転生したらゼロだったのでCODEをちゃんと導きます 作:遺物
某国の刑務所に到着後、看守に護衛されながら通路を進んで行く
通路の両端の囚人たちから外国語で叫ばれる
意味は分からないけど、たぶん罵倒されているのだろう
看守が檻を警棒で叩いているのを気にせずに、厳重に閉じられた分厚いドアを開く
ドアの先にあるエレベーターには、地下に行くボタンしかなかった
約5分ほど下がり続け、ようやくドアが開く
そのドアの先に独房は一つしかなかった
独房の中には高価そうなペンダントや、宝石、絵画や銃火器まで
それらに囲まれて、男がくつろいでいた
「やぁMr.ジーク、調子はどうだ?」
男はこちらを一瞥するだけで、すぐ壁の方に向き直った
「君の力を見込んで、話しがあるのだが…」
話しかけるが、ジークは無視を決め込んでいる
「囚人番号Z001番!返事をしないか!」
看守がジークを恫喝すると、彼は振り向かずに私たちに話しかけた
「あんた…娘がいるだろう…?そうだな…もう2か月後くらいでに4歳になるころか?」
看守の顔一瞬で血の気が引いた
「き…貴様!口を閉じろ!」
俺は手を上げ、会話を制した
この状態だと会話にならないと判断したからだ
「君達、席を外してくれたまえ」
「ですが司令!」
看守を横目でにらみ、俺は命令する
「命令だ。席を外せ」
看守は何か言いたげに口を開いたが、仲間に肩を掴まれ部屋から出ていく
「ジーク…マフィアの家に生まれ、幼いころから殺人のノウハウを叩きこまれた」
相変わらずジークはこちらを見ようともしない
「そうして、そのマフィアすらも自身の手で壊滅。その後、刑務所に収監。悪人を中心に罰していったと…」
「俺は殺してねぇ…ず~っとこの独房に居たんだからな~」
俺はジークの性格を思い出す
今のジークに効くのは、とにかくコイツの興味を引く面白い話だ
それならば――
「君の力のことは知っている」
肩が少し動く
「…あ?」
「明晰夢の力…君は人の夢に入りこみ、殺人を行ったのち、被害者の物品をわざわざ独房に持ち帰っている…」
「…へ~?そこまで分かってやがるのか」
「君のその力を、世界平和のために使う気は無いか?」
ジークは壁を殴りつける
――怯むな俺
「つまんねぇこと言ってんなよ…?とっとと帰れ」
ここで俺は、絶対に在り得ないことをする
ある資料を取り出し、独房の中に投げ入れる
予知夢後のコイツの不変の目標
これで何かが変わるかもしれないという一縷の望みをかけて――
「――仮面ライダーゼッツ――この計画は、まだ組織でもまだ一部の者しか知らない」
ジークはようやく振り向き、資料を手に取り読み始める
「夢の力を自在に操り、この世の悪を撲滅する、エージェント…」
ページをめくる手が次第に早くなる
「これを見てもらった上で…もう一度聞こう。CODEに入る気は――?」
ジークは俺と資料を交互に見た
そして…資料を破り捨てた
「俺は悪夢を楽しむだけだ…分かったらしっぽ巻いて帰れ」
そう言うと、又ベッドの方へ歩き始めた
失敗か
最悪だよジーク
最終手段を使わないといけなくなったじゃないか
これだけは…本当に使いたくなかった
「これと…戦いたくはないか?」
ジークが歩みを止める
「――何?」
コレは確実にジークを引き込める策だ
ただ問題は…
「ゼッツは私の…いや、世界の夢だ。まぁ、君程度では壊せないだろうがね…だが、万が一、君の悪夢がゼッツを壊すようなことがあれば――この世界は悪夢そのものと化すだろう」
ジークの肩が小刻みに揺れる
「最高の…悪夢だとは思わないかい?」
「フフ…ハハハ…ギャハハハハ!」
ジークは独房の中で小躍りをしながら子供のように笑い続ける
ひとしきり笑った後、ジークは檻を掴み、こちらに語り掛ける
「良いぜ…?お前の悪夢に乗ってやるよ~」
言い終わるころに、ジークは俺の真後ろに居た
こんな能力原作にあったか?
まぁ、出来ても驚きはしないが
「じゃ、よ~ろし~くな?ゼ~ロちゃん?」
ジークは囚人服のまま歩いていく
ごめん莫
君は現状、この殺人鬼と戦うことが確定しそうだ
だが、ひとまずはこれでゼッツを餌にジークを抑え込めるだろう
次は
まぁ、彼女の対応は簡単だから、大丈夫だろう