今回はシリアス無しの緩めな閑話です。
好意(恋愛的な物以外も含む)を向けてくる女の子に弱くてチョロいTSっ娘は良いぞ!(唐突な性癖の開示)
内通者の正体もある程度特定できたものの情報が揃わない為動けず、茜さんも学校に通っているので、何もすることがない俺は暇だった。
そんな中、ホーリーベルさんから指名で依頼されたので、それを受け回復魔法で治療の手伝いをすることになった。
聖女として異世界で行っていた時期もあったのでやりやすく、その上報酬もかなりもらえるのでありがたい仕事だった。
手際が良かったからなのか、俺の魔法が強力だからなのかはわからないが、ホーリーベルさんに勧誘されることだけは厄介だったけれど。
治療を手伝いながら過ごしていると。十六夜さんから戸籍が用意できたという連絡を受けた、年齢的にも義務教育を受ける必要があるということだったので茜さんと同じ中学に通うことにした。
俺は書類上、調査研究部所属の魔法少女として扱われているらしく、魔法少女用の通信制学校に通う選択肢もあったが、茜さんに『ルナちゃんと一緒に学校に通いたい!』と言われてしまい、俺は断ることができなかった。
中学に入学するにあたって色々と用意しなければならないものがあり、茜さんと一緒に買い物をする選択肢もあったけれど、荷物を運ぶのに車が会った方が便利、尚且つ普段から忙しそうにしている灯さんに頼るのは忍びないという事で、車と免許を持っているらしい美咲に頼むことにした。
『兄妹で楽しんで来て!』と茜さんに送り出されたので、美咲と二人でショッピングモールへと買い物に来ているんだが……。
「お兄ちゃん!次はこれ着て!」
「他の人もいるんだから大きい声でお兄ちゃんと呼ぶなって……それに服はもう持ってるしこんなにいらない!」
「呼んじゃったのは謝るけど、服は別に良いでしょ!いくらあっても困るもんじゃないし、お金も結構入ったんだよね?」
「……なんでそんなこと美咲が知ってるんだよ」
「茜ちゃんが教えてくれた!」
茜さんと美咲が裏で仲良くなっている……?喜ばしいことではあるけれど俺に関する話題も共有されているのはちょっと恥ずかしいし、このように情報を活用されるのは厄介だなぁ……。
「ね、良いでしょ!それにこの服私でも着れるサイズあるんだよね」
美咲がもこもこした淡いピンク色のルームウェアを持ちながら俺に近づき、囁いてくる。
「今度さ*1、お兄ちゃんとお揃いの服、着たいなって……ダメ?」
「……わかったよ」
妹のこういうお願いを断れる兄がいるだろうか、いないだろう。
兄として、長い間会えていなかった妹の我儘を聞いてあげるくらい……。
「凄い!可愛いよ!おに……ルナちゃん!」
兄としてとは言ったが、これが兄の姿なのだろうか……まぁ美咲が満足ならそれで……。
そのまましばらく着せ替え人形みたいに扱われた後、大量に買った服を一度車に置き、軽食を食べてから、目的の物を買う、制服に関してもシスター服を作る際に取ったデータを元に予約していたのでスムーズに受け取ることが出来た。
予定を済ませた俺達は、夕食を食べるにはまだ早いということでゲームセンターへとやってきていた。
「……なんだこれ」
どんなゲームをプレイしようか悩んでいると、男の頃にきたゲーセンでは見かけたことのない筐体が置いてあった、形はゾンビを倒すガンシューティング物に似ているがファンシーな見た目で銃の代わりに杖が置かれている。
「あー、ガンシューティングゲームの魔法少女版みたいなやつだよ、やってみる?」
「ちょっと気になるからやってみよう」
協力プレイもできるようなので、美咲と一緒にプレイする、杖にはボタンがいくつかついていて、そこそこ自由に動かせるようだ。
操作するキャラクターを10人くらいの中から選択することができ、キャラクター毎に使える魔法が違うようでかなり本格的である。
俺はどことなくミスティに似ている魔女風の魔法少女、美咲は騎士風の魔法少女を選択した。
俺のキャラクターは炎を操る魔法少女で、炎の壁や炎の球、火炎放射と言った技が使えるようだ。
技毎にMPの消費量が違っていて、MP管理も必要で戦略性がある。
美咲のキャラクターは画面に映る杖の先端から剣のような物が伸びていて近接戦闘ができるようだ。
大量に出てくる魔獣を魔法で殲滅していくのは、無双ゲーのような爽快感があって楽しい。
その後出てきたボスは魔人を意識しているのか人型の敵で、体力も多い上に攻撃も強力だ。
「お兄ちゃん!壁!壁!」
「わかってるよ!」
「この攻撃は私が受けるね!」
「任せた!」
お互いの魔力量に気を付けながら、敵の攻撃を防ぎ、少しずつ体力を削っていく。
「今だ!あれ!必殺技っぽい奴!撃って!」
「わかった!」
俺が炎の壁を設置して敵の動きを阻害、美咲は剣に光を集め敵へと放った。
美咲の一撃で敵のHPを削り切って、ゲームクリアになった。
