魔法少女リリカルなのはEXCEEDS〜RAVEN and DRAGON STRIVE〜   作:ΣiGMA

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初討伐任務〈はやて、なのは視点〉

 〈はやて視点〉

 

 国連災害対策本部危険生物調査機関EXCEEDS、その総合本部・極東支局が私達の現在の活動拠点。

 

 そこでは総合本部の総督であるこの〝八神はやて〟が、これから出動先であるアルトランディアはメディウス・ロクス連邦へと向かう人員達に出発前の挨拶をしていた。

 

 

「ではこれより出発となるわけなんやけど、先遣隊として派遣した高町なのは調査員とフェイト・T・ハラオウン執務官の報告で思った以上に危険な地である事が分かっとる。せやから皆はアルトランディアに入った瞬間からどんな不測の事態が起こってもええように気を引き締めて欲しい。ええかな?」

 

『はい!了解しました!』

 

「うんうん、ええ返事や〜。ちゅーわけで出発や!」

 

 

 そうして隊員達が渡航機へと乗り込んでゆく中、事務総長にして私の頼れるパートナーでもある八神リインが声をかけてきた。

 

 

「出発前の挨拶お疲れ様です八神総督。ところでフィリーさんやゼオさん達、それと久瀬シイナさんや夜海トワさんとは連絡が着きましたか?」

 

「どちらとも連絡は着いたんやけどな……なんや向こうも今は忙しいらしくて、合流出来たとしてもまた暫く先になりそうらしいんよ」

 

「そうですか……魔法が禍憑に通用するかまだ分からない中、彼女達の力は欲しい所だったのですが、それならば仕方ありませんね」

 

「私としても無理に来て貰うつもりはあらへんしな。それに一日二日で解決出来るだなんて思っておらへんし」

 

「それ程までの危機的状況の中、よく滅びずに今まで長らえて来れましたね……」

 

「それは向こうの総統閣下さんのお力やね。傲岸不遜な人らしいけど、それ程までの手腕の持ち主でもあったって事やろうしな」

 

「せめて私達が到着する迄に魔法が禍憑に通用するか分かれば良いんですけどね……」

 

「そこも急ぐべきではない事やね。果報は寝て待て……何事も焦って動くよりもどっしりと構えとった方がええって事や」

 

「確かにその通りですね。ところで……本当に向こうの総統閣下に交渉するんですか?」

 

 

 リインの言う〝交渉〟とは、向こうでは有名な〝鴉〟という人物をこちらに引き抜いても良いかの交渉の事やろな。

 

 残念ながら生憎とその結果は交渉せずして既に出とるわけで……。

 

 

「いんや。実はフェイト執務官から個人的に連絡が来とってな?なんや交渉はやめといた方がええって言うからなんでか聞いたら、総統閣下にそないな交渉をしたら最悪私らEXCEEDSそのものが交渉材料として提示されかねんらしいんよ。せやから交渉は無しやな」

 

「なんと言うか……色々と凄い人なんですね」

 

 

 おおぅ……リインがかなり引いとる。

 

 まぁ私もフェイトちゃんからその話を聞かされた時、同じような反応したもんや。

 

 交渉はともかく、これから会った際の会議についても細心の注意を払った方が良さそうやな。

 

 

「まぁとにかく今は無事にメディウス・ロクス連邦に到着する事を目標としよか。向こうに着くなり襲われて墜落しましたなんて事になったら元も子もあらへんしな」

 

「そうですね。もしそうなったとしても私がおりますし、それに……」

 

 

 リインはそこで言葉を区切ると、チラリと背後へと顔を向ける。

 

 そこには私の家族にして頼もしい部下でもあるヴォルケンリッターの皆がいた。

 

 

「シグナムさん達もおりますしね」

 

「せやな。シグナム達がいるからなんも心配する必要あらへんな」

 

「はっ、お任せ下さい主はやて。どのような不測の事態があっても我々ヴォルケンリッターがこの身を賭して守ってみせます」

 

 

 シグナムは相変わらず仰々しいけど、頼もしい事この上ないのも事実や。

 

 そうして私らも船へと乗り込み、メディウス・ロクス連邦へと向けて飛び立つのであった。

 

 

 

 

 

 〈なのは視点〉

 

 はやてちゃんから先程出立したとの連絡を受けた私とフェイトちゃんは、その旨を伝えにダリルさん共にリサンデラさんの元へと向かっていた。

 

 その最中に施設内にアラームの音が鳴り響き、急いで司令室へと駆け込むと、そこには職員さん達に指示を飛ばしているリサンデラさんの姿があった。

 

 

「総統閣下!何事ですか?!」

 

「ダリルか!それに次元世界の魔導士達も一緒とは丁度良い。今しがた巨獣が現れたとの報告を受けた!急いで向かってくれるか?」

 

「「────っ、はい!」」

 

「いい返事だ!場所はセントリア大陸南方のバスクーダ海域!近年そこを通る旅客機が相次いでその消息を絶っているとの情報が多い場所だ!心して向かえ!」

 

 

 リサンデラさんからの指示と、そして補足説明を受けて私とフェイトちゃんは揃って司令室を後にした。

 

 そして外へと出ると急いで防護服(バリアジャケット)へと換装し空へと飛ぶ。

 

 

「お待ち下さい二人とも!」

 

「ダリルさん?」

 

 

 ダリルさんに呼び止められて一旦戻った私達は、ダリルさんからある物を手渡される。

 

