チート悪転生トレーナー「お前らさぁ、いい加減卒業してくんない!?」 作:弥栄実
「じゃまするでー」扉を開けるガラガラ音
「邪魔すんならかえってー」よくある返しをする白関西
「あいよー」ずかずかとふみいるトレーナー。
「待てやっ!普通そこは帰るとこやろ!」ビシィッと突っ込む関西。
「通り道にするだけや。あいつら頼んだ」そのままもう一方の出口から外に行くトレーナー。
「は?なにいうと「待て待てぃ!お前は私と一緒にマグロ漁船で金の松茸ゲットするはずだるぉ!?」んなっ、ゴールドシップ!?なんでここにおるんや!ていうか誰かいい加減に状況説明せぇー!」
なんとかステゴ一族から逃げ切ることに成功する。ここまで疲れたのはいつぶりだっまか。たづなさんから逃げる時よりも疲れた。
突如としてワープしたかのように出現するゴールドシップ。単純にクッソ速い上に持久力もあるオルフェ。アプリで最上位性能キャラなことはある。あと、裏から他の生徒も使って攻めを構築し逃げ場をなくしているドリジャ。
後、名目上保護のために活動しているマメチンたち。おそらく善意でしてくれているのだろうが、保護されたその瞬間にドリジャ達にマメチンごと捕捉される。そして、かわいらしいマメチンは向こう陣営に取り込まれてしまうオチが待っている。
「んで、なんで皇帝様のトレーナーがここにいるんだ?」
「ステゴ一族から逃げてきた」
「面倒ごと持ってきてんじゃねぇ!」
そして逃げてきた部屋がシリウスシンボリの部屋である。様々な条件を踏まえ、ここが良いと言う判断が下った。
ウマ娘寮にトレーナーが入っている件?さぁ?卒業した教え子とうまぴょいしたいという不純な目的はあるが、皆にそれに気づいていないし信頼されてるからこそ入れるのだよ。だてに何年信頼を稼いだと思っている。
「……私がここにいるのを忘れたか?」
「お前は自分に今負け越しているだろう?告発してみろ、アレだぞ?」
「ふっ。仕方ねぇな、だが、条件もある、ポーカーだっ、今日で負け越し分、全て勝たせてもらう!」
「いや、帰れ」
そして逃げ込んできた場所はシリウスシンボリの部屋、つまりはナカヤマフェスタの部屋でもある。ステゴ一族がいるではないか!と思われるかもしれないが、日頃から彼女に対して圧勝している自分には問題ない。ちなみにどちらも担当ではない。
シリウスシンボリとはルドルフ繋がり。あとシリウスの傘下ウマ娘ーズの世話を一時期見ていたことによる交友関係。
ナカヤマフェスタはシリウスとステゴそれぞれの繋がり。今のところギャンブルは自分の勝利に終わっている。勝ったにんじんコインの枚数は5桁はくだらない。もはや自分がにんじんコインの銀行となりフェスタに貸し出しているくらいだ。ちなみに、物理コインが足りないのでにんじんコインはデジタルに返還されている。
ギャンブルする時はにんじんコインを物理で出してくるが。だって全部デジタル上で管理するギャンブルなんてつまらないじゃん?