「ナイス!」
「お兄ちゃんのアシストのおかげだよ!」
「「いえーい」」
美咲とハイタッチしながら勝利を喜んだ、ファンシーな見た目に反してゲームの内容自体はかなり本格的で面白かったな、他のキャラがどんな魔法を使えるのかも気になるところだ、二人での協力プレイだと相性の良い組み合わせとかもあるだろうし奥が深い。
「結構楽しかったな」
「ね!」
その後も色々とゲームを見たりプレイして回ったが、音ゲーに格ゲー、カードが貰える系のゲームやクレーンゲームなど様々な物に魔法少女関係の物があって……クオリティは高いんだけれど何というか……。
「魔法少女モノ多くない?」
「昔はそうでもなかったんだけど1、2年前から増え始めた感じだったかな……?」
「イメージ戦略とかそういうものなのかな、それ専用の部署もあるらしいし」
「大人の事情ってのを感じるね……」
「これだけあるならソシャゲとかも作られてそうだなぁ……」
夕食は美咲の希望でスイーツ系の物を多く扱っているバイキングへと行くことになった、折角女の子同士になったのであれば、こういう場所にも行ってみたいということらしい。
ケーキとかスイーツ系の物以外に普通の料理も置いてあるんだけれど、せっかくこういう場所に来たからにはスイーツを……と思っている俺はケーキばかり取っている。
「もうちょっとバランスとか考えた方が良いんじゃない?」
「ふふふ、回復魔法ってのは便利なんだ、偏った食事で体に影響が出ても治せるんだよ」
「ずるくない?」
俺が普段から使っている回復魔法は体の治癒能力を上げるというよりは体をあるべき姿へと戻すという効果がメインではあるが、使い方によっては解毒や解呪の様な異物を取り除く効果も持っている、これを応用してあげれば不必要な物を摂りすぎた程度であれば余裕で治すことができる、俺の見た目が整っているのも生まれつきの要素は勿論あるけれど、回復魔法をフル活用しているからというのも理由の一つだ、後は魔力の影響かな。
とはいえ現状維持ならともかく体を成長させようと思うと必要な栄養素を摂る必要はある。
茜さんのように大量に食べれられるなら問題はないが、胃袋の小さい今の俺はバランスの良い食事をした方が良い、けれどそれを正直に話す必要はない。
「こうして会った時とかで良ければ掛けてあげれるけど」
「じゃあ後でやってもらおうかな」
「期待してて」
俺が使う回復魔法は異世界で最高峰と言えるレベルだ、たまに使うだけだと日常的に使っている俺よりは落ちるだろうけど、それでも一定以上の効果は保証できる。
話も終わったので俺は取ってきたケーキを食べることにした。
ん!美味しい!前から嫌いではなかったけれど、この体になってからは本当に甘い物が美味しく感じて……。
ケーキに夢中になっていた俺だったがふと美咲の方を見るとスマホをこちらに向けている姿が見えた。
ただスマホを弄っているだけな可能性もあったけれど、美咲の方を見ると露骨に目をそらしてきたので何かしていたのは間違いない。
「何してるの?」
「えっと……」
動揺している美咲の持つスマホの画面がちらっと俺の視界に映る、そこに映っていたのはケーキを食べている最中の俺の姿で……。
「写真!?ちょっとスマホ貸して!」
「あ、ちょ!」
スマホを奪い撮られた写真を確認する、スイーツを食べている姿からゲームセンターで遊んでる姿に、色々と着せられていた時の姿まで……いつの間に撮ってたんだ?
「これは全部消すからな!」
「え!?ダメだよ!せっかく可愛い姿が撮れたのに!」
「俺が兄だってこと忘れてるんじゃないか?」
「そんなことないよ!でも今は可愛い女の子なのも事実なんだから良いでしょ?」
「それでも……」
「それに茜ちゃんも可愛い写真撮れたら欲しいって言ってたし!ね?良いでしょ?」
「……はぁわかったよ」
大人しくスマホを返す、まぁ写真を撮って喜んでいる妹から無理矢理取り上げるのも大人げないしね……妹からのおねだりと茜さんの名前に抗えなかったというわけではない。
その後夕食も終えて、今は美咲の車で家へと向かっている。
「今日は楽しかったね!」
「そうだね、疲れた部分もあったけど」
「あはは……お兄ちゃんと一緒だと思うと嬉しくて調子乗っちゃってたかも……ごめんね?」
「まぁ美咲が楽しめているなら良いよ、俺も……嫌じゃなかったし」
「嫌じゃないかぁ、そっかぁ、まぁお兄ちゃんも満更でもなさそうな顔してたからねぇ」
「そんなことないけど?」
別に可愛いと弄られている事を嬉しいと感じているわけではない。
でも美咲が喜んでくれているならこの関係も悪くはないと思っている、それだけだ。
治療を手伝っているシーンと、4人でお泊まり会するシーンは今のところ書く予定はないけれどタイミングがあれば書くかもしれないくらいの奴です!
閑話を挟みすぎると本編が進まない恐れがあるしね……。