「
そう言ったルナちゃんが意識を失って倒れこんだ。
「ルナちゃ……ん!?」
それから少し遅れて体に何かが流れ込んでくる、ルナちゃんの回復魔法を受けた時に似ているが、流れ込んでくる量が段違いだ。
『大丈夫、その身を委ねて、全て受け入れて』
頭の中にルナちゃんの声が響いてくる気がする、その言葉に従って、流れてくる力を受け入れた。
光が私の体を包み込み、その姿が変わる。
ピンク色だった魔法少女の衣装に白や銀の意匠が施される。
力が溢れてくる、と同時に背中に変な感覚が生まれた。
「終わっ……た?」
『久々の感覚だ、ロゼさん調子はどう?大丈夫?』
「え!?何!?」
『貴女の脳内に直接語りかけています……って奴かな』
さっき聞こえてきたのも気のせいじゃなかったんだ……念話?とかなのかな?
『正確には念話じゃないよ、俺の意識は銀のロザリオを通してロゼさんの体の中にいる状態なんだ』
中にいるの!?って言うか心の声が読まれてる……?
『仕様だよ、慣れれば話す言葉を選べるらしいから頑張って、尤もこれを受ける側がどんな感覚なのか俺にはわからないんだけど』
どうやったらそれができるのか見当もつかない。
『そろそろ煙が晴れるね、行こうか、結界魔法は俺の体を保護するのに必要だから使えないけど、それでも相手を倒すのに十分な力はある筈だよ』
煙が晴れる、そこには変わらず魔法を構えたままのインパクトさんがいる。
「その壁厄介だね、割れる気がしない」
『ふふん、俺の結界魔法がそう簡単に割れるわけないだろう』
ルナちゃんテンションが高いな……これから勝ち目が見えなかった強敵と戦う所なのに。
『久々にこの魔法を使ったからね、気分も上がるさ、さぁ!ロゼさん、ロゼインパクトフォームアルテミスの初陣だ!盛大に行こうじゃないか!』
勝手に名前をつけてるし……調子が狂うな、でもこれくらい前向きな方が丁度良いのかもしれない。
「あれ……?君何か、姿が変わった?」
「この姿はフォームアルテミス、この力で貴女を止めます!」
そう言って結界を出てインパクトさんに向かって駆けた。
背中から魔力のようなものが放出され私の体が空を舞う、飛べるというのは感覚的にわかっていたけれど、想像以上の速度が出て、インパクトさんの真横を通り過ぎてしまった。
『この魔法は受ける相手によって姿を変える、何が基準かはわからないけどね、ロゼさんの場合は光の翼……いや魔力の翼といった方が正しいかな』
制御は難しい、けど爆破の魔法で空も飛べるインパクトさんへの対抗手段としてはありがたい。
「ただの見掛け倒しじゃなさそうだね、けど力を扱いきれてない」
インパクトさんが爆破の魔法で加速し迫ってくる、翼を操り回避して、そのまま蹴りを入れようとするが、距離が離れすぎてしまって当たらない。
『魔法少女の魔力は魔人に有効なんだよね?それなら翼にロゼさんの魔力を込めてみよう、今はロゼさんと俺の魔力を共有している状態だ、きっとできる筈』
難しいことを言ってくるな……私の魔力とルナちゃんの魔力を混ぜ合わせる感じで……行けた!
インパクトさんが再び迫ってくるのを、空中で回転して回避、すれ違いざまに翼をインパクトさんへとぶつけた。
「その翼、攻撃能力もあるなんてっ……!」
『おお、成功だ、言ってすぐにこれができるなんて天才だね』
インパクトさんは地上から魔法をこちらへ放ってくる、翼の制御にまだ慣れておらず、全てを回避することはできなかった。
けれどダメージを受けた側からすぐに回復していくから傷は残らない。
『この俺がすぐ側にいるんだ、この程度の傷を治すことくらい造作もない、まぁ俺の体でこの攻撃を受けたら一撃で致命傷レベルだろうけどね……』
軽く戦闘を繰り返してわかったけれど、この形態は『増幅』の魔法を使っていなくても、『増幅』の魔法とルナちゃんの支援魔法を掛け合わせた時以上の力が出せる、戦闘訓練で力の使い方に慣れていなかったら扱うのはもっと難しかっただろう。
この力と『増幅』を併用できればもっと強くなれるだろうけど今は難しい。
『ぶっつけ本番で使っているからね、扱える範囲に力を抑えた方が良い、それでも勝てない相手じゃないよ、むしろ余裕だね!』
爆破の魔法を回避しながら接近、手を開き魔力を掌に集めてインパクトさんにぶつけた、何となくだけど使い方がわかるのは
「なっ……!?」
拳よりも少しだけリーチが長い攻撃に対応しきれず、インパクトさんに隙が生まれる、すかさず翼を使ってさらに接近、回し蹴りを叩き込んだ。
「器用な攻撃をするね……」
インパクトさんが蹴りを放つ、回避には成功したものの移動した先に爆破の魔法を放たれてダメージを負ってしまった、しかし数秒で回復する。
『もうこちらの動きに対応してくるとは、なかなか強いね』
でも勝てない相手じゃない!このままなら倒せる!……倒して問題ないんだよね?
