転生したらゼロだったのでCODEをちゃんと導きます 作:遺物
俺がゼロに転生してから1年がたった
任務は順調に進んでいた
俺はジークとツーに指令を出していく
彼らは実力は確かだ
出した指令は必ず遂行してくれる
ジークのみだと暴走する可能性がある為、必ずツーを同行させるようにしている
そうして、いつも通りの会議が終わったある日のことだった
いつも通り部下から資料を渡される
だが、今回は少し様子が違った
「ゼロ、少しお話が…」
「何?資料外の報告があると?」
今までの報告で、資料に書いていないことなんてなかったはずだが
「い、いえ…」
部下は「耳を貸してください」というジェスチャーを取り、こっそりと話し出す
「以前ゼロがコレに関しての報告はゼロ個人にしろとのご命令をしていましたが…」
俺ではない、以前のゼロが出した指令
正直気になるな
「あ、あぁ。ゴホン!そうだったな」
部下を小部屋に手招きする
中に入り鍵をかけ、二人きりにする
「では、報告を頼む」
「はい、こちらをご覧ください」
そう言うと、部下は手に持ったタブレットを操作し、何かを映し出す
「どうぞ」
手渡されたタブレットには、子供が映っていた
自転車に乗っていて、肩を父親らしき男が掴んでいる
二人とも笑顔だ
「それで…どうですか?」
「ん?何がだ?」
「その…ご子息の様子です。もう…何年お会いになってないのですか?」
ご子息?
てことはこの子供は――
――万津莫
なのか?
そうだった
ゼロは子供の莫に危害が及ぶのを案じた
そうして、自身の部下を親代わりに、息子を育てさせていたのだ
「…そうか…きちんと、育っているようだな…」
「えぇ、そういえば、二週間後、彼の誕生日に様子を見にいくご予定ですよね?」
そういえばそんな描写があった
子供の頃の莫に会い、コードゼロイダーに乗せた
その記憶を薄っすらと莫は覚えていた
――会いたい
今すぐに彼に会い、幸せにしてあげたい
「そうだな。では、その日にまた声をかけてくれ」
「了解しました。それでは…」
彼と別れた後、自室に帰る
当たり前のように居座っているジークとツー
この光景も、一年も見れば慣れるものだな
人ってすごい
デスクの上を見ると、アイスのゴミが散乱していた
どうせジークだ
ツーはいつも通り几帳面で、頼んでないのに部屋を掃除してくれている
ありがたいな~
それはそうと、莫への贈り物を考えよう
彼はまだ子供だ
オモチャとかが喜んでもらえるか?
いや、お菓子とかの方がいいのか?
でもお菓子は親から与えられるものだよな
ゲームとか?いやいやいや
目が悪くなったらどうする
ここはスパイ映画のDVDだろう
既に憧れていればだけど
「う~む…」
「ど~うし~たよ~ゼ~ロちゃん?」
ジークがまた一瞬で後ろに周っている
もう驚かないぞ
「うむ…ツー、君も来てくれ。君達に聞きたいことがある」
「はい?なんでしょうかゼロ」
二人を目の前の椅子に座らせ、向かい合って話を聞く
「ま~た任務か~?」
「ハッ!そうなのですか?どんな指令でしょう」
「いやいや、そんな大きな事態ではないんだ…もっと、個人的な話さ」
俺はゲン◯ウのポーズを取り、真面目に聞く
「子供が…男の子なんだが、一番喜ぶプレゼントって…なんだと思う?」
「あ?」
「え?」
どうしよう
二人が口をあんぐりと開けたまま固まってしまった
「かなり浮ついた願いだというのは承知の上だ…だが、頼む。手伝って欲しい!」
俺には今の莫のことがなにも分からない
もう藁にも縋る思いなのだ
二人は相変わらず固まっている
「どうだジーク!何か案はないのか!お前が貰ったものでもいい」
「俺に聞くなよ…俺は…親父から初めてもらった誕生日プレゼントが拳銃だぜ?」
あぁ~そうだった…
すっごい悪いことを聞いてしまった
「あ、あぁ…なんか、すまない」
「私は…男の子のことはよく分かりませんが…オモチャなどでいいんじゃないでしょうか?」
「あぁ…だが、親から貰っているかもしれないんだ」
「え?息子じゃないんですか?その子供との関係性を教えてくれませんか?」
どうしよう
説明がとても複雑だ
「あぁ~…友人の子供だよ。サプライズしてあげてくれと頼まれたから、自分で考えているんだよ…」
「なるほど、だったら、親も子も食べられる物とかがよろしいんじゃないですか?」
そうか、家族全員の好きな物にするというのもアリか
「そうか、ありがとう。だがな~…う~ん…」
すると、しびれを切らしのだろうか
ジークが机に足をドンと置き、話し始める
「あ~まぁ、なんだ、ゼロちゃん。お前が渡して嬉しいモン渡せばいいんじゃねぇの?」
驚いた
ジークがこんなことを言ってくれるとは
「そういうのが、お前にとっても、ガキにとっても、いいんじゃねぇの?」
「ありがとうジーク!君の意見を聞けて良かったよ。ツー。君も、話しを聞いてくれてありがとう」
「ふん。そんなつまんねぇ話でいちいち呼び止めてんじゃねぇよ…」
そう言うと、ジークは紫のオーラの中に消えていった
「はい、こちらこそ、司令の助けになれて良かったです。でも…」
ツーがクスッと笑う
「どうしたんだ?ツー」
「いえ?司令にも人間らしい部分があったんですね」
「あ、すいません。失礼なことを…」
まさかツーにこんなことを言われるとは
ジークにも驚いたが、彼女にも驚かされた
「フフ…いや良いんだよ。むしろ、そういうことを言ってもらえて嬉しいよ。ありがとう」
「えぇ…では、私はこれで…」
彼女はドアから出ていった
ちょっと違和感を感じた自分が恐ろしい
ジークの瞬間移動に見慣れ過ぎているな
「さて…デパートにでも行くか…」
喜んでもらえるといいな