絶望して病んでいるTSっ娘が光属性の女の子に救われるそんなTS百合が好きです。
私、
魔獣や魔人が現れたこの世界で、唯一の対抗手段である魔法少女。
希望の象徴であり、人類の守護者でもある。
魔中に襲われ、魔法が現実となった当初、世界は酷い混乱に見舞われたらしいが、今では魔法少女達を支援する法も整備されている。
魔法少女の支援、管理を為に国の支援も受けて作られた魔法少女協会*1に在籍する魔法少女達は担当する地区を振り分けられ、それぞれの地区出現した魔獣の討伐を行なっている、今では魔獣の出現を事前に予測できるシステムも構築され、効率的に討伐ができるようになっている。
魔法少女に覚醒した者が魔法協に所属し魔獣と戦う理由は様々だ、お金目当ての人もいれば、魔法少女として目立ちたいという動機の人までいる。
そんな中で私が魔法少女として戦う理由は単純で、困っている人を助けたい、悲しむ人を少しでも減らしたい、そしてみんなを守りたいからだ。
私が魔獣をたくさん倒せばみんなを守れる、魔獣に襲われ悲しむ人を減らすことができる。
だから今日も私は魔獣を狩る。
今日現れた魔獣はどこかおかしかった。
魔獣の出現予測を元に魔獣の討伐に向かった私だったが、予測されていた魔獣よりも数がとても多い、1匹ごとの戦力は弱くこちらが負けることはないが、かなり疲れが溜まってきていた。
ようやく周囲の魔獣を討伐し終え、一息ついた時だった、嫌な気配を感じ咄嗟に回避を試みたものの、間に合わず背後から大きな爪が私の胸を貫いた。
「ちっ…急所を外したか」
この声を発したのは両腕に異様に長く大きい爪が生えた禍々しい魔力を放つ男…この特徴は…。
「魔人…!」
魔人は魔獣とは違い知性があり言葉を発することができる、それに加え魔法少女の魔法と似た特殊な魔法を各々扱えるらしい。
魔獣と比べても濃く禍々しい魔力を持っていることが特徴で普通であればここまで接近された時点で気が付くし不意打ちをされることはない。
けれどこの場には今まで討伐した魔獣の魔力が残っていて、感知するのが遅れてしまった。
異様に多かった魔獣もおそらくこれを狙って…!
魔人は爪を使い、こちらの心臓を狙ってくる、作戦を立てるのは得意なようだが戦闘慣れはしていないようで、狙いがわかりやすい。
こちらは大きな傷を負った上に疲労が溜まっている、それでも狙いさえわかれば対処が可能だ。
わざと心臓を狙いやすいようにして敵の攻撃を誘導する、狙い通りのところに攻撃してきた魔人の爪に沿うように左腕の拳を添えて受け流す勢いを殺しきれずに魔人が体勢を崩す、その魔人の腹部を魔力を込めた拳で殴りつけた。
すると魔人は大きな衝撃を受け吹っ飛んでいった。
「ば、化け物かよ!こいつの相手なんてしてられない!いけ狼ども!俺の逃げる時間を稼げ!」
男がそう言うと狼型の魔獣が3匹ほど現れこちらに向かってくる。魔獣を呼び出す、または使役する魔法?私と戦ってる最中に呼び出さなかったのは何か理由があるのかな?
