~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~   作:ZAZAI

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第十五話 違和感

 

夕暮れ。

 

卒業試験を終えたアカデミーは、昼間の賑わいが嘘のように静まり返っていた。

 

合格した生徒たちは、それぞれ額当てを手に家路につく。

 

笑顔で家族のもとへ走る者。

 

友人同士で喜びを分かち合う者。

 

その輪の中に、ナルトの姿はなかった。

 

「兄貴。」

 

アカデミーを出たところで、シカマルが足を止める。

 

「ナルトのこと、気になるんだろ。」

 

カゲマルは少しだけ苦笑した。

 

「顔に出てたか?」

 

「兄弟だからな。」

 

短い返事だった。

 

昔からシカマルは、カゲマルの些細な変化によく気付く。

 

「行くなら行けばいい。」

 

「え?」

 

「俺は先に帰る。」

 

そう言ってシカマルは額当てを肩に掛け、ゆっくり歩き出した。

 

「母ちゃんには俺から言っとく。」

 

「……ありがとう。」

 

シカマルは振り返らず、ひらひらと手を振る。

 

その背中を見送りながら、カゲマルは小さく息を吐いた。

 

「さすが、お見通しか。」

 

そう呟くと、ナルトが走り去った方向へ足を向けた。

 

────────

 

里のあちこちを歩いてみる。

 

一楽。

 

演習場。

 

お気に入りの丘。

 

どこにもナルトはいない。

 

「いないか……。」

 

その時だった。

 

校舎の裏手から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「ナルト。」

 

カゲマルは反射的に身を隠す。

 

声の主は、ミズキだった。

 

木陰からそっと様子をうかがう。

 

「先生……。」

 

ナルトはうつむいたまま立っている。

 

「落ち込むことはない。」

 

ミズキは優しい笑みを浮かべていた。

 

「実はな、卒業できる方法が一つだけある。」

 

その言葉に、カゲマルの心臓が大きく脈打つ。

 

(始まった……。)

 

知っている。

 

この後、ナルトは禁術の巻物を持ち出す。

 

ミズキはナルトを利用するつもりだ。

 

止めるべきか。

 

それとも――。

 

カゲマルは拳を握る。

 

(駄目だ。)

 

(まだ動くな。)

 

イルカが来る。

 

ナルトは影分身を覚える。

 

それが、ナルト自身の大きな一歩になる。

 

その未来まで奪ってしまっていいのか。

 

迷いが胸を締め付けた。

 

「火影様が隠している特別な巻物がある。

それを持ってくれば、卒業を認めてもらえる。」

 

ナルトの瞳に希望の光が宿る。

 

「本当か!?」

 

「ああ。」

 

ミズキは穏やかに頷く。

 

「これは二人だけの秘密だ。」

 

ナルトは何度も頷き、勢いよく走り去っていった。

 

その姿が見えなくなると、ミズキの笑みが静かに消える。

 

代わりに浮かんだのは、冷たい笑みだった。

 

「……単純なガキだ。」

 

その一言に、カゲマルの目が鋭く細まる。

 

(やっぱりか。)

 

教師の顔ではない。

 

忍としても、人としても。

 

あまりにも冷たい表情だった。

 

ミズキは周囲を見回すと、そのまま森の奥へ消えていく。

 

足音が聞こえなくなるまで待ち、カゲマルはゆっくり姿を現した。

 

「……ナルト。」

 

夕焼けが里を赤く染めている。

 

空を見上げながら、カゲマルは深く息を吸った。

 

未来は知っている。

 

だが、その未来にどう関わるかは、自分で決めなければならない。

 

(イルカ先生には知らせるべきだ。)

 

そう結論を出した、その時だった。

 

「カゲマル。」

 

聞き慣れた声が背後から響く。

 

振り返ると、そこにはシカクが立っていた。

 

「父さん……。」

 

「お前なら、ここにいると思った。」

 

シカクは息子の表情を見るなり、小さく眉をひそめる。

 

「何があった。」

 

カゲマルはすぐには答えられなかった。

 

真実をすべて話すことはできない。

 

だが、黙っているわけにもいかない。

 

「父さん。」

 

カゲマルは静かに口を開く。

 

「……ミズキ先生の様子がおかしかった。」

 

シカクの表情から笑みが消える。

 

「詳しく聞かせろ。」

 

夜の帳が、ゆっくりと木ノ葉を包み始める。

 

 

班分けについて。カゲマルがどの班にするか迷ってます。皆さんの意見をお聞かせください

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