帆羽くれあヤンデレ概念   作:あわわわ

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バック!バック!2話を変更した!2話投稿日の23時半頃より前に見てくれた人たちは一旦戻って! 2話の最後のところ急遽変えたから!



お前ら探偵なのか⁉︎ そうなのか⁉︎

 

「ペンがなくなった、ね」

 

 店内の机、椅子の下などを漁りながら、俺はつぶやく。

 

 たった数分前の出来事である。一人の女の子が店の屋内へと駆け込んできたかと思えば、突然そんなことを告げたのだ。彼女はテラス席で食事をしていた客だった。

 

 名前は来栖エリザ。俺ほどじゃないが、結構な頻度でパティスリーチュチュを訪れている。俺も外で出会えば世間話をするくらいには仲がいい。

 

「くれあ、そっちはどうだ?」

 

「一応はレジ付近、厨房の方とかも探したけど、それらしいものはなかったよ」

 

 今、俺とくれあは手分けをして店内を捜索している。件のペン紛失はテラスでの出来事とはいえ、エリザは来店時に俺やくれあへの挨拶がてら店内にも顔を出していた。ので、何かの間違いでこちらに落ちているかもしれないとも思ったのだ。

 

 ちなみに店長とエリザ本人はテラス席を探している。

 

「あれ、コンクールの副賞でもらった貴重品なんだろ? 盗まれたとか、そういうこともあるんじゃないか?」

 

「そうね。さっきサインを求められて、応じようとしたらなくなっていたらしいわ。あの子のファンを疑いたくはないけれど、その可能性も否定はできない」

 

 そう。なくなったのはエリザがコンクールで手に入れた賞品だ。彼女はくれあと同じ16歳で、これまたプロの作家をやっている。

 

 パティシエ、作家、探偵と、俺の周りの十六歳はなにかとすごい奴ばっかりだ。

 

「うん。やっぱり事件性があるようなら、エリザさんにも相談して通報するべきよね。私、ちょっと訊いてくるから」

 

 くれあは俺に一言告げると、一度店の外へと出ようとする。ところが──

 

「くれあ、ちょっと待って」

 

 俺は咄嗟に彼女の手を掴んで、引き留めた。

 

「……え? ど、どうしたの?」

 

「ほら、これ見て」

 

 俺が指をさし向けて示せば、くれあの視線はそちらに誘導される。それは、テレビだった。

 

「……通信、障害?」

 

「ああ、今試したがやっぱり繋がんねぇな」

 

 テレビのニュースでは、ちょうどそんなことが報道されていた。俺は自身の携帯を用いて即座に試すが、言わずもがなその通り。ああ、それにしても間が悪いな。これじゃあ通報なんてできたものじゃない。

 

 こうなったら、俺が近くの交番まで全力疾走して伝えにいくか? エリザちゃんにはいつもお世話になってるし、それくらい全然やってやるぜ!

 

「……ロイくん、また変なこと考えてない?」

 

「考えてないさ! あとくれあ! 今から一緒に交番まで走らないか?」

 

「走りません! そもそも最悪の場合は店の固定電話があるでしょう? ほら、今の私たちに何ができるか真面目に考えて」

 

「……俺は至って真面目だったんだがな。まあいいや、とりあえず報告しにいくか。……てか、それはそうとさっきのことなんだけどさ」

 

「え、さっきのこと?」

 

 むむっと可愛らしく頬を膨らませていたくれあは、俺がそう言及すれば、たちまち不思議そうな表情を浮かめた。あ、これ言わない方が良かったか?

 

「いやほら、るるかの件」

 

 なんだかんだ有耶無耶にできそうだったけど、でもまあ禍根は残したくないので誤解は解いておきたい。そんな思いでさっさと訂正を試みた俺だったのだが、

 

「それはもういいよ。今はそれどころじゃないし、なにより…………私はロイくんのこと、信じてるから」

 

 くれあは顔をほんのり赤らめて、目線は逸らしたままそう告げた。

 

「……わお」

 

 やばいやばいこれはマジでやばい。可愛いどころの話じゃない。天使というか、もう神だと思う。くれははもう女神様でいいと思うんだ。それにしたって、なんて優しくて真っ直ぐな子なんだ。ちょっと、賢しらにも弁解なんぞ試みた数秒前の俺を、めった刺しにして殺してやりたくなった。

 

「……ありがと。俺も、絶対くれあが悲しむようなことはしないから」

 

「うん。ロイくんはいっつも私を笑顔にしてくれるから、きっと大丈夫よ。さあ、それよりもニュースのこと、エリザさんと店長にも早く知らせないとだよ」

 

「ああ、そうだな」

 

 ふわりと微笑んだくれあが今度こそ外に出て行ったので、俺もそれに続く。

 

 すると、

 

「あ、あれっ、繋がらない……!」

 

 すぐに目に入ったのは、亜麻色の髪の女の子。来栖エリザその人だった。

 

 彼女は案の定というべきか、焦って警察に電話をかけようとしていて、そして上手くいかずに困っていたのである。

 

「皆さん、どうやら通信障害みたいです」

 

「……帆羽さんに。それはどういうことだ?」

 

「ほら、見てくれ。ちょっとばかし電波がダメになってるらしい。電話もてんで繋がんないんだよ」

 

 くれあに聞き返す店長。手元に携帯があった俺は、その場で電話をかけて実践と共に説明する。

 

「あとエリザちゃん。どうか気を悪くしないんで欲しいんだが、さっき君にサインをもらいにきたっていうお婆さんについて教えて欲しいんだ。ちょっと俺としては怪しい気がしなくもなくてな」

