自分はTS百合総受け物も結構好みだったりするので所々欲が顔を出していますが、この作品のメインはルナと茜の2人なのでそこまでにはなりません。
でも!女の子に絡まれるTSっ娘って良いよね!
「ルナさん、先日はありがとうございました、改めてお礼を言わせてください」
「いえ、私はできる事をしただけですよ、それにロゼさんのおかげでもありますから」
今日はホーリーベルさんに依頼され治療の手伝いをする事になっている、ホーリーベルさんとの挨拶も終え、既に何度か顔を合わせている特殊派遣部の職員さんが運転する車に乗り込んだ。
「今日はどのような内容なんですか?」
「本日は私達では治療ができなかった方々をルナさんにも診ていただこうと思っていまして」
ホーリーベルさんやその手伝いをしている俺が行う仕事は主に4種類に分けられる。
1つ目が魔獣と戦い傷ついた魔法少女の治療。
2つ目が魔獣被害にあった一般人の治療。
3つ目が災害等の被害にあった人達の治療。
4つ目が現代科学では治せない病や怪我の治療だ。
今回の仕事はおそらく4つ目に該当するだろう。
他3つは起きた魔獣被害や災害に合わせて動けば良いが4つ目だけは違う、全国に居る該当人物を全て治すことはできない、誰を治すかを選ばなければならないということだ。
それには当然大人の事情も大きく関わってくる、世間や魔法少女のイメージに対する影響度や症状自体の重さ、そして金。
そういった事情を総合的に判断して誰を治すのか決めているらしい、これは人によって意見が分かれるところだろうが、俺は仕方ないことだと思っている。
全てを救うことができるならそれが一番なんだろうが現実的ではないからね、むしろ命に係わる物の優先度を上げているだけでも、異世界の教会より良心的とも思える、まぁ異世界とこっちでは命の重さが違うので簡単に比較できるものでもないが。
「今日はは2人程診ていただきたいと思っています、ルナさんがどういった症状をどの程度まで治せるのかを確認するという目的もありますので、治せなかったら治せなかったで構いません」
「わかりました」
まぁ俺に治せない物なんてそうそうないとは思うけどね。
ホーリーベルさんと共に向かった先は以前とは別の魔法協関係の医療施設、そこの診察室で職員さんが一人目の対象を呼んでくるのを待つ。
すると入ってきたのは和服を着た高身長でカッコ良い雰囲気のある少女だった。
「君がベルの言っていたルナという新人か?私は
「ええ、よろしくお願いします」
「椿さんは魔法少女イナズマブレイドとして活動していたのですが、魔人との戦いで残った後遺症で利き腕が満足に動かせなくなってしまったのです、既存の回復系魔法少女では治せない症状なようで……」
ホーリーベルさんが、紫藤さんの右腕に巻かれていた包帯を解きながら症状の説明をしてくれる。
「紫藤さん、少し触らせてもらいますね」
紫藤さんの右腕に触れ魔力を流す、異世界で言うなら呪いの類だろうか冥界電話の時は繋がりを作っていただけだったがこれは発動しているな。
発動する前の段階であれば魔法少女の魔力で相殺出来る可能性もあるが発動してしまったら不可能だ、それに加え呪いは術者を倒しても解除されないことが多い。
確かにこの手の物は既存の回復系魔法少女は苦手とする分野だろう、が俺なら問題はない。
冥界電話の時と似た方法で絡みついている呪いの糸を解いて行く、その後回復魔法で腕を正しい状態へと戻してあげれば……。
「これでどうでしょうか」
紫藤さんが右腕前へと突き出し、手を開いたり閉じたりして動きを確認している。
「治っている……!」
「無事治療できたようで良かったです」
「ルナ、感謝する、これで私も刀を振るい続けることができる、この恩は必ず返そう」
「いえ、これも仕事ですので」
「ベルもルナを紹介してくれてありがとう」
「私と貴女の仲ですからね、それに貴女の功績を考えるのであれば優先的に治療するべきですからね」
「そうだ、連絡先を渡しておこう、何かあったら連絡してくれすぐに駆けつける、これでも剣術にはかなり自信があるんだ、役に立ってみせると誓おう」
「それは助かります、何かあれば頼らせていただきますね」
紫藤さんはこの後、体に異常が残っていないか職員さん達が検査をするという事で別れることになった。
「さて、そろそろ2人目が来る頃でしょうか」
診察室に入ってきたのは20代くらいの女性、俺とホーリーベルさんに会釈をするとそのまま椅子へと座った。
女性はカバンからスケッチブックとペンを取り出し何かを書こうとする。
「彼女は声優の七海沙良さん、魔法協も制作に関わっている魔法少女モノのアニメ、『超魔導戦士アスター』にも出演してくれていたのですが……」
