居場所をなくしたTS聖女は魔法少女と出会う   作:綺羅星瑠奈

26 / 40
日常回、というか何も予定のない日のルナの過ごし方(一例)です。
茜とルナの距離感も多少伝わったら良いなというくらいの感じです。


閑話『聖女ルナの優雅な?休日』

「ルナちゃん!行ってくるね!」

「行ってらっしゃい」

 

 今日は完全に一人で過ごす休日だ、調査研究部の調査や、オムニスさんの研究を手伝う予定もない。

 戸籍が無いので学校に行く必要もない。

 灯さんは仕事で、茜さんは学校だ。

 とはいえこの見た目で平日昼間に堂々と外を出歩く気はないので家で過ごすことにする。

 

 

 

 机に向かい、ノートを開く。

 タブレットで適当に動画を流しながら、ノートに文字を書いていく。

 

 最近は異世界の魔法に関する知識を少しずつノートに書き記している、自分で学んだことやミスティが話してくれたことを文章にすることで、情報も整理できるし、後々見返す事ができるからね。

 

 最初に教会の人達から学んだ魔法は今と比べても扱いづらかった。

 支援魔法も最初はもっと細分化されていて一つずつかけないといけなかったし、結界魔法も形が球状に固定されていて細かい調整もできなかった。

 それをミスティの手を借りて今の状態まで効率化したんだったな……聖域や奥の手など聖女専用の魔法はミスティでも解析できず弄ることもできなかったけれど。

 

 異世界では膨大な魔力量でゴリ押せたし、向こうの魔族に有効な魔法が多数あった、それに魔法を弄る必要があればミスティが何とかしてくれていた、けれどここにミスティはいない、ミスティが話してくれた知識を思い出しながら自分で何とかするしかない。

 

 異世界の知識を思い出していると、連鎖的に仲間達のことを思い出す、そうして思い出したことは別のノートに書き記している、大切で忘れたくない思い出達だから……。

 

 

 

 

 昼食はカップ焼きそば。

 お湯を入れて待って捨てるだけで食べられるなんて最高だよね、こっちの食事はお手軽な物でもちゃんと美味しくて素晴らしい。

 調査研究部に所属してから報酬としてお金も貰っている*1から、デリバリーを頼んでも良いんだけれど、今日はカップ焼きそばが食べたい気分だった、このジャンクな感じがたまらない。

 

 

 

 昼食を食べ終えた後はノートに書き写した知識を元に魔法の術式を弄る。

 ミスティの手を借りて行った効率化のような高度な調整はできないが、俺にもミスティとの会話から吸収した知識が多少はある、今ある魔法を弄ってできることを増やすくらいならきっとできるはずだ。

 

 今日は光を放つ魔法を弄る、光を調整して光学迷彩のような事ができないか動画を撮りながら試しているところだが……。

 

「止まっていれば可能だけど、かなり繊細な魔力操作が必要、動くと流石に違和感があるか」

 

 止まっている時に姿を隠せるなら使い道はあるかな?戦闘中の不意打ちも可能かもしれないけど、どちらかと言えば潜入とかに使える技だろうか。

 異世界だと魔力で居場所がバレるからそこまで意味はないけどこの世界なら有用だろう、他者にかけられるかは要検証だけど。

 

 応用として……おぉ、行けた。

 髪色だけを変える、変える色によっても魔力操作の難易度が変わるね、銀髪金髪に近い色はやりやすい。

 

 髪色を変えるだけでも印象がかなり変わる、面白い髪色にもできたので後で茜さんに見せてみよう。

 

 

 

 

 魔法の実験を終えた後は軽く家事をこなす。

 家に置いてもらってる身なので、普段から洗濯や掃除等手伝えることは手伝っている。

 まぁ、洗濯物や掃除は魔法で解決できてしまうからそんなに手間がかからないんだけどね。

 

 浄化の魔法は戦闘時は瘴気や死霊(アンデッド)を祓うくらいしか使い道はないが、洗濯物や部屋の汚れを取るのに使える、何を汚れと判断してどう落としているのかはわからないけれど、結果として綺麗になってるから良いだろう。

 

 浄化魔法は体の汚れを取るのにも使える便利な魔法で、異世界でも戦闘よりも生活面で役立つことが多かったかもしれない。 

 回復魔法で肌や髪のケアもできるのでお風呂にあまり入れない異世界でも俺や仲間達はある程度の清潔さを保っていたというわけだ。

 

 異世界はお風呂に入る文化がそこまで浸透していなかったが水や風や炎など他の属性でも体を清潔にする方法があったので、それを利用している人が多かった。

 まぁ、魔法があっても現代日本と比べると衛生面では大きく劣っていたけれど……。

 

 

 

 

 

 

 ある程度家事を片付けたら、今日は茜さんが帰ってくるまでアニメでも見て過ごそうと思う。

 最近は空いてる時間を使って前世で見たアニメの続編やリメイクなどを少しずつ消化しているが今日は最近のアニメを見てみようかな。

 

 現代の娯楽はとても魅力的で、異世界で12年も暮らしていた俺がその誘惑に負けてしまうのも仕方ない。

 ダラけすぎないようにちゃんと時間は決めているけどね。

 

 それに、魔法の事を考えるにしてもある程度リフレッシュも必要だし、アニメを見ていて何かインスピレーションが湧くかもしれないからね!

