男女比が狂った世界で笑ってるブサイク男子 作:ブサイクカス
「い、嫌だぁぁ!助けて…助けてくれぇぇ!!」
校庭で、必死に逃げる男子生徒、そしてそれを追いかける何十人もの…女子生徒。
男子生徒は涙と汗と鼻水を垂れ流して必死に逃げる…が
「あ、あぁぁぁ…!!」
男子が女子にフィジカルで勝る訳もなく、あっという間に距離を詰められ、女子達に掴まれ、引き摺り込まれた。
情けない悲鳴を最後に、宙を舞う制服を見た後、僕は一人、屋上で笑う。
「ふっ、絶対的な安全圏から見る悲劇って最高だなぁ…!」
この世界は男女比が狂っている、1:100だ。
種の存続の為に、法律で男子は出来る限り女子を多く娶り、子を作る必要がある…だが、しかし
女子にも相手を選ぶ権利がある。
生理的に無理なヤツと無理やり子を作れとか鬼畜過ぎるので、この法律には最後に一つ、書き加えられている事がある。
『ただし、一定の基準を下回る男子はこれを免除されるとする』
コレだ。その一定の基準…とは、何か
「ブサイクな事なんだよなぁ!面食いしかいねぇ」
俗にいうオタク顔、女子からの評価は地の底よりも深い低評価。
それが僕、
女子に告白された回数は永遠に0を約束されている。
小学生の頃は隣の席になった女子から悲鳴を上げられるのは100から先数えていない。
何なら、今通っている高校では一人だけ教室の奥の角かつ、誰一人として隣の席にならない、話しかけられない様に距離をしっかりと空けられているとてつもない優遇措置を受けている。
正確には優遇でも何でもなく、『区別』なのだが
男子は最低限、高校卒業はしなくてはならない為、仕方なく…本当に仕方なく、存在する事を許されているだけで、これが無ければ即自主退学という名目で除籍処分になる。何もしていなくてもだ。
因みに授業中はいない者扱いだ。クラスメイトも誰一人として話しかけて来ない。
そして、大事な事だが、この世界でブサイクは僕一人だけだ。
残りは皆美人やイケメンのみだ。希少性の高いブサイクである。
しかし希少性があるとは言えブサイクはブサイク、生きてる価値も存在価値もない、ゴミである。
一応は、高校を卒業するまでは他と同じ男子として扱ってくれているが、高校卒業後は専用の独房みたいな部屋で飯とテレビだけは供給される状態で一生を過ごす事が約束されている。一生ニートにクラスチェンジだ!
そんな人生が約束されている。因みにもう高校二年生なので後一年で夢のようなニート生活が手に入る。
この為、最後くらい学校生活を娯楽にして一生を終えてやろうという算段である。
「お、そろそろ終わったか」
女子達が覆い隠していた男子生徒は、ビクンビクンと陸で跳ねる魚の様に震えていた。
それを女子達は神輿の様に担いで、教室へと戻って行く。
「あ、そろそろ午後の授業じゃん、戻らなきゃ」
そうして僕は教室に戻るのだった。