「えっ!?七海沙良さん!?あの敵組織に所属していたミステリアスな魔法少女、クロノスの役の……!?シリアスシーンでは彼女の抱える苦悩や葛藤があり、日常シーンでは可愛らしくギャップのあるクロノスというキャラを魅力的に表現する演技力、それに加えEDや挿入歌を担当していてそのどれもが……」
「ル、ルナさん?」
「……失礼いたしました、ルナと申します、よろしくお願いします」
七海さんがスケッチブックに文字を書きこちらに見せてくる。
『よろしくお願いします』
基本的に昔のアニメを見返している俺が気まぐれに見た比較的最近のアニメ『超魔導戦士アスター』、その中でも推しキャラと言えるのがクロノスだ、目の前にいる女性がその声優さんだと知ったことで舞い上がってしまった、反省しなければ。
「この様子から見当は付きますが、一応状況を教えていただけませんか?」
「一年ほど前から声が出なくなってしまったようなのですが原因がわからず、私も治療を試みたのですが治りませんでした、なのでルナさんにも診ていただけないかと思いまして」
やっぱり声の問題だよなぁ……診させてもらうか。
「七海さん……少し触らせてもらい……ますね?」
左手で七海さんの顎を持ち上げ、右手で喉へと触れる、そしていつものように魔力を流した。
確かに体がおかしな感じがするね、でも何故原因不明で他の回復系魔法少女じゃ治せなかったのだろうか、魔法の知識はあるが俺は医者ではない、細かいところは分からない。
でもこれなら普通に回復魔法を掛けるだけで治せるな、そのまま魔法を掛けると、数秒で治療は終わった。
「あっ……」
「どうでしょうか……?」
「こ!声が出る!」
「声が出るよ!良かった、良かったよぉ……本当にありがとう……」
七海さんが勢いよく立ち上がり俺を抱きしめながら涙声でそう言った、こんな状況だけど耳元から聞こえてくる声がとても心地良い。
「ルナちゃんのこんな表情初めて見たかもしれませんね」
折角推しキャラの声優さんに出会えたんだからサインとか貰ったり?なんかしちゃったりして?いやでも流石に治療の場でそれを頼むのは……そもそもホーリーベルさんの前だし……。
「ルナちゃん!本当にありがとう、後日改めてお礼をさせてもらえないかな!?」
「え、あ、はい、お願いします?」
「これ!連作先ね!」
そう言って何かが書かれた紙を俺の手に握らせて手をぶんぶん振っている、その言動はとても可愛らしい。
七海さんも体に異常が残っていないか職員さん達が検査をするという事で別れ、ホーリーベルさんと共に帰ることになった。
「やはりルナさんの回復魔法は素晴らしいですね、私達では治せなかったものも治療できるようですから」
「まぁそれは否定できませんね」
「是非とも特殊派遣部に所属していただきたいところなのですが……調査研究部との兼任でも構わないのですよ?」
「少なくとも今は遠慮しておきます」
「そうですか……でも前向きに検討していただけたら嬉しいです」
ホーリーベルさんは定期的に勧誘してくるところだけは厄介なんだよなぁ、少なくとも現状では特殊派遣部に所属する気はない、茜さんと同じ部署を離れるつもりはないからね。
兼任でも良いというのは悩ましいけれど、現状でもこうして仕事を受けられるのであれば所属する必要性は感じない。
影使いの魔法少女達の問題が解決するまでは下手に所属を変えたくないというのもある。
「では帰りましょうか、今日はルナさんの珍しい姿も見ることができて嬉しかったですよ」
「……それは忘れてください」
そのまま最寄り駅まで車で送ってもらい今日の仕事は終了した。
後日、イナズマブレイドさんがロゼさん達の戦闘訓練に定期的に参加することになったり、七海さんとはお礼という体でお茶をしに行き、そこでサインを貰ったり写真を撮ったりした。
七海さんとはその後もプライベートでたまに会うような仲になったりしたがそれはまた別の話ということで。
魔法少女プロフィールNo.14
魔法少女イナズマブレイド 本名:
固有魔法:『紫電』……刀や自身に紫色の電気を纏うことができる、また超高速で移動することも可能。
戦闘スタイル:刀を使った近接戦闘を行う、魔法を使った高速戦闘が得意、最も得意な攻撃は居合。
好きな物:刀、和菓子、鍛練
メモ:1年前に討伐した魔人から受けた呪いによって利き腕が使えなくなり引退していた。
ルナに治療された事で復帰したが、年齢的にも引退が近いということで今は後輩の育成や緊急時の支援を行なっている。
幼い頃から剣術の修行をしていて、戦闘技術は極めて高い。
七条鈴音とは幼馴染かつ魔法少女としても同期である。
刀使いの魔法少女を出したかった……!