新キャラと交友関係は刺激になる反面増やしすぎても大変というのは悩みです。
クラスの席は真ん中の一番後ろがルナ、その前が茜、茜の前が篠宮めぐる。
御影舞華は窓側の一番後ろ、金森清乃が前の方です。
戸籍を手に入れて、手続きも終わり今日から俺は二度目の中学生活を送ることになる。
ブレザータイプの制服を身に纏った姿は我ながらかなりの美少女だった、俺が男だった頃のクラスにこんな女子が居たら間違いなく目で追ってしまっていただろう。
学校の女子制服を着て女子として学校に登校するというのは今までにない独特な恥ずかしさというものがあった。
事前に用意したカバーストーリー通りの自己紹介を済ませた俺は、質問攻めに会ったりしながらも何とか午前中の授業を乗り切った。
昼休みに入ると、クラスメイトの金森さんが、学校の施設を案内してくれると言って声をかけてくれた。
当然のように茜さんに案内してもらうつもりでいたが、茜さん以外に交友関係がないというのも不健全だし、折角声をかけてくれたのでお言葉に甘えて案内してもらう事にした。
折角一緒の学校に通ったのに、茜さんとそこまで話せていないのは寂しくもあるけれど……。
この金森さんだが……実はホーリーベルさんの治療を手伝っていた時に会ったことがある。
ホーリーベルさんの大ファンで、学校にもグッズを持ってきている、ここまで特徴的だと忘れる方が難しい。
その時は髪色も変えていたし、メイクもしていた、でも名前は同じだしバレていてもおかしくないんだよな、先程からさりげなく表情を窺っているがバレているのかどうかはわからない。
「ここは図書室ですわ!お見せしたいものがあるので付いてきてくださいまし」
図書室の奥へと案内される、色々と本があるみたいだけれど見せたいものとは何なんだろうか。
「ここまで来れば大丈夫そうですわね……ルナさんお聞きしたいことがありますの、人前で聞くべきではない事だと思いまして」
「内容は大体予想できていますが、どうぞお話になってください」
「ルナさんはホーリーベルお姉様と共に治療していた新人のお方ですわよね!?」
やっぱりバレているよなぁ……。
「その通りです、まぁ名前もそのままですしわかってしまいますよね」
「変身前とは服装や髪色……それにメイクでしょうか?それで雰囲気も変わっていらっしゃるので普通に見る分には分からないと思いますわ、名前は同じですが被ることくらいはあり得るでしょうし」
「ならどこで判断したんですか?」
「まずは声ですわね!それと華奢な体つき!最後の決め手は匂いですわ!」
声はまぁわかる、体つきもまあ同年代にしては小さくて特徴的な方だからまだ納得はいく、けど匂いってなんだよ!そんなことまで覚えているのか?変態なのでは?
「ああ、警戒なさらなくても良いですわよ!ルナさんが貴重な回復魔法を使える魔法少女であるという事実は周囲に言いふらす気もありませんし、これを理由に脅そうだなんて考えていませんわ」
そういうので警戒してるんじゃないんだわ。
「え、ええ……それは助かります」
この世界では回復魔法の使い手が極端に少ない、日本には5人*1しか存在しないが、これでも他国と比べて多い方らしい、公表されていない者もいるだろうけれど、多く見積もっても数十人程度といったところだろうか。
異世界では教会に所属していた者だけでも数百人はいた事を考えたらかなり少ない*2。
ただの魔法少女ではなく、それだけ貴重である回復系の魔法少女であるという事がバレたら、面倒なことが起こる可能性は否定できない*3、バレたらバレたで何とかなるだろうし、最悪の場合は通信制の方に通えば良いとは思っているが、隠してくれるならその方がありがたい。
「ワタクシは確認したかっただけですわ!本当はホーリーベルお姉様との関係性だとか、普段のホーリーベルお姉様についてとか、普段着はどんなものなのかとか、お聞きしたいことが沢山あるのですが、今は学校の案内をしなければなりませんからね!それと、魔法少女とは関係なくワタクシともお友達になってくれると嬉しいですわ!」
ホーリーベルさんに関することだけめっちゃ早口じゃねぇか、でも悪い子では無さそうではある。
「お友達になるというのはこちらからもお願いしたい限りなのですが、ホーリーベルさんについて私からお話しできることはあまりありませんよ?」
「えぇ!?あんなに距離感が近かったのに!?回復系の魔法少女達は定期的に会合を開いているという噂もあるのに!?百合の香りがしたのに!?新人として歓迎会みたいなのはありませんでしたの!?」
百合の香りってなんだよ。
「距離感は……わかりませんが、他はただの噂や妄想なのでは?詳細までは話せませんがそもそも私はホーリーベルさん達とは所属が違うので治療の時以外ではあまり関わりが無く……」
「そうなんですの!?回復系魔法少女は皆、同じ特殊派遣部に所属している物かと」
「……お詳しいんですね?」