 

 

 ということで魔法少女物のアニメでも見てみよう。

 魔法少女が実在しているからか俺が生きていた頃より魔法少女アニメが増えている気がする。

 それもマスコットキャラが悪意の塊だったり鬱要素が強いタイプの魔法少女アニメは少なくて、明るい魔法少女アニメが多い印象だ、俺は暗めな作品の方が好きだけど……まぁ試しに見てみようか。

 

「ここでクロノスがアスターを助けるの!?激アツすぎる!」

 

 

「ただいま~!」

 

 やばいアニメに夢中になってて、あっという間に時間が過ぎ去っていた。

 

「お、おかえり」

「あ!このアニメ私も見たよ!面白かったなぁ」

「昔のアニメや続編ものばっか見てたけど、最近の新作アニメも良いね」

「色々と見てみよう!私のおすすめ、あとで教えてあげるよ!」

「楽しみにしてる」

 

 

 

 今日は灯さんの帰りが遅いらしく茜さんと2人で夕食を取る。

 料理は前世では親が出してくれていたし、異世界では多少の経験はあるがこの世界とは勝手が違う、少しずつ覚えたいとは思うが今は茜さんに頼りきりだ。

 

 

 こう、家庭の味って外食とは違った良さがあるよね、人の温かみというかなんというか。

 

 

 夕食を取りながら世間話をしていると学校の話題も多く話すことになる。

 茜さんの生活や交友関係があると思うと複雑な気持ちだ、俺も戸籍を得て学校に通うべきなのだろうか……いやちょっと重いな、うん。

 こっちで友人として話せる人や素を見せられる相手が茜さんくらいしかいないからどうも重く考えてしまう。

 

 黒井さんやオムニスさんは仕事の先輩って感じだからなぁ……オムニスさんに関しては時折実験対象を見るかのような目で見てくるし。

 

 

 

 

 

 夕食後、片付けも終わったので、茜さんが学校の宿題をしている姿を眺めながらアニメを鑑賞している。

 

「あ、ここ間違ってるよ、正しくは……」

「本当だ、勉強の話をしていると、本当にルナちゃんは高校生だったんだって実感するよ」

「とは言っても結構前の知識だから抜けや変わってる部分もあるだろうけどね」

 

 茜さんの宿題が終わり、帰ってきた灯さんに夕食を出したりした後は、一緒にお風呂に入る、前世バレしてもこの対応が変わらないのはどうなんだ?とも思うけれど、レイナ*2もそうだったしな。

 まぁ、お互いに嫌じゃないなら問題ないだろう。

 

 

 

 お風呂から上がり、髪の毛を乾かしてもらっている*3途中で思い出したので、実験の成果を茜さんに披露する。

 

「そういえば魔法の実験をしてて面白いことができるようになったんだ」

「え!?何これ!?」

 

 虹色に輝く髪……。

 

「名付けるなら……ゲーミングヘアかな」

「何ドヤ顔してるの!変だよ!?」

「それはそうだけど……面白くない?まぁ有効活用するならこうかな」

 

 魔力を操作して黒髪に変える、ちょっと大変だけどゲーミングヘアよりは簡単だ。

 

「黒髪になった!髪色違うだけで印象が違うね、染めたような違和感もないし」

「変装とか諸々に使えそうだよね」

「する機会あるのかなぁ?」

「どうだろう、案外あるかも」

 

「さて髪の毛も乾かし終わったし寝よっか!」

「うん」

 

 明日は灯さんと共に調査研究部に行ってオムニスさんの実験を手伝う日だ、早く寝て早く起きないとな。

 

 

*1:
勿論灯さんには渡しているが、全額は受け取って貰えなかった

*2:
異世界の仲間、女騎士

*3:
お互いにお互いの髪の毛を乾かしているらしい




魔法少女モノの話って暗い話の方が多かったりするんでしょうか、自分は魔法少女モノだと某R18ゲー原作作品のスピンオフ漫画(アニメ)的な奴が特に好きです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。