「ほう?やるというのかね、事前に言っておくが、私はウマ娘のことならばなんでもわかるという自負をしているトレーナーだ。一目見れば相手のステータスも見通すだろう、その気になれば身長体重スリーサイズ、そして貴様のギャンブラー精神も見通すだろう」
「いやキモいこと自白すんなよ、あと帰れ」
「承知の上だ。そんな目を持つあんただからこそ、今度は勝たせてもらう!今夜も私のギャンブラー魂を見通せると思っているのなら、痛い目見るぜ?」
「そのいきやよし、後悔するなよ?」
「はっ、テメェに貸し出されてる分も含めて全て奪い取らせてもらう」
「どんだけする気だよ」
ちなみに一コイン一マニーの交換を受け付けているのでその気になればナカヤマは完済できるが、勝ち越して完済した上で自分に貸し出してやると意気込んでいるので今後一生にんじんコインが完済されることはない。
5桁もある理由?たまに大勝負しかけてくるのとなかなかに長い期間やっているからである。長い期間できてしまっているのは無論サザエさん時空。
借金を負っている間はこちらの言うことにその時々で従う必要があると言う制約があるが、行使したことは長い期間で15回くらいしかない。お釣り出る分の金渡して焼きそばパンとなんか欲しいもん買ってこいとか。
「それでは行こうか、運命を分ける、ポーk」
——
「勝った」
「……ふっ、やはり強いな、アンタは」
ボロガチである。チートもちの転生者に勝てると思わないべきなのだ。自分は闇悪のトレーナーである。大人気なくこの長い時間で無駄に習得した不正も使うし、チートも使うし時だって戻させてもらう。目覚まし時計だ。
なぜかって?チート転生者たるもの手加減は不要よ。
まぁ、リアルなレースに時計を持ちこむことはそうそうないが。勝手に時間巻き戻して勝敗覆すなんてトレーナー側のエゴだし。たまにこちらの事情でエゴつき通したりはするが。チート使って有利に育成している奴が何を言うと言う話だが。
ともかく余った目覚まし時計の捌け口の一つがここである。
「ボロ負けしてんのによくそんな強気でいられるな」
「はっ、負けてへこたれるなんざ私には似つかわしくねぇ。逆だ、燃えに燃えまくって抑えが効かないっ!」
「とりあえず罰ゲームとしてスルメとバキバキ強炭酸ね」
「……はっ、やってやろうじゃねぇかっ、ここ1番の大勝負だ!」
言わずもがなナカヤマの苦手な飲食物の二つである。ステゴ一族から逃げながらもなんとか買ってきた品々だ。今回は闇のトレーナー成分を補給するために増し増しである。苦手は克服するに限る。スルメは2本強炭酸水紙コップ一杯。
「ようやく終わったか。それで、帰ってくれんのか?」
「ステゴ一族包囲網は18時まで続くってステゴ自身に宣言されたからねぇ。一種のイベント的にステゴは実施してるんだと思う。今17時だからあと1時間」
「なんであいつらにバレてないんだここ」
「ナカヤマがいるんだし、まさか一族いるところに自分がいるとは思わんでしょ。目撃情報とかも極限までなくして入ってきたし」
「本気で警備員に突き出してやろうか」
「やめてっ、一応許可はとってるからっ」
背景でナカヤマが悶えたりしてるのを流し見する。スルメをダラダラと噛み締めるのに悶えたのか飽きたのか、マイナスの二乗はプラス理論を使うつもりなのかスルメを炭酸水で流そうとして喉にスルメが引っかかったのが余計に悶えている。
最悪チート使うことを考えながらも吐き出為のレジ袋を出しておき、ナカヤマの前に出しておく。こんなことになるとは思っていなかったので罪悪感がやばい。
「吐き出せるか安全に飲み込めるか?無理なら吐き出させる」
「!!……んぐ、はぁ、これくらい、なんともねぇ」
「苦手なもん飲ませたのは普通に悪いと思うけど、飲み込めるかのギャンブラーチャレンジはやめとけよなー?」
「はっ、やめられるかよっ」
「いや安全第一」
やはり彼女は生粋のギャンブラー、勝負師である。昔から補導されまくってたとも聞くし、生まれつきのものなのだろう。
ちゃんと子供時代があったのに入学して高等部になった途端成長が止まっている不思議。
そうこうして2人交えての勝負で2人を負かしつつ、18時になったからとシリウスに追い出される。
しかし、もう18時も超えたので堂々と外に出るが、すぐ目の前にステゴが現れる。
「やぁトレーナー。そんなに堂々と歩いていて良いのかい?」
「ん?もう18時も過ぎたし追いかけるのも終わりのはずだろ?までって言ってたし。てか貴様処していい?処すね?」
「おや、私をなんだと思っているのか。すでに引退もしている私はただ日本のウマ娘ではない」
その瞬間、背後からにゅっと生えてきたゴルシに袋を被せられる。
「んんっ!?」
「世界を旅するウマ娘、当然、私が述べた時間は世界基準の時間だ。まだ世界じゃ午前9時、あと9時間逃げるべきだったということさ」
「んんんー!」『きったねぇぞこの金やろー!』
「ゴルシ。あとは好きにしな」
「んんんーー!!!」
1番に捕まえたゴルシにはステゴから年単位遅れのお年玉を授かりましたとさ。