例え低い評価でもありがたいです。
ツラいですけど
通勤・通学の人並みが、停車中の車体に次々と乗り込んでいく。
昔は毎日の様に聞いていた『満員電車』という言葉は今や死語となっている。
電車は依然として主要な公共交通機関だが、その形態はこの百年間で様変わりしていた。
何十人も収容できる大型車両からキャビネットと言われる二人乗り〜四人乗りの小型車両に主流が変わったのだ。
大型車両がなくなった訳では無いが、今はあまり使われていない。
昔の恋愛小説のように、電車の中で偶然の出会いが、などというシチュエーションは、現代の電車通学では起こり得ない。とても悲しい。
(そういや1人で通学するのは初めてだな…上やん達と一緒に行ってたからなぁ)
土御門は二人乗りのキャビネットを一人で乗っていた。
高校の最寄り駅までは15分程度だ。
妹におはよう♡のメールを送り、何やかんやしている間に駅に着いた。
(にしてもめちゃくちゃ見られるにゃ〜)
駅から高校まで歩いているとめちゃくちゃ視線を感じるのである。
髪は金髪でツンツン、制服を着崩し、身体も大きい、そしてイケメン。
目立たない訳がないのである。
顔だけ見れば深雪や実宣にも匹敵する美貌の持ち主であるが、土御門本人にその自覚はない。
登校したばかりの一年A組の教室は静かではあるが雑然とした雰囲気に包まれていた。
その雰囲気を作り出しているのは深雪だろう。
(おいおい…俺の席深雪の近くかよ…。参ったな。スルーするか。)
「おはようございます土御門くん(ニッコリ)
ところで…私の事スルーしようとしませんでした?」
「おはようございますにゃ〜…(震え声)
そ、そんな事ないぜぃ??深雪って気が付かなかったんだにゃ〜(汗」
「まぁいいでしょう。高校でもよろしくお願いしますね。真の新入生総代さん?(威圧)」
「(激おこじゃん…)…はい。」
土御門と深雪、接点の無さそうな二人が一見すると仲良さげに話していたのを見てA組の生徒達は我先にと深雪に話しかけに行った。
「あの…」
「ん?なんだ??」
大半のというかほとんど全員が深雪に殺到していたが、その中で土御門に声をかける二人組みがいた。
「司波さんとお知り合いなんですか??」
「ん?中学の同級生だよ。なんだ、深雪と仲良くなりたいのかにゃ〜??」
「え!えぇ!?なんで分かったんですか!?」
「わからない方がおかしいよ、ほのか…
あ、私は北山雫。よろしくね。」
「光井ほのかです!!よろしくお願いします!」
「おぉ、雫にほのかね、俺は土御門元春だ。二人とも宜しくな。」
「はい!」「もちろん。」
土御門が新たに友人を二人作ってると
『ただいまより、オリエンテーションを行います。生徒の皆さんは席についてください』
と、オリエンテーションが始まった。
1-Aの指導教官である百舌谷の自己紹介と1-Aとしての心構え、そして授業見学についての説明を行った。
(授業見学ねぇ〜特に見たいもんは無いからな…)
と考えていると
「ねぇねぇ!司波さん!僕達と一緒に回らない??」
「私は先生に付いて回ろうかと…「奇遇ですね!僕達もおなじです!やっぱり一科なら先生に引率してもらう方がいいですよね!補欠と同じ工作なんて言ってられませんよね!」
「…いえ、そういう訳では…」
(おいおいおいおい…何地雷踏み抜こうとしてるんだよ…勘弁してくれ…)
「なら早く行ったほうがいいんじゃないかにゃ〜??深雪、行こうぜぃ!」
「…!えぇ!そうね、光井さん、北山さん、羽衣さん、貴方達も一緒にどうかしら?」
「行きます!」「行く」「いいよ〜」
「…僕達と…」
(男子共…すまねぇぜぃ…)(お気の毒…)