『人であるなら、死ななければ俺の魔法で治すことができるけど……』
けど……?
『ロゼさんがスーパーノヴァインパクトに触れた時に体を調べてるんだけどさ』
戦いながらそんなことをしてたんだ、全く気付かなかった。
『人の体として成立していないというか、パーツが足りてない?みたいな感じがするんだ、今の俺はロゼさんの感覚を共有しているから魔人の魔力を観測できるんだけど、その魔力で足りないパーツを補っているみたいなんだよね』
なる……ほど?
『結論だけ言うと、人の体として生きられる状態に戻すことは可能、それをする為には魔人の魔力を消し飛ばして、その後あまり時間を空けずに回復魔法で足りない部分を補う必要がある』
つまり、1回倒しきってからこの魔法を解除して、ルナちゃんがインパクトさんに回復魔法を使えば良いってこと?
『解除の必要は無いよ、この状態ならロゼさんが触れれば回復魔法を使うことができるから、まぁ一つ不安要素はあるけれど……』
不安要素……?
『失言だったな……不安要素の事は一旦忘れてほしい、考えたところで結局倒して治すまではわからないことだから、今は戦いに集中しないと勝てる戦いも勝てなくなる』
確かにその通りだ、私も翼の扱いに慣れ始めてきたけれど、インパクトさんもこちらの戦い方に慣れてきている、こちらの方が有利だとは思うけど、油断をしたら負けかねない。
インパクトさんが爆破の魔法を放つが、翼を前面に出すことで防御をする、致命傷になりそうな攻撃だけ翼で防御しながら接近し、そのままインパクトさんに蹴りを入れた。
「何でこんなに……!私の方が戦闘経験も多いし辛い思いも沢山してきた……そのはずなのに!」
「何の為に戦っていたのかを忘れて中身がないまま戦い続けているからだと私は思いますよ!」
魔法の威力は上がっている、戦闘経験も完全に思い出しているんだろう、けど私が憧れたインパクトさんならもっと強い筈だ、私がそう思いたいだけかもしれないけど。
尤も、ルナちゃんの力が無ければ為す術もなくやられてしまっていただろうけどからあまり偉そうには言えないんだけど。
『ふふん、褒めてくれても良いんだよ』
私が戦えているのはルナちゃんのおかげだよ、本当にありがとう。
『……素直にそう言われると照れるな』
「中身がない……?思い出せないんだから仕方ないじゃないか、辛い思い出しか思い出せないんだからさ!」
インパクトさんが爆破で加速しこちらに拳を向け、私の体を直接爆破させようとしてくる。
『掌に魔力を!そのままタイミング良く放って!』
言われた通りに魔力を放ち、インパクトさんの拳を左の掌で受け止める。
「爆破しない……!?くそっなんで……!」
『魔法が発動する前に相手の魔力をこちらの魔力で打ち消す、タイミングがずれると失敗するけど、成功すれば強力だね*1』
そのままインパクトさんの体を蹴りあげ、空へと飛んでいくインパクトさんを追い抜き、右の掌に魔力を込めインパクトさんの背中から攻撃、そのまま地面へと押し付けた。
「ぐっ……さっき私がやったこととそっくり……」
『起き上がる前に攻撃してぶっ倒しちゃえ!とどめを!!!』
殺意高い……でもその通りだ、ここで倒しきってしまった方が良い、やりすぎてもルナちゃん治してくれるしね!
そう思った私は足に魔力を込めて全力でインパクトさんを踏みつける、その攻撃を受けたインパクトさんは変身が解け意識を失ったようだった。
魔人の魔力を消し去ることに成功したのか、角も取れて魔人の様な特徴は無くなっている。
『ロゼさん!回復魔法を使うから、スーパーノヴァインパクトに手で触れてほしい!』
ルナちゃんに言われて慌ててインパクトさんに触れる、かなりボコボコにしちゃったけどルナちゃんならきっと治してくれるはず!
魔法少女プロフィールNo.2
魔法少女ルナアイリス 本名:
使用可能魔法: 神聖魔法全般が使用可能、『
『
術者と対象の心がある通じ合っていないと弾かれてしまう。
身体能力の強化、魔力の共有に加えて、対象に応じて変化する特殊な効果(ロゼの場合は魔力の翼が現れ、掌から超至近距離に魔力を放てるようになる)がある。
それに加えてルナが常に側に居るような物なので回復魔法がすぐ飛んでくる。
体が無防備になる、体から離れすぎると強制解除される、めっちゃ疲れるなどのデメリットがある。
戦闘スタイル:バフや回復による支援や光を放つ魔法による相手の妨害を行うサポート役。
好きな物:異世界の仲間達、茜、美咲、お風呂、スイーツ、昔のアニメ鑑賞。
メモ:異世界から転移してきた聖女で正確には魔法少女ではないが、書類上は魔法少女として処理している。
魔法少女名の由来は『あ』かね、レ『イ』ナ、エ『リ』オ、ミ『ス』ティ。
基本的にルナと名乗っていて魔法少女としての正式名称は聞かれた場合に名乗る程度。