎や玄武で制圧する。突破されたら空間を弄って対処。
これの繰り返し。
精霊は殺しても召喚し直せるとはいえこんな数召喚し続けるのは辛いだろ。
遂に、大きな城の麓に来た。
「何時まで続けるつもりだ、ペルギウス。いい加減出て来い」
「お前達その者を押さえよ」
その威厳ある声が聞こえるのと同時に全十一の使い魔がこれまで以上の全力を持って突撃してきた。が、これまで通りの対処をする。
まずは弾幕を張って安易に近づけないようにする。
「その龍はただ忠義にのみ生きる」
張った弾幕はそこまで密度がないだからこそ食らうやつにはそれ相応の理由がある。守るべきものがいる、とかな。
「両の爪は長く、鋭く、決して拳を握れない」
まずは一人、二人と迎撃。ペルギウスを庇わなくてはならないからそうなるもの仕方ない。
「かの龍が怒りしとき、拳は握られん」
一人、竜に喰われる。また一人、竜に呑み込まれる。
「爪は折れ、牙は抜け、しかし思い知るだろう」
一人、鳥に抉られる。また一人、鳥に燃やされる。
「忠義を握りし龍が、いかなる思いで忠義を捨てたかを!」
……六人、七人。後、五人。
「三番目に死んだ龍」
一人、虎に噛み砕かれる。また一人、虎に斬り裂かれる
「最も鋭き瞳を持つ、白銀鱗の龍将」
一人、亀に押し潰される。また一人、亀に粉砕される。
「甲龍王ペルギウスの名を以って召喚する――」
後、二人、一人。そして、ゼロ
「開け『前龍門』」
「招け『後龍門』」
残念だったなペルギウス俺の勝ちだ。もたもたしていたお前に勝ち目はもう無い。魔力が吸われていくが関係ない。
「俺の勝ちだな、ペルギウス」
もう、魔術は発動している。
「戯言を、甲龍手刀『一断』」
その一刀によりペルギウスの目の前にいる四獣や使い魔を含め一切が消し飛ぶ。
「残念ながら俺が居るのは後ろでした」
「な、何だと……」
実は俺は城の前に来てすぐに分身と入れ替わって姿を消していた。
理論は単純で、俺はずっと自分の周りに四獣がいるようにしていた。正確にはそう見えるようにしていた。途中、俺が分身と入れ替わっても四獣がいるからと俺の位置を誤認させるために。
俺の分身は身近な人や魔力眼や透視眼などの特別な魔眼でないとバレない精度をほこる。これを生かさない手はない。
結果は大成功。英雄様でも勝利の瞬間は油断するらしい。後ろがら空きだった。まあさっきまで居た自分の城を警戒しろってのは無理な話か。
後は後ろから電気を流し込むだけで俺の勝ち、というわけ。
さて、しっかりと縛って回復魔術をかけ起きるのを待つか。
「あっ起きた、どう?いきなり攻撃を仕掛けられる気分は?」
「―――」
「あんまりいい気分じゃないでしょう?これからは気をつけようね。じゃあここから脅迫ね。アンタの命を取らないから召喚魔術を教えて、ね?こんな所で死にたくないでしょ?」
「………わかった教えよう」
「ありがと」
「うん、大体わかった。次は、転移魔術も教えて」
「後、あの使い魔達の作り方も」
「よし、ありがと。また来るよペルギウス。次はお茶会でもしよう。じゃ!」
「……二度と来るな」
ここのシルフィは原作のシルフィとは違いルディが良ければという考えで動きません。私とルディは一緒にいるべきという考えで動いています。
そのためシルフィのヤンデレ度はルーデウスがエリスの所に行く度に上がっていっていますし、離れようとしたのなら一気に上がります。ルーデウスが何処かに行かせないように離さないようにいろいろな事をしていますし、していきます。
ルディに捨てられでもしたらホントの絶望を味わい生きる意味を見失い廃人と化します。
なんでこうなっちゃったの?
空間魔術
ルーデウスが周囲を魔力で満たし空間ごと変換している魔術のこと。後にルーデウス、ロキシー、シルフィエットの三人が主導して体系化される。
現在は術者の一定範囲内の空間の熱操作することしか出来ていないがいずれ空間を分割、拡張、接続、縮小、拡大、湾曲させたりできるようになる。
今のルーデウス対ペルギウスは普通にやったならペルギウスが勝ちます。が、今回彼はルーデウスというラプラス超えの魔力が奇襲してきたので警戒をしすぎてしまい負けました。最初から龍門召喚して魔力吸い取れば勝っています。龍門砕け散るけど。