村長ってマ? 作:はじめてのERUHU
少し離れた森林の陰からフリーレンを観察していると、そこに一人のオレンジ髪の女性がやってきた。
うっひょお!ホノモンのフランメだ!
やっぱ物語上のキャラクターを生で見れるのは感慨深いなぁ。
「玉座のバザルト、魔王軍の将軍の一人だな。軍勢を率いて集落を潰しにきたってところか」
フランメが辺りを見回しながら言う。
ギリギリ聞こえる距離でよかった。
魔法なんて使ってみろ、飛ぶぞ(物理)
「こいつを殺したのはお前か?そこの死にかけ」
フランメが漸く地面にちょこんと座るフリーレンを見る。
うっひょお(2回目)!二人の出会いシーンだ!
「すごい魔力だ。お前、強いだろ? 魔族と正面から戦ったのか」
フランメが呆れるように笑う。
オット?あの名言きます?
「くだらねぇ。とんだ馬鹿だな」
キタァァァァアア!
フランメの価値観が大いに出てるよ出てるよ!
魔族はどいつもこいつも魔力インフレでバカ強い(会ったことないけど)
そこでフランメが思いついたのが魔力を隠蔽し相手を騙す戦法。
これが実際にピッタリ魔族の油断にフィットし効果覿面なのだ!
まぁ某無名の魔族が事前に見破っていたりしたけど。
「強い魔法使いの気持ちは分からねぇ」
ハッとすると、フランメがフリーレンに背を向け帰ろうとしている。
だがフリーレンが下を向いたまま、ポツリと呟いた。
「……わかるはずだ」
「は?」
「……あなたには私の気持ちが分かるはずだ……あなたのほうが遥かに強い魔法使いだから」
「へぇ……どうしてそう思った?」
「……なんとなく」
「お前、名前は?」
「……フリーレン」
うっひょお(n回目)最高や!
原作ファンとしてこれは興奮ものだ。
え逆にここ興奮しない人いるんすか?いねぇよなぁ!
そうこうしているうちに、フランメがフリーレンを抱えて去っていく。
あっちょっと待て。俺フランメの家がどこにあるかは知らねぇんだ。
漫画でも場所は明記されてなかったし。
極力魔力を抑えながら、俺は茂みの中を進んでいく。
前世でストーカーをしたことはないが、気配の薄さは随一と言われた俺を舐めるなよ!
フランメと名乗った人間の魔法使いは強かった。
村一番と言われた私よりも、きっと強い。
そして何より、魔族を殺す術を熟知していた。
魔力を誤差で欺いて殺す。
卑怯な戦い方だ。
魔法は互いの素直に技量勝負。
戦いはかくあるべき、それが今の魔法使い同士の暗黙の了解。
だけど、とても理にかなった戦法。
「お前は一生を掛けて魔族を欺くんだ」
魔力の制限は続ければ続けるほど疲れる。
隠蔽し続けるには、膨大な時間がかかる。
けど、不思議とやらないという意思は生まれてこなかった。
なぜかは分からない。
けど一瞬、村長の姿が脳裏に浮かんだ。
「今思うと、村長もやっぱり隠蔽していたのかな」
「へぇ、そんなエルフがいたのか?」
「うん。私の村の村長。私よりもはるかに魔法に詳しかった。だけど魔力は私の半分くらいだった」
「そいつは中々面白そうなエルフだ」
「不思議な存在だったよ」
「私らと同類だな」
「きっとまだどこかで生きていると思うよ」
「そうか。なら近々会えるだろうな」
その後。
フランメは弟子であるフリーレンに食料調達を任せ、一人外に立っていた。
「ずっと私らに付いてきてたよな?」
少し先の森の茂みに向かって口を開く。
「やっぱりバレていたか」
「そりゃあな」
誰もいなかったはずの茂み。
そこから一人のエルフの少女が姿を現した。
フランメと似た色の髪をした、朱色目のエルフ。
「何か用か?村長さんよ」
「そこまでわかっていたのか」
「それくらいしか思い付く存在がいないもんでな。それで、何か用か?」
「用って訳じゃない。ただフリーレンの心配みたいなものをしていただけさ」
「今は私の弟子だがな」
「……そうだね。これ以上の邪魔は無粋みたいだ。失礼するとしよう」
そう言って踵を返すエルフの少女。
フランメは彼女から立ち上る魔力を見た。
「なぁ、村長さんよ」
「?何かな」
「随分精密な魔力隠蔽だな」
その言葉に、エルフの少女の目が一瞬見開かれる。
「……気のせいさ」
そう言い捨てて、逃げるように姿を消した。
「……面白いエルフだな」
フランメはそう思いながら、フリーレンの教育をどうするか考えることにした。
「ーーーは?何アレ。は、え?なんで俺魔力隠蔽してることになってんの?怖っ。フランメ怖っ」
原作でお前、名前は?のあとフリーレンと答えずに進めてるの凄いですよね。
漫画ならではの工夫的なものが垣間見えて、改めて感動してます。
今回はわかりやすさ重視のために答えさせてます。
ありがとござましゅフリーレン