プラチナブランドのロングヘアに瞳は瑠璃色で肌は色白な感じです。
小柄細めなのは異世界の食事環境が〜とか色々と理由は考えていますが結局のところ自分の好みだからですね。
茜さんと買い物に出かけて自分のスマホを手に入れたりした後、お手洗いに行くと言ってた茜さんを待っていると、その場所に美咲が来た。
そして狙ったかのようなタイミングで急用で帰ると連絡が来て……。
最初は困惑したけれど、よく考えれば今日の茜さんは不自然な行動が多かった。
前日に『明日のお昼なんだけど、ルナちゃんの思い出の味!みたいなお店とかない?ちょっと気になるんだよね!』と言われた時から仕込みは始まってたんだろう。
気まずい空気ながらも予約していたランチに誘い、改めて話をすることになったけれど、最終的に美咲は俺の事を信じてくれた、お互いに会うのを躊躇っていたので無理矢理にでも話し合える場を用意してくれた茜さんや美咲の友人である高宮さんには感謝しかない。
一時期反抗期のようなものがあったけど美咲とは昔から仲が良かった、俺もかなり甘やかしていたし美咲もかなり懐いてくれていたと思う、そんな美咲を怯えさせて拒絶され、あのような別れ方をしてしまったのは本当に後悔していたし凄く悲しかった、でも茜さん達がこうやって話す機会を作ってくれたおかげで、再び兄妹として昔のように話すことができるようになった、それが本当に嬉しくて……。
懐かしい場所に来たからか、前世のノリで頼んでしまったハンバーグセットを苦労しながらも完食して美咲と共にお店を出る、まだまだ話足りないので近くを歩く事にした。
美咲と鉢合わせるのが怖くて、必要な時以外は前世の自宅付近には近寄らなかった、あの日も真っ先に家に向かっていた、だからこうしてゆっくり見て回るのは前世以来でとても懐かしい。
「あそこの木、美咲が登って降りれなくなったところだよな」
「そんな昔の事わざわざ言わなくても良いのに」
「でもこういう思い出を語れるのは嬉しくて……」
「……うん、私も」
美咲と昔の話やお互いの話をしながらあてもなく歩いていると、俺が昔通っていた中学にたどり着く、美咲も同じ場所に通っていたが美咲が中学生になった時、俺はもう高校生だったので一緒に通っていたわけではない。
「今の俺が学校に通うとなると中学からやり直しになるんだろうなぁ……ここではないだろうけど」
「その体は12歳なんだっけ、本当にちっちゃくなっちゃったね」
「さりげなく頭を撫でるのやめてくれない?兄としての尊厳が……」
「お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、その見た目で普通に兄として扱うのは難しいよ」
ぐぬぬ……実際美咲はもう大学生、俺が死んだ時の年齢をもう超えているんだよな……でも!俺はお兄ちゃんだから!これは譲れない。
「お兄ちゃんって今は学校に通ってないの?魔法少女と仕事してるから問題ないみたいな感じ?」
「戸籍がまだないからね、魔法少女だとある程度の優遇措置はあるみたいだけどどこかしらに通う必要はあるみたいだよ」
通信制の学校もあるらしいので物理的に通う必要があるかはわからない、そもそも俺を魔法少女として扱って良いのかは疑問ではあるけど。
「あ、そっか異世界生まれだと戸籍なんてないか……でもそれだと将来的に困りそうだね」
「戸籍を用意してくれるって上司?で良いのかな、まぁ上司が言ってくれてるしなんとかなるよ、でもこの体名字がなくてさ、どう名乗ろうか悩んで保留にしてもらってたんだよね」
悩んでいたけれど、今回の件である程度整理がついた。
「名字だけでも前世の物を名乗りたいなって、別に元の家に帰ろうって思ってるわけじゃないし別で戸籍を用意してもらうだけだからそっちとは何も関係ないんだけどさ、前世の要素も残したいみたいな俺の気持ちの問題かな、未練がましいかもしれないけど……」
住む場所については、許されるのであればしばらくは茜さんのところに住み続けたい、調査研究部としての仕事もその方がスムーズだし、茜さんと過ごすのは心地が良い。
とはいえいつまでもお世話になり続けるわけにはいかないので、将来的にどうしていくのかは考える必要があるだろうけど。
「良いんじゃない?こんなに可愛くなっちゃったけどたった一人のお兄ちゃんだからね、繋がりが残っている感じがして私としても嬉しいよ、まぁ名字は結婚とかしたら変わっちゃうかもしれないけど」
「結婚!?え……?美咲もしかしてそういう相手がいるのか?」
もし変な奴だったら追い払わないと、俺は対して強くないけど魔法で身体能力を強化すれば一般人程度になら勝てるはず……!