 

 俺はエリザに尋ねる、が、

 

「ああ、ロイくん。それなんだけどね──」

 

「──やっぱりそうですよね!」

 

 なんだか予想に反して驚きもしないエリザと、もう一つ重ねられた聞きなれない少女の声。

 

「……ん? 君は」

 

 そこで俺は、新顔が三つほどあることに気づく。

 

 橙っぽい薄い茶髪の女の子と、赤紫っぽい濃い茶髪の女の子。そして俺よりいくらか背丈の小さい白衣の男の子。今声を上げたのは最初の子だ。推定するに中学生くらいだろうか。

 

「そうと分かればっ、わたし、お婆さんを探してきます!」

 

「待て、僕が発明したプリキット──探偵道具を持っていけ! このプリキットボイスメモなら通信障害も関係ないはずだ」

 

「プリキット? そ、そうなんだ! わかった。とにかくありがと! ジェットさん!」

 

 ジェットと呼ばれた白衣の少年に引き止められ、何かを渡され、お礼を告げた彼女は、そのまま走り出す。

 

 なるほど明細はわからないが、今のを聞く限り、やはりことの発端はお婆さん──サインを求めたらしいエリザのファンにあるかもしれないということで、話が纏まりかけていたらしい。

 

 そして、

 

「もしもし、あんな聞こえる?」

 

『みくる? うん、聞こえるよ! このプリキット、はなまるすごいね!』

 

「そうだね! じゃあ、私は今からペンがなくなった時のことを詳しく教えてもらうから。エリザさん、お願いしてもいいですか?」

 

「うん、もちろんだよ! むしろ私のペンのためにありがとうね」

 

「いえいえ。探偵ですから!」

 

 早速その〝プリキットボイスメモ〟なるもので通信を繋いだもう一人の女の子──電話越しにみくると呼ばれたその子は、エリザへの事情聴取を始めるとのこと。さっき走って行った方の子は、彼女からあんなと呼ばれていた。

 

 ただ、それよりも、

 

「(……プリキット。それに、探偵ねぇ)」

 

 こりぁあまた面白い事件に直面したらしい。それに、彼女らが首から掛けている懐中時計のペンダント。──あれはおそらく、と言った感じだろう。

 

 なんなら、さっきの子が持っていたポーチも気になるな。動いてはいなかったが、見た目はやけに妖精に似ていた。あれもプリキットだろうか? ……まさか、剥製とかじゃないよな?

 

 なんて、そんな怖い妄想をして勝手に怖がっていた俺だが、今度はみくるとジェットが走り出した。はてさて、随分慌ただしい連中だが、一体どうしたというのだろうか。なんか「そのお婆さんは怪盗団ファントムだよ!」などと言っていたが。

 

 ──怪盗団ファントム。

 

 色々あって盗みを働く怪盗組織のことだ。まさに読んで字のごとくだな。もうちょい名前捻れなかったのかね。

 

 というか、そのお婆さん怪盗団ファントムだったんだな。うーん、あの組織にお婆さんなんていたっけか? もしやるるかさん、見ないうちにちょっと老けたのかしら? …………なんて、冗談だよ。そんなこと言ったらもう無言で殺されるって。おそらく誰かしらの変装だろう。

 

 まあそれはそうと、だ。

 

 探偵にプリキット、不審な懐中時計、妖精みたいなポーチ。果てには怪盗団ファントム。ちょっと気になる要素が多すぎる。んで、俺は自分の好奇心には正直なタイプだ。思い立ったが吉日、ってね。だから追いかける!

 

「なあ、くれあ」

 

「あの探偵さんたち、あっというまに行っちゃったね……ってロイくん? どうしたのかな?」

 

 突然現れたかと思えば嵐のように去っていった探偵の少女たちに、目を丸くしていたくれあだが、俺が呼びかければすぐに返事をして笑いかけてくれる。可愛い。

 

 ……ああ、やっぱ追いかけるのやめようかな。このままくれあと一緒にいたい。さっきの気まずい雰囲気も無事に解消できたし、その一件で彼女の可愛さを一層に知ってしまった。もう店内に戻ってお茶会を再開したい。

 

 って、ダメだダメだ。俺はやるときはやるんだ。くれあのことになると、ついついこの世の万物とあらゆる理、物事という物事が、おしなべて些末事に思えてくるが、この追跡も長い目で見れば彼女のためなんだ。俺はあの探偵を追いかけるぞ!

 

「こんな時で悪いんだが、俺ちょっと予定を思い出したんだ。今すぐ行かなきゃならない。代金はツケといてくれ」

 

「えっ、ちょっとロイくん⁉︎」

 

「悪いなくれあ! 明日またくるから! 店長とエリザちゃんもまたねー!」

 

 突然の撤退宣言に驚くくれあに再度謝り、他の二人にも軽く挨拶をして走りだす。探偵たちが向かった方向からは少し迂回して。

 

「蓮堂くん、急いだら危ないから気を付けるんだよ!」

 

「ロイくんばいばーい! また今度ゆっくりお話ししようねー!」

 

 走りながらも振り返って手を振り返し、とりあえずはまた走る。

 

 よーし! 名探偵もどきロイくん! 頑張るぞ!

 




本編でのくれあの出番が少なすぎる!

ストーリー展開について(今後の展開を確約するものではない!)

  • ひたすらロイくんとくれあのイチャイチャ
  • しっかりしたストーリーが見たい
  • 作者にまかせるぜ!
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