~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~   作:ZAZAI

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カゲマルだけ『』で書くのは
しっくりのなかったので全員「」で統一します。

その代わり、
セリフの前後に動作を書いて誰が話しているか自然に伝わるように頑張ってみます。



第十二話 流れる季節

はい、今日はここまで!」

 

イルカの声が教室に響くと、張り詰めていた空気が一気に緩んだ。

 

「ありがとうございました!」

 

生徒たちが一斉に頭を下げる。

 

椅子を引く音、友達を呼ぶ声、笑い声。

 

教室は、いつもの賑やかさを取り戻していた。

 

「兄貴、帰るぞ。」

 

シカマルはランドセル代わりの鞄を肩へ掛けながら、窓際に座る兄へ声を掛けた。

 

カゲマルはノートを閉じると、小さく笑う。

 

「ああ。今日はチョウジも一緒か?」

 

「もちろんだよ。」

 

返事をしたのはチョウジだった。

 

「今日、新しいお菓子を持ってきたんだ。」

 

「また食べ歩きか。」

 

「修行の後のお菓子は別腹だからね。」

 

シカマルが肩をすくめる。

 

「全部別腹だろ。」

 

三人のやり取りに、教室のあちこちから笑い声が漏れた。

 

---

 

アカデミーへ入学してから、三年。

 

季節は何度も巡った。

 

春には桜が咲き。

 

夏には汗だくになって校庭を走り回り。

 

秋には落ち葉を踏みしめ。

 

冬には白い息を吐きながら手裏剣を投げた。

 

毎日は同じようで、少しずつ違っていた。

 

体は成長し、背丈も伸びた。

 

できなかったことが、できるようになっていく。

 

それはカゲマルも同じだった。

 

---

 

「変化の術!」

 

白煙が立ち上る。

 

ポンッ。

 

イルカの姿へ変わる生徒。

 

「よし、次!」

 

キバは勢いよく術を発動させるが、耳だけ犬のままだった。

 

教室が笑いに包まれる。

 

「なんで耳だけ残るんだよ!」

 

「アハハハ!」

 

ナルトは腹を抱えて笑った。

 

キバは顔を真っ赤にする。

 

「笑うな!」

 

「次、奈良カゲマル。」

 

イルカに呼ばれ、カゲマルは前へ出る。

 

静かに印を結ぶ。

 

「変化。」

 

煙が晴れる。

 

そこに立っていたのは、寸分違わぬイルカだった。

 

「おお……。」

 

教室から感嘆の声が漏れる。

 

「見事だ。」

 

イルカは頷いた。

 

「細かい癖までよく見ている。」

 

変化が解ける。

 

席へ戻る途中、サスケと一瞬だけ目が合った。

 

何も言葉はない。

 

だが、お互いを認め合うような静かな視線だった。

 

---

 

一方で。

 

「変化の術!」

 

ナルトの白煙が晴れる。

 

そこに立っていたのは……

 

「ぷっ!」

 

シカマルが吹き出した。

 

イルカの顔に、ナルト自身のヒゲが生えていた。

 

「また失敗だぁ!」

 

教室中が笑いに包まれる。

 

ナルトは悔しそうに頭を掻いた。

 

「なんでうまくいかないんだってばよ……。」

 

その姿を見て、カゲマルは少しだけ胸が痛んだ。

 

(チャクラの扱いが苦手なんじゃない。)

 

(九尾の影響で、繊細なコントロールが難しい。)

 

理由を知っている。

 

でも、それを口にすることはできない。

 

歴史を変えるためではなく。

 

ナルト自身が、自分で壁を越えるべきだから。

 

帰り道。

 

カゲマルはナルトの隣を歩きながら笑った。

 

「前より長く維持できるようになってた。」

 

ナルトは驚いたように顔を上げる。

 

「え?」

 

「前は一瞬で解けてただろ?」

 

「今日はちゃんとイルカ先生だった。」

 

「ヒゲ付きだったけど。」

 

ナルトは少しだけ照れくさそうに笑った。

 

「……見ててくれたのか。」

 

「ああ。」

 

「ちゃんと成長してる。」

 

その一言だけで十分だった。

 

ナルトは、さっきまでの落ち込んだ顔が嘘のように笑う。

 

「次は完璧にやってやるってばよ!」

 

「期待してる。」

 

二人の後ろで、シカマルが小さく呟く。

 

「兄貴って、褒めるの上手いよな。」

 

「本当のことを言っただけだよ。」

 

「それが難しいんだけどな。」

 

---

 

放課後。

 

校庭では自主練習をする生徒たちの姿があった。

 

サスケは黙々と手裏剣を投げ続けている。

 

キバは走り込み。

 

ヒナタは柔拳の型。

 

チョウジは木を相手に体当たりの練習をしていた。

 

カゲマルはその様子を眺めていた。

 

(みんな、自分の強さを見つけ始めてる。)

 

その時だった。

 

「兄貴。」

 

シカマルが空を見上げながら言う。

 

「そろそろ卒業だな。」

 

「ああ。」

 

「下忍になったらさ。」

 

「一緒の班になれるかな。」

 

少しだけ不安そうな声だった。

 

カゲマルは笑って肩を叩く。

 

「分からない。」

 

「でも、同じ里で忍をやることは変わらない。」

 

「それに──」

 

少しだけ悪戯っぽく笑う。

 

「もし別の班になっても、お前なら大丈夫だ。」

 

シカマルは一瞬だけ兄の顔を見たあと、ふっと笑った。

 

「……それ、兄貴に言われると安心する。」

 

夕日が二人の背中を照らす。

 

校庭に伸びる影は、入学した頃よりずっと長く、大きくなっていた。

 

その影が示すように。

 

少年たちは少しずつ、忍への道を歩み始めている。

 

そして数日後。

 

教室へ入ってきたイルカが、一枚の紙を掲げた。

 

「みんな、静かに。」

 

教室が静まり返る。

 

イルカは生徒たちを見渡し、静かに告げる。

 

「来月、卒業試験を行う。」

 

その一言で、教室の空気が変わった。

 

笑っていた者も。

 

眠そうだった者も。

 

全員の表情が引き締まる。

 

ついに。

 

アカデミー生活、最後の試練が始まろうとしていた。

 

班分けについて。カゲマルがどの班にするか迷ってます。皆さんの意見をお聞かせください

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