「いない!まだいないよ!?その可能性もあるよねっていうだけだって!そもそもお兄ちゃんの方が誰かと結婚する可能性だってあるでしょ?」
俺が結婚……?この体にも、もう慣れてきたとはいえ元男だぞ?男と結婚とかありえない、異世界でもそういう目で男を見たことないしな。
「お兄ちゃんみたいなお子様に結婚の話は早かったか」
「年齢は関係ないだろ、俺は男だったんだから男と結婚なんてするつもりないってだけ」
「男だったって割には随分と可愛らしい服着てる癖に」
今日の服は白のワンピース、ところどころフリルがあしらわれていて可愛らしいのは否定しない。
「茜さんが選んだ服をそのまま着たらこれだっただけだし……」
茜さんに可愛いと言われ煽てられてそのまま着ただけだ、今なら今朝の茜さんがいつも以上に気合いが入っていた理由もわかる、美咲と会わせる為に気合いを入れて服装を選んでいたんだろう。
でもこればっかりは余計なお世話だ、美咲と会うのであればちょっと控えめでできるだけ男っぽい服装を選びたかった。
「ふーん……そっか……お兄ちゃんに可愛い服を着せてくれた茜さんに感謝しないとね!」
「何その顔は」
「いや〜?何でもないよ?」
ニヤニヤした顔でこちらを見てくるのが気になる、美咲と兄妹として会話できるのはとても嬉しいんだけれど、さっきから兄としての威厳や尊厳が急速に失われていっている気がする、そもそも兄に対して可愛いだなんだと連呼してくるのは納得がいかない。
客観的に見て容姿が整っているのは否定しないが。
俺達はその後も今までの時間を取り戻すかのように話を続けた。
気付けば日が暮れ始めている、流石にそろそろ解散する必要があるだろう。
「お兄ちゃん、今日は本当話せてよかった」
「うん、俺もそう思う」
「また今日みたいにお兄ちゃんと一緒に出かけたり……できるよね?」
「もちろんだよ」
「本当にお兄ちゃんとこうしてまた会えて良かったなぁ……」
涙ぐんでる美咲を慰めつつ次の予定を決め、連絡先を交換したところで解散して家へと帰る。
「ルナちゃん!おかえり!美咲さんとはどうだった?」
Vサインをしながら今日の結果を伝える。
「信じてもらえた!茜さん達がセッティングしてくれたおかげだよ、美咲からも聞いたけど色々と動いてくれてたんだよね、本当にありがとう」
「2人が仲直りできたなら良かったよ!すれ違ったままは悲しいからね」
「茜さん達が俺達の背中を押してくれなきゃすれ違ったままだったかもしれないからさ……本当に話せてよかったなぁ……」
美咲と兄妹として再び話せるようになるだなんて、美咲に怯えられ拒絶されて、死んでしまった方が楽なのではないかと思っていたあの時からは想像もできなかった状況で……。
そう思うと涙が止まらなくなってしまう、この世界に戻ってきてからだろうか、もしかしたらこの体になった時からなのかもしれないけれど、涙腺が弱くなってしまった気はする。
でも、今流している涙は悲しいから流しているものではない、そう考えると悪いものでもないのかもしれない。
しばらくして落ち着いたところで、名字について俺の考えを茜さんに伝えて、その後十六夜さん達にも伝えて戸籍を用意してもらうことになった。
享年17歳、現在12歳の兄と21歳の妹という兄妹ですが、これを姉妹と捉えた時にどちら姉として扱われるのかみたいな疑問はあります。
異世界の勇者パーティも前世の妹も、前世と今世の年齢を合算するとルナが年上になるけれど、前世の年齢や今世の年齢では年下になるような年齢にしています。
個人的には精神年齢って前世と今世の合算で単純に決まるものではないと思っているので精神年齢的には下だけれど、ルナ本人の意識として周りの人達より長く生きてはいるくらいのつもりではありますね。
とはいえ異世界での経験があるので、こちらの世界の人と比べられるようなものでもないかもしれませんが。
次話で今の章が終わってまた閑話とかを挟んでから次に行こうと思います!