特に触れていませんでしたがルナの前世である小鳥遊裕也が死亡したのが8年前になります。
多分そんなに重要ではないはず。
徐々にTSっ娘が重くなるTS百合を書けたら良いなと思っています。
私は女の子を連れて、家へと帰った。
お父さんは長期の出張へ出ていてしばらくは家にいない、お母さんも仕事が忙しくまだ帰ってこない。
家に私しか居ないのは好都合だった。
ボロボロの服に裸足の姿で傘も差さずに雨の中を歩いていた回復魔法の使える女の子、間違いなく複雑な事情がある、公的機関に預けるのは問題があるかもしれない、そう思い家に連れてきた。
息はしている、しかし意識が戻る様子はない。
寝かせてあげるべきだろう、けれどその前にこのボロボロな服を着替えさせなければならない、汚れた体も拭いてあげるべきだろう。
ボロボロのローブやその下に着ていた、白い質素なワンピースを脱がせていく。
少し躊躇したが、下着も脱がせて体を拭き、少し大きめな私のTシャツと、まだ使っていない下着を着せた。
そのまま濡らしたタオルをおでこやわきの下に当てて、布団をかぶせた。
着替えさせるときに彼女の持ち物を確認したが、彼女の持ち物は銀のロザリオだけで、身分を証明する物も財布も見当たらなかった。
唯一持っていた銀のロザリオはかなり精巧に作られていて、一目で高級な品だとわかる、靴も履かずに外を歩いていた彼女がこれだけを持ち出したという事は大切な物なのだろうか。
見当たらないと不安になってしまうかもしれない、着替えさせるために外したが首にかけなおしておこう。
「美咲……ごめん…俺は…」
悪夢でも見ているのだろうか、険しい表情でうなされている。
少しでも辛い気持ちが和らいでくれるようにと彼女の頭を撫でた、外で彼女に触れた時と比べると熱は引いているようだった。
しばらく頭を撫でていると、彼女の表情も和らぐ。
安心したのか寝息を立てて眠っている彼女のことを観察する。
プラチナブロンドの髪と色白な肌に、少しだけ見えた宝石のような瑠璃色の瞳、流暢に日本語を話してはいたが間違いなく日本人ではないだろう、手入れをしていないからか、ボロボロではあるが、顔立ち自体は整っているように見える。
食事をしっかりと摂れていないのか手足は触れるだけで折れてしまいそうなほど細く、身長も私より一回り小さい、体だけなら私と同年代か年下に見える。
足裏は多少の傷こそ付いていたものの、長時間裸足で歩き続けた割には軽傷だ。
どこから来て何故あの場所を歩いていたのか、今までどこで暮らしていたのか、どうしてここまで傷付いてしまったのか。
私にはわからない。
寝ている彼女を観察していると、玄関の鍵が開く音がする、お母さんが帰ってきたのだろう。
変身したままだったので、変身を解除してからリビングまで向かい、お母さんに大まかな事情を話した。
まだ彼女は目覚めていない、許可を取らずに彼女の話をお母さんにするのは申し訳ない気持ちもある。
しかしお母さんに何も言わずに彼女をここに置いておくのは難しい、それに魔法協に務めているお母さんであれば何か力になってくれるかもしれない、そう思いお母さんに私が把握している事を話した。
「魔人でもなければ、変身もしていないのに魔法が使える外国人の女の子、それも希少な回復魔法使い…その子の存在が公になったら大変なことになるでしょうね」
「でも、助けてあげたいんだ!自分がボロボロなのに私を助けてくれた優しい子だと思うから…」
「まずはその子が目覚めるのを待ちましょう、事情を考えると病院に連れて行くのも魔法少女に頼むのもダメでしょうからね、私もその子の看病を手伝うわ」
「ありがとう」
「娘の命の恩人だもの、親として力になってあげなきゃね、でも落ち着いたら色々と話は聞かせてもらうことになるけれど」
「それは…そうだね」
「まずは貴女が責任を持って話してあげなさい」
金髪の女の子を寝かせている部屋におかあさんを連れていく。
その後、彼女の体に処置を施したお母さんは、目覚めた時に知らない人がいたら混乱するだろうから、と言って部屋を出て行った。