狼型の魔獣は弱く、腕や脚に傷を負ってしまったものの簡単に撃退することができた、しかしこちらの体はボロボロで魔人が逃げ出していなければ、今頃私はどうなっていたかわからない。
戦いを終え、帰ろうとするものの受けた傷が相当深かったらしい。
視界が歪み、意識を保つだけで精一杯だ。
気が付けば降っていた雨が体温を奪う。
魔法協に連絡して回復系魔法少女の派遣を…してもらわないと...。
連絡を取ろうにももう腕も動かなくて…。
そのまま私の意識は途切れてしまった。
「んぅ....」
体に暖かい何かが流れてくるのを感じて私は目を覚ます。
私はボロボロのローブを着たフードの子に体を支えられていた。
体格やフードから見える長い金髪を見るにおそらく女の子だろう。
彼女が私の体に添えた手から暖かい何かが流れ込み続けている、この感覚は魔力だろうか、しかし魔法少女の扱う魔力や魔人の禍々しい魔力とも違う、神聖さすら感じる暖かな魔力だ。
彼女が私の体に魔力を流していくと、それに伴って私の傷も塞がっていくのがわかる。
回復系の魔法、まさか魔法少女以外にこのような魔法を使える人間が居るとは思わなかった。
集中しているようなので黙ってしばらく観察していると、最終的には私の体の傷が全て治っていた。
驚いた、かなり深い傷だったはずだ、それをこの精度とこの時間で治すのは魔法協に所属する回復系の魔法少女でも不可能だ。
彼女は私に何も言わず立ち去ろうとする、フードの隙間から見えた彼女の顔が凄く寂しげに見えて、私は思わずその腕を掴んだ。
「待ってください!」
「意識はなかったはずじゃ…」
「貴女が傷を治してくれている途中で目覚めました!集中してるみたいだったので黙ってたんです」
「俺を捕まえてどうするつもり?」
捕まえるつもりはなかった、なぜ腕を掴んだのか私自身にもわからない。
「お礼が言いたい、それだけのつもりでした」
お礼を言いたかったのは本当だ、でも腕を掴み引き留めた理由はおそらく違う。
「まるで今は違うような言い方だけど」
そもそも最初からお礼を言う為だけに引き留めたわけではない、彼女のどこかこちらを突き放すような声色、フードから見えた寂しげな顔、細くか弱く冷たい腕。
あぁ、何故彼女を引き留めたのかようやく理解できた、私を助ける優しさを持ちながらも辛くボロボロな彼女を、人を救う力を持っていながらも自分は救われようとしない彼女を、私は救いたかったんだ。
「こんなにボロボロな人を見て見ぬ振りはできません、それが私の命の恩人となればなおさらです!私は貴女を助けたいです」
「ボロボロって…そんなこと…それに俺なんて助ける必要はないよ」
「手がものすごく冷えています、裸足で歩いているからか足もかなり傷付いていますよね?それに着ているローブも酷く雨に濡れていて、これでボロボロではないと言えるんですか?」
「体は治そうと思えば多分治せる、大丈夫」
体がこんなにボロボロなのに、俺なんて助ける必要はないと、多分治せるし大丈夫だと言うのは自分のことを軽く見ている証拠だろう。
「…顔を見せてください」
そう言って強引にローブのフードを外す。
彼女の顔はとても酷いものだった、全体的に整った造形でしっかり整えてあげれば可愛くなるだろう、でも今の彼女は生気がなくボロボロで。
「髪もボサボサで顔色もとても悪い、食事も碌に摂っていませんよね?」
「……おそらく数日は食べてないけど、別に問題はない」
「そして何より目、ものすごく腫れています、たくさん泣いた跡ですよね、心も深く傷付いているんじゃないですか?」
私の言葉を聞いて彼女は驚いたように固まった、たくさん泣いたことすら自覚していなかったのだろう、それだけ傷付いても自分が傷付いてることに気が付いていなかったのだろう、何があればここまで追い込まれるのか、私にわからない。
「貴女の事情は私からは聞きません、魔法少女でも魔人でもないのに魔法が使える理由も聞きません、けれどこのまま貴女を1人にすることもしません、貴女を放っておいたらそのまま死んじゃいそうですから」
「……否定はしないよ」
「私は命の恩人が死んでいくのを見過ごせません!貴女は死にたいのかもしれません、それでも私は貴女を助けたい!だから私は無理矢理にでも貴女を助けます、貴女は私に救われてください!」
これは私のエゴなのかもしれない、彼女は救われることを望まないのかもしれない、でも私には彼女を見捨てるなんてことはできなかった。
私が魔法少女として戦う理由は困っている人を助けたい、悲しむ人を少しでも減らしたい、そしてみんなを守りたいからだ。
だから私は目の前で困って悲しんでいる彼女を救って、辛いことから守りたい。
今の彼女は救われることを望んでいない、私が彼女を助けると言っても断られるだろう、だから問答無用で彼女を抱き抱える。
抱き抱えるとよくわかる、まともな栄養を取れていない*2のだろう彼女は酷く細くて弱々しい…。
私が抱き抱えると最初は抵抗していたものの、しばらくすると疲れたのか、または安心したのかどうかはわからないが、眠りについていた。
彼女を撫でて安心させてあげようとおでこを触る…。
「って、おでこめっちゃ熱いですね貴女、熱すごいことなってますよ。とりあえず私の家に連れて行きますから!拒否権はありません!」
こんなに酷い状態になっていたのに、自分が辛い自覚もなかったような子だ、彼女は絶対に1人にできない、側で寄り添ってあげないと…。
親への説明はまぁ…後で考えよう。
魔法少女がシステム化して、色んな目的の魔法少女がいる中純粋に人を助けたいという思いで魔法少女をする子好きです。
多分続かない、気が向いたら続くかも?