「お姉様のファンですから……それはもう色々と調べましたわ!」
なんかこの調子だとホーリーベルさんの本名とかも知ってたりしそう……ちなみに俺は本名も知っているし連絡先も交換してるぞ!マウントを取るわけでは無いけれど。
「つい時間を取りすぎてしまいましたわね、話はまた後日ということで続きを案内しますわ!」
その後は昼休みが終わるギリギリまで案内してもらって教室に戻った。
茜さんが前の席にいる篠宮さんと仲が良さそうに会話をしているのを横目で見ながら自分の席へと座る。
すると茜さんが振り返り話しかけてきた。
「おかえり!金森さんとはどうだった?」
「とりあえず金森さんとはお友達になりました、独特なお方でしたが良くしていただけましたよ」
「もう友達になれたんだね!良かったぁ、どうかな?このクラスには馴染めそう?」
「今のところは大丈夫そうです」
午後の授業も問題なく終え放課後になった。
「ルナちゃん!帰ろっか!」
「そうですね」
流石に慣れない環境で俺も疲れた、早く帰ってしまうことには賛成だ。
帰り支度をしている俺達に篠宮さんが話しかけてきた。
「2人共、今日は仕事?」
「今日はお休みだよ!」
「それなら私も途中まで一緒に帰って良いかな、小鳥遊さんとも話してみたいし」
「私は良いよ!ルナちゃんは……どうかな?」
「構いませんよ」
「そういえば小鳥遊さんの家って同じ方向なの?」
一応一緒に住んでることに関してはカバーストーリーを作ってあるので答えられるけれど、教室で話すことでもないので帰りながら話すことにした*4。
魔法少女としての仕事の関係でこちらに引っ越す必要があり、親元を離れ父親*5と遠い親戚*6で、尚且つ魔法協に勤めている灯さんの元にお世話になっているという設定だ、まぁ違和感はないだろう。
「ただの仕事仲間ってだけじゃないのはなんとなくわかってたけど、一緒に住んでたんだ、小鳥遊さんも魔法少女とはいえ、この歳で親元を離れて暮らすってのも中々大変そうだね」
「魔法少女をしているのでお金には困っていませんしね、あまり問題はありませんよ、実の親が近くにいなくとも案外何とかなります……」
そもそも今世の親については何も知らない、物心がついたというか前世の記憶を思い出した時にはもう捨てられていて親に関しては顔すら見ることも無かった。
運良く拾ってくれた人がいて、何とか孤児院に入ることができたから生き延びれたけれど。
俺の持つ魔力は特殊だが、これに血筋が関係しているのか、たまたま産まれただけなのか、それとも転生が何か関係しているのか、それすら何もわかってない、これが血筋に由来する物であれば親に繋がる何かが分かったかもしれないんだけど……。
「ごめんね、あんまり聞かれたいことじゃ無かったよね」
「大丈夫ですよ、親に関してはもう割り切っているのであまり気にしていませんから。」
頭の中で考えていたことが表情に出てしまっていたのかもしれない、複雑な環境ではあるが気にしていないというのは本当だ、会ったこともない親なんて今更気にしても仕方ないからね、そもそもこっちに来てる時点でもう会うことは不可能だ。
会えるとしたら前世の両親くらいだろうか……。
「この顔でああいう表情されると凄い儚いね……」
「ほっとけないんだよね、最初に会った時なんてもっと……」
「これは茜が過保護になるのもわかるな」
「そうなんだよね、良かったらめぐるも仲良くしてあげて!」
こう2人が何か小声で話しているのを眺めている状況に物凄くもやもやしてしまうのは何故なんだろうか。
その後も篠宮さんを交えながら話を続けた、しばらく話していると篠宮さんとも仲良くなれたそんな気がする。
篠宮さんと俺は音楽の趣味がかなり近く、それだけでも無限に語り合えそうだったが、今日はもう時間が無さそうだ。
「それじゃ、私はこっちだから、2人共またね」
「ええ、また」
「じゃあね!」
篠宮さんと別れ、茜さんと二人で歩く。
「今日はどうだった?楽しかった?」
「ん~……慣れない環境で疲れたかな、でも楽しかったよ」
今までは仕事の関係や年下として扱ってくる人が多くて、対等な友人というのはほとんどいなかったから新たな交流関係ができたのは嬉しかった、金森さんや篠宮さんとは仲良くできそうだったし。
せっかく同じ学校に通っているんだから茜さんとももっと関わりたいという気持ちもあるけれど。
慣れない環境ではあったけれど、こういう平和な時間というのも悪くない、こんな時間が長く続いてくれれば良いんだけど……。
文化祭とかもしたいですねといいつつ本編でやると脱線でしかなさそうなのでやるとしたら閑話ですかね。
とはいえ中学だと高校の様な出し物も無さそう……?定番のメイド喫茶で働くTSっ娘とかもしたい気持ちはありましたが難しそうという気持ちが。
閑話とかでこういうことをしたいみたいなものは回想含め多いのですが、本編に絡ませにくいのが悩みです。