それからしばらくの間見守っていると、彼女が目を覚ました。
「…ここは?」
「目が覚めましたか!?体は大丈夫ですか?」
「えっと…体は大丈夫、もしかしてお世話になっちゃったのかな、ごめんね」
即答だった、自分の体を確かめる時間があったとは思えない、彼女は大丈夫でなかったとしても大丈夫と言えてしまう人なんだろう。
彼女は起きあがろうとした、しかし体がうまく動かせないようだった。
「大丈夫じゃないですよね!無理して立とうとしないでください!寝てて良いですから、必要な物があれば私が用意します、とりあえずお水を…あ、ご飯も必要ですよね!お母さんに言って用意してもらいますね!」
「そこまでして貰うのは悪いよ」
「貴女は私の命を救ってくれたんです、それと比べたらこれくらいどうってことないですよ!」
彼女が首を傾げている、そうだ、 今の私は変身していないんだ。
私は変身して彼女に名前を告げる。
「私は星野茜、そして魔法少女ロゼインパクト、貴女に助けて貰った魔法少女です!」
「俺が助けた魔法少女…だったのか…」
何を話せば良いのかわからずに見合っていると。
グー…と彼女の方からお腹の鳴る音がする。
「あっ…」
彼女の顔が赤くなるのがわかる、ずっと暗い表情をしていた彼女の恥ずかしがる姿は普通の女の子としての一面が見れたようで少し嬉しかった。
「ちょっと待っててください!食べれるもの持ってきますね!」
お母さんに用意してもらった卵がゆを受け取って、彼女の元に持っていく。
「これなら消化にも良いと思います!どうぞ!」
息を吹きかけ、食べやすいように冷ます。
「…ありがとう、いただきます」
申し訳なさそうにしながらも、口を開けてくれたので口の中へと運んでいく。
「……」
彼女は一口食べたかと思うと、そのまま固まってしまった。
「あれ…口に合わなかったですか?」
「いや…違くて、えっと凄く久しぶりに食べたからさ」
「それは…」
「食事自体が久々って事もあるんだけどそれだけじゃなくて、こういった料理を食べるのは本当に久しぶりで、懐かしくて…優しい味で、安心するというか…」
しっかりとした料理を長いこと食べていないような言い方だ、状態からも察していた事ではあったが、こうして外に出てくる前も劣悪な環境で暮らしていたんだろう、私と同年代に見える子供がそんな環境にいたと想像するだけで許せない気持ちになる。
「…遠慮せず、好きなだけ食べてください!」
「ごちそうさまでした」
用意した卵がゆを完食した彼女は今までと比べると少し表情が緩んでいるように見えた。
私は彼女の名前すら知らない、彼女から何かを聞き出すならこのタイミングだと思う。
「あの、もし良かったら貴女の事情を聞かせてもらえませんか?勿論辛かったり、言いたくないことがあったりするなら無理して話さなくても大丈夫です!」
彼女の表情が険しくなる、辛いことを思い出しているというよりは、話して良いのか悩んでいるような表情だった。
「本当に言えないなら大丈夫なんです」
彼女の手を握り、目を合わせて本心を告げる。
「私は貴女のことが知りたいんです、どうしてこんな姿で歩いていたのか、今までどんな経験をしてきたのか、どうしてあんなに寂しそうな表情をしていたのか、貴女の事を私に聞かせてくれませんか?」
彼女はしばらくの間考えてから口を開いた。
「話すよ、俺の事情を…荒唐無稽な話だから、信じてもらえなくても構わないけど…」
彼女は不安で今にも泣き出してしまいそうな表情をしていた。
私にできるのは信じてあげることだけだ。
「信じます」
「まだ何も言ってないのにそんなこと言って良いの?」
「これから嘘をついて人を騙そうとしている人がするような顔じゃありませんから、どんなことを言われても私は貴女のことを信じます」
「そっか…わかった話そう、俺が何者なのかを」
魔法少女名は基本的には魔法少女自身が決めている。
ロゼインパクトの名は昔活躍していたとある魔法少女の影響を強く受けているらしい…?
という設定ですがネーミングセンスが…ない!
こういう魔法少女名ってどうやったらイカしてる名前ができるのだろうか…。