 

「これはどれ程の距離を離れていても通話が可能なインカムです。こちらからその都度連絡を取りたいので必ずこれを装着していてください」

 

「ありがとうございます。それでは行ってきます!」

 

「はい、お二人ともお気をつけて」

 

 

 そうして改めて空へと飛んだ私達は、巨獣が出たと言うバスクーダ海域へと向かう。

 

 するとその最中に装着していたインカムからリサンデラさんの声が聞こえてきた。

 

 

『聞こえるか二人とも?聞こえてるな?』

 

「リサンデラさん!」

 

『総統、もしくは閣下と呼べ!まぁ今はそれはどうでも良かったな!新たな情報が入ったので伝える!巨獣を偵察していた者から報告があり、その場所に数機の飛行体が確認された!送られてきた画像から見るに貴様らが乗ってきたものと同型機である事が分かった!もしやと思うが貴様らの仲間ではないか?』

 

「もしかして……はやてちゃ────八神総督達?!」

 

『なるほどやはりそうであったか!それと巨獣に関しては一先ず安心しろ!その飛行体の確認と共に既に鴉が到着したのも確認された!巨獣については奴に任せておけ!貴様らは巨獣のおこぼれを狙い現れた禍憑達の対処をお願いする!』

 

「了解しました。直ちに向かい、そのように対処致します」

 

『任せたぞ二人とも!他の禍憑は巨獣に劣るとはいえ、個々が恐ろしく強い力を持っている。心してかかれ!』

 

「「はい!」」

 

 

 そうして全速力で現地へと向かうとそこには確かにはやてちゃん達が乗っていると思われる渡航機と、それを凝視しながら今まさに大口を開けて飲み込もうとしている巨獣の姿があった。

 

 

「駄目!食べちゃ駄目!」

 

 

 私はそう叫んだけど、巨獣に言葉が通じるはずもなく渡航機は飲み込まれようとしていた。

 

 しかしその瞬間、その巨獣の身体が一瞬にして燃え上がった。

 

 その隙に全速力でその場から離れる渡航機……巨獣は海の上にも関わらず燃え続け、そして灰も残さずに消えていった。

 

 それを見てほっとしたけれど、まだ完全に気を抜くことは出来ない……リサンデラさんの言う通り、巨獣のおこぼれを狙ってか数体の禍憑達がなおも渡航機を狙って飛行している。

 

 

「お待たせしました!」

 

『よく来た!この船の護衛は任せろ。お前さん達は今飛んできているあいつらの対処を頼む』

 

「はい!」

 

 

 ようやく合流し、私は渡航機を守りながら飛んできている禍憑達を倒していた鴉さんとやり取りをする。

 

 そしてある程度鴉さん達が離れたのを確認してから禍憑達との戦闘を開始した。

 

 

「初の討伐任務だねフェイトちゃん。これで魔法が通じるのか確認出来るよ」

 

「そうだねなのは。私が大技を撃つから、なのははそれまでの時間稼ぎをお願い」

 

「了解!」

 

 

 フェイトちゃんの指示に私は了承すると、アクセルシューターを禍憑達に向けて放つ。

 

 

「レイジングハート、アクセルシューター、シュート!」

 

「ガキャッ」

「グギェッ」

 

 

 私のアクセルシューターを受けて禍憑達が次々に落下を始める。

 

 どうやら魔法も効くっぽい。

 

 

「通じる……通じるよフェイトちゃん!」

 

「そうだね。一先ずは安心するところかな?そのまま禍憑達を引き付けておいて」

 

「うん!」

 

 

 返事をしながら次々にアクセルシューターで禍憑達を撃ち落としてゆく。

 

 アクセルシューターは誘導型なのでたとえ上手く躱せたとしても決して逃げ切ることは出来ない。

 

 

「まだ続々と出てくるね……でもフェイトちゃんもそろそろかな?」

 

「うん、そろそろいいよなのは。少し離れてて」

 

「分かった」

 

 

 アクセルシューターを放ちながならその場から離れる。

 

 そのタイミングでフェイトちゃんは残る禍憑達に向けて魔法を放った。

 

 

「サンダー……フォール!」

 

 

 フェイトちゃんによる帯びただし数の雷撃を受けて禍憑達が次々と落下してゆく……そしてその雷撃を受けた禍憑達はその身体が崩れ消えていった。

 

 

「ふーっ……これで全部かな?」

 

「そのようだね。お疲れ様なのは」

 

「うん、フェイトちゃんもお疲れ様♪︎」

 

 

 そんな話をしていると私達の元に一機の戦闘機が近付いてくる。

 

 

『お疲れ様ですお二人とも!私はメディウス・ロクス連邦軍禍憑偵察隊所属のアクスロイ中尉です。お二人とも流石ですね!思わず声をかけに来てしまいました!』

 

「偵察ご苦労さまです♪︎」

 

『はい、ありがとうございます!それでは私は周囲の偵察を行いながら帰還致しますので、お二人も気をつけてお帰りください!』

 

「はい、アクスロイさんもお気をつけて!」

 

『はっ!』

 

 

 そうして飛び去ってゆくアクスロイさんを見送ってから、私はフェイトちゃんと共にはやてちゃん達が乗る渡航機と合流しに戻る。

 

 とりあえずの収穫といえば、やっぱり魔法も禍憑に通用するって事かな?

 

 これははやてちゃんへの報告が楽しみだと思いながら、私達は空を飛ぶのであった。

 




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